梓澤要のレビュー一覧
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運慶に関する本を読んでいる。運慶がなぜ仏像を作るのか?という内面的な葛藤に迫って書かれていた。仏像に向かう姿勢が、心の葛藤の中から生み出されている。運慶にしか彫れぬ仏像がどう作られていったのか。そして、息子湛慶などをどう導くか。快慶との関係がジリジリするほどだ。
本書は、運慶の目で描かれている。...続きを読むPosted by ブクログ -
仏教の教えが、よく分かります。
仏教の教えはお坊さんだけのものではなくて、現代社会の中で忙しく働きながら、誰にでも心掛け一つでできる修業があるということがよく分かりました!
いい本に巡り会えました。Posted by ブクログ -
600ページの長ーい小説。でも飽きることなく最後まで面白く読めました。
梓澤要の本をはじめて手にとりました。男性の小説家と思っていましたが、読み始めると文章がなんだか女性っぽい。調べてみたら女性でした。
永井路子や杉本苑子の女性小説家の歴史小説が好きなので、親しみやすかったです。
梓澤要の別の小説も...続きを読むPosted by ブクログ -
ほぼ一千年前の時代を
市井の聖「空也」を軸に
描いた秀作
作家さんの想像力は
ほんとうに凄い
これまでにも 何度か
その思いは抱きましたが
六波羅蜜寺のかの空也聖人の像が
まさに息吹を吹き込まれ
その「念仏」が聞こえてくる
安時代の末期の混乱状況が
リアルに描かれている分
空也さんの吐息まで
伝...続きを読むPosted by ブクログ -
「阿弥陀聖」、空也の生涯を描いた小説。
「捨ててこそ」とタイトルにもあるように、空也は生涯にわたり、さまざまなものを捨てていく。
叡山の貴族に奉仕する仏教とも距離を取り、「市の聖」「阿弥陀聖」として、利他とすべての人の苦しみを救うことに身を捧げようとする。
現代人は「人を救う」ことに対し、まして...続きを読むPosted by ブクログ -
方丈記は、古文でもあり、無駄をそぎ落とした文章なので、作者・鴨長明はさぞ高潔な人物だと感じていたが、本書ではとても人間臭く描かれている。神職の家に生まれたが、生来の人付き合いの悪さと逃避癖から神官としては大成せず、下鴨社の正禰宜であった父の死後に零落していく様は、彼の棲む世界を巧みに泳ぎ切れない悲哀...続きを読むPosted by ブクログ
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歴史小説を多く書く梓澤要による小説。平安時代に「南無阿弥陀仏」と唱える念仏を広め市井で活躍した僧侶、空也の一生を描いている。仏教いいじゃんと思わせる内容だった。
以下ネタバレあり。
印象的なのは、信心深くない人も多い中で空也が地道に社会事業を営み、それを経て空也を慕う人が増えていったストーリー。社...続きを読むPosted by ブクログ -
鴨長明の生涯をテーマにした小説。武士中心の政治への転換が進む環境で、名家出身者の困惑と達観が感じられる一冊。方丈期はこういう心持ちで、描かかれたろうと感じられた。Posted by ブクログ
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わが背子が来むと語りし夜は過ぎぬ しゑやさらさらしこり来やめやも
(あの人が「来るよ」と約束したから、ずっと待っていたのに、夜はむなしく過ぎてしまった。もう金輪際、間違ってもやって来たりするもんですか。ええい、悔しいっ。どうしてくれよう。)
作者不詳のこの歌から作家の梓澤さんが紡いだ物語。
パッと...続きを読むPosted by ブクログ -
読んでる間は空也上人が側に居てくださるような、何とも言えない穏やかな気分でした。また会えると思えたら、死もそんなに恐いものではないように思えるし。
六波羅蜜寺にはまた行ってみよう。Posted by ブクログ