梓澤要のレビュー一覧

  • 井伊直虎 女にこそあれ次郎法師

    Posted by ブクログ

    大河ドラマを思い返しながら楽しく読み終えました。今の時代では信じられない激動の人生。その中でもがき苦しみながらも心優しい女城主。命尽きていく最後は涙でした

    0
    2025年11月28日
  • 方丈の孤月―鴨長明伝―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    下鴨神社の正禰宜惣官の総領息子に産まれ、何不自由なく育ってきた鴨長明。しかし父に先立たれ、後ろ盾がなくなったことで、ただの社人としての生活を余儀なくされる。30歳前後で婚家も追い出されて、身一つとなった長明。和歌にのめり込み、琵琶を極め、琵琶を手作りするまでになる。
    後鳥羽上皇の時、和歌所に任命されるが、それも後鳥羽上皇とのゴタゴタで手放す。実朝に請われ鎌倉下向、また帰ってきて、外山の方丈で方丈記を綴る。

    0
    2025年10月27日
  • 方丈の孤月―鴨長明伝―(新潮文庫)

    匿名

    購入済み

    神職の家に生まれながら、父の早逝と親戚の企みのほか、自身の性格も災いしてその地位に登ることができず、婚家からも追い出され、やさぐれていく鴨長明。
    あまりイメージのない人だったのだけど、かなりグダグダ具合で、はじめの方などはとても高名な随筆集を著した人とは思えないくらい。
    歌や琵琶など興味を持ったことにはかなりとことんのめり込むが、何かで挫折の兆しが見えてくると途端に放り出してしまうあたり、他人事とは思えない^^;
    晩年、最終的に色々なものを放り出し、小さな庵でそれまでに書き溜めてきた覚書などをまとめあげることは放り出さなかったんだな~とか・・・。

    0
    2025年02月17日
  • 荒仏師 運慶(新潮文庫)

    匿名

    購入済み

    平安時代末期の平家全盛の頃、運慶が生まれた奈良の仏所は京の仏師に仕事を奪われていた。
    平家による東大寺の焼討で長男を産んだ恋人をなくし、悲嘆にくれながら坂東へ向かった運慶は、そこで武士から仏像を彫るよう求められ、次第に自分のスタンスを確立していく。
    時代の趨勢は京の天皇家・公家から鎌倉の武士たちへと移行しつつあったが、まだまだ不安定。
    そんな中で仕事は次第に増え、東大寺の仁王像などだけでなく、各地でたくさんの仕事をこなしていくうちに、運慶の仏所は京の仏所をしのぐようになる。
    才能とか努力とか、なんだかそういったことを色々考えさせられた気がする。

    0
    2025年02月10日
  • 捨ててこそ 空也(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    人という存在は、なんとも我儘で、自分本位で、自分勝手で、ご都合主義で.....心底情けないが、それが人間なのですね。

    六波羅蜜寺に行きたい。

    0
    2025年01月19日
  • 遊部(下)

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    本能寺で織田信長は明智光秀に討たれる。津田宗及は明智に肩入れして商売を大きくしようとするが、思いがけず羽柴秀吉が毛利攻めから引き返してきたことで、すんでのところで乗り換えようとするが、千宗室に一歩及ばず。それゆえに正倉院の宝物への執着を深め、松永弾正の家臣だった村上新左衛門にその奪取をせっつく。
    遊部の由来が明かされる。古代の天皇家の殯をするにあたり、ネギとヨヒという二つの一族がその任を担ってきたが、殯もできなかった大津皇子の死に際しヨヒが消える。ネギは、その後光明皇后と藤原仲麻呂により正倉院の浄人として生きることを強いられた。遊部はそのネギの末裔だった。
    村上新左は山中で出会った破邪王に松永

    #アツい #深い

    0
    2024年08月25日
  • 遊部(上)

    ネタバレ 購入済み

    松永弾正久秀と三好勢の戦で東大寺の大仏殿が消失するところから物語はスタート。
    その後織田信長が正倉院を強引に開けさせ、蘭奢待を切り取らせ、さらに分割してばらまいた。怒りを覚えた東大寺の実祐は、古来からひそかに正倉院を護ってきた遊部にその回収を命じる。
    一方、信長とともに正倉院に押し入った商人で茶人でもある津田宗及は、その宝物にほれ込み、なんとか入手できないかと目論み、信長に反旗を翻して征伐された松永久秀の家人だった村上新佐に宝物の奪取を頼む。新佐は宗及の妾を寝取る。
    前の関白行空は、信長に滅ぼされた美濃の斎藤氏の家臣の娘お通を預かっていて、東宮の妃の侍女にするが、お通は信長の嫡男信忠と恋に落ち

    0
    2024年08月22日
  • 万葉恋づくし(新潮文庫)

    ネタバレ 購入済み

    万葉集の中から2首の短歌をモチーフにした短編が7つ。

    「紅はかくこそ」うかれ女(遊行女婦)に惑う下級官僚を、年下の上司である大伴家持が歌で諭すが効き目がない話。
    「弟」家持が、体が弱く気も弱くて出仕も続かない弟・書持(ふみもち)の将来を心配するが、その書持の言で橘奈良麻呂の変に連在するのを躊躇する話。
    「年下の男」年下の家持にかき口説かれる紀郎女が、久しぶりの恋に翻弄される話。
    「おその風流男(みやびお)」大名児をめぐる草壁皇子と大津皇子の話を、大津の内舎人だった大伴田主から大名児の妹の沙羅女が聞かされる話。
    「醜(しこ)の丈夫(ますらお)」田辺夏雄が主の藤原麻呂とともに陸奥へ蝦夷の征伐に行

    0
    2024年07月27日
  • 阿修羅

    匿名

    購入済み

    時代は聖武天皇の奈良時代。
    仏師田辺嶋は阿修羅像をつくるにあたり、出自のことで悩み荒れていた13歳の泉王子をモデルとする。
    泉王子は長じて橘奈良麻呂となり、父葛城王改め橘諸兄を扶けて、皇后光明子及び藤原氏と対立しようとする。
    聖武天皇の娘の孝謙天皇の代になって寵愛される藤原仲麻呂に反旗を翻そうとしたところで露見し、奈良麻呂は拷問死する。
    これまであまり気に留めてこなかった「橘奈良麻呂の変」についての物語を興味深く読んだ。
    奈良興福寺の阿修羅像の、怒りと哀しみのない交ぜになったように、ともすると泣き出しそうにも見える表情が、鬱屈を抱えた13歳の少年の姿だったとすると、なるほどと納得させられる気が

    #泣ける #切ない

    0
    2024年06月28日
  • 喜娘

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    奈良時代に遣唐使で唐へ行ったまま帰れなかった藤原清河が現地で結婚した妻との娘喜娘が、大伴嗣人に連れられて日本へ渡る表題作では、当時の船旅の困難さが詳しく描かれていた。
    「惜花夜宴(はなをおしむひとよのうたげ)」は、長屋王の従僕だった沼部年足が変から30年を経てその事件について佐伯宿禰真依に語る切ない話。
    「夏の果て」では聖武天皇の度重なる遷都についていけず奈良に取り残されていた皇后安宿部媛の皇后宮職の付属写経所の官人たちが、その政治について愚痴る話では、当時の市井の人の暮らしが生き生きと描かれていた。
    「すたれ皇子」は聖武天皇の異母兄弟母親の身分が低かったのもあるが、謀略のため臣下に落とされた

    0
    2024年06月09日
  • 越前宰相秀康

    Posted by ブクログ

    徳川家康の次男、結城秀康の物語。
    私の推し武将である。

    家康の長男・信康は母親の築山殿とともに、織田信長の命令で殺され(理由は、武田方と内通というのが定説)秀康は実質上の長男となったのだが、跡を継いだのはご存知の通り三男の秀忠だった。

    十一歳で豊臣秀吉の元へ養子という名の人質に取られ、秀吉に男児が生まれると要らなくなって放り出される。
    徳川家には戻れず、今度は下総の結城家に婿養子に出され(秀吉の命令でとある)当主となった。
    関ヶ原の合戦の折は、奥州の押さえという役目で宇都宮にとどめ置かれて連れて行ってもらえず(まあ、秀忠も真田に足止めされて間に合わなかったわけだけれど)。
    最終的には越前に

    0
    2024年01月17日
  • 荒仏師 運慶(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

     運慶に関する本を読んでいる。運慶がなぜ仏像を作るのか?という内面的な葛藤に迫って書かれていた。仏像に向かう姿勢が、心の葛藤の中から生み出されている。運慶にしか彫れぬ仏像がどう作られていったのか。そして、息子湛慶などをどう導くか。快慶との関係がジリジリするほどだ。
     本書は、運慶の目で描かれている。
    運慶は5歳の幼い息子に聞かれる。「お父は、どうして仏様を彫るの?」
    「それはな。木が仏様になりたがっているのだ。この木もそうだ、木の中にはな、誰かに役に立ちたい、誰かのために生きたいという願う気持ちが隠れているのだ。それを仏性といって、仏様の種みたいなものだよ。仏様のために、仏様を讃えるために、心

    0
    2022年09月30日
  • 画狂其一

    Posted by ブクログ

    面白かった! 
    鈴木其一が好きで見つけた本。
    人柄、時代背景もなるほどと思うし、何より絵師たちの衝動や情熱、生業としての絵を見る目線に頷かれられた。

    0
    2021年09月08日
  • 捨ててこそ 空也(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    仏教の教えが、よく分かります。
    仏教の教えはお坊さんだけのものではなくて、現代社会の中で忙しく働きながら、誰にでも心掛け一つでできる修業があるということがよく分かりました!
    いい本に巡り会えました。

    0
    2018年01月14日
  • 井伊直虎 女にこそあれ次郎法師

    Posted by ブクログ

    600ページの長ーい小説。でも飽きることなく最後まで面白く読めました。
    梓澤要の本をはじめて手にとりました。男性の小説家と思っていましたが、読み始めると文章がなんだか女性っぽい。調べてみたら女性でした。
    永井路子や杉本苑子の女性小説家の歴史小説が好きなので、親しみやすかったです。
    梓澤要の別の小説もぜひ読んでみたいです。

    0
    2017年01月10日
  • 越前宰相秀康

    Posted by ブクログ

    ちょくちょく井伊直政の出番があるのが嬉しい。女性陣も丁寧に描かれていて好感が持てる。けどね、家康の9男義直を紀州徳川家祖とか、そこ間違えたらいかんだろ!

    0
    2016年10月24日
  • 阿修羅

    購入済み

    阿修羅

    面白く古代史の具体的な人物がいきいきとでてきて一気に呼んでしまった!阿修羅像の謎めいた表情との関わりが・・

    1
    2014年03月21日
  • 越前宰相秀康

    Posted by ブクログ

    「愛されない息子」となってしまった秀康の悲劇的な生い立ち…やがて「なかなかの器量人」と声望が高まる中での嫉妬と“脅威論”…それでも尚、自分なりの理想を追う秀康と、お万を始めとする見守る人々…なかなかに好い物語だった。

    0
    2013年11月21日
  • 華のかけはし―東福門院徳川和子―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    徳川秀忠の五女、徳川和子東福門院。
    後水尾天皇に嫁ぎ、ニ男五女を得る。都人になんとか慣れ、天皇にも徐々に愛され、少しずつ自分の居場所を得て、国母として人生を戦い抜いた。

    0
    2025年10月05日
  • 荒仏師 運慶(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    仏師の仕事模様が読めるのかな?と思いきや、人間像でした。少ない史料から、よくぞ小説にして下さったと思う。
    南都焼討、文字で見るのと、情景を思い浮かべながら読むのとで違って、他の戦ものも、歴史の1ページに見過ごしがちだが、そこには血が流れた事を忘れてはいけないとつくづく思う。
    同時代を生きた歴史上人物もどんどん絡んできて、膨らみがあってとても良い。
    本末の解説は、「せんとくん」デザインの籔内佐斗司さんで、数ページだが興味深く読めた。

    0
    2025年03月09日