梓澤要のレビュー一覧

  • 万葉恋づくし(新潮文庫)
    Tさんのおすすめ。

    大伴家持、おおとものやかもち、という読み方ぐらいは知っているが、
    はてさてどこの誰だったか。
    万葉集を編纂した歌人らしく。
    歌、特に恋の歌を中心に物語が紡がれる。

    任官先の越中の女に夢中になった男。
    京の妻が乗り込んできたが、
    女の方は本気だったのか、気紛れだったのか。

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  • 越前宰相秀康
    全体の4分の一ほど割いて秀康の母お万の方が家康の側室となり秀康を産むまでを描く。秀康が家康に嫌われるのは出生が双子だと言う設定。家康に子供として認められず早々に秀吉の人質に送り込まれる。しかし秀吉の死と共に秀康の状況も変わってゆく。弟達秀忠、忠吉などは家康から見てまだ一個師団を任せるには経験不足そこ...続きを読む
  • 万葉恋づくし(新潮文庫)
    万葉集の和歌を通した短編集。
    一つ一つの話に大きな盛り上がりはないのだけれと、和歌が書かれた当時の文化・風俗が描かれていて、特に当時の食べ物(麦縄とか)は想像しながら読み進めました。
    もうちょっと、自分過去の頃の文化に詳しければ、和歌や情景がすっと入ってきたのかな。
  • 荒仏師 運慶(新潮文庫)
    運慶に全く興味なかったけれど、これ読んだら仏像見に行きたくなりました。
    面白かった以外にどんな感想を言えばいいのか考えないといけない本は辛い。
    ちなみにいちばん好きなキャラクターは文覚こと遠藤盛遠でした。盛遠が袈裟を殺害してしまう漫画を昔読んだことあって、懐かしくて盛遠を追っかけた。四字熟語がたくさ...続きを読む
  • 荒仏師 運慶(新潮文庫)
    稀代の仏師運慶の生涯を描く時代小説。
    醜い顔に生まれついた彼は、美しさに焦がれた。父の康慶に連れられ、玉眼を見た長岳寺。そして初めて己ひとりの手で仕上げた円成寺の大日如来を皮切りに、彼の仏師としての人生が始まる。
    彼を通りすぎる数々の女性、源氏と平氏の争い、朝廷と源氏の駆け引きの渦の中で彼は、奈良仏...続きを読む
  • 阿修羅
    てっきり阿修羅とは光明子のことかと思った
    悩める奈良麻呂
    橘諸兄と同母の母の息子・・・畜生の如く
    天智天皇も称制7年の長きにわたるのは、同父同母の禁を犯したからとも言われている(天皇継がせるのもおぞましいという理由)
    登場人物の描き方が残念なだけで骨太な中に悩める奈良麻呂が書かれている
  • 井伊直虎 女にこそあれ次郎法師
    本日始まる大河ドラマに間に合った!というのは、どうでもういいが
    この本は少ない直虎の史実に、歴史的事実を組み合わせて、
    小説というより歴史をたどるような感じだったので、
    そこを、どうドラマ化してあるのか、「大河」が興味深い。

    つまり、枠組みは理解したので、フィクション仕立てがカギ。
    という話も...続きを読む
  • 井伊直虎 女にこそあれ次郎法師
    久振りのノンフィクション?
    読み始めたら、次の大河ドラマの主人公と知れるが知らない方が良かった。
    原作本でないので無視して読んだがどうしてもテレビを意識せてこの場面は?と云う読み方、知らなかったくらい地味な存在をどう盛り上げるのか?
    伏線としては直政の血縁背景か?
  • 阿修羅
    歴史背景になぞらえた登場人物は、このころの歴史が苦手な人にはお勧め。史実に基づいた内容かはわかりませんが…ぱっと出で世渡り上手な藤原氏と優秀な皇族橘氏。政の戦略から忌まわしい血筋と陥れられても賢明に再起を狙うところが読んでいて苦しい。その心が仏像に投影されているんですねぇ~