梓澤要のレビュー一覧

  • 方丈の孤月―鴨長明伝―(新潮文庫)

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    下鴨神社の神職の家に生まれながらも
    プライドばかり高い卑屈で意固地な性格ゆえ
    零落し、最後は京の山中の庵で暮らした鴨長明の一生を描いた作品。

    怠け者で凝り性で、卑屈で・・・と
    ひどく人間くさい長明が最後にはすべてを捨て去り
    悟ったような心に落ち着くまでが切ない。

    ってか、神職から仏教へ乗り換えるってアリなんだ!と驚き

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    2023年03月08日
  • 荒仏師 運慶(新潮文庫)

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    珍しい仏師が主人公の作品。あまり残された資料が少ない中。時代考証に忠実に進めている感が強い。運慶の一人称での語りの進め方が厳かに、静かな雰囲気を醸しだす。それにしても火事が多い時代に仏師の苦労が偲ばれる。2023.2.1

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    2023年02月01日
  • 遊部(下)

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    完結。小説は完結したが、何も始まっていないような気もする。茶道と正倉院の下巻では、人生と価値を読んだ。いや、昔ってそうだよね、今ってどうなの、と。私は何に価値を見て、どう生きるんだろう。

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    2023年01月21日
  • 遊部(上)

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    まずい、つい下巻まで一気読みしたので、上巻の感想が書けない。時代小説あまり読まないけど、そのくらい面白かったという事。信長に振り回された上巻。描かれ方が両極よね。

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    2023年01月21日
  • 捨ててこそ 空也(新潮文庫)

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    【2022年23冊目】
    なんでこの本読んだのかと聞かれるとあれなんですけど、本棚にあったから…って感じなのですがこういう感じの本、初めて読んだかもしれません。小学生の時に歴史の人物の本は読み漁ってましたが…
    空也上人については表紙にあるように、口からなんか出してはる像の印象しかなくて、一通り読んだんですけど、「なるほど」みたいな感想しか出ませんでした…私が薄っぺらな生を歩んでいるがばっかりに。どちらかというと猪熊の一生の話の方が読みたいなとか思いました。いや、本当に感想が酷いな。

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    2022年04月04日
  • 方丈の孤月―鴨長明伝―(新潮文庫)

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    出世欲や承認欲といった社会の中にいることでしか得られない満足と、芸術家としての孤高の追求欲が、鴨長明の中で共存している。疫病と飢饉が相次ぐ中世世界の場面描写も見事。田舎の現実世界を体現するがや丸が清涼剤。

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    2022年01月27日
  • 万葉恋づくし(新潮文庫)

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    ネタバレ

    Tさんのおすすめ。

    大伴家持、おおとものやかもち、という読み方ぐらいは知っているが、
    はてさてどこの誰だったか。
    万葉集を編纂した歌人らしく。
    歌、特に恋の歌を中心に物語が紡がれる。

    任官先の越中の女に夢中になった男。
    京の妻が乗り込んできたが、
    女の方は本気だったのか、気紛れだったのか。

    通ってくるのが面倒になったから別れてくれと夫に言われた妻は、
    一旦分かった、と言いながら、
    結局、任官先についていくと言い出す。

    和歌は全く分からないが、お話としてはまあ面白かった。
    ただ、短編どうしの時系列が前後するので、
    もともと大伴家持やその時代の知識がない自分としては、
    歴史の流れについてい

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    2021年10月11日
  • 越前宰相秀康

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    全体の4分の一ほど割いて秀康の母お万の方が家康の側室となり秀康を産むまでを描く。秀康が家康に嫌われるのは出生が双子だと言う設定。家康に子供として認められず早々に秀吉の人質に送り込まれる。しかし秀吉の死と共に秀康の状況も変わってゆく。弟達秀忠、忠吉などは家康から見てまだ一個師団を任せるには経験不足そこで経験も豊富で将としての素質もある秀康は家康の便利な駒として使われる。全体的にもう少し家康との対立を全面に出して欲しかった。

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    2021年06月26日
  • 万葉恋づくし(新潮文庫)

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    万葉集の和歌を通した短編集。
    一つ一つの話に大きな盛り上がりはないのだけれと、和歌が書かれた当時の文化・風俗が描かれていて、特に当時の食べ物(麦縄とか)は想像しながら読み進めました。
    もうちょっと、自分過去の頃の文化に詳しければ、和歌や情景がすっと入ってきたのかな。

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    2021年01月11日
  • 荒仏師 運慶(新潮文庫)

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    運慶に全く興味なかったけれど、これ読んだら仏像見に行きたくなりました。
    面白かった以外にどんな感想を言えばいいのか考えないといけない本は辛い。
    ちなみにいちばん好きなキャラクターは文覚こと遠藤盛遠でした。盛遠が袈裟を殺害してしまう漫画を昔読んだことあって、懐かしくて盛遠を追っかけた。四字熟語がたくさん使われているのが、目についた。こういうののことを考えています。

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    2019年11月07日
  • 荒仏師 運慶(新潮文庫)

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    稀代の仏師運慶の生涯を描く時代小説。
    醜い顔に生まれついた彼は、美しさに焦がれた。父の康慶に連れられ、玉眼を見た長岳寺。そして初めて己ひとりの手で仕上げた円成寺の大日如来を皮切りに、彼の仏師としての人生が始まる。
    彼を通りすぎる数々の女性、源氏と平氏の争い、朝廷と源氏の駆け引きの渦の中で彼は、奈良仏師の集団を一流に引き上げて行く。

    運慶の描かれ方に好みが分かれるかな、と思います。
    仕事一途な男…それは反対に仕事だけを見つめ続け伴侶や子どもを置き去りにして行く男、というステレオタイプの男性像が投影されているなと感じました。

    しかし、数少ない史料や現存する仏像などから運慶の生涯の物語を組み立て

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    2019年08月21日
  • 阿修羅

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    てっきり阿修羅とは光明子のことかと思った
    悩める奈良麻呂
    橘諸兄と同母の母の息子・・・畜生の如く
    天智天皇も称制7年の長きにわたるのは、同父同母の禁を犯したからとも言われている(天皇継がせるのもおぞましいという理由)
    登場人物の描き方が残念なだけで骨太な中に悩める奈良麻呂が書かれている

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    2019年05月23日
  • 井伊直虎 女にこそあれ次郎法師

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    本日始まる大河ドラマに間に合った!というのは、どうでもういいが
    この本は少ない直虎の史実に、歴史的事実を組み合わせて、
    小説というより歴史をたどるような感じだったので、
    そこを、どうドラマ化してあるのか、「大河」が興味深い。

    つまり、枠組みは理解したので、フィクション仕立てがカギ。
    という話も私事で、どうでもいいか。

    時代がどうあれ
    長年生きてきて思うのは「自分は自分であること」ほど難しいものはないということ。
    甘えているわけではないが、自信がぐらつくことの多さ。

    ことの決断、実行、対処。
    すんなり出来たためしがないこと。
    これでよかったかの、反省・後悔、多々。

    ただ、事実が厳

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    2019年03月15日
  • 井伊直虎 女にこそあれ次郎法師

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    久振りのノンフィクション?
    読み始めたら、次の大河ドラマの主人公と知れるが知らない方が良かった。
    原作本でないので無視して読んだがどうしてもテレビを意識せてこの場面は?と云う読み方、知らなかったくらい地味な存在をどう盛り上げるのか?
    伏線としては直政の血縁背景か?

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    2016年12月13日
  • 阿修羅

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    歴史背景になぞらえた登場人物は、このころの歴史が苦手な人にはお勧め。史実に基づいた内容かはわかりませんが…ぱっと出で世渡り上手な藤原氏と優秀な皇族橘氏。政の戦略から忌まわしい血筋と陥れられても賢明に再起を狙うところが読んでいて苦しい。その心が仏像に投影されているんですねぇ~

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    2012年02月21日