あらすじ
奈良興福寺の阿修羅像。その少年のような姿かたちの仏像に面影を刻まれた男がいた。藤原氏の一族に生まれながら、光明皇后、藤原仲麻呂らの専制を憎み、打倒藤原氏に起ち上がった橘奈良麻呂。みずからの出生の秘密に苦悩し、謀叛を企てた罪で非命の最期をとげた奈良麻呂の生涯を描く壮大な古代ロマン。1300年の時空を超えて、阿修羅の物語がいま甦える。
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匿名
時代は聖武天皇の奈良時代。
仏師田辺嶋は阿修羅像をつくるにあたり、出自のことで悩み荒れていた13歳の泉王子をモデルとする。
泉王子は長じて橘奈良麻呂となり、父葛城王改め橘諸兄を扶けて、皇后光明子及び藤原氏と対立しようとする。
聖武天皇の娘の孝謙天皇の代になって寵愛される藤原仲麻呂に反旗を翻そうとしたところで露見し、奈良麻呂は拷問死する。
これまであまり気に留めてこなかった「橘奈良麻呂の変」についての物語を興味深く読んだ。
奈良興福寺の阿修羅像の、怒りと哀しみのない交ぜになったように、ともすると泣き出しそうにも見える表情が、鬱屈を抱えた13歳の少年の姿だったとすると、なるほどと納得させられる気がする。
Posted by ブクログ
てっきり阿修羅とは光明子のことかと思った
悩める奈良麻呂
橘諸兄と同母の母の息子・・・畜生の如く
天智天皇も称制7年の長きにわたるのは、同父同母の禁を犯したからとも言われている(天皇継がせるのもおぞましいという理由)
登場人物の描き方が残念なだけで骨太な中に悩める奈良麻呂が書かれている