【感想・ネタバレ】遊部(下)のレビュー

あらすじ

戦国の裏面史を描く圧倒的な面白さ! ――敵方の家来になりすます者、芸能一座として民衆の中へ入り込む者……密命を帯びた遊部たちは、目的を成し遂げるべく暗躍する。だがその矢先、再び正倉院が襲われ、遊部の祭主(ツカサ)が殺される。本能寺の変、千利休の台頭、破邪(はじゃ)王との邂逅を経て、明らかになる千年の謎! 圧倒的なスケールと面白さで魅了する、渾身の時代長編。<上下巻>

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匿名

ネタバレ 購入済み

本能寺で織田信長は明智光秀に討たれる。津田宗及は明智に肩入れして商売を大きくしようとするが、思いがけず羽柴秀吉が毛利攻めから引き返してきたことで、すんでのところで乗り換えようとするが、千宗室に一歩及ばず。それゆえに正倉院の宝物への執着を深め、松永弾正の家臣だった村上新左衛門にその奪取をせっつく。
部の由来が明かされる。古代の天皇家の殯をするにあたり、ネギとヨヒという二つの一族がその任を担ってきたが、殯もできなかった大津皇子の死に際しヨヒが消える。ネギは、その後光明皇后と藤原仲麻呂により正倉院の浄人として生きることを強いられた。遊部はそのネギの末裔だった。
村上新左は山中で出会った破邪王に松永が鬼の一族破邪の出だと聞かされ、その一族とともについに正倉院から宝物を盗み出した。
遊部は北野天満宮で関白となった秀吉が催した茶会でその行方をつかむ。
新左から堺で宝物を受け取った津田宗及は、その直後に遊部に取り返される。
遊部は宝物を正倉院へ持ち帰ろうとするが、その帰途新左と破邪王に襲われる。
しかし、実は破邪の祖はヨヒであったことが知れる・・・。

倭建命の殯の伝承からの壮大な遊部の歴史に、時々ついていけなくなりそうでしたが、感想を書くためにパラパラとめくり返してみて少しつながりました。
あとがきで、遊部さんという苗字の方がおられ、ご先祖が正倉院を護っていたということを作者が聞いたことが、この物語の発端であったことが書かれていました。
文庫のためのあとがきには「血の絆ではなく自分が遊部であろうとする心の絆」を描きたかったのだということが書かれていました。
確かに、たくさんの戦乱のあった時代を潜り抜けて、正倉院が現存していることは、奇跡的なことなのだと思いました。

#アツい #深い

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2024年08月25日

Posted by ブクログ

本能寺の変が起こり、物語は大きく展開していく。そして、遊部存在の本当のわけが明かされる。歴史の事実をなぞりながら、その中で登場人物たちの存在の意味がちゃんと生かされている。遊部の者たちも、呪術集団といいながら異能の持ち主ではなく、現実に生きる生身の人間として描かれていて、共感を感じることができた。力作だと思う。

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2019年10月07日

Posted by ブクログ

完結。小説は完結したが、何も始まっていないような気もする。茶道と正倉院の下巻では、人生と価値を読んだ。いや、昔ってそうだよね、今ってどうなの、と。私は何に価値を見て、どう生きるんだろう。

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2023年01月21日

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