伊勢田哲治のレビュー一覧

  • 倫理思考トレーニング

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    「道徳視がもっとも良くできる者が、もっとも道徳的に望ましい結果を生むとは限らぬのが、道徳というものの難しいところでもあり、面白いところでもあるのです」P428


    人に「倫理って結局何?」って聞かれていつも答えられなかったけど、「善悪」や「してもよい」、「すべきだ」といった事柄に関することを広く倫理と捉えて良いと書いてあった気がする(メタ倫理)。今後はこんな感じで答えようと思った。

    全体を通して最も書かれていると自分が感じたことは、「複視的視点」を持つことが重要ということだった。めっちゃ簡単に言うなら、自分からの世界の見え方以外に、他人の立場からの世界の見え方を想像して、それを行き来するよう

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    2025年11月27日
  • 倫理思考トレーニング

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    たいへんおもしろいので、社会的な問題や倫理的な問題についてネットでディスカッションしたい人はぜひ読んでください。最初の方は実は倫理学入門なので、いきなり第5章ぐらいから読んでもいいと思う。

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    私のようなものにいただきましたありがとうございますありがとうございます。てか、えらい本格的というかヘビーな本だな。

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    2025年09月15日
  • 哲学思考トレーニング

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    クリティカル・シンキングの理論と実践を俯瞰的に橋渡しする本です。あらゆる議論や主張について、する人・聞く人・興味がある人の全てが一読しておくべき、フラットかつ読みやすい本だと思いました。

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    2025年08月23日
  • もっと! 京大変人講座

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    第1弾に続いての。またもや第1章「地球の教室」からして、アリの話が面白すぎる。アリやハチが、オスとメスの産み分けをしているのはすごいね。章間の対談で、テレビの視聴者と製作者やテレビ局側から見るのでは見え方がまるで違うという話があるけれど、オケでも同じだなとは以前から思っていた。受け手側として関わるのと、送り手側として関わるのでは、見え方がずいぶん違う。どの章も興味深く読めた。続刊を希望。

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    2020年11月29日
  • 科学を語るとはどういうことか 科学者、哲学者にモノ申す

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    副題に「科学者、哲学者にモノ申す」とあるように、実際は宇宙物理学者が「科学哲学は科学の役に立っていない」と疑問を呈し、科学哲学者がそれに答える本。
    非常に面白い一冊で発見が多かった。
    須藤靖、伊勢田哲治両氏ともにそれぞれの分野ではそれなりの実力のある方だと見受けられますが、罵り合いにならないことをまずは寿ぐべきというレベルで噛み合わない。
    言葉の定義が異なると話し合うことすらできない。「原因」とは何か。「因果」とは何か。それを巡って定義を合わせようとするところ、つまり議論の最初ですでに同意できない。
    普段から論文や発表や講義という形で議論をこなしている学者同士であってもベースラインが違うと建設

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    2020年07月19日
  • 科学を語るとはどういうことか 科学者、哲学者にモノ申す

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    これは面白かった。下半期ベストに入るかも。科学哲学者と科学者(物理学者)が対談をするのだが、哲学者が物理学の研究を不毛と思うことはなくとも、物理学者は科学哲学の議論をざっときくと腹が立つようだ。プロの研究者でかつ科学哲学の入門書をいくつも見ているような人でも議論をある程度精密に理解してもらうのにこれだけの紙幅が必要なのかと驚いたところはある。いい加減にものを言ってはいけないなと思った。伊勢田先生が最後に、議論が包括的ではないからが入門向けではないかもと言っていたが、私にはちょうど楽しめる本だった。

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    2018年10月23日
  • もうダマされないための「科学」講義

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    科学と疑似科学の違いはなにか。科学とモード2科学。報道による科学のゆがみ。3.11以降の科学Communicationは科学知識の理解から対話へ。トランスサイエンス「科学に問うことはできるが、科学では答えを出せない問題群」の扱い。科学に対する態度を整理してもらった。

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    2018年10月20日
  • 哲学思考トレーニング

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    伊勢田氏らしい本。真面目だなあ、というのが最初の印象。とりあえず含蓄がありそう(で実は何も言っていない)なことを言っておけば哲学になると思っている人は、おそらくこの本をあまりよく思わないだろう。このような考え方がもっと普及すればよりよい世の中になるのではないか。

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    2017年01月30日
  • 哲学思考トレーニング

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    正しい前提を正しい論理で組み合わせれば、確かに正しい結論が導ける。しかし絶対確実な前提なんてないし、正しい演繹的操作は情報量を増やさない。だから絶対確実な結論を求めるのであれば、どれだけ論理的であっても、むしろその厳密さゆえに、目の前の問題に対して役立つような結論は出せるはずがない。

    もしも何か役立つ結論を出したいのならば、いくらか不確実なことも正しいとみなさないといけない。その際に、何をどんな理由で正しいと見なすことにしたのかということに自覚的であるべき。でないとコミュニケーションが成立しなくなる。

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    2014年11月09日
  • 科学を語るとはどういうことか 科学者、哲学者にモノ申す

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    科学哲学の価値に大きな疑いをいだく宇宙物理学者の須藤靖さんと,気鋭の科学哲学者の伊勢田哲治さんの科学哲学をめぐるかなり本気な対談.ずっと緊迫した会話が続き,読んでいてとても疲れた.だがとても勉強になった.

    頭脳明晰な二人が,あいまいな妥協なく,とことんまで話し,お互いを理解しようと懸命に努力をする.しかし,互いの問題意識をうまく共有することができない.話し合いでわかりあうことの難しさ!お互い熱くなって論争しているが,緻密に議論をすすめているのがすごい.

    私は戸田山和久「科学哲学の冒険」のレビューで「ここに出てくる(科学的実在論の)議論のほとんどは哲学者には大問題でも科学者にとってはほとんど

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    2014年10月11日
  • 科学を語るとはどういうことか 科学者、哲学者にモノ申す

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    科学哲学という業界に「アホがアホを再生産しているのではあるまいか」と疑念を持つ物理学者と,それを迎え撃つ気鋭の科学哲学者との対談。物理学者の須藤氏の半ば先入観に基づく(しかし科学者が科学哲学に対して抱く印象としては極めてまっとうな)疑問に対し,科学哲学の伊勢田氏が丁寧に答えていくというスタイル。対談本にしては,予定調和のないガチンコ対決という風情で非常に刺激的。だらだらしゃべって文字起こしという安易な作りではなく,事前の論点整理,事後のやりとりの反映や正確を期するための補足も入念になされていて,文章が散漫にならないのも良い。「科学を扱いながら科学界への具体的提案のない,独りよがりで内向きの学問

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    2014年09月29日
  • もうダマされないための「科学」講義

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    日本神経科学学会が脳神話への声明を出していることは他の教育関係の本では引用は見かけない。成績が良い児童には朝食をとっている児童が多いことから、朝食を食べると成績が上がるという間違ったマスコミの例(家庭環境が関連すると想定されるのだが)が掲載されているので、学生に関連と因果を考えさせるいい材料になるであろう。また、宝くじが当たるために、神社に祈ったか祈らなかったで本当にご利益があったかを調べるために、疫学の考えとして、以下の4マスで確率を考えるとしている。これは、学生にとってとても役に立つ道具である。例えば、電子教科書を使わなくて、成績上がった学習者をがすぐ頭に思い浮かべることができるという利点

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    2012年03月21日
  • もうダマされないための「科学」講義

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    良書だと思う。
    科学のあり方について、大学の研究者やライターなど様々な人が語っていて、新書ながら内容が非常に濃かった。

    科学というと、どうしても絶対正しいものだとか、必ず答えが用意されているものと思いがちだ。しかし、実際にはそうではなくて、不確実な面もあるということを忘れてはいけないだろう。そして、不確実な面もあるけれど、それをなるべく正しい答えを導き出そうとする、方法論についてはやはり信用に足るものだと思う。

    今回の震災で、科学の見方が大きく変わった。研究者も一般市民も科学の見方について、もう一度しっかりと科学について、理解する必要があるのではないだろうか?

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    2012年03月24日
  • もうダマされないための「科学」講義

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     トンデモ科学,似非科学など,人をダマす「科学もどき」が後を絶ちません。その内容は,「誰が見てもウソだろう」と思うものから,ちょっと見では気づかない科学っぽい話まで身の回りには実にたくさんあります。「誰が見てもウソだろう」と思うのにさえ誰かが引っかかるのは,人の弱さにつけ込むからでしょう。
     福島原発の爆発事故によって放射能が飛び散りました。放射能は確かに危険だけれども,その危険性を必要以上に煽って,金儲けにつなげようとしている人もいます。本書でもそういう事例が何例も取り上げられています。ただ,こういう例は姿・形を変えて次から次へと出てくるに違いありません。一つ一つに対処している訳にはいかない

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    2012年02月05日
  • もうダマされないための「科学」講義

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    ルセインコ問題
    マイナスイオン
    水からの伝言
    ゲーム脳
    疫学的思考ー4つの事象のデータを揃える
    エコナの発売停止
    遺伝子組換え作物
    ホルミシス効果
    ホメオパシー
    マクロビオティック
    EM菌

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    2011年11月09日
  • もうダマされないための「科学」講義

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     震災後,政府不信とともに科学不信が蔓延していて,その結果いかにも胡散臭い情報に引っかかって騙される人が増えているようだ。その処方箋。
     今回の原発などの問題は,科学自体の信頼性を損なうものではなく,科学が用いる方法論の有効性は,微塵も揺らいでいない。科学が有用であり,科学なしに現代社会の存続はありえないということは明らかなのに,従来の科学を忌避して損をするのはもったいない。
     第一章は,ニセ科学の批判をずっと続けている物理学者の菊池教授が執筆。ニセ科学とは,科学でないのに科学を装って一般の人を騙す言説だ。血液型性格診断,マイナスイオン,『水からの伝言』,ホメオパシー,ゲーム脳等。巧妙な宣伝で

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    2011年10月26日
  • 哲学思考トレーニング

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    ネタバレ

    本書は、論文を読んでいる学生は少なくとも実践しているであろう手法-クリティカルシンキング-を大まかに紹介・説明したもの。院生の多くはここに書かれている内容を自然と習得されていると思う(僕は習得途中)。それを改めて整理したもの。おおまかなメッセージとしては、「物事に対してはある程度疑ってかかるべきだけど、やみくもに疑うのは愚の骨頂。少しは考えて疑うべきか疑わないべきか考えるべきだよ」というもの。

    個人的には、倫理学についての話が面白かった。と同時に経済学に価値判断がなくて(?)よかったと改めて思った。

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    2011年09月23日
  • もっと! 京大変人講座

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    1つ目の蟻のお話が特に素晴らしかった。
    次席は最後の自己の中に他者が存在していること。
    ほかはあんまりおもんない

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    2025年10月09日
  • 哲学思考トレーニング

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    いわゆる哲学の本ではなくクリティカルシンキングの入門書
    作成する資料のセルフレビューの力を身につけるために読んだため、序盤の内容で十分であり、後半の内容は退屈だった。
    具体例が多いためわかりやすいが話が派生・分岐する傾向にありついていくのに疲れる本だった。

    ■学び
    ・批判は否定ではなく、中立的な立場で本当にそうなのか?を疑うこと
    ・議論とは前提→推論→主張
    ・主張を疑うには、前提を疑うか、推論が飛躍しているか

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    2025年05月31日
  • 哲学思考トレーニング

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    見るからに難しそうなタイトルで、中々読みはじめに勇気のいる内容だが、読み始めると意外な事に、すらすらと頭に入ってくる。要は日常的に「考えなければならない」シーンはビジネスに於いてもプライベートであっても、我々は常に物事を考え、判断して、そして決断して実際の行動に移っている。中々行動できない人、すぐに動き出すが、やり直しや失敗の多い人、更には何も考えずに不幸な結末に至るべくして至る人。ビジネスシーンでは特にこういった人は周りにはよく見かけるはずだ。そうした方々のみならず、自分自身にもそうかもしれない、そう心当たりのある方(私もそうだが)は、本書を読む価値は十分にある。当てはまるシーンが次々と思い

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    2025年04月28日