伊勢田哲治のレビュー一覧

  • 科学を語るとはどういうことか 増補版

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    物理学者と科学哲学者が平行線の対談を繰り広げ「あー、そうなっちゃうよね」と思わせる本。
    「実学」志向者が、もうちょっと他人にも伝わるように嚙み砕いた話し方をしたら? と言い、哲学の人が「それだと正確じゃない」と返す感じ…。
    大学生とかのうちにこういう議論をしておく価値はあると思う。大半の人はその後は実学方面に向かうのだけど。

    そういうすれ違い、簡単には決着のつかない議論を楽しむ本である。
    そういう楽しみ方(?)を想定してか、両者の意見がすれ違うような話題をあえて選んだという。また、物理学者も意図的に挑発的な言い方をしているような印象を受ける。

    なお、そもそも科学哲学は一枚岩ではなく
    「科学

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    2023年08月16日
  • 哲学思考トレーニング

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    クリティカルシンキングを理解するための書籍。哲学という名前があり、とっつきにくいかと思ったが、事例が多く分かりやすい内容であった。また、ロジカルシンキングにも役立つことも書かれており、論理的に考えるのが苦手で左脳を鍛えたい方には読んでもらいたい。

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    2023年01月02日
  • 科学を語るとはどういうことか 増補版

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     科学も哲学もよく知らずに読んだ上、ふだんからさして役に立たないことをぼんやり考えがちなので、読んでいるうちにだんだん辛くなってきたような…。 ここ数年大きな顔をますます大きくしてきた感のある「役に立たない学問」軽視は、これから先も本当に「役に立つこと」を得続けるのに不可欠な基礎部分をリスペクトしないので、薄っぺらで先細りの住みにくい世を招きそうです(で、もともと気持ちが沈みがちです)。とはいえ一方で「今すぐに役に立つ」以外の分野に社会性が少なくなりがちなことも確かにありそうで、それはそれで「だから余計大きな顔がどんどん大きくなっちゃうんじゃん!」と苛立ちたくなります(この本のことではないで

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    2022年03月05日
  • 科学を語るとはどういうことか 増補版

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    2003年の増補版である。それはp.309-349の40ページである。もし読むのであれば、旧版でいいかもしれない。
     理学部での科学哲学の重要性を指摘している。実際は科学から考えるというよりは、科学哲学をどう考えるか、ということであるので、文学部の哲学科で役立つであろう。
     卒論で教育学部の物理専修で哲学で論文を書こうと思っている場合には参考として役に立つかもしれない、

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    2021年11月27日
  • 哲学思考トレーニング

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    ふとした興味から手に取った一冊。
    読み進めてみると、現在執筆中の卒業論文を書く上で有用な情報が散りばめられており、一冊で二度美味しい本だった。
    アカデミックな筆者が書いた本なだけあって、明確な言葉遣いでクリティカルシンキングについての全体像を解説してくれていた。

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    2021年01月28日
  • もっと! 京大変人講座

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    【最変人】
    すばらしい。変人ぷりがすばらしい。

    人と違うことをしている人には魅力を感じます。
    最新技術をアートにする。この考え方すごいです!

    「全員が人とかぶらないで違うことを行ったら」どうなるのでしょうか。
    ・コミュニケーションが取れない
    ・グループで目標に向かうことできない
    デメリットとしてはこれぐらいでしょうか。

    ただ、その人の考え方を容認すれば、コミュニケーションが取れないことはないと考えます。私の考え方も一つ、あなたの考え方も一つというようにそれぞれの考え方が存在することを認めれば問題ありません。

    グループで成し遂げることは、結局、ひとりの人間が考えたことをその他まわりが共感

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    2020年06月14日
  • もっと! 京大変人講座

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    ネタバレ

    <目次>
    はじめに
    第1章  アリ社会の仁義なき掟~女王アリと働きアリの微妙な関係…市岡孝朗
    第2章  曖昧という真実~割り切れないから見えてくる、グレーゾーンに潜む可能性…伊勢田哲治
    第3章  アートはサイエンスだ!~アーティストと研究者,二足のわらじで見つけた日本の美…土佐尚子
    第4章  そうだ!宇宙に行こう!~手話と学問の意外な関係性…嶺重慎
    第5章  「できない」から「できる」んだ~「他人事」になる」社会の中で、自分を唯一性を持って生きる…富田直秀
    おわりに  「本能の声」に気づく、従う

    <内容>
    京大の変人講座第2弾。第4章、5章は深いですね。手話者は日本語を手話に翻訳するのではな

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    2020年04月21日
  • 哲学思考トレーニング

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    クリティカルシンキングについて学べる本。
    世の中にクリティカルシンキングの技法を説く本は数多くあれど,その原理や基本について述べている本は多くない。
    しかも,聞く側の態度だけでなく,伝える側の態度にも言及している。

    クリティカルシンキングについて学ぶならまずこの本を読んでみるといいだろう。
    本の最後に「結局、何がどうだったのか」という要約を入れてくれていることもとてもありがたい。

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    2020年01月06日
  • 哲学思考トレーニング

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    論理学や哲学、倫理、科学からの観点でクリティカルシンキングを学べる本。しかし、筆者が述べているように、本書はあくまでも入門的位置付けのため、本書のみでクリティカルシンキングを体得するのは心許ない。だから、本当に理解し身に付けるためには、巻末の参考文献を基に興味を持った分野を深掘りする必要がありそうだ。

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    2019年07月18日
  • もうダマされないための「科学」講義

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    5人の科学者、サイエンスライターがそれぞれの立場から「科学」について語ります。
    これを読んだから騙されないようにはならないですが、近年の「科学」周辺のトピックや考え方に触れる事ができて、面白く読めました。

    それぞれ、印象に残ったことを覚書。

    1.科学と科学でないもの(菊池誠)
    ・疫学的思考の重要さ。
    例えば、「やった・やらない」「効果あり・効果なし」をクロスさせた場合、「やらない」×「効果なし」が、見落とされがち。
    ・道徳を決めるのは、物質の性質ではない。歴史や文化。

    2.科学の拡大と科学哲学の使い道(伊勢田哲治)
    ・科学はモード1からモード2へと移り変わつつある。環境学、情報学など。

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    2018年12月21日
  • 哲学思考トレーニング

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    クリティカルシンキングを網羅した本。デカルトの懐疑の部分で、「確実」というカテゴリーを設けたら、より実りが多かったという話し、価値判断のあたりは新鮮だった。

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    2016年05月13日
  • 哲学思考トレーニング

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    正しい議論や適切は判断とはどのようなものかを哲学分野のトピックを土台に解説する議論についての入門書。
    時々、何が言いたいのかわからない箇所も見られたが、全体として実践までを視野に入れて丁寧に書かれた良書だった。
    前半は適切な議論の構造についての説明から始まり、その議論の妥当性を認めうる判断軸を分析哲学と科学哲学の分野からいくつも紹介している。
    後半は価値観の相違によって議論が停滞する事態をどのように乗り越えるかを紹介するエキサイティングで、非常に有用な内容だった。
    議論が白熱して核心に迫ったところでお互いの価値観が食い違いが発覚し、それ以降は建設的な議論が難しくなるケースというのは本当に良くあ

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    2014年10月27日
  • 哲学思考トレーニング

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    新書ではありますが、完成までに一年以上かかったという力作。クリティカルシンギングの手法を軸に、論点整理や議論のすり合わせ等を哲学的概念へリンクさせながら展開してゆく。面白い内容でした。

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    2014年09月27日
  • もうダマされないための「科学」講義

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    ゼロか百かで決めてはいけない。
    福島原発で科学・政府の信頼が揺らいだ。
    信じられるものがなくなり信じたいものを信じている。

    科学はコミュニケーションをとっていく必要がある。

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    2014年03月18日
  • 哲学思考トレーニング

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    わけあって再読。というか、何度目か覚えていない。
    何度読んでも、そのたびあらたな発見がある。そういう本を「名著」というなら、本書は紛うことなき名著だ。
    この論理性、この知性の切れ味、ただただ、感嘆してしまう。

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    2014年03月03日
  • 科学を語るとはどういうことか 科学者、哲学者にモノ申す

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    哲学者の伊勢田氏が辛抱強く、物理科学者に科学哲学とは何かを説明する内容。スリリングではあるが、哲学がどういう問題領域を設定しているのかについて須藤氏がなかなか理解しない様子(特に3章、4章あたり)は少しいらっとくる。

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    2013年07月22日
  • もうダマされないための「科学」講義

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    科学とニセ/似非科学のグレーゾーンについて考える一冊。基本的な事柄だが,様々な立場の著者の考えは参考になる。

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    2013年07月09日
  • 科学を語るとはどういうことか 科学者、哲学者にモノ申す

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    いただきました。ありがとうございます。これはおもしろい。



    これ読んでも科学哲学がどういうものかってのは一般読者にはよくわからんわけだけど、攻撃的な学者たちがどう議論していくか、ってのでは勉強になる。

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    2020年06月15日
  • もうダマされないための「科学」講義

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    ただ知識を与え理解を増進するだけではなく、その知識を踏まえて社会としてはどうすべきか対話する必要性があると気付かされた。

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    2012年10月23日
  • もうダマされないための「科学」講義

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    震災前に行われた講演をまとめたものと、震災後に加えられた文章からなる新書。
    章ごとに執筆者が分かれているが、そのことが議論に深みを持たせている。特に1章のきくまこ先生が書かれた似非科学の話はその後につながる重要な話となっており、何度か読み返した。
    この本には答えもヒントもほとんどないが、震災後という時間軸で科学が持っている問題点について浮き彫りにしていると感じた。

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    2012年08月01日