【感想・ネタバレ】哲学思考トレーニングのレビュー

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Posted by ブクログ 2017年01月30日

伊勢田氏らしい本。真面目だなあ、というのが最初の印象。とりあえず含蓄がありそう(で実は何も言っていない)なことを言っておけば哲学になると思っている人は、おそらくこの本をあまりよく思わないだろう。このような考え方がもっと普及すればよりよい世の中になるのではないか。

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Posted by ブクログ 2014年11月09日

正しい前提を正しい論理で組み合わせれば、確かに正しい結論が導ける。しかし絶対確実な前提なんてないし、正しい演繹的操作は情報量を増やさない。だから絶対確実な結論を求めるのであれば、どれだけ論理的であっても、むしろその厳密さゆえに、目の前の問題に対して役立つような結論は出せるはずがない。

もしも何か役...続きを読む立つ結論を出したいのならば、いくらか不確実なことも正しいとみなさないといけない。その際に、何をどんな理由で正しいと見なすことにしたのかということに自覚的であるべき。でないとコミュニケーションが成立しなくなる。

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Posted by ブクログ 2011年09月23日

本書は、論文を読んでいる学生は少なくとも実践しているであろう手法-クリティカルシンキング-を大まかに紹介・説明したもの。院生の多くはここに書かれている内容を自然と習得されていると思う(僕は習得途中)。それを改めて整理したもの。おおまかなメッセージとしては、「物事に対してはある程度疑ってかかるべきだけ...続きを読むど、やみくもに疑うのは愚の骨頂。少しは考えて疑うべきか疑わないべきか考えるべきだよ」というもの。

個人的には、倫理学についての話が面白かった。と同時に経済学に価値判断がなくて(?)よかったと改めて思った。

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Posted by ブクログ 2023年01月02日

クリティカルシンキングを理解するための書籍。哲学という名前があり、とっつきにくいかと思ったが、事例が多く分かりやすい内容であった。また、ロジカルシンキングにも役立つことも書かれており、論理的に考えるのが苦手で左脳を鍛えたい方には読んでもらいたい。

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Posted by ブクログ 2021年01月28日

ふとした興味から手に取った一冊。
読み進めてみると、現在執筆中の卒業論文を書く上で有用な情報が散りばめられており、一冊で二度美味しい本だった。
アカデミックな筆者が書いた本なだけあって、明確な言葉遣いでクリティカルシンキングについての全体像を解説してくれていた。

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Posted by ブクログ 2020年01月06日

クリティカルシンキングについて学べる本。
世の中にクリティカルシンキングの技法を説く本は数多くあれど,その原理や基本について述べている本は多くない。
しかも,聞く側の態度だけでなく,伝える側の態度にも言及している。

クリティカルシンキングについて学ぶならまずこの本を読んでみるといいだろう。
本の最...続きを読む後に「結局、何がどうだったのか」という要約を入れてくれていることもとてもありがたい。

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Posted by ブクログ 2019年07月18日

論理学や哲学、倫理、科学からの観点でクリティカルシンキングを学べる本。しかし、筆者が述べているように、本書はあくまでも入門的位置付けのため、本書のみでクリティカルシンキングを体得するのは心許ない。だから、本当に理解し身に付けるためには、巻末の参考文献を基に興味を持った分野を深掘りする必要がありそうだ...続きを読む

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Posted by ブクログ 2016年05月13日

クリティカルシンキングを網羅した本。デカルトの懐疑の部分で、「確実」というカテゴリーを設けたら、より実りが多かったという話し、価値判断のあたりは新鮮だった。

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Posted by ブクログ 2014年10月27日

正しい議論や適切は判断とはどのようなものかを哲学分野のトピックを土台に解説する議論についての入門書。
時々、何が言いたいのかわからない箇所も見られたが、全体として実践までを視野に入れて丁寧に書かれた良書だった。
前半は適切な議論の構造についての説明から始まり、その議論の妥当性を認めうる判断軸を分析哲...続きを読む学と科学哲学の分野からいくつも紹介している。
後半は価値観の相違によって議論が停滞する事態をどのように乗り越えるかを紹介するエキサイティングで、非常に有用な内容だった。
議論が白熱して核心に迫ったところでお互いの価値観が食い違いが発覚し、それ以降は建設的な議論が難しくなるケースというのは本当に良くある。そういった場合は価値相対主義を言い訳に議論を諦めていたが、本書ではそこの乗り越え方を具体的な形で提供してくれている。

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Posted by ブクログ 2014年09月27日

新書ではありますが、完成までに一年以上かかったという力作。クリティカルシンギングの手法を軸に、論点整理や議論のすり合わせ等を哲学的概念へリンクさせながら展開してゆく。面白い内容でした。

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Posted by ブクログ 2014年03月03日

わけあって再読。というか、何度目か覚えていない。
何度読んでも、そのたびあらたな発見がある。そういう本を「名著」というなら、本書は紛うことなき名著だ。
この論理性、この知性の切れ味、ただただ、感嘆してしまう。

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Posted by ブクログ 2011年09月20日

twitterや2chでうんこな議論があふれかえってるので再読しました。


哲学に興味がない人にもお勧めできるすごくまっとうな議論の本です。
価値判断は価値判断からしか導けないとか、反証主義の話とか、こういうのを義務教育でやればいいのにって思います。

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Posted by ブクログ 2011年09月13日

社会調査のウソ同様、批判的視座を獲得するための能力涵養の本です。
哲学的思考は決して無駄なものではなく、全体的な『俯瞰的』視点と微細な『違い』を峻別する力をつけるにはもってこいの入門書だと言えます。
コミュニケーションの齟齬や4枚カード問題に代表される理解力のテスト等、なかなかはっとさせられるもの...続きを読むがあり、大変面白く読めました。
ただ、少し説明的文章が多かったのが残念です。哲学思考の具体例がもう少しあれば……と思います。

そういえば、僕が中学生の頃、『自分の考えてる事は特殊かも知れないけど、例えば1%の人が僕と同じようなアイデアや考えを持ってると仮定した場合、日本の人口だと約1200万人が僕と同意見になって、その数字を勘案すると、僕のアイデアとかは全然特殊じゃ無いよなぁ』と思った事があります(笑)

批判的思考というのは、結構揚げ足取りみたいで、でも、対象を細部にわたって吟味し、『より良い』意見に進展させる重要なプロセス。その手法を平易に解説している良書です。僕の評価はAにします。

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Posted by ブクログ 2011年02月13日

クリティカルシンキング(批判的思考)入門。
ここでは物事を論理的に吟味して取り入れてゆくための方法を紹介している。しばしば使われる「批判」という言葉は、物事を否定するのではなく、分析して吟味するという程度の意味である。
紹介されている考え方の中には、無意識に出来ていることもある。しかし思考のツールと...続きを読むして整理しなおすと、つい見過ごしてしまう議論の盲点が発見でき、考え方に合理性とバリエーションが生まれるだろう。

クリティカルシンキングの心構えとして、
「間違いを認めるのを恐れないこと」
「自分の意見に感情移入しすぎないこと」
「批判は必ずしも自分自身に対する攻撃ではないことをわきまえる」
などを挙げている。どれも基本的なことに聞こえるかもしれないが、いざ実践しようとするとなかなか難しい。

一通り読むと分かるが、様々な手法が章をまたぎながら重複して紹介されている。結局どのような手順で考えていけば良いのか混乱するが、筆者もそれには気付いていたらしく、丁寧にも本の最後に「『結局、何がどうだったの?』という人のためのガイド」というものが付されている。方法論の整理と全体像の見通しに役立つ。

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Posted by ブクログ 2011年02月04日

屁理屈や果てしない懐疑を超え、筋道を立てて考えるのが哲学思考。その筋道のつけ方を分かりやすーく教えてくれる。
答えのない問や価値主張(価値判断)の相違に対する「哲学思考」の可能性と限界について 多く紙幅を割いている点もいい。ハウツー的なクリティカルシンキング本とは全く違う。
議論をすると、ついつい道...続きを読む場破りの様な気持ちになって、相手を論破することに心を砕いたり、「この人話にならないわ」と決めつけて心を完全に閉ざしたり…しがちな性格を改めて反省。

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Posted by ブクログ 2010年12月02日

グライスの対話原理の話を知ることができたのは収穫。
倫理パートが完全に理解できていない可能性があるため読み直してみよう。あと自然からの誤謬と自然主義的誤謬を私は混同していたらしい。。。

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Posted by ブクログ 2010年11月25日

思ったより長くかかってしまった…。
ほぼ毎日電車通勤になったのに、意外と時間がかかってしまった。わかりやすい例題とでも貴重な哲学の考え方が書いてある。日常生活で見落としがちな観点もあった。なるほど!こういう観点で議論していけばいいのか!と仕事の打ち合わせのことを頭によぎらせながら読んだ。

ただやっ...続きを読むぱり思考っていうのは題名にあるようにトレーニングが必要だから、継続的に実践して慣れていかないといけないんだろうなぁ…。

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Posted by ブクログ 2014年10月27日

[ 内容 ]
テツガクなんて小難しいだけで、日常の現場では何の役にも立たないのでは?
否、それは工夫しだいで思考のスキルアップに直結するものだ。
本書では、分析哲学、科学哲学、懐疑主義、論理学、倫理学などの思考ツールを縦横無尽に使いこなす術を完全伝授!
もっともらしい屁理屈や権威にだまされず、かとい...続きを読むって不毛な疑いの泥沼に陥ることもなく、一歩ずつ筋道を立てて考え抜くコツが身につく。
すぐにも応用可能なノウハウを習得しながら、哲学的思考の真髄も味わうことのできる、一粒で二倍おいしい知の道具箱。

[ 目次 ]
第1章 上手に疑うための第一歩―日常会話のクリティカルシンキング(まずは疑う習慣から 議論とは何か 議論の特定の手法 行間を読んで議論を再構成する)
第2章 「科学」だってこわくない―科学と疑似科学のクリティカルシンキング(「科学的事実」の持つ権威 今西進化論の事例 ほか)
第3章 疑いの泥沼からどう抜け出すか―哲学的懐疑主義と文脈主義(デカルトの方法的懐疑 方法的懐疑の破壊力 論理的展開 文脈主義の考え方)
第4章 「価値観の壁」をどう乗り越えるか―価値主張のクリティカルシンキング(価値主張 「生きる意味」の事例 ほか)
第5章 みんなで考えあう技術―不確実性と合意のクリティカルシンキング(地球温暖化をめぐる論争 不確実な状況における推論の問題 立場の違いに起因する問題 クリティカルシンキングの倫理性)

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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Posted by ブクログ 2010年09月25日

「価値観の多様性」も、ちょっと考えてみると、いろいろと検討の余地はある。例えば「生きる意味はあるか」ということ。「意味」の定義はどうか。生きることの「意味」をどんな文脈で言っているかにより、その解釈は異なる。日頃当然のごとく受け入れている論理をちょっと批判的にみてみると、そもそも「議論のルール」とも...続きを読むいうべき原則に反しているがために、議論の本質からずれてしまうことはないだろうか。そのことを見直す、基本的な事柄を教科書的に述べてある本。ただし、どれもほんとうに基本的なことばかりで、論理学や批判的思考の入門の入門といったところか。「議論の考え方」を紹介する、といった本である。この本自体はそうした性格をもっているため、本書を読み、自分の関心にひっかかった項目を、参考文献を手掛かりに勉強することで、はじめて深くなにごとかを学ぶことになると思う。文章はやや読みづらい。知識の度合いによっては、重要項目を拾い読みするだけでも十分。

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Posted by ブクログ 2023年04月23日

哲学思考トレーニングというタイトルであるが、内容はクリティカルシンキングの入門書。哲学、論理学、科学の視点から日常生活に活かせる思考のツールを提供してくれる。デカルトの方法的懐疑もクリティカルシンキングの対象に。

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Posted by ブクログ 2022年10月24日

・タイトル通り、「トレーニング」であった。具体例と手順が出てくるので、逐一、理解した/理解していない(もう一度読む)を判断しながら読み進めれば、血肉になり得る。ナナメ読みしようとすると、どの立場で話されているか見失うので、一文ずつきちんと読んだ方が むしろ速い。
・()括弧内の補足がいちいち、生徒と...続きを読む距離を縮めようとする教員みたいで愉快
・タイトル(から自分が想像したこと)とは異なり、クリティカルシンキングのトレーニングに終始した。これが哲学的思考の一歩だから、と説得されたが もっと実用的には見えない話 が出てくるかと思っていた。
とはいえ、『クリティカル・シンキング トレーニング』と題されていたら、「そンなの分かってら」と手が伸びなかったろうから、このタイトルで正解なのだなあ
・自分用の思考訓練として良い。他人との議論には、周囲の人がみんなこの本を読んでくれているならまぁ…
本書の中でも、お互いが許容できる地点からスタートせよとある通り、前提の異なる相手とは議論が難しい。

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Posted by ブクログ 2018年11月12日

クリティカルシンキングを哲学の方法論として解説してくれる本。哲学というより、論理学というほうがピンとくるが、哲学的思索における、ひとつのツールなのであろう。自動車と飛行機はどちらが安全か?などの具体的な題材を用いて解説してくれるのが、結構面白い。

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Posted by ブクログ 2018年11月04日

・疑う習慣を持つことはクリティカルシンキングのどんな技術論よりも大事
・自分の意見に感情移入しすぎないこと

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Posted by ブクログ 2017年11月30日

哲学的クリティカル・シンキングの入門書です。

クリティカル・シンキングには「修理型」と「改築型」があり、修理型のクリティカル・シンキングが「人間の思考はどういう間違いを犯しやすいかを学び、その間違いを避ける方法を考える」もので心理学などがベースになっているのに対し、改築型のクリティカル・シンキング...続きを読むは「どういうルールにしたがって思考すると正しい結論につながるか、という基礎の部分から考えていく」ものとされています。本書で扱われているのは「改築型」のクリティカルシンキングで、科学哲学や倫理学における方法論的な考察を組み込んだ内容が扱われています。

通り一遍の入門書ではなく、今西進化論を題材にした科学的言明の信頼性についての検討や、デカルトの包括的な懐疑に対する文脈主義の発想を利用した「疑う技術」の紹介、さらに、価値判断についての意見の相違を理性的な討論を通じて乗り越えるための技法などのテーマが考察されていて、おそらく著者自身の哲学的な立場が反映されているように思えます。個人的にこれらのテーマ自体に興味を覚えたので、おもしろく読み進めることができたのですが、その一方で、もう少し教科書的な叙述がなされている哲学的クリティカル・シンキングの本も手にとってみたいと感じました。

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Posted by ブクログ 2017年02月10日

うーん、論理的思考力を鍛えると思って読むと、話が若干小難しく書かれているような。。。

哲学書としてみても、うーん腹落ちしずらい。。。

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Posted by ブクログ 2017年05月05日

クリティカルシンキングの導入書的な本で、哲学についてのほんという感じではない。

ただこの本を通して哲学がどんな学問なのかということがおぼろげながらつかめた気がする。

哲学とは「〜とは何か」ということを突き詰めていくものであり、その中での思考方法、論理の組み立て、論理の妥当性の確認方法がクリティカ...続きを読むルシンキングである、といったところなのだろう。

そして論理の妥当性を徹底的に確認するための学問が「論理学」なのであろう。

哲学、論理学、クリティカルシンキングのつながりをなんとなくではあるがわからせてくれる本であった。

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Posted by ブクログ 2013年11月30日

全体を通して、文章が読みやすい。説明が上手である。まさに本書もテーマ、そのものを実現している。一度は、疑ってみる。あらゆる事象に接して生きている。疑う事を、方法、クリティカルシンキング、という方法を使うと、思考を整理しやすくなる。議論する場合、その手法についても紹介している。
例に使われている
科学...続きを読む的実証と疑似科学として「今西進化論」えお取り上げる。デカルトと懐疑主義、「生きる意味」を価値から考える。価値主張のクリティカルシンキングは、異なる価値観との対峙に役立つと思われる。
デカルトの方法の説明
方法的懐疑⇒デーモン仮説⇒思考実験
についての説明は分かりやすい。

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Posted by ブクログ 2012年05月12日

クリティカルシンキング=批評的思考の入門書。議論を前提-推論に分けそれぞれの妥当性を考えることが基本。行っていることは分かるが実際の会話や会議では、勘定になってしまうことや相手の立場などを考えてそこまでは突っ込めないぞというやつ。むしろ自分の議論のまともさを振り返る上で役に立ちそう。

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Posted by ブクログ 2011年08月02日

「クリティカル・シンキング(批判的なモノの見方)を紹介した新書。

他書の有名な本に野矢茂樹「論理トレーニング」(産業図書 1997)などがある。これに比べると、新書の枠内なのか、図や表が少ないので、あくまで入門書としての活用になると思う。

内容は、本当に基本を押さえているという感じだった。これは...続きを読む、確かに哲学的思考?といえば、哲学的思考だが・・・。

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Posted by ブクログ 2010年08月10日

1つ1つ言ってる事はもっともで納得できるんだけど、
明日からクリティカルシンキングの習慣が手軽に身に付くかといえばそうではない。著者が言うようにもう一度体系立てて理解しながら読み直す必要があるかな。。。むずかしい。

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