松沢裕作のレビュー一覧
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明治時代という時代の大きな変換期。
IT 革命の最中にいる現代、時代による脅威:簡単に言うと、時代の波に乗れるか、取り残されるか、という不安を漠然と持っている人が多く、自分もそんな一人。
明治時代も同じように、武士という職業がなくなり、社会が大きく変わる中で、近代化が自分の人生にデメリットとして働いてしまった人達も多かったはずで、そんな人達がこの変換期をどう乗り越えたのか。
そんなことを読んでみたくて読んでみたのだけど、そのような話ではなく、
社会制度在り方、特に保障制度が弱者に向けて作られていなかったこと、その要因として、「貧乏なのは努力が足りないから」という通俗道徳が人々の考え方の根 -
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明治社会が生きづらくないわけがない。家電もなければコンビニもスマホもないし。というレベルの低い話ではなくて、本書で特に勉強になったのは先ずは「生きづらさを測る指標」について。
明治の時代には、都市に下層市民の貧民窟があったというが、所謂、失業者のような存在で実入りがない。食べていけない。こうした存在に対するセーフティネットの有り様から、明治社会の暮らしを覗き見たのが本書。
現代でいう「生活保護」のような制度だが、それ以外の法整備も未熟である中、まだまだ弱者救済にまで行き届かない。それでも、恤救規則という1874年に制定された法令にたどりつく。現在の生活保護法に類似した役割を果たしていたのが -
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ネタバレ明治時代に関しては江戸時代が終わって、鎖国が終わり、産業革命で日本は近代化が進んだと教科書どおりの知識しかなかった。
大河ドラマや時代小説の影響で幕末のアグレッシブでエネルギーに満ちた時代から明治時代に移るあの時代は日本は凄く元気も未来もあって、現代より良いとさえ思っていた。当時の普通の人々の生活について、ちゃんと思いを馳せた事がなかったので、この本を読む事で視点が変わった。今までの社会システムがガラッと変わってしまうのだから、当時の普通に生きている大多数の人たちはとても不安もあっただろうなと思う。そして今と何だか凄く似ているな、と思う。明治時代から脈々と続いてきた資本主義社会が段々と限界を迎 -
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頑張れば成功する。
安丸良夫さんの提唱する明治期の通俗道徳に囚われているのが明治期の生きづらさと説かれている。
貧民窟、売春のような環境、貧民に対する視線の冷たさ、立身出世による頑張れば報われるという考え。
一見、努力=貧困からの脱出のように思われるが、努力した結果、環境からの脱出が出来なかった場合どうなのかという点が問われている。
明治期の生きづらさと現代の生きづらさは共通はする事があるのではというのが要旨。
共通化しているようで、一概にそうとも言えないというのが自分の意見。
明治期と現代の間を省略して論じるのは無理がある。
それぞれの時代に課題があり、環境も違う。
通俗道徳の概念に違いもあ -
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明治という社会が大きく動いた時期、その中での人々の日常はどうだったのかを紹介されています。そしてそれを現代社会との比較を通しての問題提起に結び付けられています。明治政府というのが生まれたばかりで力の無い(金の無い)存在であったことが、消極財政となり、社会的な弱者は後回しにされ、それを許容する社会風習があったこと。それは現代社会にも似たところがあり、それを学ぶことで、現代の闇を知ることにもつながります。そのうえで、現代社会の常識に対して、著者からの問題提起がなされています。
日本人は昔から変わっていないという根本的なところかもしれませんが、ひょっとしたら人間そのものの闇なのかもしれないなと思いつ -
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『運動が起き、それが広がるためには、「参加者の間で何らかの価値が共有されていること」そして「その価値が相手にも共有されていると考えていること」が必要』
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相手にも共有されていると考えていること、これが難しい。運動まで行かなくても、仕事の部下と上司の関係でも同じことがいえるんじゃないだろうか。多様な価値があると考えることのできる経験と想像力と余裕が必要だと思う。
『事実の認識問題は、「出来事レベルでの認識の共有に失敗」と「解釈レベルでの認識の亀裂」がある』
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出来事レベルでの認識の共有は日常でもよくある。それをなくすために丁寧にこまめに伝えようとするとそれはそれでくどい(笑)
でも、仕事 -
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大学教授等の専門家が、現代社会での事柄について、上から目線で述べたもの。本書作成の発想はとても良いと思うが、共著となっているので章によって、質にばらつきがあり、感動的な内容がある一方、読むに堪えない稚拙な部分もある。特に松沢氏の意見は、左翼的で賛同しかねる箇所が多く、また下から目線で本書作成方針に反すると思う。
「シェアリングが広まれば、人生の生活水準は上がりますが、GDPは上がりません。物を大切に使うことや、再利用に努めることも、やはりGDPを上げません。エコロジカルな暮らし方はGDPの上昇には結びつきにくい傾向があります」p15
「(勤労)まじめに労働にいそしむことを大切にする考え方は、