松沢裕作のレビュー一覧
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<目次>
第1章 歴史家にとって「史料」とは何か
第2章 史料はどのように読めているのか
第3章 論文はどのように組み立てられているのか(1)~政治史の論文の例
第4章 論文はどのように組み立てられているのか(2)~経済史の論文の例
第5章 論文はどのように組み立てられているのか(3)~社会史の論文の例
第6章 上からの近代・下からの近代~「歴史についての考え方」の一例
<内容>
歴史家が、自分たちの手の内を明かしながら、何を考えながら叙述しているのかを、本人の専門の近代史のカテゴリーの中で、政治史・経済誌・社会史と、少しアプローチの仕方が違う論文を、分析していく。歴史を学ぶ者た -
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頑張れば成功する。
安丸良夫さんの提唱する明治期の通俗道徳に囚われているのが明治期の生きづらさと説かれている。
貧民窟、売春のような環境、貧民に対する視線の冷たさ、立身出世による頑張れば報われるという考え。
一見、努力=貧困からの脱出のように思われるが、努力した結果、環境からの脱出が出来なかった場合どうなのかという点が問われている。
明治期の生きづらさと現代の生きづらさは共通はする事があるのではというのが要旨。
共通化しているようで、一概にそうとも言えないというのが自分の意見。
明治期と現代の間を省略して論じるのは無理がある。
それぞれの時代に課題があり、環境も違う。
通俗道徳の概念に違いもあ -
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明治という社会が大きく動いた時期、その中での人々の日常はどうだったのかを紹介されています。そしてそれを現代社会との比較を通しての問題提起に結び付けられています。明治政府というのが生まれたばかりで力の無い(金の無い)存在であったことが、消極財政となり、社会的な弱者は後回しにされ、それを許容する社会風習があったこと。それは現代社会にも似たところがあり、それを学ぶことで、現代の闇を知ることにもつながります。そのうえで、現代社会の常識に対して、著者からの問題提起がなされています。
日本人は昔から変わっていないという根本的なところかもしれませんが、ひょっとしたら人間そのものの闇なのかもしれないなと思いつ -
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『運動が起き、それが広がるためには、「参加者の間で何らかの価値が共有されていること」そして「その価値が相手にも共有されていると考えていること」が必要』
↓
相手にも共有されていると考えていること、これが難しい。運動まで行かなくても、仕事の部下と上司の関係でも同じことがいえるんじゃないだろうか。多様な価値があると考えることのできる経験と想像力と余裕が必要だと思う。
『事実の認識問題は、「出来事レベルでの認識の共有に失敗」と「解釈レベルでの認識の亀裂」がある』
↓
出来事レベルでの認識の共有は日常でもよくある。それをなくすために丁寧にこまめに伝えようとするとそれはそれでくどい(笑)
でも、仕事 -
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大学教授等の専門家が、現代社会での事柄について、上から目線で述べたもの。本書作成の発想はとても良いと思うが、共著となっているので章によって、質にばらつきがあり、感動的な内容がある一方、読むに堪えない稚拙な部分もある。特に松沢氏の意見は、左翼的で賛同しかねる箇所が多く、また下から目線で本書作成方針に反すると思う。
「シェアリングが広まれば、人生の生活水準は上がりますが、GDPは上がりません。物を大切に使うことや、再利用に努めることも、やはりGDPを上げません。エコロジカルな暮らし方はGDPの上昇には結びつきにくい傾向があります」p15
「(勤労)まじめに労働にいそしむことを大切にする考え方は、 -
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これからの社会をよりよくするためのヒントとして、一人一人が考えていかなければならないテーマを4人の著者が解説した本。取り上げられているテーマは、GDP,勤労、時代の分け方、多数決、社会運動、私、公正、信頼、等々全12項目。
できるだけ平易に書いてくれているのだとは思うが、それでも筆者にとってはまだ難解な個所が多かった。
そもそも本書カバーのイラストが田中圭一だったので、内容もそれなりにやわらかいものだと期待してしまったのが間違いだった。田中圭一の作品を知っている人には、カバーイラストは明らかにミスリーディング。
著者達、あるいは出版社側は確信犯なのか、それとも偶然なのか、田中圭一の起用に至るま -
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GDPに代わるもの=HDI(ヒューマンデベロップメントインデックス)。概してGDPに比例する。
国民総幸福量=GNH。
功利主義基準(全員の効用の足し算)、ナッシュ基準(掛け算)、マクミラン基準(最低のレベルに着目)。
どの基準が幸福の算定にいいか注意する。
日本人には「働かざるもの食うべからず」という背景があるため、生活保護や貧困対策よりも、公共投資による勤労のチャンスを用意することが大事だ、と考えるようになった。
日本の政治は、特定の誰かの利益、の寄せ集めになっている。教育の無償化、医療の無料化などみんなの利益となる分野が少ない。
選挙は決め方次第で結果が変わる。決戦投票方式やぼづ