【感想・ネタバレ】生きづらい明治社会 不安と競争の時代のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年12月16日

“貧乏してるやつは努力が足りないからだ”というのは正しいのか。努力すれば誰でも裕福になれるのか。歴史学者である著者が、誰もが陥りがちな「通俗道徳のわな」の理不尽さを、激動の時代だった明治時代と現代とを対比させながら、弱い者への優しい眼差しとともに明らかにしていく。

新自由主義に染まっちゃあ政治家と...続きを読むして終わってる。NISAとか国民に投資を勧めるなんて。国は税金を搾取しますけどあなた方にはなにもしませんと言ってるようなものでしょ。確かにそれで儲かる人もいるかもしれないけど、儲かる人がいるということは必ず誰かが損をするんだよ。それにすら気づけなくなるのが「通俗道徳のわな」。今の政府はそれをうまく利用しているなぁとつくづく思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年10月20日

「通俗道徳」(安丸良夫氏)が、本書の中で、明治時代(その延長である現代)の「生きづらさ」を説明する、非常に明快なキーワードの役割をしていて、本書の内容が非常にわかりやすかった。掲載されている参考文献も読んでみたいと思った。

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Posted by ブクログ 2022年10月27日

・明治社会と令和社会は同じ問題を抱えているようにみえる。
・松方デフレ→小作農の増加、格差の拡大
・「通俗道徳」は人々を競争においやった(社会の責任なのに「自己責任」の押しつけ)。これは現在も続いている。
・「家」が女性を酷使した。これも現在でも続いている。
・「家」の借金のために娘に「自分の意思」...続きを読む、「自己責任」で売春させる。これは経済的な強制による人身売買である。これも外国に輸出する感じで現在も続いている。
・日比谷焼き討ち事件等の騒擾。社会に不満をもつ若者がメイン層だった。
・我々も「通俗道徳の罠」にはまってしまってはいないだろうか。よくみる必要がある。
・『成功したものは正しく努力したものであり、失敗したものは努力をしなかったダメ人間である」という信念がいきわたると、このように「ダメ人間にならないためには、どんな手段をつかってでも成功する」という行動をとる人があらわれてきます。一見するとまっとうな、「成功するためには努力しなければならない」という通俗道徳の教えは、「どんな手段をつかっても、他人を蹴落としてでも成功しなければならない」という、過酷な競争社会を生み出してしまうのです』
→ 関東軍の参謀たちが暴走したのもこのことが原因だったと私は推測している。

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Posted by ブクログ 2022年10月10日

子どもの通っている中学受験進学塾の保護者向け情報誌のオススメ図書に掲載されていたので読んでみた。
日本の競争社会を激化させるのに加担(?)しているかのような最強進学塾のオススメ図書なのに、努力が報われるとは限らないという内容。
逆に安心する。
通俗道徳のワナにまんまとハマっていた就職氷河期世代の小市...続きを読む民な自分がTVや雑誌や日々の生活の中の情報に流されて批判していた特定の誰かではないどこかにいる頑張ってない(ように見えただけ)人に対する不満。その原因が自分の中の不満や不安がどこかの誰かの言葉と重なってできたものだったんだなと思った。

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Posted by ブクログ 2021年04月04日

近代日本のはじまりに「仕掛けられた」価値観が、現代の我々に深く内面化し「伝統」というラベルで、いかにも古くからある揺るがないもののように錯覚させられている。その結果の「生きづらさ」について、もっと考えたいし歴史から学びたいと思えます

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Posted by ブクログ 2019年09月15日

明治時代と現代を比較してみる、という発想が面白い。自己責任、失敗した者は努力不足、という傾向は明治からあったのだな、と。江戸時代という問題がありながらも安定したシステムが破壊されたこと。資本主義によって成功者と失敗者が明確に分かるようになったこと。それらが弱者厳しい社会となった原因な訳ですが…本書で...続きを読むは行き詰まった若者の暴動も明治にあった、と指摘されている。

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Posted by ブクログ 2023年08月19日

Twitterで見かけたこの本、読みやすい良書だった。
不景気、大きな社会構造の変化期による大衆の不安、家に搾取される女性たち、貧困者への冷たさ、競争社会、若い男性たちの暴動など。
切り口もわかりやすく、小学校高学年からでもわかるだろう。
作者の視線は、明治以降の、成功者=特別努力した者、という思想...続きを読むに嵌まる罠について集中して警句を発してくれる。
昨今の考えにもおおいに通じるこの感覚は、確かに怖いものだ。
この罠の背景にある物を見れば、日本社会が、自分は苦労しているのに、のうのうとして怠けている(ように見える)のに生活をみんなのお金から補填してもらうヤツへの冷たさがなにによって起こるのかわかってしまう。
狭い価値観、余裕のない社会、いずれも多様性の裏側に、弱く声のない誰かを追い詰めていく。

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Posted by ブクログ 2023年04月25日

「社会が大きく変化し、先行き不透明で、不安な現代社会は明治時代とよく似ている」と言われますが、明治時代の社会不安の原因や仕組みや問題点を丁寧に解説してある本書は、私達にとって、とても参考になるものだと思いました。
ぜひぜひ読んでみて下さい。

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購入済み

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2023年01月18日

久々に岩波ジュニア新書を読んだが、こんなに面白かったのかと驚く。以前はそんなに面白くなかったのに。
さて、本書の内容については、実に興味深いという一言に尽きる。詳細はネタバレになるから書かないが、この本は広く大人にも読んでほしいと思う。

#タメになる #深い

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Posted by ブクログ 2022年11月09日

明治時代は生き辛かった。国家が強調され、立身出世の競争を煽る社会であった。頑張ることに価値があるという通俗道徳の罠に陥っている。それは昭和の精神論根性論やガンバリズムにつながっている。

日本人は制度作りの経験が乏しいため、社会保障制度のような制度で救う仕組みを作るよりも個人に頑張らせる方向に働く。...続きを読む自由な競争が個人の自由や創意をもたらすのではなく、家父長制的な「家」同士での激しい競争を促し、女性の搾取にもなった。明治時代は江戸時代よりも女性の権利は後退した。

この流れの延長線上に軍部の暴走、十五年戦争への突入がある。戦後は民主主義的な考え方が主流となった。平和で豊かな生活を求めるようになった。人々の心の中には反戦思想が芽生えた。しかし、官僚制は残存し、昭和の精神論根性論やガンバリズムも日本型組織に染みついている。パワハラや出社ハラスメント、対面コミュニケーション至上主義にも見られる。

昭和の精神論根性論には「それで我々は成功してきたんだ、何が悪い」という開き直りもあるから始末に負えない。高度経済成長期やバブル期の「成功」は精神論根性論が上手くいったのではなく、何をやっても売れた時代だから上手くいっただけである。

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Posted by ブクログ 2020年08月14日

「貧しいのは努力が足りないから」「辛いのはお前だけじゃない」「日本にそんな余裕はない」と生活に行き詰まった人を批判するのは現代だけではなかった。明治時代もまた、そうであった。
明治政府はクーデターを起こした士族の政府で、実際カネはなかったのであるが、投票も一定以上の税金を納めた男子のみ、議員も金持ち...続きを読むばかりだから、当然自分の所属している階層が得するような社会を作る。そうするとますます貧しい人は救われない。
現在は、18歳以上なら投票できるし、被選挙権も収入とは関係なくある。しかし、国会を見たら二世三世議員ばっかり。小学校から私立で、お金の苦労なんかしたこともない人が政治のトップにいて、自分の所属する階層が儲かるような社会を作っている。
ということで、明治時代を専門にしている歴史研究者が明治の社会を解説する本ではあるが、現代はじゃあ、どうなの?という問題提起が実はメインテーマである。
まあ、暗澹たる思いがしますね。

勤勉、倹約、努力はそれ自体悪くはない。しかし、そうしたからって、成功や幸福が約束されているわけではない。これを信じ込みすぎると、極端な自己責任論に走りやすい。実際に歴史を見れば、個人の努力とは関係なく、マネーゲームや政治家の判断でインフレやデフレが起こり、突然職を失ったり、資産の価値が無くなったりすることが起きるのは明らか。これを自己責任にすれば、一部政治家、資本家の思うつぼじゃないか、とこれを読んで私も思った。
明治期の生きづらさの理由を解き明かすことによって、現代を生きる私たちの生き方を考えよう、という内容で、明治社会から今に続く「通俗道徳」に縛られる危うさは、知っておいて損はない。就職氷河期の人なんか、真剣に怒っていいと思う。

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Posted by ブクログ 2020年06月07日

この手の話はよく海外との比較で語られ、書き手と読み手の理解や認識に差が出てしまい、緻密に論理を積み上げても伝わらないことが多いように感じるが、これは日本という国の中での比較で面白いと思った。「貧困層」を中心に通俗道徳や生存者バイアスの話が主だが、もう少し明治時代における「普通/中流家庭」と「貧困層」...続きを読むの比較もあるともっと説得力が増すと感じた。

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Posted by ブクログ 2020年05月19日

岩波ジュニア新書なので中高生向けに平易に書かれており、1〜2時間もあれば読める。しかし、内容は重要。

この本のキーワードの1つは「通俗道徳」。明治時代には江戸時代の身分制社会の枠がなくなり、自由になった。しかし、人々は自由な競争社会の中で安心して暮らせるようになったのか。著者の答えは明快であり、頑...続きを読む張れば成功できるという「通俗道徳」によって競争を煽られる社会は決して安心をもたらしはしなかったということである。

近代の資本主義社会はこうした「通俗道徳」を形を変えながらも発信し続けており、今もなおそうである。もちろん、20世紀に入る頃には(つまり明治が終わり大正期に入ってくると)社会政策的な施策も採られるようになってくるが、十分なセーフティーネットとは言えなかった。

最初に松方デフレによる農民の窮乏が描かれている。松方のデフレ政策はあとから見れば、近代的な資本主義制度確立によって評価されるが、当時を生きた人々にとっては非常に厳しい経済政策であった。

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Posted by ブクログ 2019年11月30日

共同社会の一員であることを強要された江戸時代から個人主義の明治になって、自由になった一方で、セーフティネットが失われた。もともと資産なり身分なりを持っている成功者が「通俗道徳」を盾にしてセーフティネットを否定する、「生きづらい明治時代」を概説する一冊。
通俗道徳とは、勤勉、倹約、親孝行といった、これ...続きを読むといった深い哲学的根拠に支えられるまでもなく「良いこと」と考えられる行為のことである。この通俗道徳によって「ある人が直面する問題がすべて当人のせいにされる」。ひいては社会保障の否定につながるという話である。(安丸良夫の指摘を紹介している)

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Posted by ブクログ 2020年01月16日

講談社のブルーバックス。なので中高生対象に書かれたものですが、日本社会でこれから大人になる人にぜひとも知り考えてほしい内容です。格差の広がる現代日本社会で「自己責任」が叫ばれるのはなぜか?その原因は明治の日本社会経済状況にあるのではとの指摘なのですが、明治と今の社会状況を比較するとあまりにも似通って...続きを読むいる(つまり現代社会が明治時代まで後退している)ということがわかります。

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Posted by ブクログ 2019年10月30日

生きづらい社会ってのは、何によって生まれているのか?
ってのを、明治時代から学んでみようの巻
生きづらい社会を生んでいるのは、みんなの認識(通俗道徳)のせいなので、これを通俗道徳の罠と呼ぼうとしたところが、良かった。理解を簡単にするには、名前をつけてしまうのは有効だからだ。(まぁ、有効すぎて間違った...続きを読む認識が広まることもあるけど)

作者はいったん現代を離れて明治の分析をすることにより、他人事として認識させることで、現代も未だ蔓延している、通俗道徳の罠に気づかせたかったのではないだろうか。

通俗道徳の罠の根底に、教育すれば誰しも勉強や仕事ができるようになると言う、教育万能説が流れていることにも注目したい。教育すれば誰しも勉強ができると言う前提があると、勉強できないのは全部個人の責任になってしまう。んなわきゃねぇよ。とおじさんは思うのであった。

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Posted by ブクログ 2019年01月08日

生きづらい明治社会 松沢裕作 岩波ジュニア新書

薩長による明治のか依頼政治依頼
西欧式の競争原理に基づく
信頼関係を放棄して現物に執着する
不安と恐怖の時代に民衆は翻弄されてきた
この具体的な実態を
現象面から捉えた歴史観

民主主義を唱えながら
搾取と支配へと民に依存するねじれた政治を
考え...続きを読むる上で良い教材と成るかもしれない

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Posted by ブクログ 2019年01月07日

江戸時代や明治時代は人間性とロマンに満ちた社会にも見えるが、実際は底辺の人たちに、特に女性とってとても息苦しかった。資本主義社会が生んだ「通俗道徳」による息苦しさである。よく働き、倹約して、貯蓄さえすれば、人間は必ず一定の成功を収めるという(通俗)道徳観。裏を返せば、経済的に失敗し貧困に陥っている人...続きを読むは、努力を怠ったダメ人間だという考え方で、底辺から抜け出せない人々を苦しめ、自責に追い込む。実際には明治も今も努力すれば成功するとは言えない。あがきながら未来が見えずに苦しんでいる姿が共通する。

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Posted by ブクログ 2018年12月10日

社会の最下層に置かれ、自力で抜け出すことなど不可能であった人々に、上の階層の人々が向けた目を明らかにする。

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Posted by ブクログ 2018年12月03日

近代の夜明けとして、美しく語られることの多い明治維新だが
そのパラダイムシフトにふるい落とされ
都市の貧民が激増した時代でもあった
この本では、ワーキングプアの現代にイメージを重ねつつ
その実像を解説している
新政府は、中央集権を強めるために廃藩置県を行い
まず税制から変えていった
しかし、村で納め...続きを読むる形から個人で納める形に変わったことで
それを支払えず、土地を失う農民が続出した
西南戦争以降、増額の必要にかられた軍事費用の捻出に加え
諸外国の経済侵略に対する防御策として、デフレに転換した日本は
そこで迎える大不況の時代に対し
貧乏人は努力が足りぬといった自己責任論…
いわゆる「通俗道徳」でもって、国民の不満を抑えこんだ

そんな時期だ
日本の近代文学が本格的にはじまったのは

個人の努力をずるいと嘯く底辺層の悪平等主義が
下克上を恐れる富裕層のダブスタに利用されることもままある現実で
作者の主張に全面的な同意はできないけれど
いい本だと思う

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Posted by ブクログ 2018年12月02日

 明治とは一般庶民にとってどんな時代だったのか? 今,「明治の良き時代から学べ」というような言葉が政権側から盛んに出てきているような気がするが,ほんとうに,学ぶことはあるのか? 一度,立ち止まって冷静になって明治を学び直してみましょう。そんな本でした。
 クーデターで政権を取った明治政府(薩摩・長州...続きを読むたち)でしたが,お金がありません。そこで,考えたのが「廃藩置県」。税金をすべて政府に入るように無理矢理やります。地租の3%。しかし,これは固定だったために,またまたお金に困ります。すると,今度は紙幣を増やすというなんとも考えられない政策をし,インフレ社会に…。
 その後も,一般庶民にとっては,そんなにいい時代ではなさそうです。
 明治維新が大きな時代の変化を起こしたことは間違いありません。が,今,この時代に,明治の人の生き方から学ぶことってなんでしょうか。
 少々貧しくてつらくてもガマンして国家のために働く。そんな必要が今あるのか? もし,万が一あるとすれば,明治時代と同様に,どこかに無理が来ている証拠です。
 「貧民窟」や「恤救規則」などという言葉は,本書を読むまで聞いたこともありませんでした。やっぱり,勉強はするもんですね。
 本書で一番わかりやすかったのが「通俗道徳」の話です。「通俗道徳」は現代にも通じる日本人が持っている道徳心であり,現代もまた,ここをクリアしないと社会保障制度が立ちゆかなくなりそうです。実際,明治時代と同じような事を言い出している若者たちもいます。
 ビジネス書のコーナーから,成功物語ばかりを手に入れて読んでいるようでは,すでにあなたは「通俗道徳」の魔の手にかかっています。
 ビジネス書を読む前に,まずは,本書を読みましょう。 

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Posted by ブクログ 2018年11月16日

「通俗道徳」(安丸良夫)のわな、というキー概念により明治期の日本社会を分析し、現代日本の問題を考えさせる好著です。

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Posted by ブクログ 2023年09月03日

読みやすかった。江戸時代からの変貌は大きいものがあるのは分かっていたけどそれ故に大変だった事も多かったのだと知ることができた。

努力すれば必ず報われる精神が広まったのはこの頃だったのか

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Posted by ブクログ 2022年08月28日

頑張れば成功する。
安丸良夫さんの提唱する明治期の通俗道徳に囚われているのが明治期の生きづらさと説かれている。
貧民窟、売春のような環境、貧民に対する視線の冷たさ、立身出世による頑張れば報われるという考え。
一見、努力=貧困からの脱出のように思われるが、努力した結果、環境からの脱出が出来なかった場合...続きを読むどうなのかという点が問われている。
明治期の生きづらさと現代の生きづらさは共通はする事があるのではというのが要旨。
共通化しているようで、一概にそうとも言えないというのが自分の意見。
明治期と現代の間を省略して論じるのは無理がある。
それぞれの時代に課題があり、環境も違う。
通俗道徳の概念に違いもあり国民の役割も違うものを同列に扱うのは違うはずだ。
貧困対策に予算が回されなかった社会背景も論じないと一方的に明治は生きづらい社会と断定してしまうきらいがある。
一側面ではあるが為政者の思想も併せて理解しないと結論に厚みが出ないと思われる。

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Posted by ブクログ 2022年05月15日

明治時代の主に貧困層にフォーカスされている。

貧しいのは努力が足りないという、通俗道徳と言われる価値観は明治から始まっており、現代の生活保護を受ける者に対するバッシングのようね感情は、明治にもあるそうだ。
もう少し広く庶民の生活とかが分かる本なのかなと思っていたら、そうでもなかった。

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Posted by ブクログ 2021年10月18日

明治に生きる人

と、我々

生きづらいって人生で、自由かも

罠にハマっているって言われてもそうだと素直に思えないのは
私が今すでに罠にハマっているからなのかもしれない

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Posted by ブクログ 2021年03月11日

明治政府の誕生や廃藩置県といった政策を見ても、ほぼクーデター、大正初期までは暴動が絶えなかった。伝統社会に明治政府という「異物」が覆いかぶさって搾取しているイメージ、現代日本に重なる。しかし現代日本では政府への反乱が中々起きない、何故だろうか。

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Posted by ブクログ 2019年10月01日

明治という社会が大きく動いた時期、その中での人々の日常はどうだったのかを紹介されています。そしてそれを現代社会との比較を通しての問題提起に結び付けられています。明治政府というのが生まれたばかりで力の無い(金の無い)存在であったことが、消極財政となり、社会的な弱者は後回しにされ、それを許容する社会風習...続きを読むがあったこと。それは現代社会にも似たところがあり、それを学ぶことで、現代の闇を知ることにもつながります。そのうえで、現代社会の常識に対して、著者からの問題提起がなされています。
日本人は昔から変わっていないという根本的なところかもしれませんが、ひょっとしたら人間そのものの闇なのかもしれないなと思いつつ読ませていただきました。

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Posted by ブクログ 2018年11月22日

そうか、ここまで遠くなったんだな。祖父母が幕末に対して持っていた距離感が今の明治より近いんだと妙に感心。

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