山口仲美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
奈良時代から現代まで、いろいろな文献のオノマトペから「その時代の空気」を洗い出す。
「泣くこと」に対する時代の規範がこんなにも変遷があったのは驚きだった。笑いに対しても、いろいろなタイプの笑い方、雰囲気が読み解かれていっていた。
あと音に対する感覚は、本当に時代で変わるんだなぁというのは動物の鳴き声の描写研究で感じられた。
同じ文字でも発音が時代で違う、のもなんか想像を超えていた。
一番すごいな、と思ったのが後半の笑いに対しての章で、原文の文献の写真が出てくるが、「う」と「ら」、どちらが正しくもしかしたら書き写し時の間違いの可能性もある、など「研究」の片鱗が見られたのは本当に興味深かった。
大 -
購入済み
題名は知っていても、読破するには、ちんぷんかんぷんの古典文学。それを親しみやすく解説しています。清少納言を題材にした今、現在制作されているアニメ映画「つるばみ色のなぎ子」清少納言を知る初心者向けとしての参考本として購入しました。
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購入済み
ユーモアを忘れずに
家族ががんの宣告をうけ、いろいろと本を読み漁るうちに本書に出会いました。出来ることを積み上げて一日一日を大事に過ごせるようにしたいと思います。
誰しも病からは逃れられません。
諦めず、悲観せず、マイペースでユーモアを忘れずに。著者の思いが伝わる内容です。 -
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 男が「よよ」と泣いていた~男と女の泣き声の歴史
第2章 男は「はらはら」女は「さめざめ」~泣く様子の歴史
第3章 男が「ほほ」と笑っていた~笑い声の歴史
第4章 戦場の「どっ」と笑い~集団の笑い声の歴史
第5章 「にこにこ」対「にやにや」~笑顔の歴史
第6章 笑い声「ゑらゑら」の系譜
第7章 不審な笑い声「きやうきやう」と「きうきう」
第8章 日本語オノマトペの力
<内容>
国語学者の日本語オノマトペの研究の集大成。他国の言語には少ない「オノマトペ」(「擬音語」「擬態語」)。その豊富な表現が、時代によって違うことを研究していた作者。鳥や犬の鳴き声とかの表記を -
Posted by ブクログ
・山口仲美「日本語が消滅する」(幻冬舎新書)を読んだ。 私は金田一春彦のやうに日本語は消滅しない(275頁)と信じることができるわけでもな く、「あ〜あ、日本語はもうお終いかもしれない。そんなに遠 くはない将来を思って、私は愕然としました。」(15頁)といふほど悲観的にもなれない。 分からないのである。私の目で 現状を見る限り、日本語の消滅といふ事態には程遠いと思はれ る。30年以上前の金田一の言を信じても良ささうに思はれる。ところが、本書を読み終は つてみると本当にさう言へるのかとも思ふ。「未来を背負う子供たちが、自国語を十分にマスターしないうちに、英語教育を始めることは、将来的にその国固有