【感想・ネタバレ】すらすら読める枕草子のレビュー

あらすじ

NHK「100分de名著」でも取り上げられた、『枕草子』を縦横に楽しむ快著が文庫化!

忍ぶ仲のマナー、人としてのエチケット、他者を思いやり感動する心。
現代にも共通する大切なことは、みな、清少納言が書き留めていた。

清少納言の随筆『枕草子』を、男と女のエチケット・人としてのマナーから読み解くと、身近な事柄としてなんと鮮やかによみがえることか! 千年前の古典が現代のわたしたちと見事につながっていく。斬新な視点からの構成、対訳と秀逸な解説で『枕草子』の魅力を余すことなく引き出した快著、待望の文庫化!

この本は、現代にも通用する普遍的な側面に注目して『枕草子』を読んでみたものです。読み終わった後、きっと清少納言の率直な発言、鋭い感性や観察眼に魅了されていると思います。私も彼女が大好きです。ーー山口仲美

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Posted by ブクログ

わかりやすい現代語訳と解説で現代に書かれたエッセイのように読むことができる一冊。

1000年以上前に生きていた清少納言の考えに頷く場面も多い。

0
2023年10月26日

Posted by ブクログ

⁡十二単が可愛い、という理由だけで
もともと平安時代が好きだった。
小さい頃から、文系街道まっしぐら。
算数も数学も、大の苦手。
絵本や本、書くことが大好き。


『枕草子』は日本最古の随筆。
あの時代にすでに“エッセイ”的なものが
存在していたことが
当時のわたしには衝撃的だった。


初は単なる“日本で一番古い文章”くらいにしか思ってなかったし、内容を習ったあとも
「随筆?!この時代にエッセイ書いてたなんて!」
ということだけで
こんなにも繊細な文章だったなんてまったく気づいてなかった。


人が破り捨てた文を拾って読んだり
影に潜んで聞き耳を立てたり
とにかく好奇心旺盛。

歌人の娘でもあり、知的好奇心もあって
頭の回転も早い。
仕えていた中宮定子のさりげない一言から
何を求めているかをいち早く判断できる察知能力と行動力。
人としてのマナーにも厳しく
一見、他人に対して思いやりがないようにも思える。
でもそれだけじゃなくて
自分の惨めな体験を“すさまじきもの(がっかり、興ざめなもの)”に挙げる客観的な視点や、公平さもある。

他人批判がほんとうに辛辣だけど
その理由がわかれば
清少納言に惹かれる人もきっといると思う。

恋愛となると、乙女のようになってしまう一面が
また人間味あふれている。

清少納言、いろんな意味でどうにも他人とは思えない。(ふふふ。)


男女の文のやりとりや、逢瀬
日常の風景
人としての振る舞い
ほんの一瞬の自然の美しさ
その描写は、どれをとっても素晴らしい。

紫式部が、清少納言にライバル意識があったことも有名らしいけれど 
『源氏物語』のなかには
『枕草子』の構図と似ているものが
あちこちに見られるというのも、なんだか納得。


いま、大河ではちょうど紫式部が主役。
それでもわたしは
やっぱり、清少納言が好きだ。


いま、清少納言が生きていたなら
どんなエッセイを書くんだろう。

0
2024年01月28日

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