山口仲美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
言葉に関する書籍の中でも何度か名前を見たことがある、そんな本です。文庫化したみたいで、オノマトペ関連の本を探していたら見つけたので買いました。
この本はオノマトペの今昔を教えてくれる本です。どこかの本でオノマトペは過去と現在ではあまり変化がないと読んだ気がしたのだけど、この本ではその認識を大きく覆されました。
オノマトペで表記される鳴き声の違いは、それを聞いていた当時の人の聞こえ方によるものなのだと思うけれど、特に興味深いと思ったのは、本書のタイトルにもなっている犬の鳴き声。
「びよ」と「わん」が使い分けられていたらしい時代もあるとかで、「びよ」と聞こえていた時代は、死肉を貪り、野犬として徘徊 -
Posted by ブクログ
擬音語や擬態語が時代と共にどのように変化してきたかって言われてみればあまり意識したことがなかったかもしれない。だから現代の基準で考えたらそうは聞こえないんじゃないかと言いたくなるような言葉を沢山知ることができて新鮮だった。文章も堅すぎず読みやすい。
今と全然違う言葉で表現されていたり逆に今とほぼ同じ使い方をされている擬音語や擬態語を実際の例とともに紹介している。例文として使われている古典にはきちんと現代語訳がついてるので言語学や古典の知識がなくても楽しめる内容になっている。
動物の鳴き声を活かした文章や短歌が結構な数紹介されていて、昔から日本人はダジャレが好きだったんだなって少し微笑ましい気持 -
Posted by ブクログ
十二単が可愛い、という理由だけで
もともと平安時代が好きだった。
小さい頃から、文系街道まっしぐら。
算数も数学も、大の苦手。
絵本や本、書くことが大好き。
『枕草子』は日本最古の随筆。
あの時代にすでに“エッセイ”的なものが
存在していたことが
当時のわたしには衝撃的だった。
最初は単なる“日本で一番古い文章”くらいにしか思ってなかったし、内容を習ったあとも
「随筆?!この時代にエッセイ書いてたなんて!」
ということだけで
こんなにも繊細な文章だったなんてまったく気づいてなかった。
人が破り捨てた文を拾って読んだり
影に潜んで聞き耳を立てたり
とにかく好奇心旺盛。