佐々木裕一のレビュー一覧
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4つの短編。
タイトルとなった「鬼剣霧斬り」は珍しく左近が出てこない。人を斬ることに快感を覚えた鬼のような敵が、江戸で高名な剣士10人を闇討ちしていく。左近の友人の岩城と左近も10人に入っている。2人以外はみんな斬られて首が、ある藩に届けられる。達人が次々と斬られていくのに、岩城が立ち向かう。最後は非常に呆気無く終わってしまった。
他は、どうしようもなく民に害を与える高位の悪人が次々と現れ、左近が退治していく。悪すぎてスッキリ感は薄い。
最後の「恋女房」は、勘違いして家を出た娘に夫と息子ができるが、悪人に乗っ取られた商家に娘が連れ戻される。夫婦の愛情を感じられる中で、左近の側室が決定する。左近の古女房のお琴を思うと気が重くなってしまう。 -
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セカンドシリーズ第16弾。
実在した傑人・鷹司松平信平の活躍を描く、連作三話が収録されております。
さて、本巻は・・
・旗本屋敷ばかりを襲う「斬旗党」なる賊が出現。
信平も警戒に当たっていましたが、蓋を開けてみると実は狙われた旗本たちが過去に鬼畜の所業をなしていて・・(第一話&表題作「斬旗党」)
・信平の領地、鷹司町の椿長屋に越してきた、訳あり若様の正体とは・・(第二話「長屋の若殿」)
・遠州から江戸に出てきて、鷹司町に住む事になった兄妹の心の重しになっている秘密とは・・(第三話「闇夜の遠州」)
・・といった内容で、今回はいつもに増して悪者たちの胸糞度が強めだった気がしましたが、我らが信平様&信平ファミリーの皆さまが、悪党どもを成敗してトラブル解決してくれる安定の展開でしたのでホッとしました。
ところで、今回は三話とも江戸の話で、京にいる信政(信平の息子)のターンはありませんでした。
個人的に信政の成長を見るのが楽しみにしていたので、ちょっと寂しかったですね~。
因みに、前巻で信政と知り合ったのをきっかけに、江戸に出て新たな信平ファミリーの一員になった有泉劔くんは、五味さんの図々しさに若干引きつつも、そつなくお役目をこなしている様子です(出番は少な目)。
信政が江戸に帰ってくるのはいつになるのか、そして鷹司町が“町の幸福具合五十番”(町ランキング)で一位を取る日はやってくるのか・・(現在三十五位らしい・・てか、信平様が治めているのに低すぎやしないか?)、今後もユルく見守っていきたい所存です~。 -
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セカンドシリーズ第15弾。
第一話(表題作)「影姫」、第二話「血に飢えた刃」、第四話「美しき三羽烏」は江戸が舞台の信平サイドの話。
第三話「京の留守番屋」は京で学問を学ぶ、信平の息子・信政サイドの話。
・・・といった、連作四話構成となっております。
信平のターンでは、もはや安定のトラブルシューターっぷりで、訳ありの武家絡みの問題であっても(第一話)、血に飢えたサイコパスが相手でも(第二話)、タチの悪い半グレ(?)一味が絡んできても(第三話)、信平様がいっちょかみしてくれれば、もう大丈夫!という安心感がありますよね~。
一方、信平の息子・信政も頑張っておりますよ~。
師匠の道謙先生にはまだ及ばないところはありますが、京を騒がせている賊をバタバタ成敗しちゃうという、頼もしい姿をみせてくれます。
そして、第三話で信政との交流がきっかけで、鷹司家に仕えることになった、有泉劔も味のあるキャラクターで、今後の活躍を期待したいですね。
ところで、お初さんと五味さんは何だかんだでええ感じになってきている様子ですが、二人が正式に(?)くっつくのはいつになるのでしょうかね?
個人的には最終回でようやく・・と、なりそうな気がしております~w(なら、まだまだ先ってこと?) -
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シリーズは前作と合わせて32作目。将軍になるにはまだ時間が掛かるようだ。
白天狗での4話構成だが、1話目を除く3話が続き物。
第一話 秘里の女
新見左近の友人である岩倉が、賊とされる白天狗退治のために夜間の巡回中に出会った事件を中心に展開。殺害された浪人から浪人の妻に辿り着く。旗本の用人が絡む不正に妻が敵討に出向く。妻は秘里出身の忍者だった。
第二話から第四話
賊とされた白天狗は実は不正を糾す集団だった。黒幕に辿り着いたところ、首領の実家の家名断絶を企てた幕府の重臣でもあった。新見左近らの手助けで黒幕を倒し、世直し天狗と呼ばれることに。
どちらも新見左近の登場は遅く、ギリギリ過ぎるくらい。善人達が死ぬ直前になってしまうし、得意の葵一刀流も見せ場が少ない。また最終話の解決でも悪人の讒言で処断した最終判断者を罰せ無かったのが残念。 -
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私は忠臣蔵の話がとにかく好きだ。
諸説あるので色々な立場から語られる物語を読み
私の中の忠臣蔵を立体的にしていくのを楽しみにしている。
今作の主人公は浅野内匠頭の正室「阿久利」
幼少の頃から始まり、浅野内匠頭と出会い婚礼を迎え仲睦まじく暮らしている2人の場面が続くと
ああ、あと数年しかこの暮らしは続かないのだなと悲しくなった。
目線が浅野内匠頭の正室なので
討ち入りまでの描写は、良人を弔い、家臣たちに討ち入りや、自害などをすることなく安寧に暮らしてほしいと祈る描写や、嘆願書や文を描く場面しかない。なんて、もどかしい想いだったのかと思う。
そして討ち入りが果たされたあとも、忠臣たちの助命を願い、せめて妻子たちに罪が及ばぬよう、またもや祈るだけの姿は切なさとあきらめに似た感情になった。
そして遥泉院(阿久利)が命を全うし幼い頃から側に支えた落合が故郷に戻る場面では、夫に翻弄された人生を懸命に生きたねと伝えてあげたくなった。 -
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徳川綱吉と柳沢吉保という悪政のように言われる組み合わせがベースにあり、今回も徳川綱豊(左近)に対する恨みからの犯行と爽快感が少ない内容。
綱吉の娘が死んだ事から、次期将軍争いに脱落した紀州。紀州の重役が綱豊暗殺のために暗躍する。もう1組は、綱豊に成敗された旗本の家臣。どちらも綱豊に恨みが行くように、綱豊を装って攻撃を仕掛ける卑怯なやり方。悪辣な盗賊として皆殺しし数万両を盗んだものも。
救いは若き徳川吉宗の活躍。紀州内部の犯罪を見事に仕切ってくれた。
歴史を調べると、綱豊が西の丸に入ってからも将軍になるのは15年後のようなので、同じような闘いがこれからも長そう・・