黒木登志夫のレビュー一覧

  • 知的文章とプレゼンテーション 日本語の場合、英語の場合

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    まさかこのタイトルの本に、谷崎や三島の名前を見ることになろうとは、思っても見なかった。

    著者の黒木先生はがん研究者であり、それがこの本の購入動機にもなった。

    「知的文章」に関しては、先の日本の文豪等からも引用し、その教養の広さに驚かされた。

    「プレゼンテーション」に関しては、正直、あまり学ぶところがなかった。
    というよりも、先生とは考え方が合わないようである。先生は、あまり派手なプレゼンを好まないようであるから。

    「日本語と英語」に関する考察も非常に興味深い。
    "Globish"や"Glopanese"という造語は、これから私にとっては、キーワー

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    2012年11月19日
  • 落下傘学長奮闘記 大学法人化の現場から

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    40年間研究だけをしてきた基礎医学者が、突然、地方国立大学の学長に。
    法人化の混乱、抵抗する教員、文科省の圧力、予算削減のなかで奮闘する落下傘学長。
    データを駆使した現場報告。

    [ 目次 ]
    落下傘降下
    遠山プラン―高等教育のグランド・デザイン
    国立大学法人化―国立大学包囲網
    法人化で何が変わったか1―システム改革
    法人化で何が変わったか2―削られる予算
    岐阜大学の試み―思いつき学長
    教育に軸足を置く―大学の原点
    附属病院の危機―破綻のスパイラル
    事務局―支配する組織から支持する組織へ
    拡大する大学間格差―東大一人勝ち
    学長の生活日誌―忙中閑あり

    [ POP ]


    [ おす

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    2011年03月26日
  • 落下傘学長奮闘記 大学法人化の現場から

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    『落下傘学長奮闘記―大学法人化の現場から』(黒木登志夫、2009年、中公新書ラクレ)

    国立大学が法人化される直前に岐阜大学の学長になった黒木さんの7年間の学長生活の回顧録。と同時に、日本の高等教育や国立大学法人が抱える問題点を、学長の立場から現実的に論じている点が面白い。

    個人的には、競争的資金の配分についての旧帝大と地方国立大の格差の話が一番参考になった。

    (2010年12月30日 大学院生)

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    2010年12月30日
  • 落下傘学長奮闘記 大学法人化の現場から

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    岐阜大の学長を7年間務められた黒木先生の仕事をまとめた本。大学運営の難しさを垣間見る。

    地方国立大の話ではあるが、私立大にも当てはまる点が多い。
    レベルは違えど、透明性の確保、教職連携などは今後の課題になるだろう。

    また、省庁、特に財務省への働きかけがとても重要ということが再認識される。
    運営費交付金1%削減が大きな問題になっている。
    大学においてもこれまで無駄なところも多かっただろうから、それを改善する必要はある。
    しかし、恒常的な予算自体はしっかり確保しておいてもらわないと、現場はどんどん疲弊していくことになるだろう。




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    2009年10月07日
  • 死ぬということ 医学的に、実務的に、文学的に

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    一章から八章まではやや飽きる内容が続くが、九章の尊厳死のあたりから非常に面白かった。

    私自身、延命治療は時と場合に寄っては本人を苦しめることになるという考え方なので、共感できることも多々あった。

    最後に村上春樹氏の作品の一節をひかれているが、生と死という対極的なものではなく、一部として存在しているという言葉に感銘を受けた。

    「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。」

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    2025年06月22日
  • 死ぬということ 医学的に、実務的に、文学的に

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     病気そして死についての知識はバラバラにあるいはいい加減なものでしか無かった。
    これを読んで少しは整理できたのでたいへん参考になった。

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    2025年03月30日
  • 死ぬということ 医学的に、実務的に、文学的に

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    米寿を迎えた黒木先生、死ぬことを考えて、本を一冊書き、いまや何も怖くない、という気分との事、曰く、悟りを開いた境地、めざせ、ぴんぴんごろり、であります。日本語は、濁音と静音では、意味が大きくことなる、刷毛(はけ)と禿(ハゲ)の違いのように。はけに毛あり、ハゲに毛が無い、ごとく、ごろり、とコロリは、違うようです。死を書きながら、なにかしら明るい本であります、☆四つです。

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    2025年03月01日
  • 死ぬということ 医学的に、実務的に、文学的に

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    医学者である著者が、医学的観点を中心に、短歌や俳句など文学作品を随所で引用しつつ、死についての様々なトピックについて、エビデンスベースで、かつ、ユーモアを交えて解説。
    タナトフォビアの自分にとって、健康で長生きするためにどうしたらよいのかということを含め、いろいろと示唆深い内容だった。著者が主張する理想の死に方としての「ピンピンごろり」についても、確かにそのとおりだと思った。

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    2025年02月26日
  • 死ぬということ 医学的に、実務的に、文学的に

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    いずれやってくる死に向かいあおう、なんて考えはなく読み始めたが、いろいろな病気のことを知ることができた。
    また、その日が来る前に家族に迷惑を掛けないためにも、備えが必要であるということも。

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    2025年01月21日
  • 研究不正 科学者の捏造、改竄、盗用

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    2014年のSTAP細胞事件から「研究不正」に興味があり、本書を読んだ。これまでに村松秀著『論文捏造』や上原善広著『発掘狂騒史』を読んだが、これらの事件も含めてより広範に不正の事例を紹介している。不正とは、①捏造、②改ざん、③盗作の3つである。
    本書の発刊は2016年。著者の黒木登志夫氏は東北大学医学部を卒業した医学博士で、世界で初めて試験管内での発がん実験に成功した研究者。東大名誉教授、岐阜大学名教授でもある。1936年生まれの氏は2024年現在88歳だが、まだまだお元気で、今年の8月にも『死ぬということ』(中公新書)を上梓した。本書で記された「研究不正」に対する怒りからも、またときおりジョ

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    2024年12月07日
  • 死ぬということ 医学的に、実務的に、文学的に

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    老衰死の提唱。米寿でもこれだけの著作が書けることに脱帽です(若輩の身分でこんなことを言うのは失礼とは思いますが)。

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    2024年11月09日
  • 変異ウイルスとの闘い――コロナ治療薬とワクチン

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    ワクチンの仕組みや開発、その有用性に対する科学的な説明を主軸に、コロナ禍に何が起きて何がなされていたのか、2022年始めのオミクロン株ぐらいまでの変遷が分かりやすく説明されています。また、コロナ禍で顕わになった日本の政治対応や医療体制の脆弱性についても落ち着いた議論、提言がなされていて納得はいきます。コロナ禍の渦中ではフェイク情報が溢れて社会に分断も生じたかもしれないが、社会的には落ち着いてきた現在、このコロナ禍の3年間を冷静に客観的に俯瞰して眺めるためには有用な一冊でした。
    ワクチンを自動車のシートベルトに喩えているのは分かりやすく、著者はシートベルトを義務化するならワクチンも義務化すべきと

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    2023年11月07日
  • 変異ウイルスとの闘い――コロナ治療薬とワクチン

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    COVID-19のウイルスだけの話かと思っていたら、様々な政策への批判もあり、今後の方針の話もあった。

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    2022年10月04日
  • 変異ウイルスとの闘い――コロナ治療薬とワクチン

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    著者の黒木登志夫さんは、東北大学医学部卒業。専門はがん細胞、発がんのメカニズム。

    第1章 パンデミックは続く、変異も続く
    第2章 ワクチンの基礎知識
    第3章 ワクチン開発物語
    第4章 ワクチンをめぐる「困った問題」
    第5章 日本のワクチンはなぜ遅れたのか
    第6章 治療薬への期待
    第7章 医療逼迫はなぜ起こったか
    終章 コロナ禍の終わりに向けて

    2022年3月に書かれた本なので、比較的最近までの情報は入ってはいる。しかし終章に記載のある今後考えられる3つのシナリオの中で、可能性が低いと見られていたオミクロン株の後に、より強力な感染力の変異ウィルスが出現するということが現実(BA5 第7波)と

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    2022年07月23日
  • 変異ウイルスとの闘い――コロナ治療薬とワクチン

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    新型コロナのワクチン、治療薬、医療逼迫について、解説。
    2022年3月くらいまでの情報が記述されている。
    分かりやすく、読みやすい。
    日本は感染者数、死亡者数が抑えられているものの、ワクチンや治療薬の開発では遅れをとり、またワクチン接種でも遅れをとった。そして、医療逼迫で入院したくても出来ない状況が発生し、他の疾患での救急医療にもしわ寄せが起こった。
    今(2022/06下旬)現在、感染状況は落ち着いているが、数々の問題点があったことを改めて認識した。

    コロナ危機の行方として、「終わりの始まり」「始まりの終わり」「終わりなき始まり」の3つのシナリオをあげているが、著者が一番可能性が高いとしてい

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    2022年06月25日
  • 新型コロナの科学 パンデミック、そして共生の未来へ

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    自民党新書と同時的に読んだこともあり、メインテーマのコロナのことより、政策の失敗の方にどうしても目が行ってしまうのは致し方なし。ただ無駄に長く、国民を蔑ろにし続けた安倍政権が、その晩期において犯した失策である”マスク”と”一斉休校”は、こうして各方面から、世紀の大愚策として銘記されるべき。閑話休題。本書はほぼ一年前のものながら、コロナを総括的に見るのに役立つ一冊。PCRについての見解とか、個人的には賛成し兼ねる部分もあったけど、総じて分かりやすい良書。

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    2021年10月20日
  • 新型コロナの科学 パンデミック、そして共生の未来へ

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    新型コロナの2020年の状況を詳細にわたり書かれていて、整理されている。感染力のあるデルタ型が急激に増えている昨今、コロナ疲れなどとは言っていられない学びがあり、改めてコロナとの付き合い方を考えさせられた。ネットやメディアの情報に惑わされないようにしたい。2021年の状況は山中伸弥さんのコロナ情報のサイトで読める。

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    2021年08月14日
  • 新型コロナの科学 パンデミック、そして共生の未来へ

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    新型コロナに関する知識を整理するのに非常に役立った。今日で緊急事態宣言が解除されるが、果たして結果は……

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    2021年06月20日
  • 新型コロナの科学 パンデミック、そして共生の未来へ

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    経緯や関係者、感染の仕組みや対処方法、治療薬など、網羅的に説明してある。断片的に頭に入れていた情報が整理されたように思う。まず本書を読んでから話をしたり聞いたりすれば、会話や議論もスムーズなのかな。

    コラムや横道にそれた話も面白い。
    過去、北京で「SARS対策の指揮を執っていた」二人が、「それから17年後、二人は新型コロナ対策の指揮を執ることになる」のくだりは、古代ローマ帝国でカンネの会戦で破れたスキピオ・アフリカヌスがザマの会戦に臨んだのと重なって熱くなった。

    メルケル・ドイツ首相が国民に向けて伝えた言葉には、あらためて涙が出る。アーダーン首相や蔡英文・総統の対処の背景にも触れられている

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    2021年05月23日
  • 新型コロナの科学 パンデミック、そして共生の未来へ

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    やはり厚労省がPCR検査を忌避していることが、蔓延の大きな要因と言う事だと確認できた。ただ、何故にここまで頑なに誤った施策に固執するのか、政治はなぜそれを是正出来ないのかは解明できない。医系技官の力の源泉はどこにあるのか、菅首相の力を持ってしても動かせないのか、動かす気がないのか、理解できない。
    本書の内容はやや古くなったが、それでも基本的な事項は今も同じであり、ここに書かれた対策等が実現して行くことを願うばかりだ。
    ガン治療を継続していてハイリスクの自分にとっては、早急な解決を望みたい。

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    2021年05月07日