あらすじ
3カ国でがんの基礎研究に携わって40年,英語論文数300を超える著者は,論文執筆の指導・審査に携わって50年.大学での講義をもとに,論文,報告書,レポートなど,事実と考えを正確に伝える文章術,プレゼン術を指南.デジタル社会ならではの視点が光る.日本語の事例は痛快,英語文例は実践で役に立つ.チェックリスト付き
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
本書を読んで得られた一番の成果は、「ウィキペディアの賢い活用法」である〔本書p102〕。ウィキペディアの記載を信頼しないことは大前提である。しかし、使うなと言うのは「現実的でない」。著者は6項目に分けて、活用法を指南してくれる。
思い返してみても、ウィキペディアの使い方についてちゃんと解説した本を見たことがない。私が見逃しているだけかもしれない。少なくとも今後は、その使い方について他人から尋ねられれば、本書を勧めたい。
ほかにも、著者はインターネット上における情報収集術や情報発信術も指南してくれる。いわゆる「フェイク・ニュース」の見分け方も言及している〔本書p113〕。本書の核心は、「知的インターネット参照術」といってよいだろう。類書にはない最大の特色である。
Posted by ブクログ
日本語の論文の文章の書き方、英語の論文の書き方についての心構えを書いた本である。卒論を書いている最中に自分の文章が長すぎたり、主語が一貫していなかったり、として注意するために読んでみるのはいいと思える。
英語については大学院生向けあるいは留学を準備している学生向けである。
新しい文章教室としては簡単に読めるので読んでおくことはいいと思われる。
Posted by ブクログ
この人は、英語を習うことで、日本語を理解したのかもしれない。
私は、感覚で、日本語を使っていた。この事に気付いたのは、中年になってから。本を読むのは好きだったけど、書く日本語は、感覚で書いていたのかもしれない。
日本語しか知らなかったから、かもしれない。
本格的に、英語を学んで、英語で資料(作って初めて、日本語の弱さを知った。
比較することで、わかることがある、と知った。
Posted by ブクログ
後半の英語作文の件が面白かった.ただ、日本語がうまく書けないことは、ふつうに生活するにしても、致命的なことになると感じている.ツールとしてEndNote, iThenticate, SkELL, DeepL Translatorなどの紹介があり、参考になった.DeepL Translatorは何度か使ってみたが、素晴らしい性能だ.
Posted by ブクログ
社会人必須スキルの事実と考えを分けた表現方法を分かりやすく解説している。
情報収集とパワポ活用。英語学習を網羅しつつも、読者に寄り添った文章が心地よい。親しい人に買って配りたくなる名著。
Posted by ブクログ
本書は、2021/9/17に初版が発行された新しい「文章術の本」だ。医学者である著者がすべての読み書きを日常的に行う人々に向けて、そのコツをざっくばらんに簡潔に書いた良書である。
理系に片寄った内容になっておらず、そのバランス感覚が著者の凄みの一つではないか。
タイトルは『知的文章術入門』でありながらも、実際には広く知的発信者としての姿勢や、プレゼンテーションのやり方、パワーポイント資料作成のコツ、さらには英語学習についてまで触れている。
タブーとされるWikipediaの利用についても、「どんなことにどれくらいどのように使うべきか、または使わないべきか」を正面から述べている。
医学者である著者は、本書を書くに当たって、これまでのありとあらゆる「文章術」に関する蓄積を踏まえて、それらを現代版にアップデートしようとした。
その試みは個人的に、ある程度うまく行っていると思う。
今後求められる「言語コミュニケーション」に向けて、誰が読んでも役立つ内容になっている。分量も多くなく、文体がフランクで読みやすい。
筆者は、大学にて毎年1年生向けに「これから一生レポートを書き続ける君たちへ」と題する講義を2016年から毎年行っているという。レポートは、ここではつまり、もっと広く「文章」という意味で使われていると思われる。
本書での学びや発見はまさしく一生ものである。
「読むこと、書くこと、話すこと」に少なからずこだわりを持つ全ての方にオススメする。
Posted by ブクログ
『学び合い、発信する技術』の巻末、参考図書の中に「論文を主体にした解説本」として紹介されていた本。
●はじめにより
読書は充実した人間を作り、会話は気がきく人間を、書くことは正確な人間を作る
byフランシスコ・ベーコン
●本書P130より
「知的三原則」簡潔・明解・論理的
Posted by ブクログ
後半の英語学習については、今のところ必要がないので流し読みとなりましたが、わかりやすい文章を書く基礎が詰まった良書です。文例が多く、どのように書けば良いのかをわかりやすく示しているので、高校生にもちょうど良い内容になっています。
Posted by ブクログ
学生や社会人など、文章(文書や論文など)を書く人全般にとって基本的なポイントが簡潔に整理されています。各章の最後にチェックリストがついていますが、ここをそのつど意識するだけでも、だいぶ変わってくるでしょう。大学入学時あるいは社会人一年目で読んでおくといいかもしれません。
Posted by ブクログ
「知的文章術入門」という書名から期待・想像する内容とはかなり乖離がある。
文章作成・執筆に直接関係するのは最初の3章のみ。
それ以降は情報の調べかた、プレゼンのしかた、英語の読み書き話し方と、間接的な領域に関する解説となる。
内容が幅広くいぶん個々に割かれたページ数はすくなく、詳細なところにまでは踏み込んはいない。
そのため、どれも類書で紹介されているような基本的な内容にとどまっている。
あとがきで「理系の作文技術」を意識したとあるが、さすがにそこまでは至っていない。
過去に文章術の本を読んだことのある人がさらに本書を読むことで得られるものはそこまで多くない。
一方で、広い領域がコンパクトにまとまっているので、この手の本のはじめの1冊目年は悪くない。
例えば、高校生や大学1年生が本書から始めて、より詳細な類書にうつっていく、という使い方ならいいと思う。