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Posted by ブクログ
★現象優先の生命科学の危うさ★生命科学の研究者が研究不正を過去の事例から淡々と分析する。日本だけでもこんなに不正があったのかというのは単純に驚きだ。STAP細胞よりもノバルティスの問題の方が企業に都合のいいように研究が使われていた意味では問題が根深いのがよく理解できた。キャラに引っ張られるのがいかに危ないことか
科学といっても数学などに不正は生じにくく、医学と生命科学で目立つという。後者は理論の前に現象を優先し、抽象化があいまいなまま進んでいくからという。とにかく目の前の人を治すために、という思いがあるのだろうが、確かに同じサイエンスでも言語がまったく違う。
一般の人に分かりやすいようと、ところどころに笑いを交えようとするのが、こなれていなくてむしろおかしい。
Posted by ブクログ
2014年のSTAP細胞事件から「研究不正」に興味があり、本書を読んだ。これまでに村松秀著『論文捏造』や上原善広著『発掘狂騒史』を読んだが、これらの事件も含めてより広範に不正の事例を紹介している。不正とは、①捏造、②改ざん、③盗作の3つである。
本書の発刊は2016年。著者の黒木登志夫氏は東北大学医学部を卒業した医学博士で、世界で初めて試験管内での発がん実験に成功した研究者。東大名誉教授、岐阜大学名教授でもある。1936年生まれの氏は2024年現在88歳だが、まだまだお元気で、今年の8月にも『死ぬということ』(中公新書)を上梓した。本書で記された「研究不正」に対する怒りからも、またときおりジョークを織り交ぜるその文体からも、氏の情熱が伝わってくる。
近年も自動車メーカーでデータの改ざんなどが明らかになった。古くは1985年の日航123便墜落事故もJALの不正が原因であったと思っている。研究者の不正と企業の不正。要はモラルの問題で、地位や名誉や利益を優先すれば、相対的にモラルは低下する。日本で不正が多いのは、戦後に道徳教育をまともにやらなかったせいではないだろうか。
数か月前に山本義隆著『私の1960年代』を読んで、東大全共闘の目的の一つが、「科学への問題提起」であったことを知った。それは科学そのものというよりは科学者への問題提起であった。彼らが提起した問題と研究不正の問題は地続きではないか。
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ビジネス・実用
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