小山田浩子のレビュー一覧

  • 工場(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    何とも不思議な世界観。

    惹き込まれて没頭するタイプの本ではないが、リアルな日常から別世界の「ほんのり灰色、でもヒューマン」な人間模様に一瞬でワープできてしまう不思議な小説だった。

    どんな人生も、第一人称で見てみると奥深く、個性的で、泥臭くもあるが美しい。

    自分の人生とやんわり対比できる面白さがあった。

    0
    2026年03月20日
  • 庭(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    日常を切り取ったはずなのに、不思議な展開へと転がっていく短編集。
    全体的に少し変わった雰囲気がある。
    読んでいると、どういうこと?と引っかかる場面が多いが、その原因が明確に説明されるわけでもなく、スッキリしたラストが用意されているわけでもない。
    どこか読者を置いていくような感覚があるのに、なぜか気になって読み進めてしまう。
    少し陰を帯びた話が多く、あまり馴染みのないジャンルに出会えたという意味では新鮮だった。

    0
    2026年01月12日
  • 小島(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ある女性の人生のような
    それでいて何気ない日常
    その世界はありふれているのに
    なんだか異世界のような気もする

    段落のない永遠に続くのかと思う
    物語
    頭の中にその情景が浮かぶ
    その場だけでなく
    その空間全てが頭に入ってくる
    だから
    いつしか自分はその場にいて
    匂いまでもしてくる
    別の人の人生を体験しているみたいな
    小山田さんらしい一冊

    0
    2026年01月08日
  • 最近

    Posted by ブクログ

    悪くはなかったし、小山田浩子的な世界観ではあったが、放たれない銃が放たれなかった必然性みたいなものはいまいち分からなかった。短編集のような形式でなかったほうがいいのかもしれない。近現代文芸がチェーホフをまともに受けた挙句のアンチテーゼというほどの骨はなく、消化不良の読後感。結局、新型コロナウイルスのそれは、時空間不偏の災厄となり得なかったのかも。

    0
    2026年01月02日
  • 最近

    Posted by ブクログ

    ほぼ改行なくつらつらと続いていく文章が、人の饒舌で絶え間ない意識の流れをまさに表しているようで、初めて読んだ作家さんですが、面白いと思いました。

    0
    2025年12月24日
  • 工場(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    不条理小説なのか幻想小説なのかジャンル分けはよく分からないけど三篇収録の中編集。

    文字数ぎっしり、ページいっぱい文字、というタイプの文章です。読んで爽快、というタイプのお話ではなく、日常の細々とした違和感が積み重なって…まあ、嫌な気持ちになる系のお話でした。私は合わなくて、最後はほぼ飛ばし読み。

    「工場」はまるでラジオを聴いているような感覚。密度の高い実況にたまに混戦した音声が混じるような。とにかく物理的に文字数が多い。ページにぎっしり文字が書いてあり、時系列や場面を無視した文章やフレーズがたまに挟まってくる。とにかく活字を浴びたい人におすすめしたい。
    物語の流れや結末は目新しくはないけれど、このぎっしり書き込む様式が「実験的」で「斬新」なのかしら。芥川賞受賞作家さんだからたぶん「プロ受け」のする文章なんだろうな。私はよく分からなかったし心地よいとは思えず…。

    「ディスカス忌」は文字ぎっしりではないけれど、何を感じとっていいのか…少なくとも美しい友情や何かでないことは確か。

    「いこぼれのむし」。これが特にダメだった。タイトル通り、虫が出てきます。あまり綺麗じゃない話しで、今でも胸がムカムカしてる。人間関係も最悪で、こんな職場絶対嫌だ。

    この作家さんは二作目はいいかな…と思ってしまったけど、好きな人にはすごくハマると思うよ!

    0
    2025年12月21日
  • ものごころ

    Posted by ブクログ

    短編集。
    最終話であの犬が、ハツ、という名前をもらって元気にしていたのが嬉しかった。
    全体的にそうなのだけど特に「おおしめり」は「。」が無く「、」も最小限で呪文を読んでいるかのようだった。

    0
    2025年11月29日
  • 穴

    Posted by ブクログ

    前作「工場」での独特で不思議な世界観は引き継いだまま、より奇妙さが溢れるような人物、ストーリー展開になっている。
    登場人物間の会話や風景の描写はかなり細かく、現実世界でのその情景が目に浮かぶ。
    だから現実では起こらなさそうな少しのズレの描写がより奇妙さを増幅させているような気がした。

    0
    2025年11月24日
  • 穴

    Posted by ブクログ

    フワっとしているけど、ところどころ不気味さを感じる
    穴よりもイタチの話の方が面白かった
    職場にもイタチが出たことがあるので笑、
    私はその子の姿を見ていないけど残り香があまりにも強烈だったので、あの匂いを思い起こすと少し気分が悪くなる
    でも姿は本当に可愛いそうなので鼻を塞いで対面していればペットにしたくなるそう、

    0
    2025年11月22日
  • 工場(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    「工場」は文章が読みづらくて苦戦。
    どれも面白いかと言われたら面白くはないし、人には勧められないけど、靴の裏にこびりついたガムみたいに、頭に残る。たまに思い出す。

    0
    2025年11月19日
  • 穴

    Posted by ブクログ


    異世界に迷い込んだかのような「穴」。異世界でありながら、実のところリアルな現実でもあるような不思議な感覚。結局のところ義兄はなに??
    義兄は語る。家族制度が薄気味悪いと。子孫を残すためにつがいになる。父は子供のために身を粉にして働き、母や嫁は滅私奉公だと。たとえばこんな僕のような子供を残すことに、それほどの価値があるのかと。これは子供をあまり欲しがってない主人公の心の声なのだろうか?だが、最後の一行。主人公もまたその家族制度の中で生きる人になっていくということなのか。
    「いたちなく」も「ゆきの宿」もいまひとつ心情がわからない。全体的に薄気味悪く描かれている。妻は妊娠を何故夫に伝えてなかったのか。何故泣いていたのか。アロワナはなんの象徴??
    うーむ、、難しい。

    0
    2025年11月15日
  • 作文

    Posted by ブクログ

     小山田浩子さんといえば「母の友」で連載していたエッセイでも感じられた、それは有り得るとも、それはないでしょうとも思えそうな、奇妙なんだけれど現実に起こったとしても何だか肯けそうな、フィクションとノンフィクションの境界線に佇むような、その絶妙さ加減が味とも思えるエピソードが印象的だったことを思い出す。

     そして本書では(久々のU-NEXT100min.)、広島県出身の小山田さんが戦争を題材にしたということなんだけれども、ものすごく深刻な感じというよりは、人間だからこうしてしまうというような、真面目で直向きな様も可笑しみを交えて描いていたり、令和の時代だからこそ感じなくなってきている何気ない違和感をユーモラスに皮肉っていたりする点に独特さを感じられて、読み終えた時には戦争というよりは家族を題材にしているのかと思えたような、飄々とした中にもある真摯さが魅力なのかもしれないし、よくよく考えてみれば戦争と家族というのは切っても切り離せない関係性だ。

     また、小学校六年生の頃に書いた戦争を題材にした作文が、大人になった現代の人生に色濃く影響を及ぼしているといった、物語としての面白さも本書にはあって、そこには子どもだから、そうなってしまった的なものも垣間見えそうだけれども、結局そうしたものは人生に於いて、あまり重要ではなく、自らの意志を信じて生きていれば自然と何とかなるのかもしれないというような、あまり句点や段落分けの少ない文章の書き方に根拠のない不安感を抱きながらも、そんなゆるい前向きさに励まされたような気がしたのも、また彼女ならではの独特な作風なのかもしれない。

    0
    2025年10月30日
  • 工場(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    他の方も言ってることだけど、とても読みやすく、現代版カフカのような空気感を感じた。読んでいる間の映像は常にこの装丁のような灰色で満ちている。少しも明るさや陽気さは感じない。
    嫌いじゃない。
    でも、個人的にはもう少し何かが起きて欲しかった。

    タイトルになっていない他の作品もすきだけど、なんとなく何かが物足りない。私にとっては。

    0
    2025年10月25日
  • 工場(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    何を作っているか不明な巨大な工場で働く人々の生活を細かく描写した作品。
    特に派遣社員や契約社員と言った立場が弱い人達の心情がリアルに描かれる。

    0
    2025年10月12日
  • 作文

    Posted by ブクログ

    これも戦争・広島の話だった。小学校の宿題で、戦争体験者の話を聞いて作文する。線路に押しつぶされて息絶えた馬の描写があった。どうすればそんな状況になるのか。。でもこの芥川賞作家は、今回も少しだけ話の視点がズレて、ちょっとドキッとする

    0
    2025年08月25日
  • 工場(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ずっと奇妙なままで終わった。主人公、コケ、古笛、後藤、老人、孫、兄、恋人、工場、生き物、仕事、職員、、出てくるもの全てが奇妙。工場の敷地てわ生活ができるなんてあるの??ベースのような印象を受けた。工場にしかいない鳥とか!こわい。しかもそれが鵜の一種ということで、カワウとかウミウという言葉がたくさん出てきたんだけど、、それも気持ち悪かった。そして最後も???で終わった。黒い鵜の正体は職員なの?わからない。
    そして他の2つもよくわからなかった。熱帯魚好きの男の出産祝い。相手の女性はきっと餌の海老をもらっていた子なんだろう。なんで男性は死んだの?
    三つ目もよくわからない。よくありそうな会社のシーンなんだろうけど。女の嫌さも十分あったけど、男の嫌さもあった。これも登場人物がほとんどひどい。でもリアルな思いで安心もしたし悲しくもなった。
    読み終わりはモヤモヤしたけど、楽しかった。

    0
    2025年08月20日
  • ものごころ

    Posted by ブクログ

    短編集。「はね」「ハツ」の2作品を読んで断念。
    改行のない(と思ってよくみたらあった、から、
    少ないというべきか)長い文が読みにくくて、少し苦痛。芥川作品にこういうの多いよなぁ、と勝手な偏見。「はね」があまりに不穏で、そこでやめようかと思ったが、次の「ハツ」が犬の話だったので読み進めた。(犬好きなので)また、変な結末だったら、と畏れたけど、まぁ、良い結末で安心した。ふー!

    0
    2025年08月09日
  • 工場(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    『工場』
    工場で働けたことは幸運なことだ。
    正社員ではないことや、仕事内容や、存在理由に、若干疑問は残るものの。
    日々目の前にある仕事をこなしていけば、時間は過ぎ去る。
    疑問は……、とりあえず棚上げしておこう。
    従順に、ひたすら働くこと。
    そうして人間は、動物に戻っていく。

    解説には「ライトなカフカ」とあったけれど、私はカフカとは少し違うように感じた。

    『ディスカス忌』
    昭和初期くらいによく見受けられる文体で書かれているが、内容は明らかに昭和初期ではない。
    ディスカスの遺伝と、人間の遺伝と。
    浦部はそれを同等のものとして研究しているような節もあって。
    浦部は一体、なぜ死んだのか。
    「僕」は一体、何を怖れているのか。

    『いこぼれのむし』
    皆、自分の見たいものだけを見る。
    だから同じ職場で働きながらも、微妙に世界が食い違っている。
    勘違いしたまま、勘違いしていることにも、勘違いされていることにも気付かない。
    そういうことはよくあることで、むしろそういうことしかないとさえ言える。
    気が付いたら虫でいっぱいで、底の方の虫はつぶされる。
    虫の存在に気付いてしまったら嫌悪感でいっぱいになるので、むしろ気が付かない方が良い。
    見ていなければ、普通に過ごせる。
    でも虫はいつも腹の中にいるのかもしれない。

    0
    2025年08月02日
  • 工場(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    製品不明の大工場にわんさか人が集まっていて、一つの街を作っている。工場には真っ黒の工場ウと呼ばれる鳥と肥大化したモルモットのような姿のヌートリアが繁殖し、さらに増え続けている。何を生き甲斐にしているのかわからない意味のない仕事をしている勤務者。オチとしてカフカの「変身」のような場面が最後に衝撃的に現れるが、そこを引っ張り出すのにもう少しストーリーを短くできたのでは、と感じた。2025.7.29

    0
    2025年07月29日
  • 工場(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    確かに何かがおかしいのだが、それはそれでというかそれなりに読み進めてしまい、唐突に終了する表題作も後の二作も、うーん。面白いのか、これ?

    0
    2025年07月17日