小山田浩子のレビュー一覧
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『工場』
工場で働けたことは幸運なことだ。
正社員ではないことや、仕事内容や、存在理由に、若干疑問は残るものの。
日々目の前にある仕事をこなしていけば、時間は過ぎ去る。
疑問は……、とりあえず棚上げしておこう。
従順に、ひたすら働くこと。
そうして人間は、動物に戻っていく。
解説には「ライトなカフカ」とあったけれど、私はカフカとは少し違うように感じた。
『ディスカス忌』
昭和初期くらいによく見受けられる文体で書かれているが、内容は明らかに昭和初期ではない。
ディスカスの遺伝と、人間の遺伝と。
浦部はそれを同等のものとして研究しているような節もあって。
浦部は一体、なぜ死んだのか。
「僕」は -
Posted by ブクログ
「工場」
2010年第42回新潮新人賞
2013年第30回織田作之助賞
不可思議な巨大工場での日々
三人の従業員の視点から
契約社員の女
その兄の派遣社員の男
研究者の正社員の男
非現実的な工場を寓話的に描き
現実的な作業、働くという持続性を
一つの社会として完結する中に読む…のかな?
次作「穴」で芥川賞作家となる事を予測させる作風
「ディスカス忌」
熱帯魚の飼育をする金持の男
若い妻と結婚して子供が産まれる
友人ふたりはお祝いに行く
その後金持の男は妻子を残して亡くなるが
その理由はわからない
語部の僕は不妊について悩み熱帯魚の繁殖
金持夫婦の生殖について蝕むように純文的に
いわゆるわか -
Posted by ブクログ
工場は事前に主人公になる人物が三人いることを頭に入れておかないと、途中でよくわからなくなる。
場面や心情をあらわにしている人間がよく変わるがイマイチわかりずらいのでサクサク読むよか、じっくり読んだ方が良い。
話は爽快なオチとか読み終わった後のスッキリ感はない。世にも奇妙な物語を不気味なエッセンスを希釈して私たちの日常やらに少し寄り添った感じである。
正直私は「ディスカス忌」と「いこぼれのむし」のほうが好みであった。
ディスカス忌の方は分かりやすいしスルスル話が入ってきた。これは自分が熱帯魚に明るい部分があるからかもしれない。
いこぼれのむしは読んだ後に、いや読んでいる途中にも節々のリアルさ