小山田浩子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読書開始日:2021年9月7日
読書終了日:2021年9月12日
所感
【穴】
難解だった。
「しんせかい」に似た空気感。
全く歩み寄ってくれない感じ。
あさひの未来が姑なのは予感がしていた。
田舎は日々の動きが少なく、それも専業主婦となると時間を持て余し「穴」にじっといるような感覚に陥る。
だからこそあさひは「穴」に固執していたのだと思う。
こう考えたら楽をしているようになってしまうが、義兄と穴の獣は完全に妄想だと思う。
義祖父の置き去りにされたような痴呆も不気味だ。
義祖父はもうすでに意識が朦朧としていて、穴に篭りたかったのだと思う。
あの地域の「穴」は、何も動きのない日々の恐怖からの逃げ -
Posted by ブクログ
数年前に読んだ時、なんだか妙な気持ちになったのを覚えている。そして、なにかの拍子にまた手に取ってしまった。
この本の良し悪しを語るには時間が必要だと思う。
初めて読んだ時、意味のわからない奇妙な余韻が残った。少し怖いような、寂しいような、グロテスクなような。
ただ、記憶に残る。
記憶に残っていたからこそ、数年ぶりに手に取ったのだと思う。
穴に落ちて以来、世界が変わったのか、それとも主人公自身が変わったのか、それは誰にもわからない。ただ、なにか、ボタンのかけ間違えたような違和感だけが残る。
この本について、まだ評価ができない自分がそこにいる。良かったのか、悪かったのか。
もっと長い時間