小山田浩子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
もし目の前に「穴」があいていたら何が居るのか覗いてみたくなりませんか?
本書はまさに「最近退屈だー、刺激がほしい」という人には劇薬のような作品かもしれない。
物語は夫の転勤で田舎に引っ越した主人公が散歩中に見慣れない黒い獣を追い掛けタイトルにある通り「穴」に落ちるというちょっと間の抜けた話。…のはずが読み進めていくと不穏な空気が漂い始め「あれ、何かこれちょっとヤバイ系?」と背筋がうすら寒く感じ、得体の知れぬ怖さがひしひしと伝わってくる。
正体不明の黒い獣、毎日延々と庭に水を撒く義祖父、存在しているのかどうか分からない義兄、なぜか線香の臭いを放つ世良さんと謎のともちゃん、この世かあの世か分か -
Posted by ブクログ
祖父母の戦争体験を聞き綴った2人の小学生の作文。教師から称賛されるも、子どもならではの脚色等があり、その後の現代パートへ波及します。
記憶とは? 継承とは? 物語のもつ意味や力、体験の聞き取りの再構築は真実か、複雑な世の中への向き合い方等々、本書を読みながらそんなことをつくづく考えてしまいました。
小山田浩子さん初読でしたが、思いの外軽やかな筆致で、重い問題提起をされながら最後に上手く爽やかにかわされた感じです。でも、この120ページ程度の中編小説は一読の価値ありと思いました。全ては読み手の受け止め方次第なんでしょうね。
むかしむかーし、若者の「無気力・無関心・無責任」気質を指して -
Posted by ブクログ
ハンドレッドミニッツノヴェラ
約100分夢中で読める中編小説。
よく行く書店の新刊コーナーで、
金原ひとみさんの「マザーアウトロウ」と言う作品の横に棚差しで陳列されていた本書。
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戦後80年
広島生まれの芥川賞作家が
いま“戦争”について描く
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書店を見回すと各コーナーには
戦争にまつわる本が複数展開されていて。
夏休みだもんな〜、そーゆー時期だよな〜、
でも重たいのは読めないなあ、
と見送っていたんですが、
本書ならばと思い、手に取りました。
子どもの -
Posted by ブクログ
一歩外から見ると仕事とかその中での人間関係ってこんなに気色悪いものなんだけど、自分が働いている時にはあんまり気付けない。
常々仕事なんかクソだと思いながら働いている私からするとかなり共感できる部分が多いけど、分からない人には全く刺さらないだろう。
『工場』は労働と人間の関係が抽象的というか、引いた目線で表現されているのに対して、『いこぼれのむし』は労働によって無作為に集められた人間のどうしようもない相容れなさを近い視点で描く。正直かなりキツイ、同僚は家族だなんて言うやつは個人的にはぶん殴りたいと思う。どちらかと言うと私も職場から排斥される方だろう。
三編ともに人間以外の生き物に存在感がある -
Posted by ブクログ
日常の連作短編集。
コロナワクチンが何回目だとか、自粛が少し緩くなった頃だとかのことを思い出した。
夫が救急搬送された深夜の待合室で、ひとり思い出していた子どもの頃…から始まり、弟の話や旦那の友だちの話、おおばあちゃんの話やはとこの話、はとこの知り合いと付き合うことになった弟の話などなど。
その話の隙間に店にいた客の会話まで入ってくる。
改行もなくつらつらとひたすら会話が続いていくのにイヤな感じはなく聞いてられるのは何故なんだろうと不思議な気持ちになりながら次の話を楽しんでしまう。
独特な流れに乗っかって字面みっしりを違和感なく味わった。
この物語には生活の匂いを感じた。