小山田浩子のレビュー一覧

  • 工場(新潮文庫)

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    不条理小説なのか幻想小説なのかジャンル分けはよく分からないけど三篇収録の中編集。

    文字数ぎっしり、ページいっぱい文字、というタイプの文章です。読んで爽快、というタイプのお話ではなく、日常の細々とした違和感が積み重なって…まあ、嫌な気持ちになる系のお話でした。私は合わなくて、最後はほぼ飛ばし読み。

    「工場」はまるでラジオを聴いているような感覚。密度の高い実況にたまに混戦した音声が混じるような。とにかく物理的に文字数が多い。ページにぎっしり文字が書いてあり、時系列や場面を無視した文章やフレーズがたまに挟まってくる。とにかく活字を浴びたい人におすすめしたい。
    物語の流れや結末は目新しくはないけれ

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    2025年12月21日
  • ものごころ

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    短編集。
    最終話であの犬が、ハツ、という名前をもらって元気にしていたのが嬉しかった。
    全体的にそうなのだけど特に「おおしめり」は「。」が無く「、」も最小限で呪文を読んでいるかのようだった。

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    2025年11月29日
  • 穴

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    前作「工場」での独特で不思議な世界観は引き継いだまま、より奇妙さが溢れるような人物、ストーリー展開になっている。
    登場人物間の会話や風景の描写はかなり細かく、現実世界でのその情景が目に浮かぶ。
    だから現実では起こらなさそうな少しのズレの描写がより奇妙さを増幅させているような気がした。

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    2025年11月24日
  • 穴

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    フワっとしているけど、ところどころ不気味さを感じる
    穴よりもイタチの話の方が面白かった
    職場にもイタチが出たことがあるので笑、
    私はその子の姿を見ていないけど残り香があまりにも強烈だったので、あの匂いを思い起こすと少し気分が悪くなる
    でも姿は本当に可愛いそうなので鼻を塞いで対面していればペットにしたくなるそう、

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    2025年11月22日
  • 工場(新潮文庫)

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    「工場」は文章が読みづらくて苦戦。
    どれも面白いかと言われたら面白くはないし、人には勧められないけど、靴の裏にこびりついたガムみたいに、頭に残る。たまに思い出す。

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    2025年11月19日
  • 穴

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    異世界に迷い込んだかのような「穴」。異世界でありながら、実のところリアルな現実でもあるような不思議な感覚。結局のところ義兄はなに??
    義兄は語る。家族制度が薄気味悪いと。子孫を残すためにつがいになる。父は子供のために身を粉にして働き、母や嫁は滅私奉公だと。たとえばこんな僕のような子供を残すことに、それほどの価値があるのかと。これは子供をあまり欲しがってない主人公の心の声なのだろうか?だが、最後の一行。主人公もまたその家族制度の中で生きる人になっていくということなのか。
    「いたちなく」も「ゆきの宿」もいまひとつ心情がわからない。全体的に薄気味悪く描かれている。妻は妊娠を何故夫に伝えてなかったの

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    2025年11月15日
  • 工場(新潮文庫)

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    他の方も言ってることだけど、とても読みやすく、現代版カフカのような空気感を感じた。読んでいる間の映像は常にこの装丁のような灰色で満ちている。少しも明るさや陽気さは感じない。
    嫌いじゃない。
    でも、個人的にはもう少し何かが起きて欲しかった。

    タイトルになってるいない他の作品もすきだけど、なんとなく何かが物足りない。私にとっては。

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    2025年10月25日
  • 工場(新潮文庫)

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    何を作っているか不明な巨大な工場で働く人々の生活を細かく描写した作品。
    特に派遣社員や契約社員と言った立場が弱い人達の心情がリアルに描かれる。

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    2025年10月12日
  • 工場(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ずっと奇妙なままで終わった。主人公、コケ、古笛、後藤、老人、孫、兄、恋人、工場、生き物、仕事、職員、、出てくるもの全てが奇妙。工場の敷地てわ生活ができるなんてあるの??ベースのような印象を受けた。工場にしかいない鳥とか!こわい。しかもそれが鵜の一種ということで、カワウとかウミウという言葉がたくさん出てきたんだけど、、それも気持ち悪かった。そして最後も???で終わった。黒い鵜の正体は職員なの?わからない。
    そして他の2つもよくわからなかった。熱帯魚好きの男の出産祝い。相手の女性はきっと餌の海老をもらっていた子なんだろう。なんで男性は死んだの?
    三つ目もよくわからない。よくありそうな会社のシーンな

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    2025年08月20日
  • ものごころ

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    短編集。「はね」「ハツ」の2作品を読んで断念。
    改行のない(と思ってよくみたらあった、から、
    少ないというべきか)長い文が読みにくくて、少し苦痛。芥川作品にこういうの多いよなぁ、と勝手な偏見。「はね」があまりに不穏で、そこでやめようかと思ったが、次の「ハツ」が犬の話だったので読み進めた。(犬好きなので)また、変な結末だったら、と畏れたけど、まぁ、良い結末で安心した。ふー!

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    2025年08月09日
  • 工場(新潮文庫)

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    『工場』
    工場で働けたことは幸運なことだ。
    正社員ではないことや、仕事内容や、存在理由に、若干疑問は残るものの。
    日々目の前にある仕事をこなしていけば、時間は過ぎ去る。
    疑問は……、とりあえず棚上げしておこう。
    従順に、ひたすら働くこと。
    そうして人間は、動物に戻っていく。

    解説には「ライトなカフカ」とあったけれど、私はカフカとは少し違うように感じた。

    『ディスカス忌』
    昭和初期くらいによく見受けられる文体で書かれているが、内容は明らかに昭和初期ではない。
    ディスカスの遺伝と、人間の遺伝と。
    浦部はそれを同等のものとして研究しているような節もあって。
    浦部は一体、なぜ死んだのか。
    「僕」は

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    2025年08月02日
  • 工場(新潮文庫)

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    製品不明の大工場にわんさか人が集まっていて、一つの街を作っている。工場には真っ黒の工場ウと呼ばれる鳥と肥大化したモルモットのような姿のヌートリアが繁殖し、さらに増え続けている。何を生き甲斐にしているのかわからない意味のない仕事をしている勤務者。オチとしてカフカの「変身」のような場面が最後に衝撃的に現れるが、そこを引っ張り出すのにもう少しストーリーを短くできたのでは、と感じた。2025.7.29

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    2025年07月29日
  • 工場(新潮文庫)

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    確かに何かがおかしいのだが、それはそれでというかそれなりに読み進めてしまい、唐突に終了する表題作も後の二作も、うーん。面白いのか、これ?

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    2025年07月17日
  • 工場(新潮文庫)

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    とにかく全編通して薄ら居心地悪く、薄気味悪く、落ち着かない。特に食事のシーンは、こんなに嫌な感じのする食事があるか!というくらいゾワゾワする。
    読んでいる間中少しずつ生気を削られていくような妙な力があって、それが魅力でもあるのかもしれないが、2周目を読むのはちょっとしんどい。
    特に虫嫌いはやめておいた方がいい。
    コロコロと語り手や時系列が変わる形態は「意識の流れ」っぽくて面白い。

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    2025年07月13日
  • 工場(新潮文庫)

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    「工場」
    2010年第42回新潮新人賞
    2013年第30回織田作之助賞

    不可思議な巨大工場での日々
    三人の従業員の視点から
    契約社員の女
    その兄の派遣社員の男
    研究者の正社員の男
    非現実的な工場を寓話的に描き
    現実的な作業、働くという持続性を
    一つの社会として完結する中に読む…のかな?
    次作「穴」で芥川賞作家となる事を予測させる作風

    「ディスカス忌」
    熱帯魚の飼育をする金持の男
    若い妻と結婚して子供が産まれる
    友人ふたりはお祝いに行く
    その後金持の男は妻子を残して亡くなるが
    その理由はわからない
    語部の僕は不妊について悩み熱帯魚の繁殖
    金持夫婦の生殖について蝕むように純文的に
    いわゆるわか

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    2025年07月02日
  • ものごころ

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    小山田さんの書く文章はいつもクセのある文体で好き嫌いが激しく分かれそうと思っているけど今回ほもっとクセ強になってきましたね
    文中の会話文が「」で書かれず普通の本文中に流れるように会話が入ってきていて、すごく戸惑うのですが、慣れてくるとそれもまた入り込めちゃうから不思議
    会話が放流されている感じがします

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    2025年05月12日
  • 工場(新潮文庫)

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    不思議な文章だった。ずっと気持ち悪い感覚が残るいい作品でした。話は基本的に多視点で述べられるが、人が変わるだけでこんなにも印象が変わるのかと考えさせられるものでした。

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    2025年05月04日
  • ものごころ

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    いつも難解な芥川賞作家の作品、しかも苦手な短編集。案の定、句読点ゼロ、文の途中で突然年を取っていたり。が、わかりやすく読みやすいのもあった。子供がスモモの種を飲み込んで、母親がものすごく心配する話は、私のことか?
    他のも読めるかも

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    2025年05月01日
  • ものごころ

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    懐かしい気持ちに何故だろうと思いながら読む。パンデミックや携帯も登場するのに昭和を読んでいるような。短編なので読みやすいが段落がないので長編だったらしんどいだろうなぁ。

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    2025年04月23日
  • 最近

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    最近のことだし、皆が共有したあの時間。あの時の特別な景色、意識、会話。その色合いはどんどん薄くなっているけれど、確かにあった最近の話し。

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    2025年04月06日