小山田浩子のレビュー一覧

  • 穴

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    おもろいです。解説班よびたい。
    つまりどういうことなのか、何を指している話なのか、はっきりとさせずに読者に解釈を託す文がたまらない。謎解きのように、何度も読み返してみたい。思い出すシーン一つ一つがそういうことだったのかもしれない。と思い、ゾッとするのが魅力的。私は好き

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    2020年12月28日
  • 穴

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    ネタバレ

    第150回芥川賞受賞作。表題作に2篇の短編を加えたものが本書です。

    古今東西のさまざまな文学を渉猟し、吸収して、敬愛の情を持っている人が書いた作品という気がしました。膨大に読みこんだ読書経験の量を背景に持っているので、どこかブルドーザー的な力強さを執筆に転じて発揮できているのではないか。

    以下、ネタバレのある感想と解釈です。



    見たことのない獣を追って穴に落ちる主人公の主婦・あさひ。主人公にとってはずっと問題のなかった「世界」を見る視座が、穴に落ちたあと気付きもせずにぐらりと変わっているといいますか、世界のほうがごろっと妙な角度に曲がってしまうといいますか。そこも僕には、読んでいて物理

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    2020年12月16日
  • 穴

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    なんだろう・・・何とも言えない不気味な読後感。

    仕事を辞め、夫の実家の隣に住み家賃はただで、嫁姑問題も無くゆったりとした時間の中で進む話。
    見たことの無い黒い獣。至るところにある深い穴。
    見る度に庭の水撒きをしている義祖父。
    1人っ子と聞いていたはずの夫の兄だと名乗る義兄の存在。
    穴に落ちたあの日から、何かが変わったような、ありふれた日常に見えて、自分だけが異世界にでも足を踏み入れてしまったかのような時間の進み方が怖い。ああ見えて、義兄が一番まともな気がしていたのに、果たして本当に存在していたのかさえわからなくて、しばらく本を閉じたまま考え込んでしまった。  
    初作家さんだったが、この世界観

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    2020年07月08日
  • 庭(新潮文庫)

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    日常を切り取ったはずなのに、不思議な展開へと転がっていく短編集。
    全体的に少し変わった雰囲気がある。
    読んでいると、どういうこと?と引っかかる場面が多いが、その原因が明確に説明されるわけでもなく、スッキリしたラストが用意されているわけでもない。
    どこか読者を置いていくような感覚があるのに、なぜか気になって読み進めてしまう。
    少し陰を帯びた話が多く、あまり馴染みのないジャンルに出会えたという意味では新鮮だった。

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    2026年01月12日
  • 小島(新潮文庫)

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    ある女性の人生のような
    それでいて何気ない日常
    その世界はありふれているのに
    なんだか異世界のような気もする

    段落のない永遠に続くのかと思う
    物語
    頭の中にその情景が浮かぶ
    その場だけでなく
    その空間全てが頭に入ってくる
    だから
    いつしか自分はその場にいて
    匂いまでもしてくる
    別の人の人生を体験しているみたいな
    小山田さんらしい一冊

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    2026年01月08日
  • 最近

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    悪くはなかったし、小山田浩子的な世界観ではあったが、放たれない銃が放たれなかった必然性みたいなものはいまいち分からなかった。短編集のような形式でなかったほうがいいのかもしれない。近現代文芸がチェーホフをまともに受けた挙句のアンチテーゼというほどの骨はなく、消化不良の読後感。結局、新型コロナウイルスのそれは、時空間不偏の災厄となり得なかったのかも。

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    2026年01月02日
  • 最近

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    ほぼ改行なくつらつらと続いていく文章が、人の饒舌で絶え間ない意識の流れをまさに表しているようで、初めて読んだ作家さんですが、面白いと思いました。

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    2025年12月24日
  • 工場(新潮文庫)

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    不条理小説なのか幻想小説なのかジャンル分けはよく分からないけど三篇収録の中編集。

    文字数ぎっしり、ページいっぱい文字、というタイプの文章です。読んで爽快、というタイプのお話ではなく、日常の細々とした違和感が積み重なって…まあ、嫌な気持ちになる系のお話でした。私は合わなくて、最後はほぼ飛ばし読み。

    「工場」はまるでラジオを聴いているような感覚。密度の高い実況にたまに混戦した音声が混じるような。とにかく物理的に文字数が多い。ページにぎっしり文字が書いてあり、時系列や場面を無視した文章やフレーズがたまに挟まってくる。とにかく活字を浴びたい人におすすめしたい。
    物語の流れや結末は目新しくはないけれ

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    2025年12月21日
  • ものごころ

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    短編集。
    最終話であの犬が、ハツ、という名前をもらって元気にしていたのが嬉しかった。
    全体的にそうなのだけど特に「おおしめり」は「。」が無く「、」も最小限で呪文を読んでいるかのようだった。

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    2025年11月29日
  • 穴

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    前作「工場」での独特で不思議な世界観は引き継いだまま、より奇妙さが溢れるような人物、ストーリー展開になっている。
    登場人物間の会話や風景の描写はかなり細かく、現実世界でのその情景が目に浮かぶ。
    だから現実では起こらなさそうな少しのズレの描写がより奇妙さを増幅させているような気がした。

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    2025年11月24日
  • 穴

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    フワっとしているけど、ところどころ不気味さを感じる
    穴よりもイタチの話の方が面白かった
    職場にもイタチが出たことがあるので笑、
    私はその子の姿を見ていないけど残り香があまりにも強烈だったので、あの匂いを思い起こすと少し気分が悪くなる
    でも姿は本当に可愛いそうなので鼻を塞いで対面していればペットにしたくなるそう、

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    2025年11月22日
  • 工場(新潮文庫)

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    「工場」は文章が読みづらくて苦戦。
    どれも面白いかと言われたら面白くはないし、人には勧められないけど、靴の裏にこびりついたガムみたいに、頭に残る。たまに思い出す。

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    2025年11月19日
  • 穴

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    異世界に迷い込んだかのような「穴」。異世界でありながら、実のところリアルな現実でもあるような不思議な感覚。結局のところ義兄はなに??
    義兄は語る。家族制度が薄気味悪いと。子孫を残すためにつがいになる。父は子供のために身を粉にして働き、母や嫁は滅私奉公だと。たとえばこんな僕のような子供を残すことに、それほどの価値があるのかと。これは子供をあまり欲しがってない主人公の心の声なのだろうか?だが、最後の一行。主人公もまたその家族制度の中で生きる人になっていくということなのか。
    「いたちなく」も「ゆきの宿」もいまひとつ心情がわからない。全体的に薄気味悪く描かれている。妻は妊娠を何故夫に伝えてなかったの

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    2025年11月15日
  • 工場(新潮文庫)

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    他の方も言ってることだけど、とても読みやすく、現代版カフカのような空気感を感じた。読んでいる間の映像は常にこの装丁のような灰色で満ちている。少しも明るさや陽気さは感じない。
    嫌いじゃない。
    でも、個人的にはもう少し何かが起きて欲しかった。

    タイトルになってるいない他の作品もすきだけど、なんとなく何かが物足りない。私にとっては。

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    2025年10月25日
  • 工場(新潮文庫)

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    何を作っているか不明な巨大な工場で働く人々の生活を細かく描写した作品。
    特に派遣社員や契約社員と言った立場が弱い人達の心情がリアルに描かれる。

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    2025年10月12日
  • 工場(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ずっと奇妙なままで終わった。主人公、コケ、古笛、後藤、老人、孫、兄、恋人、工場、生き物、仕事、職員、、出てくるもの全てが奇妙。工場の敷地てわ生活ができるなんてあるの??ベースのような印象を受けた。工場にしかいない鳥とか!こわい。しかもそれが鵜の一種ということで、カワウとかウミウという言葉がたくさん出てきたんだけど、、それも気持ち悪かった。そして最後も???で終わった。黒い鵜の正体は職員なの?わからない。
    そして他の2つもよくわからなかった。熱帯魚好きの男の出産祝い。相手の女性はきっと餌の海老をもらっていた子なんだろう。なんで男性は死んだの?
    三つ目もよくわからない。よくありそうな会社のシーンな

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    2025年08月20日
  • ものごころ

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    短編集。「はね」「ハツ」の2作品を読んで断念。
    改行のない(と思ってよくみたらあった、から、
    少ないというべきか)長い文が読みにくくて、少し苦痛。芥川作品にこういうの多いよなぁ、と勝手な偏見。「はね」があまりに不穏で、そこでやめようかと思ったが、次の「ハツ」が犬の話だったので読み進めた。(犬好きなので)また、変な結末だったら、と畏れたけど、まぁ、良い結末で安心した。ふー!

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    2025年08月09日
  • 工場(新潮文庫)

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    『工場』
    工場で働けたことは幸運なことだ。
    正社員ではないことや、仕事内容や、存在理由に、若干疑問は残るものの。
    日々目の前にある仕事をこなしていけば、時間は過ぎ去る。
    疑問は……、とりあえず棚上げしておこう。
    従順に、ひたすら働くこと。
    そうして人間は、動物に戻っていく。

    解説には「ライトなカフカ」とあったけれど、私はカフカとは少し違うように感じた。

    『ディスカス忌』
    昭和初期くらいによく見受けられる文体で書かれているが、内容は明らかに昭和初期ではない。
    ディスカスの遺伝と、人間の遺伝と。
    浦部はそれを同等のものとして研究しているような節もあって。
    浦部は一体、なぜ死んだのか。
    「僕」は

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    2025年08月02日
  • 工場(新潮文庫)

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    製品不明の大工場にわんさか人が集まっていて、一つの街を作っている。工場には真っ黒の工場ウと呼ばれる鳥と肥大化したモルモットのような姿のヌートリアが繁殖し、さらに増え続けている。何を生き甲斐にしているのかわからない意味のない仕事をしている勤務者。オチとしてカフカの「変身」のような場面が最後に衝撃的に現れるが、そこを引っ張り出すのにもう少しストーリーを短くできたのでは、と感じた。2025.7.29

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    2025年07月29日
  • 工場(新潮文庫)

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    確かに何かがおかしいのだが、それはそれでというかそれなりに読み進めてしまい、唐突に終了する表題作も後の二作も、うーん。面白いのか、これ?

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    2025年07月17日