小山田浩子のレビュー一覧

  • 最近

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    改行無し。句読点、鉤括弧も控え目。頁一面にみっちり文字の羅列。なのに脳に浸透する…何の変哲もない庶民の日常を素のまま言語化。コロナ禍を俯瞰し、重箱の隅を楊枝でほじくるが如く微細に、且つ珍妙な人々をヴィヴィットに描写していた。

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    2025年01月16日
  • 最近

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    コロナが治まり、日常が戻ろうとするまさに最近の話。
    語り手が変わるだけで、感じ方や景色が変わり、違和感や不穏さが生まれる。まさに小山田浩子文学。

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    2025年01月16日
  • 庭(新潮文庫)

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    情景など綿密に描写されるありふれてそうな日常を追いかけているうちに、気が付くとありふれているようでそうではない、心がざわざわする世界に誘い込まれてしまっていて。
    「彼岸花」と「名犬」が特に好きだった。「名犬」の婆さん2人の会話が最高。
    あと、普通そこをきっかけに物語が始まっていくもんだろうというタイミングでスパッと話が終わる「延長」になんだか痺れてしまった。


    1年ぶりに再読して改めて思うが、何も家グモを最後に持ってこなくてもいいじゃん…

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    2024年11月02日
  • 庭(新潮文庫)

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    リアルな日常の中に、謎の行事「うらぎゅう」や、裏庭の井戸のどじょうをすくいにくるご近所や、校庭を歩き回る蟹などの奇妙な出来事が忍び込んでくるのが、なんとも言えず気持ち悪くて癖になる。
    何を伝えたいのかよくわからないのに惹きつけられるのは、現代版内田百閒といった風情がある。
    他の作品も気になる。

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    2024年09月21日
  • 穴

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    日常に紛れているちょっとした違和感をとても丁寧な描写で書かれていると思う。そのせいか「何でもない」事を勝手に色々妄想。面白かった。

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    2024年06月02日
  • 小島(新潮文庫)

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    どこかの誰かのいつかの何気ない日常だけど、物語の端々に非日常が見え隠れしていて、それが読み手を不安にさせる。でも気になって読むのをやめることができない。

    「かたわら」と「異郷」が特に好き。

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    2024年01月02日
  • 庭(新潮文庫)

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    著者の本は「穴」、「工場」を既読だが、独特の文体が楽しめた.15の短編集だが、匂いに注目している場面が多いと感じた.記憶していることに匂いが連動していることはよく気が付く現象だと思っているが、著者の感覚の鋭さにも関連しているようだ.蟹やクモに注目しているのも意外性があるが、著者の感性に触れるものがあるのだろう.現実とは少し乖離した世界を漂うような感触が得られる好著だ.

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    2023年05月21日
  • 穴

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    ネタバレ

    穴は難しかったです。姑からの振込依頼のお金が足りなかったこと、水を撒き続ける義祖父、黒い獣、義兄や子供たちの存在、そして穴。
    色々考察してみたがわからないことが多い、だが一つだけわかるのはコンビニで働き始めてからは日常がもどったことだけだということ。
    いたちなくは妻の語りが不気味でラストもよかった。

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    2022年11月15日
  • 穴

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    ある女性が夫の実家のある独特な雰囲気のある田舎に引っ越す。そこでの出来事が描かれるのだが、途中で視点が妻から夫へと切り替わる。不明な点が多く、自分でもこの作品をしっかり評価できているかわからない

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    2022年09月06日
  • 庭(新潮文庫)

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    淡々としてて何気ない日常が書かれているように見えて、なんだかゾッとするような不気味さが残る短編たちでした。

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    2021年08月22日
  • 庭(新潮文庫)

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    一見普通の話のようで、最後数行で、えっ、てなる話の数々。後書きにもあるが、いろんな虫やどじょうや蛙や、苦手な自分からすると薄気味悪い生物がたくさん出てくるが、作者はそれが好きらしい。子供を産むことを期待される嫁(女性)の話がたくさん。避妊手術をした犬が最後に姑のように「ウマンテカ」という『名犬』とか、文学。

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    2021年08月19日
  • 庭(新潮文庫)

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    短編15作
    どれもそんなに長い話ではないけど、たっぷり読んだ感
    この少ない文字たちで、どこか別の場所に連れていかれる不思議
    知ってるような、どこか経験したような、理解を超えた理解は妙にリアル
    好物のダルスープよろしく、どう美味しいは説明できないけど最初から好きでずっと好きみたいな

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    2021年02月03日
  • 穴

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    ネタバレ

    第150回芥川賞受賞作。表題作に2篇の短編を加えたものが本書です。

    古今東西のさまざまな文学を渉猟し、吸収して、敬愛の情を持っている人が書いた作品という気がしました。膨大に読みこんだ読書経験の量を背景に持っているので、どこかブルドーザー的な力強さを執筆に転じて発揮できているのではないか。

    以下、ネタバレのある感想と解釈です。



    見たことのない獣を追って穴に落ちる主人公の主婦・あさひ。主人公にとってはずっと問題のなかった「世界」を見る視座が、穴に落ちたあと気付きもせずにぐらりと変わっているといいますか、世界のほうがごろっと妙な角度に曲がってしまうといいますか。そこも僕には、読んでいて物理

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    2025年07月26日
  • 工場(新潮文庫)

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    三章構成。本のタイトルにある一章目『工場』の主人公と三章目『いこぼれのむし』の登場人物は、鈍臭さがどこか似ている。
    群像劇で語られる主人公たちはどこか不思議な感じがするが、ミステリアスで惹かれるところがある。

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    2026年07月12日
  • 工場(新潮文庫)

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    訳わかんないな。ほんとに。
    怖いとか、不気味とか、いくらでもほかの一言で表せられるのに、その言葉を使いたくなる。多分認めたくないだけ。自分も例外でないことを。
    特段おかしな出来事が起きているわけでも無いのに不穏。職場の人間、その会話、仕事内容、固有の動物たち。無数の要素であるそれらが、改行を用い無い文体に詰められていることも、作用しているのだろうか。
    衝撃のラスト。とは言え、それに至るまでを淡々と描ききる力と、妙にその結末に納得させられてしまう強さを兼ね備えた一作。自分たちもそうなるのではないかとも感じてしまい、身の毛がよだつ。

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    2026年06月10日
  • 最近

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    小山田浩子さんの本、初めて読みました。会話が始まったり回想に入ったりしても改行がなく、ツラツラと進んでいく文体に戸惑いを感じる。他人の声が四方八方から聞こえてくるのでじゃかましい。ハマる人にはハマるんだろうなあ…!

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    2026年05月11日
  • ものごころ

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    家庭教師と少年の話、犬の話が印象的。
    人の心の柔らかい所を上手に突いてくるようだった。時間や時代は粛々と過ぎていくものだなと思った。芥川賞作家の短編集、拝読させて頂きました。

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    2026年04月17日
  • 穴

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    フェミニズム批評的に読むのが正統のような気がするけれど、特に表題作は社会というシステムから切り離されて宙ぶらりんな感覚が響いた。義兄を名乗る怪しげな男、素性の知れない子どもたちと老人たち、そして謎の動物と穴は何なのか、人が、命が生きていくことについて、世界がそこにあることについて考えさせられる。その結果、働くとはどういうことなのか、思い煩わずにはいられなかった。

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    2026年04月17日
  • 工場(新潮文庫)

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    何とも不思議な世界観。

    惹き込まれて没頭するタイプの本ではないが、リアルな日常から別世界の「ほんのり灰色、でもヒューマン」な人間模様に一瞬でワープできてしまう不思議な小説だった。

    どんな人生も、第一人称で見てみると奥深く、個性的で、泥臭くもあるが美しい。

    自分の人生とやんわり対比できる面白さがあった。

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    2026年03月20日
  • 庭(新潮文庫)

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    日常を切り取ったはずなのに、不思議な展開へと転がっていく短編集。
    全体的に少し変わった雰囲気がある。
    読んでいると、どういうこと?と引っかかる場面が多いが、その原因が明確に説明されるわけでもなく、スッキリしたラストが用意されているわけでもない。
    どこか読者を置いていくような感覚があるのに、なぜか気になって読み進めてしまう。
    少し陰を帯びた話が多く、あまり馴染みのないジャンルに出会えたという意味では新鮮だった。

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    2026年01月12日