宮崎駿のレビュー一覧
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渋谷陽一による宮崎駿へのインタビュー集『風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡』を読みました。
宮崎駿の作品は、6年くらい前に読んだ養老孟司との対談『虫眼とアニ眼』以来なので久し振りですね。
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「どんな状態になっても世界を肯定したいっていう気持ちが自分の中にあるから、映画を作ろうっていうふうになるんじゃないかと思うんです」(本書より)――『千と千尋の神隠し』でついに第75回アカデミー賞を受賞し、名実ともに世界のトップ・アニメーション映画監督となった宮崎駿。
決して大人に向けてではなく、ある10歳の子どもたちを観客として想定して作られた作品であり -
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インタビュアーの渋谷陽一さん、冒頭に喧嘩腰で、、、って書いてあったけど、これだけのインタビュー引き出せるのすごいなあと思った。
子供に映画を作りたい、子供に何かしたい、っていうのが宮崎駿さんの作品作りの源泉になっていて、でもそれが決して押し付けるようなものではなくて、自身が面白いと思うことを軸に構成されてると理解。
何かすごいものを作る人って、あらかじめいろんなことを想定して作るよりも、心の赴くままに進めていったらこうなりました、っていうパターンが多いのかな〜と思った。あらかじめ色々考えすぎると型にはまりがちだしね。少し自己反省です!! -
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ネタバレ実際にフランスに行ってみると、日本とのあまりの違いに反発することもありますが、その一方で素晴らしいところもたくさんあります。自分と全く違うものを学ぶということは、比較が可能になるということです。自分の国しか知らないと比較が難しい。例えば、北朝鮮です。今、我々が外側から見て、「民衆はさぞや不幸だろうな」などと思いますが、結構幸せかもしれない。一つしか知らない人間は、かなり幸せなはずです。自分と他を比較するようになると、人間は不幸になります。
しかし、さらに比較を進めることによって、逆に、自分とは何かが分かってくる。あるいは、自分たちと比較することによって、他者が分かってくる。だから、フランス -
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ネタバレ渋谷氏のロキノンは、エレカシと幸福な関係。
ブランキー初期とは幸せな関係だったが、浅井健一ソロとは決裂して……という。(→浅井健一は「音楽と人」へ。)
それくらいの印象。
もちろんロック方面、私が一時期首を突っ込んで、その奥深さに辟易し首を引っ込めた分野では、凄い人なんだろう。
が、駿へのインタビュアーとしては、ともかく続けてくれという懇談、そして次の回においては、だから前回私は駿さん続けるって言ったでしょー!? という、その鼻息に終始している。
とはいえ駿も鼻フンフンの若者に対し、ジジイとして鼻の穴をフンフンしているので、共犯。
素材としては悪くないが。
評論家は、こういういけ好かないインタ -
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宮崎はもちろん飛行機マニアで最後の長篇として大人向け戦前日本が舞台『風立ちぬ-生きよう』を作った。アニメを五十年作ってきて「もう無理」「トトロ続篇は緑が昔と違うので描けない」300×180のセル画で零戦の独特なカーブを描くのは困難。でも出さない訳にもいかない。半藤は少年時代、米軍機から機銃掃射された体験があるので軍艦マニアだと言う。大正大震災で被服工場跡地から助かったとは。軍国主義と見られるのを警戒してか、表題の如く「司馬遼太郎の言うように日本は表座敷に上がろうというのは思い上がりだった」という。
戦前も日本は民主主義で議会で大陸利権に関する議論が行われた。今の北朝鮮のような先軍主義ではない -
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堀田善衛という人は「インドで考えたこと」ぐらいしか知らなかった。「広場の孤独」「方丈記私記」「ゴヤ」「定家明月記私抄」「めぐりあいし人びと」など、脱走米兵を匿うベ平連の活動、南京虐殺事件への関心、ゴヤへの関心も反戦から…。ゴヤが描いた死が迫っていることへの恐怖に怯える眼をした犬の絵に関する解説は驚き。堀田がゴヤに惹き込まれていった原因はそこにあるという。「何万人ではない、一人ひとりが死んだのだ。この二つの数え方のあいだには、戦争と平和ほどの差がある。」との南京事件を取り上げた「時間」の文章も凄い!宮崎駿が映画にしたかった作品!堀田氏のキリスト教嫌いが想像できる一方で、「伝道者の書」の引用がた
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