【感想・ネタバレ】風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡のレビュー

あらすじ

ジブリ作品の背景や狙い、歴史観まで、徹底的に語り尽くす!

「愛とか正義とか友情とか……本気でしゃべってくれないかなあって、みんな待ってるんだと思いますね」(本文より)。2013年9月に突然、長編アニメーション映画からの引退を発表した宮崎駿監督。その宮崎監督が『風の谷のナウシカ』から『千と千尋の神隠し』までの作品について、自らの言葉で歴史観や人生観にまで踏み込みながら真正面から語った一冊。完全保存版!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

文庫本発行にあたって若干強引なインタビューの引き延ばし感が否めないが...(結構繰り返しも多い、本来カットすべき記事とか)

それでも駿さんの言葉が充分に響く本でした。「作る」を舐めてはいけない。

1
2020年09月01日

Posted by ブクログ

すべて地続きに繋がっている。ジブリの世界観ではなく、本当の意味ではこの生きてる僕たちの世界もジブリの世界なんだって。心の中にリトル宮崎駿を飼いたい、いやむしろ飼われたい。

0
2025年09月15日

Posted by ブクログ

思想をダイレクトに見れて良かった。インタビューは人が創作に昇華する前の思想を知れるから好きだ。彼関係の他の本も買ったので、今後読む。

0
2025年06月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

白黒はっきりさせるようで、のらりくらりとかわすようでもある、掴めない御方です。2002年、初版発行のハードカバーの方を読んだのですが、『コクリコ坂から』のことだな、と分かるところがあってニヤリ。あれ?監督に就かれた方違いますか??

0
2020年09月25日

Posted by ブクログ

アニメーション作家の業というものをイヤというほど思い知らされるインタビュー集です。アニメーションというのはもうやってもやってもきりがないもので、おそらく100パーセント満足できたなんてことはないのでしょう。だから映画を作る度にもうやめたい、となるのでしょう。でもまた自分のなかで、もやもやと「作らねばならないもの」が動き出す。途方もない時間と、カネと、人材とを消費して、傲慢で自分勝手なクリエイターとして「それ」をつくりつづけなくてはならない。

自分はこんなふうに一度でもものづくりをしたことがあるだろうか。と問えばあるはずもなく、うなだれるしかない。やはりまともじゃない人にしか、並外れたものはつくれないのでしょうか…。せつなくなります。

0
2014年03月03日

Posted by ブクログ

インタビュアーは少し的はずれな方がよいのか?とも感じた。少しズレて突っ込むと的確な答えが返ってくる。
宮崎駿の作品を見直してからもう一読したいと思えた。それと、ネットに流れている宮崎駿とジブリの逸話は結構本人の口から出る話とはズレててやはりネットは当てにできないと思えた。
宮崎駿と渋谷陽一の対話は教養に富む一方難解な話も多く、もっと色んなことにアンテナ立てておかないと2人の話を正しく聴くことすら叶わないと感じた。
時間が経ったら、また読み返したい。

0
2025年03月16日

Posted by ブクログ

監督の思想が作品に色濃く反映されること考えて、ジブリやエヴァンゲリオンを観てこなかったなという気付きがあった。
毎回行き当たりばったりと言い切る宮崎駿だが、きちんと上映までカタチにするんだからさすが。
意外といっては失礼だが、自分のやりたいことよりも子供たちのためのに作品をつくるということが最優先されていて、ずっとブレていないのが素敵だ。

0
2024年12月01日

Posted by ブクログ

夏と言えばジブリ。
金曜ロードショーにジブリが並ぶと夏を感じる。
今年は宮崎駿の新作、「君たちはどう生きるか」が公開されています。
ジブリに関する物語が読みたくて、「スタジオジブリ物語」と併読していた一冊です。

1990年代のインタビュー集で、
インタビュアーの渋谷さんも著名な方なんですね。

人のやり取りが途中喧嘩のようだし、
インタビュアーの考えを押し付けているような印象も受けましたが、文字だけだからですかね。苦笑

映画は受け取り手の見方、
感じ方に委ねたい部分もあるから、
名言はせず抽象的に伝えている印象の宮崎監督と、
だからこういうことでしょ、という感じのインタビュアー。

途中、インタビュアーの文章の方が長くて、
宮崎監督が「そうですね」の一言で返してるのは、
笑いました。苦笑

宮崎監督の最初の一言が、
「いや」「いや、だから」みたいな言葉が多くて、
インタビュアーが違うのか、
宮崎監督の元々の性格なのか、
あまり詳しくない私には判断できず。苦笑

子どもに向けて映画を作っているというのは、
とても腑に落ちました。
「あんな人いない」に対して、
「まだ出会ってないだけかもしれないよ」と言いたい、と。

ヒーローでもヒロインでも、特殊能力がなくても、
ちゃんと自分で立って頑張る、
千(千と千尋の神隠し)を描きたかったというのが印象的でした。

読んでいて宮崎監督節に苦笑いしたり、笑ったり、ほっこりしたり、はっとさせられたり。

宮沢賢治の本が読みたくなりました。

0
2023年08月05日

Posted by ブクログ

どれだけこの世界の現状を悲観して見ていようが、結局は絶望ではなく希望を見せる為に映画を作るのが宮崎駿監督なんだよなぁ、、、、

0
2023年05月20日

Posted by ブクログ

僕も大好きなジブリのアニメーション映画の数多くを手掛けている宮崎駿さんのインタビュー集。インタビュアーは音楽雑誌のほうで著名な渋谷陽一さん。1990年11月から2001年11月までのあいだの5度のインタビューを収録。

最初のインタビューこそ謙虚さが勝っていてまっすぐに応えようとしている姿勢が感じられるのです。しかし、だんだんと、インタビュアーに慣れてきたのでしょうか、あけっぴろげに感じられるところもあるし、歯に衣着せぬ発言も多数あるし、気難しげなところもあるしで、もともとけれんみの無いお人柄のようではあるのですがざっくばらんに話をしてくれている印象に変わっていきました。その結果、宮崎駿さんという、一人の人間であり、アニメーション映画監督であり、アニメーションの技術者であり、表現者であり、という丸ごとにすこしずつ触れられるような出来栄えの本になっていると思いました。そして、たびたび、「いやはや、面倒くさい人だな」と笑えてしまいました。

面倒くささでいえば、このなかで語られる手塚治虫さんについてもかなりです。漫画を描いているぶんには神様と言われるほどの天才的な技術と表現力を発揮する人でも、アニメーションの分野での仕事ややり口は、宮崎駿さんの言い分のよると「彼がアニメーションでやったことは僕は間違いだと思うんです」でした。製作を安く受け合ったり、イエスマンしか周りに置かなかったり、いろいろあったみたいです。

また、『エヴァンゲリオン』の庵野秀明さんと『攻殻機動隊』の押井守さんにたいする言及があるのですが、彼らへのすごいこきおろし方をしていてびっくり。読んでいくとわかりますけども、どうやら気心知れた仲みたいですね。アニメ世界の世間は狭いようで。

『風の谷のナウシカ』から『千と千尋の神隠し』まで、映画を作った動機やどういう流れの中での作品なのか、また背景にある宮崎監督の思想や知識(マルクスだとか照葉樹林文化だとか)を断片的に知ることができる内容でした。映画の一部分やキャラクターの解説になっているところもあります。

あと、コミック版『風の谷のナウシカ』に触れている箇所も多く、このコミック版にわくわくどきどきした者から言わせてもらうとぞくぞくしてくる話を聞けたような感じでした。名作だと思っているのですが、宮崎さんは苦役のようにこなしていたところがあるようで、スタジオで彼の半径何メートルかではコミック版ナウシカは無かったことになっている、と。もし誰かが触れたら怒鳴り散らされたり不機嫌になってどうしようもなくなったりしたそうです(やっぱり面倒くさいですね)。

なんていうか、クリエイター、表現者として、これだけいろいろ考えているし勉強されているし、っていうところが、一文一文にきらめいて見えるわけです。そのきらめきの光に力をもらうような読書でした。ほんとはこういう本をちまちま読みながら自分でも何か短篇小説をひとつ書いてみるだとかするとすごく楽しくなるんだと思うんですよ。なんか、よく分かっている人で、理解してくれるだろう人で、そしてライバルに設定できる人っていう感覚を持ちつつ書けるというような。読者想定がかなり具体的になるからかもしれないですね。宮崎駿さんを読者に想定して書きやすくなる、という。

それはそれとして、宮崎駿さんのバイオレンス性についてはあまり考えてこなかったですが、ふつうに自認しておられる様子。『ラピュタ』なんかでは「人が蟻のようだ」なんていって大勢死んでいったりしますし、『もののけ姫』でもばっさり刀で斬られるシーンがあったと思います。こういう暴力性の表現の意味っていうものについて、もっと話を読んでみたいです。同時に、僕も自分でもっと考えてみたいところでした。

0
2021年08月26日

Posted by ブクログ

ジブリ作品に出てくる人たちが好きだ。
特に主人公たちは、みんな(たとえ幼くとも)葛藤を抱えて生きているから。
このインタビュー集を読むと、監督の宮崎駿自身が、ものすごく葛藤を抱えて生きている人だということがわかる。
言ってることは、かなりひねくれたオジサンなんだけど、そのものすごく奥の方に、絶対に消えない小さな希望の光がある。
それを力任せに取りだして、みんなにどうだ!!と見せたい反面、誰にも見られたくないから、大事に大事に隠しておきたい、といった矛盾した気持ちのあいだから、こぼれ落ちたものが、ジブリ作品にちりばめられているような気がするのだ。
こんな感想も、宮崎監督は「わかったことを言うな」と一蹴するのだろうけど。

0
2021年07月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

――ひょっとすると自分の中にすごくアバンギャルドな創作指向性みたいなのがあって、それを抑圧してるんじゃないかということは全然感じませんか。
「全然感じません。全っ然、感じません」
――ということはやはり、基本的にはいわゆるエンターテインメント的なものへ向かうのは、自然の中の流れであるということですか
「ええ、そう思ってます。だから僕は――これはあちこちで喋ってることですけど――『人というのはこういうものだ』っていうふうな描き方じゃなくて、『こうあったらいいなあ』っていう方向で映画を作ってます。『こういうもんだ』っていうのは自分を見りゃあわかるんでね」
――(笑)。
「このだらしなさとか、そんなの今さら他人に言われたくもないし、他人に伝えたいとも思わないです。そういうことで共感を得たいとも思わない。そういうだらしない部分っていうのは、これは要するに恥の部分であって、それはもうこっそり隠してお墓に入りゃいいんでね。その底知れない悪意とか、どうしようもなさとかっていうのがあるのは十分知ってますが、少なくとも子供に向けて作品を作りたいっていうふうに思ったときから、そういう部分で映画を作るのはやりたくないと思ってます。映画だけじゃないです、他のものもそうです。それは大人向けに作るときは、また違うでしょう。大人に向けて作ったら、多分『あなた生きてる資格がないよ』ってことをね(笑)、力説するような映画を作るかも知れませんけど」

0
2018年12月26日

Posted by ブクログ

つい最近まで観る予定も無かった「風立ちぬ」は、なぜか義務のようにさえ思えるような、読み解かなければならない投げかけがいくつもあって、大変労力を必要とする映画だった。
宮﨑駿が映画という言語を用いずに何を語るのか、答え合わせの必要に駆られて読んだという受け手としては敗北を確認する読書でもあって、結局は何が残ったのかよくわからない。
安易な共感の心地よさなど不要で、今、自分が生きていることと直結していると感じる直感があるだけで、とてもありがたいことだなと思う。

0
2016年10月08日

Posted by ブクログ

人は誰もが表に見えるだけの人ではないと言うことですね。あの巨匠 宮崎駿 という括りからはみ出している部分が見えた気がします。とても人間らしい、表に出ていない部分が。前回読んだ鈴木さんの言われたことと違わない?と感じたところがあって、まぁそれぞれに捉え方が違うということでスルーしました。

0
2014年02月16日

Posted by ブクログ

 1990年から2001年までのインタビューを収録した本。宮崎駿いわく、カリオストロの城、ナウシカ、ラピュタ、そしてトトロの四本を作った段階で、これで当面終わったなという。これらの作品は、昔から作りたかった作品らしく、それらを完成させたことで一通り満足したようである。また東映動画時代の労働組合で、集団に対するリアリズムを学んだと言っている。そして人間を罰したいという欲求はあるものの、自分は神様になりたいと思うのはまずいと語っている。

0
2024年08月13日

Posted by ブクログ

渋谷陽一による宮崎駿へのインタビュー集『風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡』を読みました。
宮崎駿の作品は、6年くらい前に読んだ養老孟司との対談『虫眼とアニ眼』以来なので久し振りですね。

-----story-------------
「どんな状態になっても世界を肯定したいっていう気持ちが自分の中にあるから、映画を作ろうっていうふうになるんじゃないかと思うんです」(本書より)――『千と千尋の神隠し』でついに第75回アカデミー賞を受賞し、名実ともに世界のトップ・アニメーション映画監督となった宮崎駿。
決して大人に向けてではなく、ある10歳の子どもたちを観客として想定して作られた作品であり、しかも湯屋を舞台に何から何まで非常に日本的なるもので作られた作品であるにもかかわらず、『千と千尋』が年齢も国境も超えたグローバルな普遍性を獲得することができたのは何故なのでしょうか。
本書は12年の歳月をかけて行われたインタヴューのすべてをノーカットで収録した、宮崎駿の決定版インタヴュー集です。
華やかなサクセスストーリーを歩んでいると誤解されがちですが、宮崎駿のアニメーター人生は決して平坦な道のりではありませんでした。
実は苦渋の決断だった『ナウシカ』のアニメ化、『となりのトトロ』の興行的な失敗、表現者としてぶつかった壁……のどかな世間のイメージとはかけ離れた、一人の表現者・宮崎駿、そして人間・宮崎駿の真実。
本書ではそのすべてが、宮崎自身の肉声によって語られています。
様々な苦悩と困難を乗り越えて、宮崎駿はなぜ世界を肯定できたのか。
12年間かけてじっくり積み重ねられた、あまりに重く、そしてあまりに眩しい言葉の数々。
本当の宮崎駿を知ってください。
-----------------------

1990年(平成2年)から2001年(平成13年)の12年間……渋谷陽一による宮崎駿へのロングインタビューを収録した作品です。

 ■はじめに
 ■風が吹き始めた場所―1990年11月
  ・映画
  ・拠り所
  ・現代
  ・風
  ・娯楽
  ・ブランド
  ・黄金律
  ・自己嫌悪
  ・日本人
  ・動態
  ・左翼思想
  ・本音と建前
  ・手塚治虫
  ・ディズニー
 ■豚が人間に戻るまで―1992年7月『紅の豚』インタビュー
  ・豚の由縁
  ・崖っぷち
  ・東西の崩壊
  ・嘘
  ・豚でしかない人間
  ・「仕方のないもの」
  ・根拠
  ・出発点
  ・創作意欲
  ・終わっていない映画
  ・メガヒット
  ・本質
  ・突き抜けたニヒリズム
  ・ジャパニメーション
  ・時代劇
  ・奇跡
  ・種を蒔く人
 ■タタラ場で生きることを決意したとき―1997年7月『もののけ姫』インタビュー
  ・引退
  ・職工頭
  ・業の深さ
  ・日の当たらない日本史
  ・コダマ
  ・『もののけ姫』の世界観の裏側
  ・新しい歴史観
  ・不条理な生
  ・暴力性
  ・自信の喪失
  ・愛憎
  ・ジブリというタタラ場
  ・庵野秀明
  ・押井守
  ・高畑勲
  ・無意識
 ■ナウシカと千尋をつなぐもの―2001年7月『千と千尋の神隠し』インタビュー
  ・静かな山場
  ・千尋と海
  ・急遽の変更劇
  ・油屋=ジブリ
  ・顔の見える観客
  ・銀河鉄道の夜
  ・大事なもの
  ・予感
  ・鉄砲オタク
  ・物語
 ■風の谷から油屋まで―2001年11月
  ・失業者
  ・漫画家
  ・持ち込み
  ・制約
  ・職場
  ・橋
  ・「ライフワーク」
  ・映画版『ナウシカ』のエンディング
  ・世界観の造形
  ・『ナウシカ』の成功
  ・少年モノとしての『ラピュタ』
  ・脇役
  ・戦前・戦後
  ・キスシーン
  ・女性観
  ・『トトロ』への積年の想い
  ・日本
  ・日常
  ・草原
  ・台風
  ・『トトロ』の失敗
  ・ヒモつき
  ・思春期
  ・佳境に入ったコミック版『ナウシカ』
  ・社員
  ・経営者
  ・冷戦の終結とバブルの崩壊
  ・後悔
  ・真っ向勝負
  ・シンプルでストロングなストーリー
  ・「タタラ場」という現実
  ・祝福
  ・メロドラマ
  ・答え

宮崎駿監督が『風の谷のナウシカ』から『千と千尋の神隠し』までの作品について、渋谷陽一のインタビューに答えて、自らの言葉で歴史観や人生観にまで踏み込みながら真正面から語ったのが、本書です……資料的な価値という意味で完全保存版であることは言うまでもありませんが、本書を読むと、今回の引退劇に至る伏線のみならず、実は今後の宮崎監督の行動を占うヒントまでもが隠されていることに気づかされます、、、

12年間を費やして行なわれた5本のインタヴューを完全ノーカット収録……『風の谷のナウシカ』、『となりのトトロ』、『千と千尋の神隠し』は、どのように生まれたのか?  宮崎駿監督が自らの作品の背景や狙いはもちろん、文明論から歴史観に至るまで、徹底的に語り尽くした完全保存版インタビュー集。

渋谷陽一による宮崎駿へのロングインタビューを収録した作品……当時の宮崎駿作品は、アニメだけでなく『風の谷のナウシカ』の原作マンガを含め、ほとんど観ている(読んでいる)ので、それらの作品を思い浮かべながら読みました、、、

渋谷陽一が宮崎駿の素顔を巧く引き出している印象……その発想の源泉や背景について深く探求しているので、宮崎駿作品に対する理解が深まり、宮崎駿の思想や哲学に触れることができましたね。

宮崎駿の思考プロセスや作品に対する洞察を知りたい方にとって興味深い一冊だったし、宮崎駿ファンやアニメーション映画の愛好者にとって貴重な一冊となっていると感じました……特に印象に残ったのは、宮崎駿の

「チャップリンの映画が好きなのは、間口が広いんだけど、入っていくうちにいつの間にか階段を昇っちゃうんですよね。なんかこう妙に清められた気持ちになったりね 笑」
「ディズニーの作品で一番嫌いなのは、僕は入口と出口が同じだと思うんですよね」

「世界っていうのは光と陰で成り立っている」

という言葉だなー とても共感できました。

0
2024年06月22日

Posted by ブクログ

インタビュアーの渋谷陽一さん、冒頭に喧嘩腰で、、、って書いてあったけど、これだけのインタビュー引き出せるのすごいなあと思った。
子供に映画を作りたい、子供に何かしたい、っていうのが宮崎駿さんの作品作りの源泉になっていて、でもそれが決して押し付けるようなものではなくて、自身が面白いと思うことを軸に構成されてると理解。
何かすごいものを作る人って、あらかじめいろんなことを想定して作るよりも、心の赴くままに進めていったらこうなりました、っていうパターンが多いのかな〜と思った。あらかじめ色々考えすぎると型にはまりがちだしね。少し自己反省です!!

0
2024年06月12日

Posted by ブクログ

インタビューを読むのはあまり得意としていないが、本作は興味深かった。宮崎駿氏の思想を少し理解することができ、作品の解像度が上がった気がする。作品のことだけでなく、仕事としてのアニメーションについても触れられており、業界の様子を垣間見ることができた。

0
2024年02月21日

Posted by ブクログ

インタビューをまとめた本なので、比較的読みやすい本でした。ただ、インタビュアーがはじめにに書いてある通り本人も認めてる通りちょっと喧嘩腰なのがそこが読んでてしんどさを感じた。内容自体は各作品のことやアニメーションに対する気持ちや姿勢、世の中とどう関わってていくかを書かれていてなるほどなと思いながら、宮崎駿さんってなんかこうつかみどころがありそうななさそうな不思議な人だと思った。また改めてジブリ作品を観てみたくなった。

0
2023年11月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

渋谷氏のロキノンは、エレカシと幸福な関係。
ブランキー初期とは幸せな関係だったが、浅井健一ソロとは決裂して……という。(→浅井健一は「音楽と人」へ。)
それくらいの印象。
もちろんロック方面、私が一時期首を突っ込んで、その奥深さに辟易し首を引っ込めた分野では、凄い人なんだろう。
が、駿へのインタビュアーとしては、ともかく続けてくれという懇談、そして次の回においては、だから前回私は駿さん続けるって言ったでしょー!? という、その鼻息に終始している。
とはいえ駿も鼻フンフンの若者に対し、ジジイとして鼻の穴をフンフンしているので、共犯。
素材としては悪くないが。
評論家は、こういういけ好かないインタビュー集を材料にして色々考えなければならないんだろうね、難儀だねえ。

@@@@@

宮崎駿インタヴュー集『風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡』

宮崎駿インタビュー集第2弾刊行にあわせて6刷決定!
「どんな状態になっても世界を肯定したいっていう気持ちが自分の中にあるから、映画を作ろうっていうふうになるんじゃないかと思うんです」(本書より)――『千と千尋の神隠し』でついに第75回アカデミー賞を受賞し、名実ともに世界のトップ・アニメーション映画監督となった宮崎駿。決して大人に向けてではなく、ある10歳の子どもたちを観客として想定して作られた作品であり、しかも湯屋を舞台に何から何まで非常に日本的なるもので作られた作品であるにもかかわらず、『千と千尋』が年齢も国境も超えたグローバルな普遍性を獲得することができたのは何故なのでしょうか。本書は12年の歳月をかけて行われたインタヴューのすべてをノーカットで収録した、宮崎駿の決定版インタヴュー集です。華やかなサクセスストーリーを歩んでいると誤解されがちですが、宮崎駿のアニメーター人生は決して平坦な道のりではありませんでした。実は苦渋の決断だった『ナウシカ』のアニメ化、『となりのトトロ』の興行的な失敗、表現者としてぶつかった壁……のどかな世間のイメージとはかけ離れた、一人の表現者・宮崎駿、そして人間・宮崎駿の真実。本書ではそのすべてが、宮崎自身の肉声によって語られています。様々な苦悩と困難を乗り越えて、宮崎駿はなぜ世界を肯定できたのか。12年間かけてじっくり積み重ねられた、あまりに重く、そしてあまりに眩しい言葉の数々。本当の宮崎駿を知ってください。

目次
○ 風が吹き始めた場所――1990年11月
映画/拠り所/現代/風/娯楽/ブランド/黄金律/自己嫌悪/日本人/動態/左翼思想/本音と建前/手塚治虫/ディズニー
○ 豚が人間に戻るまで――1992年7月
豚の由縁/崖っぷち/東西の崩壊/嘘/豚でしかない人間/「仕方のないもの」/根拠/出発点/創作意欲/終わっていない映画/メガヒット/本質/突き抜けたニヒリズム/ジャパニメーション/時代劇/奇跡/種を蒔く人
○ タタラ場で生きることを決意したとき――1997年7月
引退/職工頭/業の深さ/日の当たらない日本史/コダマ/『もののけ姫』の世界観の裏側/新しい歴史観/不条理な生/暴力性/自信の喪失/愛憎/ジブリというタタラ場/庵野秀明/押井守/高畑勲/無意識
○ ナウシカと千尋をつなぐもの――2001年7月
静かな山場/千尋と海/急遽の変更劇/油屋=ジブリ/顔の見える観客/銀河鉄道の夜/大事なもの/予感/鉄砲オタク/物語
○ 風の谷から油屋まで――2001年11月
失業者/漫画家/持ち込み/制約/職場/橋/「ライフワーク」/映画版『ナウシカ』のエンディング/世界観の造形/『ナウシカ』の成功/少年モノとしての『ラピュタ』/脇役/戦前・戦後/キスシーン/女性観/『トトロ』への積年の想い/日本/日常/草原/台風/『トトロ』の失敗/ヒモつき/思春期/佳境に入ったコミック版『ナウシカ』/社員/経営者/冷戦の終結とバブルの崩壊/後悔/真っ向勝負/シンプルでストロングなストーリー/「タタラ場」という現実/祝福/メロドラマ/答え

0
2020年08月02日

Posted by ブクログ

宮崎駿。著となっているが、インタビュー集で、インタビュアーが渋谷陽一。つまりそれぐらいのコッテリさということ。

0
2014年08月02日

Posted by ブクログ

『「不幸にして君は出会ってないだけで、どこかにいるに違いない」って僕は思うんですよ。』宮崎駿のインタビュー。渋谷陽一の若さゆえのエゴの塊的な誘導には辟易したけど、宮崎駿の頑固さに救われた。長い年月をかけて、向き合う二人の変遷は悪くなかった。宮崎駿は哲学の人という印象があって。「わかる」必要はないし、わかんないなりに考えることで得られるsomethingはきっとある。と。

0
2014年05月12日

Posted by ブクログ

ケンカ腰が本当を引き出していた。

渋谷陽ーの宮崎駿へのロングインタビュー。
最初は喧嘩腰。
それが回を重ねるごとに噛み合い、思わぬ本当を引き出していた。
それは渋谷と宮崎に通底する思想や教養があったからこそ。
土俵があってこその喧嘩腰。

「『これはブランドもんだから好きだ』って着てるのは駄目ですよ! そういうスノビズムは、どっかで可愛げがあったときはいいけども」

「僕は回復可能なもの以外は出したくないです」

「僕は、人間を罰したいという欲求がものすごくあったんですけど、それはヤバイなあと思ったんです。『新世紀エヴァンゲリオン』なんかは典型的にそうだと思うんだけど、自分の知っている人間以外は嫌いだ、いなくてもよいという」

「下請けの人が仕事を持ってきてくれたときには挨拶したいしね、暇があったらお茶でもいれたいぐらいの気分なんですよ。~ところが案外ね、みんな平気な顔してるんですね」

「シンプルでストロングなストーリーで端的明瞭っていうのが映画では一番いいんだっていうのは、ほんとそのとおりだと思うんですよ。でも、それだけやってしまうと、この現代の世界は取りこぼしてしまうんですよ」

心にとまった所をピックアップしてみると、常識というか、知性というか、教養というか、もののとらまえ方が自分に響いたとわかる。

0
2014年05月08日

「エッセイ・紀行」ランキング