荒木源のレビュー一覧
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ブラック会社に就職してしまった女性が会社での立ち位置も見つけながらも、新しい部下の新入社員がとんでもなくやる気のない子だった事に端を発するお話
就職難の中、中堅レベルの女子大の片桐いずみはギリギリのところで住宅リフォーム会社の社長に雇ってもらえることになる
しかし、初出社早々に理不尽なルール、罵声罵倒、コンプライアンス違反な飛び込み営業、安月給という事実に直面
しかし、就職難の時代、退職という選択肢を考える事もできず、なんとか自分なりの営業方法で結果を残そうとして会社に残る
3年後、クリーンな営業を心がけながらもある程度の結果を残すという形で自分との折り合いをつけていた片桐に新人の部下が任 -
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高校の同級生のバンド仲間4人が、40代になってから、地元で再結成したメタルバンド「ブラッククロー」。もちろんそれぞれの仕事を持つ4人である。外科医でボーカルの江並のところに、患者が1枚の写真を持って現れる「これって、先生ですよね?」…。
秋の音楽関係は激甘祭。今回も評価が甘めなので話半分で読んでもらって結構。
これまでの高校青春バンド小説とは異なり、すでに出来上がっているオッサンたちの話である。つまり「ギターってどうやって弾くんだ?」みたいな話は出てこない。というか、あんまり楽器の話は出てこない。
内容はアンソロジーで5本。4人のそれぞれの仕事周りの話と残り1本だ。それぞれが、1970~ -
Posted by ブクログ
ネタバレとても共感できる話だった。
残業は減らしたい。でもやらなければいけないことが減るわけではない。
そして仕事に誇りがあるからこそ、責任があるからこそ適当にできるものでもない。
しょうがないという言葉で残業を容認するつもりはないし、長く勤める上ではワークライフバランスが大事だと思うけれども、それをルールだからと残業なしを強行するのも違うという考えは確かに!と考えさせられた。
そこらへんのビジネス本より実態を捉えているとても良い本だと思った。
ただパートの近藤さんの手取り額が正社員勤務残業ありの自分より高く、現実味を感じなかった。
(安倍前首相の言葉を揶揄したのかな…)
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Posted by ブクログ
タイムスリップもの。ちょっと思い出してみれば、どれもそうだったと気づかされたが、ほんとに切ない。胸をかきむしらされそうになるぐらい。それは、本書の主人公の一人である木島安兵衛がとても魅力的な人物に書かれていて、さらに、本当の主人公たち、ひろ子と友也もまた魅力的に描かれているからにほかならない。タイムスリップしてきた侍が、スイーツづくりに極上の才能を発揮するというとんでもなく斬新な設定。さらに、江戸時代と現代の人々の生活、考え方の違いについても鋭い分析が話に混ぜ込まれている妙。安兵衛の「人は分をわきまえることが大事」という一言は現代においても大切な至言である気がした。