荒木源のレビュー一覧
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ネタバレ続編としては、楽しめた。また安兵衛さんの話が読めて嬉しい。
しかし、あんなにも心厚く安兵衛さんに躾けられ、子どもらしく素直だった友也が高校生になり万引きする場面から始まるとは。母子家庭とはいえ、本人も身の回りの環境に特に不満を言っているわけでもないのに、何にも夢中になれず一生懸命になれないといういわゆる現代病的な理由で身を堕としているとは。前作での安兵衛さんの教育論が素晴らしかっただけに、友也の8年後があまりにも残念だった。つまりは、母の子育てにも問題があったのでは、と思えてしまう。
タイムスリップは措くとしても、相変わらず、なんとも突拍子もないことが起きる。ありえない展開のオンパレー -
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安兵衛が江戸に戻ってから8年。
14歳になった友也は、8年まえ安兵衛に出会った頃の素直で真っすぐな少年ではなくなっていた。
欲しかったわけでもないのにコンビニで万引きをし、捕まりそうになったので学生証をその場に落としたまま逃げてしまう。
家にも帰れず途方にくれた友也は、安兵衛が昔通ってきた水たまりに吸い込まれ、江戸時代へとタイム・スリップしてしまった。
続編の主人公は14歳の友也だ。
根気がなく、何事も投げやりで、何かと理由をつけてはやり遂げるということがない。
どこかで社会なのか大人なのかわからないが舐めているところがある、極普通の少年だ。
現代まで続いていた安兵衛の菓子屋「時翔庵」を目指す -
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ほのぼのしながらも、自分の仕事・人生について考えられた。
江戸阜凛は本当に広尾にあるのだろうか。
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シングルマザーの遊佐ひろ子は、お侍の格好をした謎の男と遭遇する。男は一八〇年前の江戸時代からやってきたお侍で、木島安兵衛と名乗った。半信半疑のうちにも情が移り、ひろ子は安兵衛を家に置くことに。安兵衛も恩義を感じて、家事の手伝いなどを申し出る。その所作は見事なもので、炊事・洗濯・家事などすべて完璧。仕事で疲れて家に帰ってくるひろ子にとって、それは理想の「主夫」であることに気付く。
安兵衛は料理のレパートリーを増やし、菓子づくりに挑戦。これが評判を呼び、「ござる」口調の天才パティシエとして時の -
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老人ばかりのオーケストラと、
大きな勘違いからオケに入団〜指揮者を任されることになってしまう数学教師のお話。
自分がオケでティンパニを叩いていることから、
梅響のティンパニスト・棟梁の
「他の楽器の陰になってほとんど聞こえないようなところでも、俺には俺の役割があって、それをきちんと叩けるのがイカしたこと」
というセリフに激しく共感!
しかし、この物語はただの仲良しオーケストラのお話ではない。
人生における大切なメッセージも含まれた物語だと思う。
指揮者である数学教師が、
音楽の才能ある年下君に嫉妬を感じて大人気ない態度をとってしまうところなど、
会社勤めしてる私が、日々味わうような感覚。 -
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今度は江戸時代へタイムスリップ。
一巻の続きだけど、ちょんまげぷりんという題目から。現代へタイムスリップした侍安兵衛が主人公かと思うけど、中心人物は現代人の友也で 江戸時代に戻ってから8年後が二巻で、その8年間のあいだの友也の変わりようになぜ?から始まる、回顧描写がもう少し欲しい気もした。
勝海舟の青年期と繋がっていたとは。開国していく前の江戸時代をちょんまげぷりん作りや現代からタイムスリップしてきた友也とうまく絡ませていてそこは後でわかったときおもしろいところだった。無罪放免のきっかけになった出来上がった美味しいぷりん 食べでみたい。 -
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コンビニで整髪料とコミックを万引きした。とりあえず逃げ切ったが学生証を落としてしまった。きっと学校や家にも連絡が行くに違いない・・・。
14才になった友也は荒れていた。安兵衛と過ごした日々はもはや遠く、彼の心の中に夢とも幻とも思えるような記憶として残るのみになっていた。
万引きした事を後悔しつつ町をさまよう友也。家の近所を歩くうちに銀色の水鏡が道路に出現していた。彼が覗き込むとあっというまに吸い込まれ、江戸時代にタイムスリップしていた。
頼る者も無い江戸ではあったが、安兵衛と会えば何とかなるという思いで彼を探した。
彼は神隠しから帰り菓子店を開いていたが、その後失踪してしまったとの事だった