荒木源のレビュー一覧
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タイムスリップもの。ちょっと思い出してみれば、どれもそうだったと気づかされたが、ほんとに切ない。胸をかきむしらされそうになるぐらい。それは、本書の主人公の一人である木島安兵衛がとても魅力的な人物に書かれていて、さらに、本当の主人公たち、ひろ子と友也もまた魅力的に描かれているからにほかならない。タイムスリップしてきた侍が、スイーツづくりに極上の才能を発揮するというとんでもなく斬新な設定。さらに、江戸時代と現代の人々の生活、考え方の違いについても鋭い分析が話に混ぜ込まれている妙。安兵衛の「人は分をわきまえることが大事」という一言は現代においても大切な至言である気がした。
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Posted by ブクログ
人の性格は役割によって与えられる。
有名なスタンフォード監獄実験では、受刑者役と看守役の役割によって実験はエスカレートして中止された。
彼の国の独裁者も、産まれながらに独裁者の役割を与えられ、その役割を演じ続けるために好き放題ミサイルをぶっ放すようになったのかもしれないし、
彼の国の大統領は、世界で一番エラいはずなのに自分の思い通りに事が進まず、自分の役割を果たしきれずにフラストレーション溜まって暴言を吐きまくっているのかもしれない。
与えられた役割を果たすために、性格を合わせて行かなければいけない。
独裁者にも、大統領にも悩みがあるのだ。たぶん。
ペックランドの独裁者ジョンウィンは今日もミサイル発射実験を視察していた。失敗の報告には責任者の処罰を指示をする。政権中枢の生殺与奪は文字通り彼のものだ。
敗戦後に経済成長が成功した隣国のヤップランドからAIロボットを極秘に入手させておいた。
多少、海外技術に知識のあるジョンウィンは説明書通りにロボットを組み立てた。
そして起動したロボットは、かつて暗殺した兄ジョンナムールの名を語り話し始める。
ロボットの不気味な顔が頭にちらついて離れず、ジョンウィンの日常生活に影響が出始める。
独裁者の心のうちなど誰にもわからないのだ。
それにしても朝にミサイルぶっ放してくれるのやめてもらえませんかね。
通勤に支障が出ておりますので。 -
Posted by ブクログ
いわゆるタイムスリップもの。
本質的なものは変わらないものの、現代の生活になじんでいく安兵衛。
順応力が半端ないな・・・というのが素直な感想。
これだけの順応力があれば、どこへ行っても安兵衛は大丈夫だろう、と思ってしまう。
江戸時代からやってきた安兵衛が、時代劇にハマるのも面白い。
やす子たち母子と真正面から真剣に向き合う姿もいい。
少しずつ、家族のような、父子のような絆が育っていくようすが微笑ましくて、あたたかい。
自分をわきまえる。
自分の成すべきことを知れ・・・ということなのだろうか?
その辺りの安兵衛の考え方が何となくピンとこなかったけれど、やらなければならないことはきちんとやれ・・・ということなのだと受けとった。
ライトノベルのような読みやすさと、あたたかな気持ちにさせてくれる物語だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ江戸時代からタイムスリップしてきた木島安兵衛。偶然居合わせたバツイチシングルマザーのひろ子の家に居候することになります。世話になる代わりに家事を引き受け、持ち前の器用さと真面目さで思わぬ家事の才能を見せる安兵衛。そして家事と育児に追われていたひろ子は安兵衛のおかげで仕事に専念することが出来、充実した日々を送れるようになります。いつしか、こんな日が続いていけば、と願うようになるひろ子ですが…、という話。
面白かったです。安兵衛の“ならぬものはならぬ”という毅然とした態度にハッとさせられました。ふざけた(失礼^^;)タイトルからは想像出来ない、しっかりした話で好感が持てました。続編もあるようなので読んでみたいと思います。 -
Posted by ブクログ
書店の店頭で見かけて、なぜか気になって、半年。
実はこの作家さんの本を読むのは、これが初めて。
やっと今、読み終えた。
一見、ヨボヨボのおじいちゃん、おばあちゃんが、ここぞという場面で、思いがけないすごい高い能力を発揮していく……てな展開を予想していた。
まあ、その予想はそれほど的はずれではなかったようだけど。
でも、何となく予想はついても、それでも楽しく読めてしまうのだ。
読んでいて、この作家、きっと音楽好きだ、と思わされるからかも。
あとがきを読んだら、荒木さんはバソンを嗜むとか。
バソン!
仏文出身で、バソンとは。嬉しくなってしまう。
最後に余計なことながら、疑問が。
ロシア人の姓は男女で違う形になる、はずでは?
それとも、外国人女性がロシア人と結婚すると違うルールなんだろうか?