あらすじ
理想のモテ男は、お侍でした。
シングルマザーの遊佐ひろ子は、お侍の格好をした謎の男と遭遇する。男は180年前の江戸時代からやってきたお侍で、木島安兵衛と名乗った。半信半疑のうちにも情が移り、ひろ子は安兵衛を居候として家に置くことに。安兵衛も恩義を感じて、家事の手伝いなどを申し出る。その所作は見事なもので、炊事・洗濯・家事などすべて完璧。仕事で疲れて家に帰ってくるひろ子にとって、それは理想の「主夫」であることに気づく。
安兵衛は料理のレパートリーを増やし、菓子づくりに挑戦。これが評判を呼び、お侍の格好をした「ござる」口調の天才パティシエとして時の人となるが――。
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江戸時代からタイムスリップしてきたお侍が巻き起こすドタバタスイーツコメディです。
卒園を控えた男児を育てるシングルマザーの前に現れたのは180年前の江戸時代からタイムスリップしてきたお侍。ひょんなことから居候させることになったそのお侍は、恩返しにと申し出てくれた家事などを任せると意外な才能を発揮して、いつの間にかテレビで一躍時の人に。
近頃目にする転生物や異世界転移物のご都合主義の多さに辟易していたため、気になっていたけれどなかなか手を出せないでいたお話でした。けれど、読んでみてびっくり。物語の作り込み、テンポ、やりとりが素晴らしく、オーディブルで聴いている間も何度も噴き出して笑ってしまうほど。とても読みやすく楽しめました。
江戸時代から来たお侍と現代では価値観が違って当然ですが、一所懸命に物事に取り組む姿勢、現代人がなくしてしまった教育観など、妙にリアルに考えさせるところがあり、見習わなくてはいけないなと感じました。
そして、最後の物語の閉じ方が秀逸です。
こちらは続編もあるお話とのことなので、続きを読むのが楽しみです。
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子どもの頃に読んだことがあったが、視点が変わったのか全く新しいストーリーとして引き込まれていった。著者が「ござる」をつかった登場人物のセリフを創造しているところが良かった。
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奇をてらうのが小説ではない。読者が想像する通りに展開すると、「ヤッパリ・・・・」としたり顔になる。田中君とひろ子は結婚します。
「男は外、女は内」。解説の末國さんとは意を異にするが、私は、若いやつらよ今一度男女の「分」を考え直してごらんと提案してるのです。ひろ子が役職を辞したのはなぜだと思いますか?キャリア追求では家庭の平和は守れない、と考えたのでは無いでしょうか。
源さん、一所懸命(一生懸命でなく)に頑なに拘るのを止めたらいい作家になれるよ。最後に「江戸阜凛」、ホロリとしました。
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現代では当たり前な事が、時代が変わると当たり前ではなくなる…と当たり前の事を再認識。
ただ、誰かが誰かを思う気持ちであったり、自分が相手の事を考えるように相手にも自分の事を考えてもらえたら…と願う気持ちは、いつの時代も変わらないのかもしれない。
読み終わったら高確率でプリンが食べたくなる作品。
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道端で行き倒れていた侍風の格好をした人は、江戸時代からタイムスリップした本物の侍だった
侍は介抱してもらったお礼に家事を引き受けることに
うち向きのことは女がするもの、という考えの侍がお礼のために家事をし始め、料理スキルが上がりすぎて連日引っ張りだこの超忙しいパティシエになっていく話
元旦那が仕事ばかりで休日ゴルフばかりで嫌、家事してくれ
→ひろこ自身仕事忙しくなってやりがい感じ始める、家事やってくれるのありがたい
→安兵衛の仕事忙しくなって寂しい、家政婦さんに任せてたけど自分でやりたくなる
の変遷とか、
現在と江戸時代の教育方法とか家事分担の考え方とかが面白くて意外と社会派なテーマだった
てっきり侍がプリン屋さんになるまでの話だとおもってたからケーキでバズっててびっくりした
と思って読んでたら最後の新事実でびっくりした
感想書くときに見つけたけど2巻目も出てるのね…?よみたい
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十年ぶりくらいの再読
タイトルで勝ったなという印象(中身もちゃんとしているけど)
タイムリープものだけど、江戸と現在の価値観の違いというよりは、もっと根源的な働くことについて書きたかったんだろうなと感じる(解説と同意見)
友也、素直な子だな~
ただ、カバー絵なんとかならないのかな…
安易にイケメン出しときゃ売れるというものでも無いんじゃない?
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同僚におすすめされた本。
安兵衛が家事に必死に取り組む姿がよかった。
メモ書きが、安兵衛自身が生きた時代の言葉で記されているのが、当たり前のことではあるけれど、なんか良かった。
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思わず頬があがってニコっとしてしまうようなシーンが多く、心が温まった。
特に大会の場面では、自然と応援し、息を飲んでしまうほど引き込まれ、喜んでしまったことに、深く作品に没入している感覚になった。
「この本と出会えてよかったな〜。」と微笑ましく思うような作品。最後の結末も素晴らしかった。
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オススメされて借りた本
自分では手に取らない本ながら
読んだらすごく面白かったー(*σ´ω`*)σ
解説にある通り
ただのSFじゃなくて
ちゃんと現代家族の闇?も考えさせられる安兵衛節
ただ、表紙のイケメンを想像しながら読んでいたのに
岩みたいなオジサン⁈って… ちょっとテンションが下がったのはナイショ
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原作は「ふしぎの国の安兵衛」という題名だが、文庫本化されたときに「ちょんまげぷりん」に改題された。
映画化の影響だろうな。
内容は、映画のCMもバンバン流れていたのでお解りであろう。
江戸時代の侍が現代にタイムスリップし、パティシエになるというお話。
この手のタイムスリップものは、いくらでもあるんだけど、やっぱり面白いよね。
マンガみたいでさ。
「王様のブランチ」だったか、この作者のインタビューを見た覚えがあるけど、実生活を小説にしたようなものだと。
奥様が仕事に出て、旦那が家事を勤める。
この小説も、江戸から着た侍、外でウロウロする訳にも行かず、仕事もなく、居候することになった母子家庭の家事を手伝う内にケーキ作りがもの凄く旨くなって、テレビ番組のコンテストに出場し、そのキャラ(侍言葉や考え方)がテレビ受けし人気者になる。
しかし、ケーキ作りは男のすることではないと基本的には思っているあたりが良いねぇ。
結末も、たいしたカラクリがあるわけではないけど楽しめる本でした。
早速、「ちょんまげぷりん2」の読書開始でござる。(笑)
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どうなる?どうなるのか?
と先が気になり一気読み。
それは急に来たけれど、良い終わり方だと思った。
過去に戻った安兵衛の未来が見えたのが良かった。
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現代の日本人の気持ちのありようを批判している内容に思う。
他人のことを見て見ぬふりをしたり、自分だけが正しいと思い、人の意見を聞かなかったり。
自分のことを言われているようで耳が痛い。
それを江戸時代の人を使って言わせている。
物語とは言え、それをすんなり受け入れるシングルマザーも大したもんだし、時代の寵児として祭り上げるマスコミにも呆れる。
SFと言うより、現代風刺と思った。
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保育園児の息子と二人暮らしのシングルマザーと、江戸時代からタイムスリップして来て家に置いて貰う恩義から家事一切を完璧にこなす侍との日常。更に、侍が始めたばかりの料理の才能でパティシエとしてのTV出演等時の人となり二人とすれ違い始める。和むけれどなあなあでなく、それでいてほっこりする結末もきれいだった。
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タイムスリップもの。ちょっと思い出してみれば、どれもそうだったと気づかされたが、ほんとに切ない。胸をかきむしらされそうになるぐらい。それは、本書の主人公の一人である木島安兵衛がとても魅力的な人物に書かれていて、さらに、本当の主人公たち、ひろ子と友也もまた魅力的に描かれているからにほかならない。タイムスリップしてきた侍が、スイーツづくりに極上の才能を発揮するというとんでもなく斬新な設定。さらに、江戸時代と現代の人々の生活、考え方の違いについても鋭い分析が話に混ぜ込まれている妙。安兵衛の「人は分をわきまえることが大事」という一言は現代においても大切な至言である気がした。
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設定がとても面白いです。
また、確かに現代の私たちって心にゆとりがなく、必要なところにパワーをつかっていないのではないかとしみじみ思いました。
心のゆとりって本当に大切だと改めて思いました。
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いわゆるタイムスリップもの。
本質的なものは変わらないものの、現代の生活になじんでいく安兵衛。
順応力が半端ないな・・・というのが素直な感想。
これだけの順応力があれば、どこへ行っても安兵衛は大丈夫だろう、と思ってしまう。
江戸時代からやってきた安兵衛が、時代劇にハマるのも面白い。
やす子たち母子と真正面から真剣に向き合う姿もいい。
少しずつ、家族のような、父子のような絆が育っていくようすが微笑ましくて、あたたかい。
自分をわきまえる。
自分の成すべきことを知れ・・・ということなのだろうか?
その辺りの安兵衛の考え方が何となくピンとこなかったけれど、やらなければならないことはきちんとやれ・・・ということなのだと受けとった。
ライトノベルのような読みやすさと、あたたかな気持ちにさせてくれる物語だった。
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かなり前に錦戸君とともさかりえの映画を見て、面白かったのだけど、原作があるとは分かってなかった。で、最近「オケ老人!」の映画を見て、原作読んで、これも同じ作者が書いてると知って読んでみた。これも映画がストーリ的にはそのままなぞってたので、復習した感じ。懐かしく読んだ。続編も読んでみよう。
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江戸時代からタイムスリップしてきた木島安兵衛。偶然居合わせたバツイチシングルマザーのひろ子の家に居候することになります。世話になる代わりに家事を引き受け、持ち前の器用さと真面目さで思わぬ家事の才能を見せる安兵衛。そして家事と育児に追われていたひろ子は安兵衛のおかげで仕事に専念することが出来、充実した日々を送れるようになります。いつしか、こんな日が続いていけば、と願うようになるひろ子ですが…、という話。
面白かったです。安兵衛の“ならぬものはならぬ”という毅然とした態度にハッとさせられました。ふざけた(失礼^^;)タイトルからは想像出来ない、しっかりした話で好感が持てました。続編もあるようなので読んでみたいと思います。
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確か、映画でやってたな〜と思い、バカバカしいのを覚悟して読んだら、あら、面白い。昔の言葉使いや、考え方、安兵衛さんの佇まいなど、嬉しくなりながら読み進めた。興味深かった。
続編も出てたみたいだから読んでみようかな。
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たわいないタイムスリップ物で戯画的な要素はあるが、よくできていると思った。特に現代のワーキング・シングルマザー(のステレオタイプらしいもの)がビビッドで共感しやすいようにできていると思う。
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大河ドラマの影響で江戸時代に興味持ち積読にあったことを思い出して読んでみた。タイムスリップものでコミカルな内容で予想外だったけれどサラッと読めた。もう少し歴史の実話のような内容が読みたかったからちょっと選書間違えたかも。それでも続編が出てるようなので見つけたら読んでしまうかなぁ。
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シングルマザーの遊佐ひろ子は、ある日、侍の格好をした男と遭遇する。
男は180年前の江戸時代からやって来たと言う。
という、王道のSFもの。
しかし、内容としてはかなり社会風刺が効いている。
正社員、契約社員、派遣社員。雇用形態の不安定さによる未来への展望。
家事、育児、男性女性、主婦、主夫。
昨今では、女性の社会進出がごく自然に当たり前になってきているが、未だ男は外で稼ぎ、女は家を守るという旧態の考え方もなくなってはいない。
そんな中、儒教、主に朱子学が盛んであった江戸時代からやってきた男が平成の世でシングルマザーをする家にスーパー主夫として居候することに。
彼は江戸時代、旗本直参であったという。上様直属の部下であるが、その仕事内容は、天下泰平の世の故、ひがないちにちぶらぶらすること。給料である禄はもちろん支払われる。
現代の働くことの意義や仕事を通じて生きて行く中で、何が大切であるか。
さくっと読めるエンタメものだが、中々にはっとさせられる一冊でした。
Posted by ブクログ
これを登録してびっくり、2がある(笑)。
まぁ、ち違うお侍がやって来る話なのだろう。
最初の方は、ありきたり感もあって、また、教育論を振りかざす(というほどでもないかもしれないが)感じもあって少し読みにくかったが、最後の方はおもしろかった。ハートフルストーリーだね。
田中氏の変わりっぷりにはびっくりしたけど(笑)。
Posted by ブクログ
ほのぼのしながらも、自分の仕事・人生について考えられた。
江戸阜凛は本当に広尾にあるのだろうか。
ーーー
シングルマザーの遊佐ひろ子は、お侍の格好をした謎の男と遭遇する。男は一八〇年前の江戸時代からやってきたお侍で、木島安兵衛と名乗った。半信半疑のうちにも情が移り、ひろ子は安兵衛を家に置くことに。安兵衛も恩義を感じて、家事の手伝いなどを申し出る。その所作は見事なもので、炊事・洗濯・家事などすべて完璧。仕事で疲れて家に帰ってくるひろ子にとって、それは理想の「主夫」であることに気付く。
安兵衛は料理のレパートリーを増やし、菓子づくりに挑戦。これが評判を呼び、「ござる」口調の天才パティシエとして時の人となるがーー。
Posted by ブクログ
シングルマザーの遊佐ひろ子はお侍の格好をした謎の男と遭遇する。
男は一八〇年前の江戸時代からやってきたお侍で木島安兵衛と名乗った。
半信半疑のうちにも情が移り安兵衛を家に置くことに。
安兵衛も恩義を感じて家事の手伝いなどを申し出る。
その所作は見事なもので炊事・洗濯・家事などすべて完璧。
仕事で疲れて家に帰ってくるひろ子にとってそれは理想の「主夫」であることに気づく―。
Posted by ブクログ
ありがちな設定だけど、意外と面白かった。
都合良すぎる展開と、強引な話の進め方ではあるが
飽きさせない。
まー先は読めてしまうのだけど....。
表紙の男前な人なのかと思っていたら、
本の中の人は全然違うくて笑った。