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Posted by ブクログ
■サマリー
・建設業界の残業実態と悪戦苦闘を小説化
・現場管理は大変なんだと(少し)わかる
・勧善懲悪な物語
■所感
2024年4月から建設業界も36協定による残業規制が厳しくなったと新聞で目にした記憶を思い出した。
本書は令和元年(2019年)に刊行した小説なため、少し時代を先取りしている。
物語は、現場監督さんたちの悪戦苦闘を描いた勧善懲悪の物語である。
この物語で共感できるフレーズがあって、「人生は高層ビルを建てるようなもんだ。いろんなことがある。途中でもうだめかと思うこともある。でも最後は必ず、立派に完成するもんだからな」と所長の成瀬正和が部下の砂場良智に語りかけるシーンである。人生って少しずつ積み上げていくという過程を建設にうまく例えている。
このシーンの裏側には、砂場にとっては哀しい出来事があるのだが、それもまた共感できる。
残業というのは、極力したくない。せずに済むならそれに越したことはない。
業務効率化、AI活用、DX・・・残業禁止というか、
残業撲滅には欠かすことができないことである。
Posted by ブクログ
働き方改革が声高に叫ばれる昨今、ワークライフバランスを無視したような過剰な残業は決して許されることではありません。
とはいえ、どうしても対応しなければならないこともあるでしょうし、「仕事が終わらないままになっている」ということをストレスに感じる人もいるでしょう。
体調を崩すことがなく、個々人の人生を尊重しながら、適切な時間や負担で回せる労働管理が必要なのだ、というのは理想論としてはわかります。
この物語の舞台は建築現場ですから、建物の完成時期は決まっていますし、天候などの影響を受けながら工事のやりくりをしなければならず、どうしても現場の管理者となる社員たちは残業が多くなります。
事故を起こさず、適切な仕事をしながら労働者の権利を守ること、それを会社(管理職)が十分に認識するとともに、働いている労働者の側にも「過剰な残業をすることは決して「偉い」ことではない」という考えを持つことが必要なのだと思います。
どうしても人が他人を見る視点は一面的になりがちですし、自分の価値観と異なる生き方をしている人間のことは認めにくいものです。物語を通して主人公の考え方が変わってゆくところは印象的ですし、生きてゆく中で避けては通れない「働く」ということを考えさせてくれる小説だと感じます。
Posted by ブクログ
次々に降りかかる難題の連続。でも、何度か書かれているように、使える時間は限られているのだから、品質を落とさずに作業量をこなすには、人を増やすか期限を伸ばすしかない。あるいは段階的納品とか?(建物の場合は無理か?)あるいは、月並みながら無駄を省くとか、過剰品質を避けるとか。併せて『わたし、定時で帰ります。』や『育休刑事」を読むと補完される部分もあるんじゃないかな。現実なら、あとは、(今回ちょっと出てきた程度だったけれど)介護問題とかも出てくるのかも。不足人材は、退職した女性やシニア世代で補う、これは手っ取り早く効果が期待できそう。現実世界にて、「働き方改革=残業を減らす」ということばかりが目立つけれど、この小説にもあったように、(十分とは言えないかもしれないけれど)「働き方」を考えるきっかけになって入るし、ある程度の効果は出つつあるのではないかと思う。小説の方に戻ると、あんなに無理だって言ってたのに、間に合っちゃったのかあと若干拍子抜け。どうやって間に合わせたのか、そこが見たかった。そして、最後はウルトラCの「捨てる神あれば拾う神あり」。
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