倉本一宏のレビュー一覧
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2024年は大河ドラマ「光る君へ」にどハマりした1年だった。歴史の方も知っておきたく、大河の時代考証をしている倉本先生の本としてこちらを読んでみた。
ドラマのスピードと同じペースで読んだので結局1年かかってしまった。このタイプの本を読むのはおもしろいけどけっこう疲れる。
とはいえ、おもしろかったなー。実資様の小右記の偉大さよ。平安貴族みんな、公にする前提の日記を書いていて、そして実資が緻密に記録していたからこそ千年前の暮らしや人間の姿、性格までもわかる。すごいな。
他にも平安貴族のことがもっとわかる本を読みたい!
ゆっくりと読み進めたいと思いました -
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紫式部と藤原道長
著:倉本 一宏
紙版
講談社現代新書2721
おもしろかった
紫式部は、藤原為時の女(娘)として、確かに存在したそれは、藤原実資が書いた、小右記という資料に、そのように書かれているからであるしかも、彼女は、後世の人から紫式部と呼ばれることになるとは、死ぬまでしらなかったとある本名は不明、彼女の正式な呼称は藤原為時の女であるからだ
そういった意味からは、枕草子を書いた清少納言がほんとうにいたかは定かではないそれは、同時代の文献に記載がないからである
源氏物語や、紫式部日記が成立したことも、藤原道長がいなければ成り立たなかったと本書は語る
ただ、彼女の詠んだ歌が、いたることに -
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藤原鎌足・不比等に始まる藤原一族。まさに日本の歴史を動かしてきた一族。
不比等から脈々と続く家系をとてもわかりやすく丁寧に説明してあり、知識が整理できる。
不比等の息子たち四家の分立で時代によって勢力も異なり、いかに政治のトップに立ち、また落ちていったかもよくわかる。
北家が中枢になってからも、他の式家、南家、京家のあゆみも書かれているのも良い。
藤は他のものに絡みつき脈々と受け継がれてきた。
そして近代まで続くこの藤原氏はこの国の中枢を支えてきていることに気づかされる。
奈良、平安時代だけのの一族ではない。
自分が思っていた以上に大きな一族だった。
この国の政治を考える上で、藤原氏は重要な -
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ネタバレ今年の大河ドラマ『光る君へ』のおかげで紫式部と藤原道長、平安文学や平安時代に注目が集まっていて、今、書店では関連書籍が沢山平積みされています。
源氏物語や平安時代が大好きなのでこのチャンスを逃す手はない!と書店巡りが特に楽しい今日この頃です。
さて、本書はそんなドラマの時代考証を担当されている方が書かれた研究本です。
いろいろ勉強になって、フセンを貼った箇所が多すぎてこちらには書ききれないほどですが、特に印象に残ったところだけでも書いときます。。
式部の父である為時の話。
10年ぶりに官位を得、淡路守に任命されるも、それを嘆いた為時の詩を読んだ一条天皇が涙を流し、その姿を見た道長が最上国の -
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平安時代は決して平安ではなかった。そのことを痛感することができる本である。それも摂関政治の絶頂期と言える藤原道長や頼道の時代でもかなりの乱行が幾つもあった。本書は歴史学の立場で文学作品は一等資料としては用いず、公家日記の類を根拠にして論じられている。しかも対象は地下と呼ばれた下級官人なのである。
貴族にとってこうした下人はまさに卑しき人なのであって、人権の配慮はほとんどない。下人が死傷したとき彼らが気にしたのは穢れのために公的行事が中止にならないかということであった。下人から見た記録がないのだから、偏光グラスを通して時代を伺うしかない。
本書は歴史学者らしく文献の紹介をしながらも、しばし -
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「栄花物語」を読んでみたいと思っていたらこの本の中に沢山でていて、嬉しかったが・・・。
平城天皇、陽成天皇、冷泉天皇、花山天皇
この4人の若い皇統の天皇様は、成し遂げたかったこともできず、貴族の権力者から皇位継承を狙わられて 「暴虐や狂気」に仕立てられる。
正当な皇統を、嘘で歪曲し天皇を退位させられる。
この本は、古文書を照らし合わせることで、
史実はどうだったのか?が 書かれています。
まだ若い少年・青年期に精神疾患を患っているように古文書に残され、上皇として長い時間過ごされた。歴史を歪曲され後世に読みつがれてきたなんて たまらないですね。
王統が断絶しかけたときに、越後から大男 -
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倉本一宏先生の「平安貴族とは何か」を読んでから、藤原行成が書いた日記である「権記」も読んでみたいと思い手に取った。面白かった!
三蹟の一人に数えられるほど能筆の藤原行成の日記が綴られている。奈良のお寺にお参りに行って観光したこと、ピクニックに行って藤原公任のかの有名な「滝の音は耐えて久しくなりぬれど名こそ流れてなお聞こえけれ」の和歌が詠まれたその場に立ち会ったことから、一条天皇に一帝二后を迫り、一条天皇の臨終に合わせて「皇后定子が産んだ敦康親王ではなく中宮彰子が産んだ敦成親王を東宮に」と進言するところまで、とても勤勉に記録が残されている。
一条天皇が定子を失った悲しみを理解していても、自分の家 -
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あんまり難しかったら…と迷ったけど、結果読んで良かったです。
とっかかり、平安時代を説明するに、日記から紐解くことで親近感も持てたし、ちゃんと重なっていくのが楽しかったです。
摂関政治と習った藤原一族の同行や、その職責がどんなかなどそうだったのかと腑に落ちます。
この時代も、一族のために婚姻が利用される、女性はその道具だったことがありありとわかる。
それと、男性は「waoh!」というピンク色の夢を見ると言うが、この時代にもその夢があった(ある意味当然?)それが書き付けてあるというのも驚いた。
ただ、その夢は旅立ってしまう妻との夢で、このときに不謹慎なと自分を責める気持ち、そしてやはり旅立 -
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大河ドラマ「光る君へ」の時代考証を担当されている倉本一宏先生の本。先生の専門である平安時代の日記「御堂関白記」「権記」「小右記」について解説されている。
大河ドラマはドラマとして楽しんでいるので、こうして実際の平安時代にはどんな記録が残されているのかということを知りたかった。最初の本として読んで本当に良かった。
今までは平安時代と言ったらその風俗や女流文学から切り込んだ文献を読んでいた。こうして政治の中枢にいた権力者たちの日記から見えてくるリアルな時代も面白いなと。日記を残すことで子孫が権威を保てるようにしたという、なんとも政治的な理由も面白いが、普通にその内容が興味深かった。
ハイパーウルト