倉本一宏のレビュー一覧

  • 権記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典

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    苦労人行成のお仕事日記。

    『御堂関白記』とまた違ったかたちで、あの時代を記した日記である。自筆が残っている『御堂関白記』がレアとはいえ、あまり詳しく残っていないのは寂しい。なかなか出世が望めない状況で、道長に追従しながら頑張っていたことが感じられる日記だが、妻子の病や死について書いた部分も印象的。

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    2024年08月18日
  • 紫式部と藤原道長

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    学者さんが書かれている著書だけあって、しっかり1次資料からわかることのみを述べています。
    先生も、平安時代の大河は難しいと考えていらっしゃったんですね!
    今の大河をどうご覧になっているか聞きたいです。
    おそらく、予想の斜め上?の大河かと思いますが、私は好きです。
    あと、大河になると研究が活性化されるのがいいですね。

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    2024年08月05日
  • 紫式部と藤原道長

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    栄華を極めたような彰子の人生も一個人としては寂しいものだった。夫の一条帝が愛したのは定子であり続けたし、彰子との子は愛情の結果というよりも道長からの圧力だろうし。彰子のサロンも必ずしも栄えていたわけじゃなさそう。枕草子をちゃんと読みたくなった。

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    2024年05月26日
  • 権記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典

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    大河ドラマ「光る君へ」にも出てくる藤原行成の日記。儀式が律に則らず、家ごとのしきたりになっていく中、子孫に振る舞い方を残すために綴られた。その中でも時折、歴史に残る事件や本人の感情が垣間見えることも面白い。当時の文章と現代語訳を比較しながら読むと当時の筆致もうかがえる。
    今後は、大河ドラマに出ている藤原実資の小右記も読んでみたい。

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    2024年05月05日
  • 紫式部と藤原道長

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    著者は大河ドラマの時代考証を担当しているが、脚本に対して、いったいどんな気持ちでみているのだろう。

    それにしても、中学校の国語の授業で清少納言を、「清」少納言と発音した私のことを教師は嘲笑したが、大河ドラマでは名付けの由来などに言及していて、少しばかり溜飲が下がった思いである。

    本書では道長への権力の遷移と、紫式部のサロンでの立ち位置など伺えて興味深かった。

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    2024年04月29日
  • 平安京の下級官人

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     平安時代の下級官人の置かれていた状況、人事への一喜一憂やその勤務振り、生活の実相を、「古記録」を用いて明らかにしようとするもの。

     摂関期になると下級官人が昇進できるのは限られたポストまでとなってしまっていたが、役人にとって人事は何よりも重要。悲喜こもごもが語られる。また、この時代何よりも求められていたのは、儀礼という政務を「先例」、次第通りに行うことで、ここでも失敗の例が残されている。
     その他、闘乱、殺人、勤務の懈怠など様々な出来事が紹介される。もちろんこうした古記録に書かれる出来事は、珍しいと思われるからこそ記録に残されたのであろうが、それにしても驚かされるようなことが次から次へと出

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    2024年02月05日
  • 平安京の下級官人

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    下級官人の業務・日常・取り巻く社会を御堂関白記・権記・小右記などの記録から導き出している
    そこかしこに実資(大河ドラマではロバート秋山)の名前がでてくる、日記にマメな貴族さん
    興味深かったのは、触穢に対するこだわり(本朝独特の忌む風習)は疫病と関係あるのではないか、天然痘等の最悪の死を前提に考えると忌引き等で出仕を一定期間憚る事が自然に思える
    当時は天然痘は大部分の人がり患していて、顔にアバタがある事がデフォであり、鉱物性の化粧品で白く厚塗りをしていた理由もうなづける
    【疫病の流行】疱瘡・麻疹など
    989、993、994、995、998、999、1000、1001、1005、1008、1014

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    2024年01月22日
  • 紫式部と藤原道長

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    平安時代初心者の方向けかな、という感じ。
    平安時代モノが好きで、色々読まれてる方には知ってる情報ばかりかもしれないが、倉本先生の一次資料で確認できる事柄のみ!というプライドが感じられる。

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    2023年12月25日
  • 藤原道長「御堂関白記」を読む

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    内容はどうあれ千年以上前の日記の現物が残っていることと、読める箇所があるのは驚き!現物の写真が貴重です

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    2023年12月11日
  • 敗者たちの平安王朝 皇位継承の闇

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    来年の大河ドラマ「光る君へ」の時代考証を担当されている方の著書ということ、また、タイトルに惹かれて購入。
    単純に権力争い、藤原氏の女性から生まれた天皇を立てて権力を握ってきただけだと思っていたので、「狂人」にされて皇位を奪われたという『闇』を知り驚いた。しかも譲位した年齢も若く、上皇として長く生きていた。。後書きにある、敗れてからの存命年数という注目点!歴史の常識を鵜呑みにするのは良くないと勉強になった。
    皇統交替の問題がこの現代でも起きているいま。
    日本人として知るべきこと、学ぶべきことだと感じた。

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    2023年12月07日
  • 小右記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典

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    朝廷実務の官僚として極めて優秀かつ長寿であった藤原実資(さねすけ)が遺した小右記。儀礼関連の記事や、事件、人間模様(藤原道長と三条天皇の不仲等)が詳らかにかかれた書籍。特に著名な「この世をば我が世と思う…」という望月の歌についてもこの本に明記されているが故に知られているものであり、平安時代の官僚を取り巻く実情が知れる興味深いものだった。

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    2023年11月17日
  • 小右記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典

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    こんなに分厚くなるほど長い日記をつけて、それが現代に残されるのがすごい。平安時代は寿命が短いはずなのに道長が689/757ページあたりまでずっと存在を示していて62歳で長寿で亡くなったなと思ったら、著者の藤原実資は90歳で死去していてびっくり。確かに健康にも気を遣ってそうな生真面目な文体でした。

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    2023年09月27日
  • 皇子たちの悲劇 皇位継承の日本古代史

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    平安時代の摂関期から院政期にかけて、敗者となった皇子たちの政治的背景を探求した本です。
    時々時系列が入れ替わってる点はややわかりにくいかなと思いました。

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    2023年05月14日
  • 平安京の下級官人

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    摂関期の平安京に生きた下級官人や庶民の仕事や生活を巡る様々なエピソードを一次史料を基に紹介。
    平安時代の人々の生き様が知れて面白かったが、いろんな話を盛り込みすぎで、それぞれの記述が簡潔なので、エピソードの背景や詳細がよくわからないものが多かった。

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    2023年03月24日
  • 平氏―公家の盛衰、武家の興亡

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    <目次>
    第1章  桓武平氏の誕生
    第2章  その他の平氏
    第3章  公家平氏の人びと
    第4章  武家平氏の葛藤
    第5章  公家平氏と武家平氏の邂逅

    <内容>
    『尊卑文脈』などを元に、平氏について語っていく。新しい解釈というより、文献から確実な史料を紹介し、裏付けていくやり方。古代日本史の資料集としての使い方がいいかもしれない。

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    2022年11月23日
  • 平氏―公家の盛衰、武家の興亡

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    平氏
    ~公家の盛衰、武家の興亡~

    著者:倉本一宏(国際日本文化研究センター教授)
    発行:2022年7月25日
    中公新書

    以前、作家・森岡浩氏と歴史学者・本郷和人氏が書いていた新聞記事をまとめ、平家と平氏について整理してFBに書き込んだ。
    平氏には公家になった平氏と武士になった平氏があり、さらに武士になった平氏には棟梁になれる血筋となれない血筋があった、と。棟梁になれたのは京都で貴人に使えた武士の平氏に限られ、「平家」と呼ばれたのは伊勢に拠点を置いて京の朝廷に仕えた伊勢平氏を言う。平清盛は伊勢平氏、その正室である平時子は公家平氏である。なお、著者は「平家」を清盛から発する一族だと定義しており

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    2022年10月12日
  • 平安京の下級官人

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    摂関期の平安京における下級官人とその周辺を中心に、古記録からその実態を探る一冊。仕事や生活、災害・宗教といった様々な事例が豊富に紹介されていて、当時の都の庶民生活の一端に触れられる内容。

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    2022年06月30日
  • 新説戦乱の日本史

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    各時代の戦乱に対する今までの通説と新たな研究成果による新説等を取り上げ検討しています。
    巻末には各戦乱をより深く知るためのブックガイドがあり親切。

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    2022年05月06日
  • 皇子たちの悲劇 皇位継承の日本古代史

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    タイトルから早合点してしまったのだが、本書は皇位継承に一貫する原理を解析するといったものではなく、各代の皇位継承に関してなぜこの人物が選ばれ、なぜ他の人物は選ばれなかったのか、一つ一つ当時の政治状況やステークホルダーを鑑みて事情を解き明かしてゆくといったものである。
    古墳時代から承久の乱後の皇位継承を概観するには手頃。

    誤解もあり、神話や口承を扱いつつ古墳判定批判も行なっている序章〜第一章前半では、文化人類学・神話学的な分析から皇位継承の論理を解き明かしたいのか、それとも史実の探求をしたいのか戸惑った。継体天皇問題に関しても、血縁の原理と有徳の原理に関して数行記述あるのみである。

    また、章

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    2022年02月19日
  • 平安京の下級官人

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    <目次>
    序章   摂関期の平安京
    第1章  下級官人の仕事
    第2章  生活のあれこれ
    第3章  恐怖の対象
    第4章  平安京の人びと
    おわりに 平安京の日々

    <内容>
    平安期の貴族の日記をベースに、当時の教科書レベルよりも下の人びと=下級官人を主人公に、彼らの生き方を見ていく本。ちょっと単調で飽きるところも。まあ、記録上、登場人物が連続で出てこないので、しょうがないのかもしれない。 

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    2022年02月10日