倉本一宏のレビュー一覧

  • 藤原道長「御堂関白記」を読む

    Posted by ブクログ

    「御堂関白記」とは、あの藤原道長が書いた日記のこと。
    のびのび書かれた字や、気が変わって消した形跡など、生々しい(笑)
    こんなに古い時代の直筆日記は、他に残っていないのだそうです。貴重ですね!

    平安時代には、日記は多く書かれていました。
    男性によるそれは、行事のやり方などの記録を子孫に教えたり、後世に残す意図もあってのこと。
    他の日記はもちろん、有名な作品も、平安時代の書は現物がほとんど残っておらず、この他は全て、書き写されたものなんですね。

    何十年にもわたる記録で、抜けはありますが、道長が権力の階段を上がって行く過程が、日常の何気ないメモの連なりから、見えてくる。
    面白い男だと著者の語る

    0
    2025年03月12日
  • 小右記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典

    Posted by ブクログ

    大河ドラマ「光る君へ」でロバート秋山が演じた藤原実資の日記。朝廷儀式や政務に精通し、その博学と見識で一目置かれた実資。風格あり、胆力ありの人となりが伝わってくる。時々ハメを外したり、コワイコワイと恐れたり、人間らしさにもあふれていて微笑ましい。実資が見聞した内裏の内外のさまざまな出来事。中でもやはり望月の歌の日記は、ドラマのシーンと重ねて読んで、イメージが大きく膨らんだ。平安貴族は遊んでばかりいるわけではなく、深夜までの激務を続けていたと編者の言葉にあるように、具体的に彼らが何をしていたのか知ることで、苦悩や喜びにも触れられ親近感を持つことができた。一方、事細かに綴られた、さまざまな平安の世の

    0
    2025年01月10日
  • 紫式部と藤原道長

    Posted by ブクログ

    大河ドラマの時代考証された著者、内容はもちろん巻末の内裏図、ドラマ観る前に読んでおけばきっと更に深く楽しめた。

    0
    2024年12月26日
  • 紫式部と藤原道長

    Posted by ブクログ

    著者の倉本氏のXをチェックしているのだが、最近この「紫式部と藤原道長」を読み終わった、という読者を多数倉本氏がリツイートしていて、しばらく積読しておいたのを読み始めた。同じ倉本氏の「藤原道長の日常生活」は途中で挫折してしまったのだが、これは一気に読み通すことができた。

    何故って、いやもう「光る君へ」のおさらいだったのだ。ドラマを見ていたので、場面を思いだしながら読んだので読み終えられたのだと思う。そう、「光る君へ」はポイントは史実を押さえていた。道長部分、紫式部部分、天皇部分が交互に史料によって記述され、それはまさにドラマも同じ展開。

    最初の弁から、紫式部と藤原道長のリアルな生涯を、確実な

    0
    2024年11月10日
  • 紫式部と藤原道長

    Posted by ブクログ

    大河ドラマで描かれる出来事を文字で確認できてわかりやすい。
    50日のお祝いの宴での、紫式部と道長の詩とか。
    耳で聞くより内容が入る。
    このふたりの関係、ビジネスパートナーみたいな、とても良い。

    大河ドラマでもそうだけど、この本をよんで、道長の捉え方がちょっと変わった。
    政のためなら、権力のためなら、何でもする。
    そんなイメージでしか無くて苦手だったけど、“情実による我意を張るような”帝の下だったから、作り上げられてしまった道長なのかなと。

    今は大好きだよ、道長。

    0
    2024年11月07日
  • 内戦の日本古代史 邪馬台国から武士の誕生まで

    Posted by ブクログ

    神話の時代から後三年の役までの日本国内の内戦の歴史を概説しつつ、古代日本人が島の外に比べて比較的平和に事を収めてきた、しかし武士が政治の中心となって、ついには尚武の国へと変貌していった、と論じている。記録でも発掘調査でも凄惨な殲滅戦の形跡が見つからないとはいえ、古代日本人が筆者がいうほど平和的だったとはすぐには首肯できない。結果的には平和な人々だったかもしれないが、言葉や身なりのまったく違う連中が押し寄せて来なかったから平和でいたれただけなのではないか。元寇や黒船来航などで拒絶反応として尚武に傾いたのは人や社会として無理もなかったのでは、と思うのだが、どうだろう。
    それはさておき、大河ドラマに

    0
    2024年11月05日
  • 紫式部と藤原道長

    Posted by ブクログ

    「光る君へ」のキャストを思い描きながら読んだら、非常に楽しめた。
    道長あってこその藤式部、藤式部あってこその道長。
    平安時代への興味が高まり、解像度が上がった一冊。

    0
    2024年10月26日
  • 紫式部と藤原道長

    Posted by ブクログ

     御堂関白記や小右記、紫式部日記などの一次資料から、藤原道長と紫式部の一生が浮かび上がる。内容は固いが、読みやすい。小説やドラマと史実の橋渡しをしてくれる。

    0
    2025年12月07日
  • 増補版 藤原道長の権力と欲望 紫式部の時代

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    世界に誇れる千年前の一級資料「御堂関白記」ほか
    同時代の出来事を別方向から書き出した『小右記・
    権記』が有るがゆえに道長の行動・性格が立体的に
    浮かび出される稀有な時代を倉本先生が描く
    道長の政治権力が決して絶対でもなく時々の揺らぐ
    盤上を転がる珠のような不確実ながら運命的な収ま
    りにより絶対的な権力を持ち、維持に邁進していく
    (家族の犠牲の上になりたつ)

    0
    2024年09月18日
  • 平安貴族とは何か 三つの日記で読む実像

    Posted by ブクログ

     ライトな古記録の入門書。
     平安貴族について正面から論じたものではない。
     大河ドラマの場面が脳内再生される。

    0
    2024年09月14日
  • 紫式部と藤原道長

    Posted by ブクログ

    想像通りとも言うべきか、大河ドラマ「光る君へ」を熱心に見ている自分にとっての必読書だった。初学者向けで比較的読みやすかった。道長の栄華と紫式部の功績について、一次史料から読み解くことができるとは大変興味深いことだと思った。

    0
    2024年08月31日
  • 平安貴族とは何か 三つの日記で読む実像

    Posted by ブクログ

    著者は大河ドラマの時代考証担当。
    そのためか、今年はこの人の本もたくさん店頭に並んでいる。

    本書はまったくの新しいものではなく、かつてカルチャーセンターで行ったレクチャーを文字起こししたもの。
    その意味では、とても親しみやすい。

    藤原道長の日常生活 (講談社現代新書 2196)とか、藤原氏―権力中枢の一族 (中公新書)を読んでいるが、これらより、格段に読みやすく、何より興味が持てる。

    本書では道長の『御堂関白記』、行成『権記』、実資『小右記』を紹介していく。
    例えば、三人の書き方(紙面をどのように書くか、誤字や誤記をどうするかなど)や、写本がどんなふうに伝わったかという話もある。
    ともす

    0
    2024年07月07日
  • 小右記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典

    Posted by ブクログ

    20240607 〜0619今大河で光る君を放送しているから、流行りにのって。やはり原典が一番。ただ、藤原実資がどうしてもロバート秋山で再生されるわあ。儀式や参議の並び順など事細かに記録。日記を書く事で先例が積み重なっていく。今現在の自分の仕事とも通じるものがあるなあ。サクサク読めた。きっと亡くなるまで現役だったのだろう。全部読んでみたい。

    0
    2024年06月09日
  • 紫式部と藤原道長

    Posted by ブクログ

    著者は、10年程前に「藤原道長の権力と欲望」という本を著しているが、2024年の大河ドラマ「光る君へ」の放映を機に、上記の本の増補版を作るのと同時に、新たに紫式部と藤原道長を絡めて書き下ろしたのが本書である。

    全体の流れは、タイトルの通り、歴史的な流れに沿って書かれているので、ここでは省略し、歴史的事実という定義について、面白かったので、以下に書いてゆきます。

    平安時代の藤原道長の時代でいえば、「紫式部」「泉式部」と称される女性は、確実に存在したが、「清少納言」は100%存在したとは言えないと・・・
    何故かというと、歴史学者は、歴史的な一次資料しか信用していないということなので、そういう結

    0
    2024年05月09日
  • 増補版 藤原道長の権力と欲望 紫式部の時代

    Posted by ブクログ

    この本は長らく絶版となっていたが、著者がNHK大河ドラマの『光る君へ』の時代考証を担うのに併せて、「紫式部と『源氏物語』」の補章を加えて、2023年夏に増補版として再出版された。
    内容は、ユネスコの「世界の記憶」に指定されている藤原道長の日記『御堂関白記』に加えて、藤原実資の日記『小右記』、および藤原行成の日記『権記』を軸として、更に他の資料も加えて、藤原道長の生涯と人物を炙りだそうとしています。

      (道長の栄達の歴史はここでは省略します)

    「御堂関白記」は、日本史上最高の権力者の日々の記録であり、他の日記が、他人が読むことを前提に貴族社会の共有財産として認識されているが、「御堂関白記」

    0
    2024年05月09日
  • 紫式部と藤原道長

    Posted by ブクログ

    前に読んだ「千年の読書」にもあった「史料が千年後まで大量に残っているこの国に生まれた幸せ」の一文が320ページにあって 「こういうことか〜」と納得できました。御堂関白記や紫式部日記を 読んでみたくなりました(もちろん現代語訳で…笑)忘れちゃいけない 小右記も。平安時代の皆さん、結構 クセが強く嫌いじゃない!

    0
    2024年05月08日
  • 紫式部と藤原道長

    Posted by ブクログ

    著者は「光る君へ」の時代考証を担当されている方。ドラマを意識して、紫式部と道長の人生を並行して記述しているが、あくまで一次資料を基にした史実の記述だけあって、「前半生で2人が交流していた可能性は低い」とつれない。一方で、源氏物語の著作活動は初期から道長の庇護によるものという説を唱えられていて、そのあたりがドラマのベースとなっているんだろうね。
    あくまで史実ベースであるが、道長はもちろん紫式部の人間臭さも垣間見れてなかなか面白い。
    それにもまして、超有能で代々の支配者に重宝されつつも、やたらと愚痴をこぼす藤原実資がキャラ立ちしている。読んでいると、ロバート秋山の顔が浮かんできて、どうしてもニヤニ

    1
    2024年05月04日
  • 紫式部と藤原道長

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    倉本一宏先生は言う「紫式部なくして藤原道長なし」
    「藤原道長なくして紫式部なし」定子LOVEの一条天皇
    が彰子の処へ足を運ぶためには源氏物語の愛読者故と
    言えるのであるし、紫式部に依頼、ふんだんに原稿料
    (料紙という現物給付)を与えるスポンサー藤原道長
    あっての執筆活動と言えるからである

    0
    2024年05月04日
  • 紫式部と藤原道長

    Posted by ブクログ

    道長の権力への道程と、紫式部の年譜および源氏物語の見立てを並置しながら、摂関政治と、天皇、関係殿上人の関係を説明。豊富な内容。

    0
    2024年05月02日
  • 小右記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典

    Posted by ブクログ

    大河ドラマ「光る君へ」で秋山竜次さん演じる藤原実資の記した「小右記」。平安の事務取扱要項(?)日記は家の財産とされ、膨大な日記を残した実資の有能ぶりが分かる。編者の倉本氏の解説が素晴らしい。大河が一層楽しくなりそうです。

    0
    2024年04月24日