倉本一宏のレビュー一覧
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鎌足の創始から武家の時代まで、日本の政権の中枢に関わり続けた藤原氏。
時間の広がりと、空間的な広がりの中で一族の盛衰を追うのは大変なことだろう、と素人でも想像がつく。
とはいえ…正直、自分はこの本の真価があまりよく理解できていないに違いない。
膨大な人の羅列。
簡潔な説明が添えてあるのだが、あまりにも人が多すぎて、今何が問題なのか、だから何か、見失ってしまうことがしばしばあった。
この調子なので、読み終わるまでかなり時間がかかったし、率直に言えば苦痛でもあった。
あのベストセラーになった『応仁の乱』でもかなり苦しんだことを思い合わせると、自分には歴史学者の方の地道な文章を読みこなす力がないようだ。
多少知っている平安中期以降は、幾分読みやすくなったことを考えると、やはり絶対的な予備知識不足が原因だと思うけれど。
五摂家と家格、家業など、中世以降の話は、今回しっかり理解が整理できた気がする。 -
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ネタバレタイトル通り「平氏」の本。
いわゆる清盛の一族の「おごれる平家は久しからず」といった一般常識の範囲ではなく、あらゆる平家の系統を網羅した決定版という感じ。
825年(天長2年)に賜姓された桓武平氏は、都で実務官人(いわゆる朝廷の官僚ですね)を輩出した高棟流平氏と、坂東で武家となった高望流平氏に分かれ、それぞれ別々の道を歩んできて、王家として君臨した清盛一派の平家滅亡後も明治維新までつながっている平家もあり、単純な「源平合戦」などと割り切れないことが良くわかりました。
直前に読んだ南朝の研究もそうでしたが、物語やイメージによる単純化には、一長一短があるな、ということを再認識した本でした。 -
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高棟王からはじまる堂上(公家)平氏の血脈と、高望王からはじまる武家平氏の血脈。
二つの平氏の血統が、清盛と時子(二位の尼)の代で一つになって、一門の最盛期を迎えるのは、歴史の凄みを感じる。
武家平氏の政権は、短い期間で終わってしまった。
けど、公家の平氏は、中下級の貴族として、平安から幕末まで、長きにわたって朝廷を支えていたというのも、なかなかに面白い。
頼朝の蜂起を支えた、坂東武者たちのほとんどが平氏の流れを汲むというのも、歴史の皮肉というべきか。
北条、千葉、上総、大庭、梶原、三浦、畠山、土肥、和田、みんなルーツは平氏を自称してるんだよね。 -
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ちくま「プリマー」とは…?と言いたくなる圧倒的な情報量で縄文時代〜平安後期までを辿る。
本書は古代日本・中国の文献も参考に歴史を探っている。なので面白い部分でもあるが、難しいところも多く、やはり「プリマー」とは…?と言いたくなる(もちろん良い意味で)。とくに外国である朝鮮半島と古代日本との関係性が難しい…もう少し図とかがある方がわかりやすいかも。
今の天皇につながる系譜は、神話上だと天照大御神が祖神でそこから神武天皇につながり…という話だったが、実際には必ずしも血縁関係があったわけでなく、地方のいち豪族だったのではという話だから面白い。とはいえ欽明天皇の時代からは血縁集団となり今に至っているからすごいことだ。
また、道長の栄華はよく語られるが、頼通からあとの時代の摂関政治については知らない部分が多かったので勉強になった。
そしてこれは今にもつながるが、日本は昔から「前例がないものへの抵抗感」「勝者に都合の良い歴史」が見受けられる。
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漫画『日出処の天子』を読んで蘇我氏に対する理解を深めたく読んでみた。
蘇我氏は葛城氏として起こり蘇我氏として独立し、その後馬子、蝦夷、入鹿の活躍を経て本宗家は途絶えるものの、蝦夷の兄弟である倉麻呂の家系が蘇我から石川へと氏を変え、生き延び、再び宗岳氏となり歴史の中に消えていく…。
蘇我氏と聞くと、十数年前に学校の授業で教えられたことを思い出す。蘇我は悪い奴らで、大化の改新でやっつけられた─。本書はこのような従来の捉え方に疑問を呈する。私個人としても蘇我氏(主に蝦夷)に感情移入しているので彼らが悪党そのものであったとは思えない。著者はただの憶測ではなく、あらゆる文献や史料を参考として解説してくれる。古文を読み慣れてなかったり、時代に詳しくない人にはだいぶ難しいと思うが丁寧ではある。
乙巳の変の部分は迫力がある。どうしても『日出処の天子』の作画で想像してしまうので悲しさと切なさが強い。。この結末を詳細に知ってから漫画を読むと切なさが倍増しそう。。
蘇我氏本宗家が滅んでからは徐々に藤原氏が台頭してくるが、藤原氏も蘇我氏と同じように外戚の立場を強めていく。平安時代の摂関政治のはしりは蘇我氏だったのか。
とても学びのある本だったが難しいので完全には理解できていない。これからも手元に置いて度々読み返したい。 -
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源氏といえば武士!というイメージをそっと塗り替えてくれる本ですが、天皇の多さと系統の煩雑さでとりあえずの大筋はつかんだけどごめん名前は全く頭に入らなかった・・・。
村上源氏は息長く活躍したってことと、ずっと昔から公家は藤原氏に遠慮してたんやなってことは覚えました。源氏物語にもそういう社会背景が反映されていたり、お寺の偉いさんを勤めた源氏のお歴々などの紹介も面白かったです。どうして仁和寺の法師のエピソードはアホなのが多いのかという理由も、この本を読めば納得です。大きなお寺の座主や長者はだいたい尊い家系の方が務めますよね・・・。あと摂関家の発生から消滅までを追えたのも良かった。大昔に勉強した日本史で、あれこれと覚えさせられたあんなことやこんなことのバラバラな事項が、公家源氏を軸にして自分なりに納得できる感じで読めました。とにかく何度もいうけど名前を覚えるのが無理すぎて、この人は何天皇の何番目だとか、いま筆者が出したこの人は誰の子供なんやと、系図も丁寧にのせてくれてるんだけど遡ってきりがないし覚えられないし色々と無理。
とても勉強になる本だったことには違いないので★4つです。