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Posted by ブクログ
御堂関白記、権記を全訳して、文庫で出す、それ自体称賛に値する。
「全」訳を優先しているので、注釈が足りず、(現代語で書かれても)何を表しているのかよくわからないところもあるが。必要最小限の用語解説、人物注は巻末にまとめられ、なかなか効率的。
上巻は、正暦2(991)9月~長保2(1000)10月までを収める。
いわゆる長徳の変の頃は、逸文しか残っておらず、これがちゃんと残っていれば…と歯がゆい気がした。
上巻は行成がまさに蔵人頭として最前線で活躍していた時代なので、細かい記録が非常に面白い。「目くばせ」で儀礼が進行しているところなど…
政治史では捨象されてしまう官人たちに、古代から続いている苗字の人が大勢いて新鮮。
大臣も役人もしょっちゅうさぼっているらしき中、行成をはじめとする一部の勤勉な役人が駆けずり回っている。
右大臣顕光は、ホントに無能だった模様。
一条帝や道長が甚だ多くのことを行成に吐露して、しかし憚られる内容なので記さない、としているところがかなりあり、(仕方ないとはいえ)そこを記録しておいてくれれば! と思わずにいられない。自分だけの裏日記とかあればよかったのにね!
従弟の源成信や藤原成房と仲良くしている描写がしばしばあり、間もなく彼らが若くして出家してしまうことを思うと感慨深い。
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