藤田達生のレビュー一覧

  • 藩とは何か 「江戸の泰平」はいかに誕生したか

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    織田・豊臣時代からの藩の成立過程から、武断政治から文知政治への移行、大阪幕府、コンパクトシティなどいろいろと面白い考察だった。
    藤堂高虎が築城だけでなく、朝廷工作などでも重要人物として書かれてるのも興味深かった。

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    2020年01月25日
  • 藩とは何か 「江戸の泰平」はいかに誕生したか

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    ネタバレ

    今の歴史研究が垣間見える。藤堂高虎からの藩体制の考察、コンパクトシティとしての藩と城下町、その他もろもろ。とてもとても面白かった。この人のまた読みたい。

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    2019年11月21日
  • 藩とは何か 「江戸の泰平」はいかに誕生したか

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    藩成立過程を、城下町の整備や、徳川方の大名配置の西進化、朝幕関係の推移などから見る。
    藤堂高虎を、城下町建設スペシャリストにして各方面に顔のきく、近世黎明期の重要人物として評価している。面白い。

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    2019年11月09日
  • 本能寺の変

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    小説含め、本能寺の変の謎解きをした本は数多あるが、本書は最も明解に説明しているのではないか。

    将軍義昭の関与、信長政権内での秀吉他との確執等、よく筋が通っている。

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    2019年09月02日
  • 天下統一 信長と秀吉が成し遂げた「革命」

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    帯には「戦国時代の常識をひっくり返す!」とあるが、そのうたい文句通り、普通一般に考えられている織豊政権のとらえ方が大きく覆される。しかし、著者の仮説は非常に説得的であるように思われた。たとえば、信玄上洛戦の目的や、足利義昭が京都を追われてからの二重政権構造、本能寺の変からの秀吉の政治的ポジション、そして小田原攻撃以後の奥羽平定戦争などなど、まさに目から鱗と言えよう。

    「天下統一戦を通じて、秀吉は麾下の大名・領主に対して本領を収公し他所への知行替を強行して鉢植化し、民衆からは武装蜂起すなわち一揆の自由と居留の自由を刀狩令と土地緊縛策によって奪った。秀吉は天下統一によって、中世における領主と民衆

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    2014年09月25日
  • 天下統一 信長と秀吉が成し遂げた「革命」

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    鞆(室町)幕府と安土(織田)幕府
    の二重政権という視点、
    信長政権末期、秀吉の立場の脆さ危うさ
    など自分にとっては新鮮。

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    2014年07月31日
  • 天下統一 信長と秀吉が成し遂げた「革命」

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    織豊政権ってのが戦国大名たちの分権化の流れと反対で革命的だったこととか、鉢植え大名化して自分の力で土地を切り取り守るって考えから預治思想に移行させたりだとか、指摘されてなるほどと思える歴史の捉え方です。足利家の幕府が鞆の浦に亡命してからも幕府として機能してたことや、信雄の代になっても織田政権が機能していたことなども、今まであんま考えたことがなく、これも自分の歴史観を修正するもんでした。

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    2014年04月30日
  • 秀吉と海賊大名 海から見た戦国終焉

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    読み終わる。特に面白かった点は二点。

    本能寺の変に関係する秀吉ー光秀関係と四国・中国の取次の関係。
    「豊臣惣無事令」パラダイムの否定と、朝鮮戦役~関ヶ原をかけた「戦争を通じた中世~近世の転換という世界史的パラダイムへの地域史の接続

    この二点がこの本の最も要点にして価値を高からしめていると考える。

    室町幕府の天正期における実態や河野氏の評価は西日本の中世史の先生が良く言う「後期室町幕府」の実効性次第で読み方を変えないといけないと思うが、それでも東国政権が西日本の秩序を変えていく、という語り口で地域史を再定義している事は非常に興味深い。日本を東西に分けて理解することの重要性を改めて教えられた

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    2012年05月21日
  • 江戸時代の設計者 異能の武将・藤堂高虎

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    一般書なのに萌え系(※あくまで個人的感想)。後半部分は津に行って実際に街を歩きながら読んだほうがいいと思います

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    2009年10月04日
  • 戦国日本の軍事革命 鉄炮が一変させた戦場と統治

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    鉄炮の普及を起点とする軍事革命が近世社会到来を加速させたとする視点から、鉄炮の導入・普及の展開、それによる戦術・戦略の変質、さらには統治体制の転換にいたる過程をたどる内容。軍事的要請から社会変革にいたる道程が興味深い。

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    2023年09月10日
  • 江戸時代の設計者 異能の武将・藤堂高虎

    ネタバレ 購入済み

    すらすらと読了。再読価値有り。
    築城三名人の一人。外様大名ながら徳川家康から多大なる信頼を勝ち得る。異能を持つ武将。豊臣体制からの脱却に貢献。 

    #タメになる

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    2023年01月31日
  • 戦国日本の軍事革命 鉄炮が一変させた戦場と統治

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    <目次>
    はじめに  鉄炮がもたらしたもの
    第1章   ヨーロッパから日本へ
    第2章   戦場の変貌
    第3章   統一戦争を実現した「織田検地」
    第4章   軍事革命が日本にもたらしたもの
    むすび   近世国家とはなにか

    <内容>
    最近読んだ本郷和人氏の『「合戦」の日本史』の冒頭で、日本は戦争の研究がされていない、と述べていたが、この本はそれに対する答えが一部載っているような気がする。第3章以降は、著者の本職の「近世国家」の成立の謎へとつながるのだが、その根本が「鉄炮」にあると見ているため、この部分をかなり細かく分析しているからだ。鉄炮は技術の必要な武器で火薬が高価⇒農民の教育、つまり歩兵(

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    2022年04月13日
  • 藩とは何か 「江戸の泰平」はいかに誕生したか

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    「藩」とは何か。

    江戸時代年間を通して、政治の基本となった藩について述べられている。

    藩は預地思想によって成立していた。そして、それが浸透していたことには非常に興味深い。
    池田光政、藤堂高虎などがその事例として挙げられていた。

    しかし、藤堂高虎の事例がかなり多いため、他の藩の事例も記載して欲しいとは感じた。

    藩。当たり前だがシンプルだからこそ難しい。
    まだまだ勉強をしていきたい。

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    2021年09月18日
  • 藩とは何か 「江戸の泰平」はいかに誕生したか

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    ネタバレ

    藩とは何か

    著者:藤田達生(三重大学教授)
    発行:2019年7月25日
    中公新書

    「藩」というものが長年、理解できていなかった(たぶん今もできていない)。藩は都道府県みたいな、自治体的な単位だと思っていた。だから、○○藩というのは江戸幕府が定めた固有名詞だと思っていた。ところが、小説は別として、歴史の本を読んでいると藩という言葉があまり出てこない。○○氏、のような言い方が多い。教科書にも、長州藩や薩摩藩、会津藩は出てくるが、加賀藩とかは記憶にない。なんでだろうと思い、調べてはみたがよく分からなかった。

    島津藩、薩摩藩、鹿児島藩
    これはどれが正しいのか?あるいは、同じものなのか?という疑問

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    2021年03月29日
  • 秀吉神話をくつがえす

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    かなり秀吉批判で埋め尽くされた本書です(苦笑)
    初めの数ページで読むのをやめようと思ったのですがそこは歴史に対するさまざまな説を見ようと思いとどまりました(笑)
    たしかに表現は著書も書かれているように
    「秀吉ファンなら激怒する」
    モノでしたが内容は面白かったです。

    秀吉を堕とそうとするもののその業績を史実から裏付けてくれているように思います。
    本能寺の変のくだりは秀吉の神業を神話でなく実力で
    足利義昭
    毛利輝元
    長宗我部元親
    明智光秀
    を下したものと言えると思います。

    個人的にはグッと堪えて読み進めて良かったなと思っています(笑)

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    2021年02月21日
  • 本能寺の変

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    たまたま書店で見つけ、話題性のあるテーマでもあるので買って読んでみた。

    著者は日本近世史の研究者で、特に近世国家の成立を専門としているようだ。

    著者は本能寺の変について、足利義昭が黒幕であるという立場を取っている。だがそう単純なものではなく、義昭復権に長宗我部元親が絡み、さらには朝廷(すなわち正親町天皇、「麒麟がくる」では玉三郎丈が演じていますね)も関係している。すなわち複数の有力者が関係し、しかもそれぞれの思惑が絡み合うという、複合的な要因により、本能寺の変が起こったと筆者は考えているようである。

    もちろん、これは一つの説で、本能寺の変の原因にはいろいろな説があり、はっきりしていないが

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    2021年02月16日
  • 本能寺の変

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    途中からまたちょっと迷子になってしまった。
    この手の歴史解説本は苦手かもしれない。

    明智が謀反を起こさなかったら、今の世の中はどうなっていたのだろうか、、、
    とか考えるのは少し楽しい。

    足利義昭が裏で糸をひいていたはなんとなく信憑性が高そう。

    本能寺の変は実は信長と義昭の戦いだったのかもしれない。

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    2020年10月07日
  • 本能寺の変

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    学術文庫だがもとが現代新書なのでさくっと読める。要点を押さえていて面白い。著者は四国(長宗我部)と、義昭に注目している。巻末に最近の研究史をまとめてくれていてありがたい。

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    2020年07月24日
  • 藩とは何か 「江戸の泰平」はいかに誕生したか

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    <目次>
    はじめに
    第1章  近世城下町の画期性
    第2章  藩の思想
    第3章  藩の創始者たち
    第4章  藩の設計者たち
    第5章  東アジアの幕府・藩
    むすび

    <内容>
    近世の成り立ちを述べた著者の三部作の完結編(『秀吉と海賊大名』『天下統一』いずれも中公新書)。藤堂高虎を主軸に据えたもの。大坂幕府構想とかいろいろとおもしろいことが書いてあるが、参勤交代を肯定的にとらえたり、武断政治から文知政治への移行の考え方など、勉強になることがたくさん。特に藤堂高虎と小堀遠州の親子(義理の親子だけど)の優秀さを感じた。

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    2019年08月23日
  • 半島をゆく 第一巻 信長と戦国興亡編

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    以前買った雑誌サライに「半島に行く」の連載を見付けた。二度行ったことのある丹後半島だったので、興味を持った。
    さて、その連載が一冊の本となって上梓されたのを新聞広告で知り、購入、
    気楽な歴史紀行と思ってたら、どうしてどうして、面白くて、久しぶりにページを捲る手が止まらない読書となった。
    歴史作家と歴史学者と画家の三人が、司馬遼太郎氏の「街道を行く」のようなことをと考え、街道が整備されたのは江戸時代、むしろ昔は海こそが遠方との交通手段で、半島はその結節点と見込んで始まる企画。

    六つの半島に旅して、語られる事物の豊かなこと。
    奥能登の大屋敷。若しやと思ったら、網野義彦氏「日本の歴史を読みなおす」

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    2017年01月28日