関根光宏のレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
アメリカの現職副大統領J•D•ヴァンス氏が2016年に発表した回想録。私が先週の火曜日にこの本を手に取ったきかっけは整理していた古い新聞の書評欄を観て本書の存在を知って興味を持ったからです。何がトランプ政権を再び誕生させたのか?アメリカ社会の繁栄から取り残された白人たちというはわれわれ日本人にとって見えにくい存在で、多様性を尊重するリベラリストの民主党政権下ではないがしろにされてきた存在です。幸いだったのは私が鈍感で本書の著者があの副大統領J•D•ヴァンスだと認識したのは一気に読み終えて久しぶりに読書後の充実した高揚感に浸っていた時です。最初から現職副大統領の著書ということで本書を手に取ったら
-
Posted by ブクログ
表面的でないアメリカを知ることができて良かった。トランプ大統領の発言は、日本ではトンデモ発言、どうしたアメリカと報道されるが、アメリカでは支持する層があるわけで。一瞬の流行ではないその根深い理由を知ることができた。
また、著者が成功してからも、何かあると内面から湧き上がる怒りの感情や子供の頃のトラウマを乗り越えようとしつつも、曽祖母の代から続く血の濃さを改めて実感するところが、白人労働者層にとっても、単なるアメリカンドリームを体現した人以上の作品になっているのではないか。
この本がベストセラーになって著者が有名になり、そこにトランプが目を付けて、陣営に引き込むことでまた支持を増やし、、、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書は2016年に話題となりましたがその時は読まずじまい。。
2025年1月に第二次トランプ政権の副大統領に就任とのことで今更ながら手に取りました。著者の自伝です。
ラストベルトと呼ばれる衰退した工業地帯に取り残された人々が住む地域で生まれた著者が、そこでの現状を世界に発信した意味は大きいと思いました。
私自身メディア等でなんとなくは知っていたけれど、とはいえ、なんとなく昔のアメリカの印象が抜け切れていなかったので、実際に読んで衝撃を受けました。
例えば、ケンタッキーの一部地域の平均寿命は67歳で、すぐ近くのバージニア州のある地域を15年も下回っています。食事と運動の習慣の違いや、ドラッグ -
Posted by ブクログ
読んでよかった。一気読みだった。トランプに惹きつけられる人々の心がわかった。心でわかった。ヒルビリーのエレジー、白人労働者階級の切実な哀歌。「努力はしたくないけどバカにされたくない」怠け者だと切り捨てられてきた人々、アルコールや薬物や暴力やセックスや不健康や貧困や孤独や親や親族や居住地や生まれや遺伝や連綿とどうしようもない生育環境にぎちぎちに締め付けられて振り回されてきたヒルビリー。トランプは初めておれたちの声になってくれた。ありがとう。仕方ない。
著者ヴァンスのサバイブには祖父母の乱暴ながらも絶対的な愛情と、海兵隊での厳しい社会教育かあった。アメリカの海軍のバックアップすごいですね。
-
Posted by ブクログ
(2025.4.9追記)2024.12.26に、以下のコメントを書いたが、関税をめぐる中国の農民を蔑視するような発言や、トランプをヒトラー呼ばわりするなど、ちょっとどうかと思う発言が相次いでいる。
この本が歴史的書物になるかもと期待したが、アメリカ白人の全てではなく、実はごく一部の話であって、価値のない書かもしれないと不審に思うようになりました。
以下、2024.12.26のコメント
個人的に、今年読んだ本の中で、一番のオススメです。トランプの支持層である、白人労働者はどんな人達なんだろう?それを知ることによって、トランプが再当選した理由や、今のアメリカをより深く理解できるかと思って読みまし -
Posted by ブクログ
ネタバレ白人労働者貧困層の人々がどのように悲惨な人生を過ごしてきたのかがよくわかる。生活が苦しいと、トランプ氏のような大衆迎合的な候補者を選ぶ気持ちも理解できなくはない。
作者は最後に、貧困層へ向け、希望を持つべきであること、どのように希望が叶えられるか、提言していた。この提言は、生活の不満を大統領や社会のせいにするのではなく、自分に向け、自分の在り方を変えるべきだというものだが、貧困層だけでなく、全ての人が心に留めておくべきことだ。
またトランプ氏が作者のヴァンス氏を副大統領候補に指名した点について、トランプ氏の明晰さを感じた。この本が自伝的小説であるが故に、日本人の私でさえヴァンス氏に対する思 -
Posted by ブクログ
米大統領選に向けて再読。J.D.ヴァンスは、愛と信念の人。この人は副大統領として信用できる。私にもし選挙権があったら、ヴァンスのためだけに、あの悪名高いトランプに票を入れるかもしれない。
回想録(Memoir)ということもあって時系列が前後したり同じエピソードが何回もでてきたりはするんだけど、圧倒的に話が面白い。無駄な文章がひとつもなく、情報の密度が濃い。
それは彼のスピーチやポッドキャストでのインタビューなども同じで、政治家特有の冗長な言い回しが全然ない。論点がしっかりしているし、無駄なたとえ話や自慢話、あるいはお涙頂戴の悲劇、嘘や誇張、他者への攻撃などもない(トランプはそんなんばっかりだ -
-
Posted by ブクログ
副大統領候補が本を書いたのかと思って読んでみたたら、順序が逆だった。このベストセラーで名前が売れたからトランプの目に止まったのか。でもこういう思想の持ち主がトランプ支持者とマッチするのだろうか? 自分たちが貧しいのはリベラルと結託したメキシコ移民が仕事を奪ったからだと信じている人たちとは真逆の思考だ。彼らがこの本を読んでいるとは思えない。もうヒルビリーはまとまった分量の文章を読む力を失っているのかもしれない。扇情的なネット情報を鵜呑みにして人を敵か味方かに分類する、ただそれだけ。出自が似ているJDは自分たちの味方というわけだ。いかに考え方の隔たりが大きくても。
文章が巧みなこともあって、とても -
-
Posted by ブクログ
紛争地帯や難民など、世界で最も不幸な地域や人々を取材してきたアメリカ人のジャーナリストが、一番幸せな場所を探して世界を巡る滞在記。ドラッグも性もオープンで自由なオランダ、真面目でなんでも正確なスイス、金が有り余っているカタール、国是として幸せを追求するブータン、世界でもっとも不平の少ない国タイ、そして世界最強国アメリカ、などなど。どの国も幸せを感じる独自の一面があり、それは確かに幸せそう。外貨が稼げて福祉が充実し、自然と一体で勤務時間も短く、小さな国だからほとんどの人が近所付き合いのように信頼できる国アイスランドと言われると、ほう、と思うが、厳しく長い冬、退屈さ、美味しいものがあまりない、と指
-
Posted by ブクログ
ずっと読みたかった本だが、その長さ故に後回しになってしまった。
アメリカ大統領の回顧録なるもの読むのは初めてだが、率直な心情の描写もあり、非常に読みやすい。まるで一冊の長編小説を読んでいるようでもある。
上巻では政治を志してから、大統領が当選直後の内容で記載されている。
政治を志した理由、上院議員になるまで、民主党内での候補者選び、共和党との候補者との戦いは、理想に燃える著者が現実に苦悩しつつ、家族と仲間に支えられながら大統領という職になるまでが描かれている。
当選後、まずは、金融サブプライムローン問題への対処及び軍事関係への対処などで上巻は終了。
読んでいて非常に面白いのは、単なる -
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレオバマ元・大統領の回顧録。下巻の最終章を読んだ読後感は、「やっぱり、すごいなぁ~」でした。
ミシェル夫人に、「あなたはサーカスの人みたいね。棒の先で次々とお皿を回している」と言われたそうですが、まさにそのとおり。公約を実現しようとする一方で、次々と起こる世界中の出来事にも対応しなければならず、並大抵の人にはできない役職と理解できました(知力・胆力のみならず、説明力や思いやりなどが総合的に問われる)。
大統領選への出馬にあたってテッド・ケネディ議員に相談した際、人を鼓舞する才能を見抜かれたそうです。確かに、オバマ氏は「言葉の魔術師」。勿論、その言葉を使うにあたって、読書に裏打ちされた