水月昭道のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書) 新書 – 2007/10/16
大学院(特に文系)に進学したら地獄にまっしぐらです
2016年1月14日記述
水月昭道氏による著作。
2007年10月の本である。
ただ指摘している事は全く古くなっていない。
残念ながら現在進行中のままなのだ。
本書内では主に文系の大学院進学者を想定している感じ。
理系だともう少し具合が違うのだろうか。
自分も文系で大学院進学は厳しいとは認識していた。
しかしここまでとは思わなかった。
大学院重点化策のあまりにずさんな、あまりに悲惨な、あまりに理不尽な結果に怒りを覚える。
大学院重 -
Posted by ブクログ
実は宗教書ではない。
むしろもっと広く、対人関係や生き方について、「ハッとさせられる」視点を提供してくれるなかなかの一冊。
「自力」は「努力でどうにかなる」と考える。
「他力」は「努力ではどうにもならないことが多く存在するが、それらは(仏から)何らかの意味を与えられている」と考える。
つまり、ただ単に「頼る」のではなく、「他者に委ねている感」からスタートして、日々を生きてみようという提案。
実際、毎日を生きているとしんどいことは多い。
勉強しても、働いていても、ただ生きていても、しんどい。
この本を読んで思ったのは、「努力すれば何とかなると思ってるからこそ、しんどく「なってる」ことも多い -
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今回この本で明らかになっているのは「大学での生き残り術」です。ここまで裏と表を知り尽くさなければ生き残っていけないのは、どこの社会も一緒だと痛感しました。
先日、小耳に挟んだのですが、僕の昔の知り合いが某研究機関に就職したそうです。別に、その人とは親しくもなかったので、こうして俎上にあげることはなんだか少し気が引けるんですが、彼女のようなエリートが別にこんなチンピラの書く書評なんかは歯牙にもかけないことを信じて、書いていきます。この本は供給過多となった修士課程、博士課程を持ついわゆる「ノラ博士」たちがいかにしてアカデミアという閉鎖社会の中で生き残っていくかについて書かれています。
これはあ -
Posted by ブクログ
実はこの本を書いている作者も2011年の4月以降の身分は未定なのだそうです。ここに書かれているのは『高学歴ワーキングプア』から3年後の世界です。
最初に僕が読んだのは彼の前作である『高学歴ワーキングプア』よりも先にこっちを読んでしまいました。僕は大学時代に作者と似たような経歴の持ち主にあったことがあるのですが、読んでいて彼のことを思い出してしまいました。彼とはもうおそらく会うことはない、もしくはあっても挨拶すらすることはないであろうということが明白ですが、無事に生きていることを願っています。
昔よく親戚に『末は博士か大臣か』なんでおだてられて僕もアカデミズムの世界を一度は志したことがありま -
Posted by ブクログ
ネタバレお寺さん崩壊 (新潮新書) 新書 – 2016/12/15
地方寺院の置かれた状況は八方塞がりだ
2017年10月7日記述
水月昭道(みづきしょうどう)氏は1967年(昭和42年)福岡県生まれ。
10年ほど前に光文社新書にて高学歴ワーキングプアという書籍で大学院に進み困窮者になってしまう危険性を世の中に知らしめた。
今回は実家のお寺(浄土真宗本願寺派)を継いだ後に
その問題点について著者の問題意識をまとめた本だ。
(2016年12月20日初版発行)
大学院時代も含めどうも著者はこういった星の下にいる運命にあるのだろうか。
そしてそれを世間に発信する役目があるのだろうか。
本書の途中でも -
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著者は、地方のお寺が廃寺の危機にあるという。
宗教法人は非課税であり、「坊主丸もうけ」とか「祇園のお茶屋の常連はお坊さん」といったイメージも強いが、檀家の減少で住職はワーキングプア状態で、後継者も中々見つからないという。兼業農家ならぬ兼業住職も多いということで驚いたが、たしかにそうなのかもしれない。
今の日本社会は、一部の熱心な信者を除けば、宗教との関わりが極めて薄い。江戸時代のように、寺を中心とした共同体に縛り付けられるのも嫌だが、葬式でお経をあげてもらうだけという関係の薄さもどうかと思う。
ただ、地縁がどんどん希薄化していく中で、どうやってお寺と新たな結び付きを見つけ、築いていくかは、中々