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女は女というだけで貧乏になる――見えにくい実態を明らかに。/女子を貧困に追いやる社会構造のなかで、教育、キャリア、結婚、子育てをどう考えればいいのか? 専業主婦を目指すのがもっとも賢い選択なのか? 当事者が自らの境遇と客観的なデータをもとにその実態をあぶり出す。娘をもつ親御さんも必読!
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Posted by ブクログ
明治期以降に国家によって推進された教育は、皮肉にも女子を自立や解放に導いたのではなく、むしろ女子に期待される仕事やイメージを具現化させただけである。男性にとって学歴は「地位形成機能」を持つが、女性にとっては「地位表出機能」でしかないp117.そのことを教育史や高学歴保有女子当事者の声を紹介することで...続きを読む浮き出させた本。
学歴もそれなりに役には立つがけして女子には特に集背の手形にはならない。むしろめんどくさくする。世の中はゆっくりと変わるのね。
人文系の研究者、またはアーティストを目指しながら非常勤の仕事で生計を立てている女性達の背後にある問題について論じた本。
高学歴女子の貧困 女子は学歴で「幸せ」になれるか? (光文社新書) 新書 – 2014/2/18 君の実家が自営業なら、院に進んでより深い知識を学んでもいい。でもそうでなければ、諦めて就職しなさい 2015年12月27日記述 大理 奈穂子氏、栗田 隆子氏、大野 左紀子氏 水月昭道氏監修の本である...続きを読む。 大学院生、非常勤講師、大学非正規職員の理不尽さは 昔に比べれば多少は世の中に浸透したように思う。 ただ大理氏の指摘するようにその中でも女性はより不遇に使われている。 企業内においても女性の役員数は日本は世界に比べ圧倒的に低い。 企業だけでなくやはりアカデミックの世界でもそうだったのだ。 本書の記述が稚拙という感想があるようだ。 しかし本書は学術論文ではない。 一般社会に向けて少しでも分かりやすく伝えるのが第一なのだ。 少々ラフな表現が入るのは問題ないのである。 本書では男子や理系との比較もある。 グラフやデータを用いて説明しているので実感と合う印象。 ただこれは女子だけの問題ではなく若手の男性非常勤講師も同様に非常に厳しい事に変わりはない。 それにしても正規雇用されている大学教授との格差は本当に酷い。 論文をまともにかかない人間も年功序列で昇格していく。 実に馬鹿馬鹿しい。 今どきの海外勢との厳しい国際競争に晒されている民間では決してあり得ない制度が維持されているとしか言えない。 日本のアカデミズムに私学助成金を投入するのはやめた方が良い。 こういった非正規講師や学生にバウチャーを直接支給するやり方に方向性を変えるべきであろう。
男性より専任職の比率が低く、不安定・低所得の非常勤が多く、文系・語学系が多く、結婚すると研究者としては下位とみなされる。高学歴であっても、チカラと発言力を持たない。 社会的・金銭的評価の伴わない高学歴。高学歴そのものが幸せをもたらせばよいのだけれど。
うーん、自分も全く似たような状況をたどっているけど、ある程度現状には満足しているし、考え方の問題じゃないかなあと思う。あとあきらめ? 専門職に就きたいと思っているわけではないし、研究がしたいわけでもないから、そう思えているだけかな。
【制度に乗れたか否か】 高学歴貧困女子とそうでない人の違いは何か。「制度」に乗れたか否か、この一点だ、と。乗った人は、それがコネであったとしても自分の実力と考え、乗れなかった人は仕方がない理由をこじつけられる。 何も女子に限ったことではないのでは、とも思うのだが、しかし女子教育という制度がまた、女...続きを読む子をある枠に当てはめようとする。高学歴はあるとき場違いにもなり、ますます居場所が狭くなっていく。 高学歴貧困になるかもしれない娘を持つ身としては、冒頭からしばらく続く愚痴というか弱音というか、喜べないそれにジットリとした気持ちで読み進める。 救いがない。 最後の「アート系高学歴女子のなれの果て」が、読み物としての愉しさを含んでいて、少し安堵するものの、ご本人が救われているかはわからないが…。
高学歴を手にしたら、やりたいことができて、お金も稼げるというのは幻想なのだろうか? もちろん、学歴がないよりあった方がいいのだろうけど、学歴があっても幸せになれるとは限らないのだなぁと改めて感じた。
女で未だテニュアのないPDの研究者(のたまご)である私は、まだ「実力があればテニュアは得ることができる」という理想世界を信じている方です。 でもたとえ今後テニュアという特権を得たとしても、それを自分の実力のおかげだと正当化して得られなかった人を仕方ないと考えるような、排除の論理を振りかざさないよう...続きを読むにしたいと改めて思いました。 あと、今のように私が非常勤の立場を楽しめるのも、今は一時的に学振のおかげ、そしてそれが切れたあとも楽しめるとしたら、旦那や比較的余裕のある実家の存在や自分が女であることの「おかげ」であり、それは裏返せば自分の首を絞める甘い蜜であることを再確認しました。
「高学歴ワーキングプア」の作者監修の高学歴シリーズ第2弾。 非正規(非常勤講師)となってしまい不安定極まりない環境におかれ、研究上、職務環境上、生活上問題を抱える女性高学歴研究者の内状が大変勉強になった。 私も女性ではないが、元高学歴ワーキングプア状態を5~6年経験したものから言わせていただく...続きを読むと 「事実は、ご縁とタイミングが良かっただけある。しかし、専任教員になった人間は決してこのことを認めたらがない。」(p43) これに関しては同意できませんね。特に私のまわりにいる人々(研究者)は不遇の期間が長かろうが短かろうが皆さん同じように「ご縁(運)とタイミングだよね!」って言ってます。 このような細かいところに関して???はありますが、それが、本書の目的でもあった、「現代における高学歴女子の内実」をあぶり出したことにマイナスに作用したことは全くない。大変面白い一冊である。
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高学歴女子の貧困~女子は学歴で「幸せ」になれるか?~
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大理奈穂子
栗田隆子
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