高学歴女子の貧困 女子は学歴で「幸せ」になれるか? (光文社新書) 新書 – 2014/2/18
君の実家が自営業なら、院に進んでより深い知識を学んでもいい。でもそうでなければ、諦めて就職しなさい
2015年12月27日記述
大理 奈穂子氏、栗田 隆子氏、大野 左紀子氏
水月昭道氏監修の本である
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大学院生、非常勤講師、大学非正規職員の理不尽さは
昔に比べれば多少は世の中に浸透したように思う。
ただ大理氏の指摘するようにその中でも女性はより不遇に使われている。
企業内においても女性の役員数は日本は世界に比べ圧倒的に低い。
企業だけでなくやはりアカデミックの世界でもそうだったのだ。
本書の記述が稚拙という感想があるようだ。
しかし本書は学術論文ではない。
一般社会に向けて少しでも分かりやすく伝えるのが第一なのだ。
少々ラフな表現が入るのは問題ないのである。
本書では男子や理系との比較もある。
グラフやデータを用いて説明しているので実感と合う印象。
ただこれは女子だけの問題ではなく若手の男性非常勤講師も同様に非常に厳しい事に変わりはない。
それにしても正規雇用されている大学教授との格差は本当に酷い。
論文をまともにかかない人間も年功序列で昇格していく。
実に馬鹿馬鹿しい。
今どきの海外勢との厳しい国際競争に晒されている民間では決してあり得ない制度が維持されているとしか言えない。
日本のアカデミズムに私学助成金を投入するのはやめた方が良い。
こういった非正規講師や学生にバウチャーを直接支給するやり方に方向性を変えるべきであろう。