古賀茂明のレビュー一覧
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「安倍政権、発足当時は支持していたけど、最近ちょっとおかしいんじゃないの?」と思っている方に是非とも読んでもらいたい本。
どっぷり洗脳されて、未だに安倍マンセーな人には今更何を言っても手遅れで無駄であろうし、仮に読んだとしても発狂することウケアイだからだ。
筆者は官僚システムの内部をよく知る立場から、安倍政権の誤りや矛盾点を論理的に指摘していく。単なる安倍批判本と違うのは、良い点は認め(殆ど無いが…)、誤りを指摘する際にはほぼ必ず対案や建設的な提言を述べている点で、これが実に的を得ている。
特に筆者が「13本の矢」と表現する、安倍政権が個々に進めている政策と、それが束ねられて連鎖的に活用 -
Posted by ブクログ
経済政策はそっちのけで、戦争ができる列強国=戦争がないと生きられない国づくりを進める安倍政権。NSC法、特定秘密保護法、集団的自衛権行使をバラバラに話進めるとわかりにくいが、三点セットで考えると無責任な判断で国民を無用な戦争に巻き込む事態が起きうる。上の三つに加え、武器輸出三原則の廃止、産めよ増やせよ政策、集団安全保障での武力行使容認、日本版CIA、ODAの軍事利用、国防軍の保持、軍法会議の設置、基本的人権の制限、徴兵制、核武装の十三本の矢で日本を列強にしようとしている。それが日本を平和にすることに繋がらず、むしろ日本を戦争なしでは生きられない国家にしてしまう。
他にも公共事業や金融緩和に頼る -
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こんなに国のことを考えている官僚もいるんだと感動した。
反感や誤解を招くのを覚悟して、本音で日本の問題について論じているのは好感を持てた。つまるところ、根本的に変えなければならないのは、社会保障うんぬんの前にまずは官僚の厚く保証された身分制度であると説く。官僚が国益よりも省益を優先する考えを改めない限り、何をしても本質的には変わらないという。なぜなら、国を動かしているのは実質官僚であり、官僚なしでは政治家も政治はできないから。
官僚の意識が変わるであろう改革案まで考えられており、日本を変えたいという意志が伝わってきた。本当に日本について考えさせられる一冊だと思う! -
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改革派(元)官僚として有名な古賀茂明さんの最新作。『信念をつらぬく』というタイトルの通り、官僚になる前の学生時代から、中央官庁で活躍したのち、閑職に追いやられ、フリーの立場になった著者の経歴とともに、今までの軌跡が描かれています。読後の印象は、その一貫したブレない姿勢がすごいな、というものでした。
「信念を曲げて生きることのストレスのほうがはるかに大きく、信念をつらぬくことによってこそ、「心の平穏」が得られるというのが本当のところだったのです。」という一節が強く印象に残りました。
批判ばかりしていて行動しない人が多い中、組織を変えよう、世の中を変えよう、そのためには何が必要なのかを考え、行 -
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霞ヶ関でこのままでは本当に日本がダメになるという危機感から改革に取り組んできたが省庁、政府、族議員、既得権益企業からのいじめに会い仕事を取り上げられ、キャリアから閑職の大臣官房付に追いやられ最後は辞めていく古賀さんが執筆した本。
自分、省益を考えた結果国がどうなろうと知ったことかが今の霞ヶ関。それも燃えていた新入職員が段々と出世するにつれ、省益主義の仕組みの中に取り込まれていく。
安部さんが総理になればこの古賀さんをブレーンの一人に加えるべき。そして古賀さんをリーダーのもと、若手キャリアで公務員改革の実践を任せる。これがベターな方法か。 -
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官僚によって蜘蛛の巣のように日本に張り巡らされた「利権構造」によって、官僚自身も含めた日本全体が、がんじがらめに縛られている。そのような印象を受けた。 日本の「システム」の設計が「利権の創出とその維持」を最大の目的として最適化されているため、そこにどのように優秀な人材を送り込んでも、手も足も出せずに落伍するか、牙を折られて従順になるかの2択を迫られる世界になっている。 したがって、「官僚が悪い」と責めても何も変わらないし、逆にますます官僚が国民に背を向ける結果を招く。 解決するには「システム」の再構築。すなわち、利権構造の解体を含む公務員制度改革しかない。 そのためには、守旧勢力の強硬な抵抗に
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元官僚の視点から官僚制度に内在する問題点や官僚の論理を分析し、批判だけでなく筆者の考える処方箋を呈示する。専門的な内容について分かりやすく、読者を引き込む筆力にも驚嘆する。
特に面白かったのは、
・安倍政権を官邸主導ではなく、これと官僚主導のハイブリッドで、国交省など総理の関心がない分野ではのびのびとやれて、関心分野では内閣人事局による支配に代表される官邸支配と忖度が進んだこと
・官僚像を消防士型、中央エリート官僚型、凡人型と三分類し、元々少ない最初の型が組織の論理に絡みとられるなどしてさらに減り、真ん中も官僚の魅力・地位低下とともに減少、ラストの型が増えてきている。この型は、批判されると逃 -
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タイトルの官僚の責任という通り、日本の官僚は責任について考えが甘い、と古賀さんは言っている。
誰でも持っている「人間の弱い部分」について、普通の人間は許されても、皆から税金をもらって、制度をつくったり、実行したりする人たちは心が強くないといけないようだ。古賀さんはそういった部分では非常にメンタルが強いのだと思う。
人間は感情の生き物である限り、組織の内側の人間には嫌われたくないのが普通なので、組織内の人間に嫌われてまでも、国民のために全力を尽くせる人は少ない。
時間はかかるだろうが、今後は古賀さんのようなタイプの官僚が増えてくるのではないだろうか。
また、マスコミの報道などでも官僚は悪人仕立