あらすじ
なぜ私は1年9ヶ月もの間「干され」続けたのか。退職の真相から野田政権の本質分析まで渾身の語り下ろし。官僚よ、省益ばかり優先したり天下りポストの確保に奔走しないで、今こそ「公僕意識」を取り戻せ!――霞が関を去った改革派官僚の旗手が満を持して立言する、日本再生の真の処方箋。【目次】1章 なぜ「国家公務員制度改革」が進まないのか/2章 官僚たちの「生態白書」/3章 “内向き思考”が日本を滅ぼす(以下略)【光文社新書】
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官僚出身の著者が綴る官僚の考え方と公務員制度改革の重要性を説いています。国家公務員にやる気を出させるための提言がわかり易く丁寧に著されていて好感が持てました。政治を知るためのいい活字媒体の選択や、国民一人ひとりができる行動なども列挙されています。良書です。
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官僚制度の問題点、省益優先志向による国全体の方向性の危機についてわかりやすく解説。
日本有数の英知を持った人たちがなぜ国の将来についてもっと真剣に考えてくれないのか国民全員が気が付かなければならない。
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2011/11/18 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2011/11/21〜11/30
先日とうとう経済産業省を退職した古賀茂明氏の官僚分析と公務員改革案が分かりやすく書かれている。本書の内容が、どれだけ真実なのか、官僚でない私には分からないが、今の状態を見ているとほぼこんな感じなんだろうな、と思う。古賀氏の改革案がベストかどうかは私にも分からないが、凄く効果的であると思う。とにかく、このままでは、日本はどんどん沈んでいってしまう。改革者の登場を切に願う。
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事務次官の人事権は大臣にあるものだが、実際は官僚が決めて、大臣は承認しているだけ。現職の事務次官は、組織に従順な官僚を後任に決めたら、そのことを印象操作して大臣に伝えて幹部の人事を牛耳る。
大臣はどうせすぐ変わるから、というので官僚は大臣の方を向かずに、事務次官の方ばかり向いて仕事している。次官に嫌われると出世の道が閉ざされる。
課長になるまでは、みんな次官ではなく課長補佐が人事権を握っているし、若い人ほど国のために、と思って仕事をしているが。。。課長、局長になると、いつ次官からクビを言い渡されるか、天下りポストはどこになるか、とビクビクしてしまい上の顔色伺いで仕事するようになる。
官僚の残業のよくある仕事として、国会答弁の想定問答集作りがある。その問答集は、官僚の利権を守るために、自分たちの判断が正しかったと主張できるようにするために、様々なロジックを捻り出すので徹夜仕事。
そして、まだロクに勉強もしていないのに大臣になった与党議員は、その問答集を見ながら答えているうちにいつのまにか官僚の台本通りにシナリオを辿ってしまう。自分の考えとは全く逆だとしても、つい答えてしまう。
天下り先を追加するのも重要な仕事。たとえば、ある問題が起きていて対策のための規則導入、プラスそれの監査機関を新たに作りましょう。それが天下り先になっている!
表向きは綺麗な絵を描いて、その裏で自分たちの省庁の利権を守り拡大することができる人間が、「よくできる有能な官僚」と言われる。
霞ヶ関でも若い人は優秀な人が多いが、出世してやりたいことを自由にできるようになるためには省益優先して評価されなければならないジレンマに陥って、優秀な人は、飼い慣らされていくか辞めていくか。
役所の人事は天下りなくして成立しない。年功序列を何より大事にしているので、局長以上のポストなは空きがなく、必然的に同期の殆どが退職し天下りせざるを得ない。
2009年に民主党に政権交代し、掲げたのは政治主導、脱官僚、天下り根絶‥だったのだが、完全に失速した。大きな理由は、公務員労組の凄まじい抵抗にあったから。公務員組合やその家族しえんしゃなど非常に大きな支持団体で、選挙にかなり影響する。
また、民主党が政権をとったときに「霞ヶ関の幹部官僚には全員辞表を書いてもらう」と言ったが、本当にうまくやれる与党というのは、官僚を退けるのではなくうまく使いこなす政党だ。
民主党は次官会議(翌日の閣議の議題に対する準備会議)を無くして、政務三役会議(大臣、副大臣、政務官の会議)からも官僚を完全に排除した結果、仕事を背負い込みすぎてパンクした。
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この法律、採用、施行してくれないかな。官僚制度は制度疲労起こしてて、完全に日本のガンとなってるよな。まともに、国のため、国民の為に働いて欲しい。
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現存する国家公務員制度や官僚の実態をわかりやすく紹介し、その問題点を挙げ、最後にそれらに対する解決法を提示し国家公務員制度改革を訴える。官僚批判の最先端を走る著者の主張は、悪く言えば偏りがあるように感じられるので、保守的な意見や違う角度からのアプローチなども気になるところ。未来の官僚達の啓蒙書たるべき一冊と言ってもいいのかも知れない。
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テレビでもお馴染みとなった古賀さん
国家公務員改革の旗本となるべき重要人物であるが現在は官僚を離れ外野の位置から日本を良くしようと考えている
「中学生にもすらすら読める一冊」としてわかりやすさ重視で書かれているので政治に興味のある学生にも読んで欲しい
そして国を動かす政治家と官僚の現在を知ってほしい
そんな願いを感じる内容です
良いことをすれば出世(褒められる)する仕組み作りこそが日本を復活させる第一歩なのかなぁ~?
予算を使い切ることが仕事ではなく予算をいかに抑えたり予算内でどれだけ国益になるのか・・・など
改革案って実は子供の学級会レベルの答えすら正しいのかもしれない
その常識が国家のブレーンにどれだけ常識として通じるのかが問題なのだろう
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自分は公務員じゃないからかもしれないが、この意見に引き込まれてしまった。
文章も分かりやすく、他の古賀氏の著書も読んでみたくなった。
…でも本屋でこの本と一緒に並んでた、真逆の意見の本も読んだ方がいいかなぁ…
Posted by ブクログ
今の官僚制度、あるいは省益と自己の保身最優先の官僚がいかにダメか、そしてどうあるべきなのか、ということを、政治、行政の素人にもわかる範囲、わかる言葉で書いた本。
本書の良いと思う所は、とにかく主張がわかりやすい点。個々の政策課題については本書であまり語られていませんが、これも、公務員制度を改革しなければ他の課題解決も骨抜きになってしまう、とする著者の主張にはあっているように思います。
こうあるべき、という主張が簡単であることと、実行が簡単かどうかはそもそも別の話ですので、そう思ってさらりと読めば良い入門書といえそう。
Posted by ブクログ
内容はタイトルそのまま。
元官僚である著者が、官僚と呼ばれる人たちの実態を語りつつ、
制度をどのように変更し、国民としてどのように振舞えば、
より良い状態になるかを提言する。
体験談も交えた具体的なエピソードが多く、平易な語り口なので、読みやすい。
ここ数世代の内閣のなかでどのような動きがあったのか。
政治家の言動に対して、官僚はどのように振舞うのか。
そういう話が書いてある。なかなか面白い。
胸が痛むのは、若手でやる気のある人が、どんどん辞めていくという点。
やはり制度的に問題があるのだろうと思うし、
国民もきちんと目を光らせる(政治を通じて)ことが重要なのだろうとの思いを新たにした。
基礎的な素養、あるいは知識として読んでおいて損はないのでは。
Posted by ブクログ
「本来、官僚はタクシーの運転手で、行き先を決めるのが政治家」「『資料や情報を集めて、研究を重ねて専門知識を集積していく』ことこそが官僚の仕事」「公僕とは・・・いざというときに自分の利益ではなく、公の利益を優先できる、そのために自己犠牲を払える、そういう尊い心の持ち主だという意味なのです・・・いざとなれば、自分の体がそう動くだろうか、官僚ならばいつもそう自問してほしいものではありませんか。」
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問題の指摘が分かりやすいし、改革案も提示されている良書。著者には政治家になって官僚機構改革を進めて欲しい。星5つとしたいところだが、官僚のつまらぬ仕事振りに不快感を催してしまったから星4つ。
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経済産業省と仕事を一緒にする時に感じていたモヤモヤはこれだった。官が民より上位であるかのような上から目線、省益確保の意図が垣間見える判断、そしてそうした言動に気付かずただ本人たちは国のために必死に働いていると思い込んでる姿勢。
著者の提案する改革案が進んでいくことは望ましいが、得てしてこうした大きな改革を役所で進めるには相当な範囲へのネゴが必要。政治家からのトップダウンでことが運ばれると良いのだが、現政権には期待できそうにない。
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どうなっちゃうんだという気持ちになるような、でも同時に、やっぱりね、というか、全くもって想像を絶するわけでもない状況が優しい口調で語られている。提言の章で書かれている内容が具体的。確か、上杉さんも似たようなことを書いていたような。既存のメディアを過信せず、頑張っているメディアを応援する、政治家に発言していき、少額でよいので個人献金を行う、など。
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とても、読みやすく。本当に中学生など20歳以下でも分かりやすい本だとおもいます。
ただ内容的には、同じく古賀氏の「官僚の責任 PHP」のほうを読めば包括できるかとおもいます。
ただ、最後からの数ページにある、国民一人一人が政治や行政に物申していかないと、若い人が物申していかないといけない旨には強く賛同しました。
Posted by ブクログ
『日本中枢の崩壊』(講談社)と重複する内容多し。官僚は自己保身のためじゃなくて国の為に心血注いで仕事してください、とのこと。公務員制度改革そのものの是非はともかく、霞ヶ関内で改革の動きがあったということで、支配される側としては救われた様な気持ちに。笑
Posted by ブクログ
公務員改革の必要性を解いた本。
ただ誰がどうする的なところがないので絵に描いた餅のようにも感じる。
やはりそういう世界なんだねという実態はよくわかった。どこからやれば良くなるものなんだろうか。
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TVやNetで良く言われる官僚の実体を判り易く書いた本でした。それに対する著者の提案も書かれています。ため息がでるほど官僚に落胆してしまう内容でした。
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「官僚は日本国家全体の為にちゃんと働いてくれ」という話。以下、主に感想。①企業ならバカな陣取り合戦は企業自身がつぶれて終了だが、官僚はその代替がいないから問題、②組織は多数決が強い、③やはり情報を持つ人間が強い、④対抗するにはブレーンが必要ということ。若い社長が直轄組織(往々にして業務企画部とか)作る理由もよくわかるわ。組織は一人では変えられない。
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「読みやすい」とすすめられたのだけど、疎い私にはそれでも難しかった…が、政治のことを知る、または知りたいと思ったいいきっかけになったので、今後、知識教養を深めていきたいと思う。
Posted by ブクログ
正直最後の章を除いては、著者の『日本中枢の崩壊』、『官僚の責任』から目新たらしいところはない。中学生にでもスラスラ読めるようより易しく書かれている点、例えばなしを織り込んで納得感をましている点が少し違うかな。本のタイトルと同じ最後の章は、改善のための著者のアイデアがいろいろ提案されている。3冊読むことで、国民のために働くべき官僚がなぜ省庁を向いてしまっているのか、民主党がなぜ政権奪取の前後で変わってしまったように見えるのか、どうすれば改善できるのか、著者の意見をより深く理解できる。今後橋本氏とともに、その経験を生かして、まずは大阪市を変えていただきたい。