山本直人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【感想】
広告をとおしてみる社会学で、奥が深い。
【ポイント】
25/消費の「量的拡大」が広告の使命であり、それを達成することで企業は
広告活動を評価してきた。
26/最も大切なことは、人々のこころの中にある「辞書」を書き換えること
「土用の丑の日の鰻」、1972の「金曜日はワインの日」
32/広告によって人々の価値観の書換えをはかった。
「モーレツからビューティフルへ」
35/戦後の日本では高度成長期においては広告の「拡声と伝達」機能が消費
の拡大に寄与。
70年代から「意味の書換え」の模索が始まり、80年代にピークとなった。
「ディスカバー・ジャパン」から「クリスマス・エキスプレス」
51/電通の高いシェアの要因:
広告ビジネスは長きに渡る「付き合いの深さ」がポイント
59/人々側に、特定カテゴリーの情報を一覧で比較検討したいというニーズ
これに、リクルートが編集力で応え続けた。
出稿者を集める「営業力」がポイント。
60/「名刺は頂くもの」 いただいた名刺がビジネスの種
リクルートの強みは、このような毛細血管を張り巡らせ、その管がビジ
ネスの脈として機能した。
61/リクルートはが毛細血管の拡張と維持を最大限の経営資産としたのに対
して、電通は戦後いち早い段階でリスクを取って「新分野」に挑んだ結
果の★「既得権益」
107/「物の豊かさ」と「心の豊かさ」
物の豊かさがみたされて初めて「心の豊かさ」のゆとりとなる幻想
物には満たされていて、これからは心だと思っていても、お金について
は満足していない現実
110/得体の知れない「心の豊かさ」を求めるよりも、働いて得た富で、自分
や家族の欲求を少しずつ満たしていく。
そのプロセスの積み重ねのなかで、自然とこころが豊かになるし幸福の
瞬間が発見されていく。
123/「分衆」の誕生で捉えられた社会変化
→?「個人主義」という生き方との関連性と
?「階層」という経済側面との関連性
125/「貧乏ではないがゆとりを感じられない」という「擬似貧乏」の集団
→「ニュープア」
133/80年代の日本、行動の基準を自分で持っていなかった。
だから消費の理由を「外」に求めることになった。
「買う理由」が欲しい。 優秀な売り子は迷える客に『理由」を提供した。
161/80年代半ばまでの広告は「いつか私も・・」という憧憬を生み出す
偽リアリティ全開だった。
90年代で、多くの広告はガイダンス的になり、広告が情報にとりこま
れ、パーツになった。
164/テレビのクイズ番組、90年代半ばまでは、世界の秘境、視聴者のしらな
いことを紹介していた。
最近は、「常識」を競う。
テレビはもう見知らぬ世界を届けなくなり、知っている世界の知るべき
情報があふれる。
168/80年代になって、「自分で買うものを自ら決める」ようになった人々が、
21世紀になって、「自分で得たい情報を自ら決める」ことができるよう
になった。
おカネの使い道とそのための情報の獲得を自らコントロールできるよう
になった。
176/これからのマス広告はどのような役割を担うのか?
→「拡声と伝達」の原点に帰ること。
食べるラー油は調味料を「食べるもの」と定義しなおして大ヒット。
→マス広告のつくり手には「シンプルさ」
180/「答えあわせ」する人々:
消費自体に喜びはなく、情報との合一性によって安堵を見いだす。
186/30年の船酔い:
1950年から80年まで、広告などの情報は「発散と全体化」を担っていた。
まさに電通が切り拓いたモデル。
80年からの30年は「収束と個別化」へと舵をきる。
リクルートが着目、事業化に成功し、インターネットによって定着したモデル。
【目次】
第1章 買いたい人と稼ぎたい人
第2章 元栓のうまみ、毛細血管の凄み
第3章 「次の幸福」というしかけ
第4章 情報誌を欲したのは誰か
第5章 CMから「憧れの景色」が消えた
第6章 「感動をありがとう」の正体 -
Posted by ブクログ
広告の、そして営業の雄と言われたかつての2大巨頭に関する本。広告は、そのデザインのみならず、消費者に対しその購買意欲を感化する目的を内在している。しかしながら、昨今では若者の消費傾向が変わったからか、そのアプローチの仕方も従来ほどは機能しなくなってきている。若者にとってはやはり、それがおりなす物語であったり、それに付随する付加価値に対して、消費する傾向があると言える。ただ、そうはいっても2つの会社においては、名だけでなく、その与える影響もまだまだ強い。多くの大衆をCMにおいて引きつけた電通。ニッチな市場を開拓し、その営業力で新たな広告戦略を確立したリクルート。これからも、両社においては更なる進化が求められていると言えそうである。
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Posted by ブクログ
4P price,product,place,promotion
ニーズ思考とシーズ思考
SWOT分析 Strength,Weakness,Opportunity, Threat
属性→機能的ベネフィット→情緒的ベネフィット→コンセプト
コンセプトを築く
事実を顧客にとっての概念にする
①受け手の視点で定義している
ex. 300馬力、512MB、シチリア産→力強い、速い、コクがある
②受け手にとっての意味を表してる
ex. 力強いエンジン → 頼もしい走り
③社会にとって共有される価値を見出している
ブランド価値構造
属性→機能的ベネフィット→情緒的ベネフィット→コンセプト
コミュニケーションへのブリッジ
①顧客の行動を想像する
体を保ってくれる→元気までも運んでくれる水
②別カテゴリーの言葉を借りる
毎日をうるおす→H2Oソリューション
③五感をずらしてみる
遠くへ連れて行ってくれる→空が浮かんで、せせらぎが聞こえる
④話者を変えてみる
賢い生活のパートナー→水選びの基準が変わってきた
生活者インサイトからコンセプトを発見する
「飲み物」で連想したものを「お茶」「甘いもの」「さっぱりするもの」と分けていっては意味がない→「カフェ」という言葉を核にして連想された言葉を手がかりにする
こうして発見された人の心のアヤを生活者インサイトと呼ぶ
プレゼンテーションは会話の延長にある
①プレゼンはその時だけが勝負→その時にいたるまでの関係づくり
②プレゼンはお披露目→常に「相手と話す」感覚
③プレゼンは間違えられない→うまく語ろうと思わない -
Posted by ブクログ
『ネコ型社員の時代―自己実現幻想を超えて』(山本直人、2009年、新潮新書)
現在の日本社会において「ネコ型の社員」が増えているという。いったい、ネコ型社員とは何か。筆者によれば、高度成長期に見られた「会社人間」でも、自己実現を目指す社員でもない、ネコのような社員だという。以下の特徴があるという。
(1)滅私奉公より、自分を大切にする
(2)あくせくするのはいやだが、やるときはやる
(3)自分のできることは徹底的に腕を磨く
(4)隙あらば遊ぶつもりで暮らしている
(5)大目標よりも毎日の幸せを大切にする
本書は、このような特徴を持つ「ネコ型の社員」の方にとっては適した会社選びや会社での振舞い方などを、アンチネコ型社員の古い(伝統的な、といってもいいかもしれません)
社員の方にとってはネコ型社員をうまく使う方法が書かれており、双方に読むメリットはありそうだ。
ネコ型社員が増えている原因を高度成長の終焉とバブル崩壊による長期低迷に求めたり、メジャーに挑戦した野茂やイチローが「がんばるネコ型」としたり、おもしろく読めるビジネス書の一種である。
(2010年2月17日)