【感想・ネタバレ】電通とリクルートのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年11月08日

タイトルだけで惹かれて読んだと言っても過言ではない。newspicksで両社の特集が組まれておりホットな企業。

「まとめ」
電通とリクルートという日本のメディアを支える2社の変遷を戦後日本社会の変遷とともにまとめている。広告は辞書の書き換えが役割で、情報誌は情報の整理が仕事であるという対比構造。そ...続きを読むの違いを発散型と収束型、農耕的と狩猟的、元栓と毛細管…、元博報堂ということもあり比喩など表現が豊かで両社のビジネスモデルの違いがイメージしやすかった。

また、広告の果たす役割が日本経済の発展及びメディアやIT環境の変化により変わってきており特に近年は大多数の人は検索により表示された情報が事実であると思い込み、「情報ありがとうございます」と動き出す。これは確かに人を動かす事にはなっているものの、本質である”本当に効果のある狙った人を動かす”事にはなっていないことを痛感した。

「感想」
タイトルがミスリードを生みがちだが、内容は日本の消費社会とメディアやその広告との関係について広く書かれた本である。広告業界に関わらず企業が自らの顧客に対して何をどのように伝えなければならないか考える意味で広く対象がいる印象。

世間では「電通が世の中を動かしている」などと影の役人的なイメージが付きまとっている。実際、メディアの”元栓”を握っていることによりメディアへの関与は想像でき、多少は否定できない部分もあるのだろう。一方で世の中を改めてみると現代の情報蒐集の主な手段は”ググる”ことである。ここで怖いのは、従来のメディアと違い自分で情報を選んだ”気になっている”点である。

「学び」
・1消費者としては、自分で”聖書”を持ち続ける必要性を感じた。
これほど情報量が多い世の中、何となくググって出てきた情報で知った気になっていないか、自分がなぜその情報を欲しかったのか、自分はその情報で何をしたいのか見つめ直すこと必要性のことである。

・逆にリクルートとしては、ただ整理するだけではなくより積極的に消費者に訴えかけ、良い消費者たりうるようにしていく必要があるのではないか。
(いっそリクルートが学校とか開いたら面白いのに笑)

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Posted by ブクログ 2011年10月23日

電通の発散志向とリクルートの収束志向の「広告」という対比的な文脈で書かれた本であるけれど、決して二項対立的な位置づけではなく、むしろ相互補完的な二つの役割を担うシンボリックな企業として語られていて、とても面白かった。特にリクルートの果たしている役割というのが自分のイメージでは、職に関するものに限定さ...続きを読むれていたけれど、本書を読んで、その既成概念が取っ払われ、とても視野が広がったと思う。

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Posted by ブクログ 2011年09月22日

日本の広告および情報産業というものを理解する上での必読書。なぜ?電通が広告業界トップなのか、リクルートが情報産業をリードしてきたのかが腹落ちする感覚を持って理解できます。
特にR系の企業文化を持つ会社にお勤めの人であれば「なるほど!」が連発だと思います。

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Posted by ブクログ 2011年06月21日

生活者を主語にしてまとめている、と本書では各所で言われていますが、基本的には2社の事業の歴史を、生活者の心の流れに沿って追った2軸展開。すごく分かりやすくまとめられています。

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Posted by ブクログ 2011年06月20日

6/20
電通は発散型広告。リクルートは収束型広告。

営業っていうのは、ゼロから仕事を作ること。電通や博報堂とかの代理店の営業は営業ではない。リクルートのように自らメディアを開発して、そのためにあちらこちらに営業へ行くわけではない。いわゆる総合広告代理店の営業は代々にわたって引き継がれた取引関係を...続きを読む維持することが最大の責務だった。

一部の大手広告主が広告代理店に対してメディアバイイングの腕を競わせるようになってきた。二千年ごろから。

新聞を下から読め。江副さんの言葉。新聞の下、つまり何が広告されているか。そしてそれらの広告を新たにメディア上に再編集することにビジネスチャンスを求めた。

名刺交換。リクルートの出身者からは名刺を頂くという気持ちが強く伝わってくる。頂いた名刺が彼らにとってはビジネスの種。もらった名刺はやがて収益に変えなくてはいけない。

マス広告の全盛期の時代は広告のコピーが対象に意味を与えた。しかし、インターネットの時代で威力を持つのはランキングの数字だ。現在のランキングは【いま何が評価されているのか】を知り、消費のリスクを軽減させるための情報。

【物から心へ】というほど話は単純ではないり経済的には【まだまだ】と思っている人も多い。そうだとすれば【より自分の力を磨いて、豊か生活をしていく】ということが幸福になっていくことではないだろうか。

広告史を紐解くたびにいつも感じるのは、新たな地平を切り拓くのは現場で制作をするクリエイターの嗅覚だということ。そして、しばらく経ってデータや理論によって、そうした流れが体系化されて、新しい枠組みとなっていく。

分衆・少衆マーケティングはインターネットによってようやく具体的な戦術を実行できるようになった。

人々が欲しかったのは、モノではなく、モノを買う理由だったのだ。その中で重要なのが、ニュース、合理性、ストーリーという理由。

広告は徹底してリアルな情報を整理してら人々に届けることが使命となりつつある。しかし、気のきいたクリエイターであれば、実は人々がおとぎ話を望んでいることを知っている。だとすれば、価格や新モデルの情報をおとぎ話のフレームに包んで届けてやればいい。ソフトバンクの犬の話がうまく仕上げた例、
メッセージは価格などのリアルな情報。ところが、CM全体の構造はおとぎ話になっている。

答えあわせをするようになっている。消費自体によって喜びを得るのではなく、情報との合致性によって安堵を見い出している。食べログなど。

聖書は読むもの。地図は使うもの。リクルートは使うものをつくり続けてきた。情報誌の読者は現代のバスコダガマかコロンブスだと閃いて、リクルートは彼らのために地図を作るのだと認識を新たにする。

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Posted by ブクログ 2023年09月27日


タイトル的に企業同士の癒着に着目した話かと思いましたが、そうではありませんでした。
広告を通した2つの共通項と、その歴史•発展のプロセスを準えた本でした。

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Posted by ブクログ 2014年04月27日

電通とリクルート、この2者が作り出した「人々にとっての価値」の対比が面白い。今後どうなるのだろうか。

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Posted by ブクログ 2013年04月27日

電通モデルを発散志向の広告、(ネット広告モデルのルーツとしての)リクルートモデルを収束志向の広告と位置付けた論述展開。
この2社をツールとした中での戦後から今に至る日本の消費分析が「なるほど」という感じで読めました。

電通は元栓を押さえることで収益の基盤を確立することで圧倒的なシェアを実現し、リク...続きを読むルートが毛細管の拡張と維持を最大の経営資産として勇躍した。

これからの時代、日本というマーケットだけで捉えた場合、彼らがどのようなアプローチをとり続けていくのか興味深い。
グローバル展開では、タイムマシンモデルによりこれまでのノウハウが役立つ場面も多々あるのであろうが、日本においてはどのような進化が必要なのかよく見えないので注目したい。

「キュレーションの時代」ではビオドーブと呼ばれていた、濃くて良質なビジネスマーケットとしての無数の塊を効率よく創造していくことが生き残りのための一つの術なのだろう。
そういう意味では、リクルートの次のチャネル展開が興味深い。

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Posted by ブクログ 2012年11月25日

電通をはじめとする大手広告代理店の収益は、マス・メディアとの長い歴史の中で育まれた関係を維持することでもたらされてきた。広告ビジネスには、外部からの印象以上に、きわめて「農耕的」な風土がある。
それに比して、リクルートは次々とメディア自体を開発して、クライアントを開拓してきた。対比的にいえば、明らか...続きを読むに「狩猟的」である。p10

「発散志向広告」と「収束志向広告」

リクルートが毛細管の拡張と維持を最大の経営資産としていったのに対して、電通は元栓を押さえることで収益の基盤を確立した。p61

Cf. 「金曜日はワイン」→辞書的、文脈の書き換え

「幸福のペンタゴンモデル」
①時間密度
②手ごたえ実感
③自尊心
④承認
⑤裁量の自由
Cf. 『幸福の方程式』p98

Cf. 『「分衆」の誕生』

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Posted by ブクログ 2012年09月27日

1980年代から両社が拡散志向広告と収束志向広告で相互補完してきた歴史を通して、広告と消費社会の30年間がざっと分かった。

2007年に両社が資本提携したという「オチ」もインターネット時代の広告ビジネスをとりまく現状を考えれば必然だったんだろう。

なんにしても両社ともすごい会社だ。

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Posted by ブクログ 2011年07月03日

電通とリクルートの二つの企業を、「広告」という共通項に基づいてその歴史や、そういった歴史を生んだ社会的な背景を書いた本。

電通はテレビや新聞などのマスメディアを利用した発散志向広告であるのに対し、リクルートはインターネットや情報誌などを利用した収束志向広告という風に対比し、その時代に人々はどういっ...続きを読むた情報を必要としていたのか、それに対して広告がどういったスキルでもって作られたのか等々について書かれている。

今まで、リクルートは人材サービスというイメージが強かったため、広告という違った切り口での捉え方、電通との比較は興味深かった。

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Posted by ブクログ 2011年06月28日

C0236 元博報堂なのに第3者的視点なのが気になりますが、前半はよく出来ているかと思います。マス広告で夢を拡散させて、収束型で(辛い)現実に向き合わされるのは、なるほどと思いました。

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Posted by ブクログ 2011年04月14日

今回は、博報堂の恩師でもある山本直人先生の新刊「電通とリクルート」です。 電通とリクルートという強烈な個性を持つこの2社を通して、今までとそしてこれからの広告の役割について展開されています。常に繰り出される山本氏の独特の視座と深い洞察力は、さすがの一言です。

両者の決定的な共通点として「企業の情報...続きを読むを加工して届ける」というプロセスに付加価値を創造してきたこと、また「情報の流れの元栓をしっかり押さえてきたこと」としています。また、その一方でその付加価値創造のプロセスにおいて両者には大きな違いがあり、 電通が行ってきた広告を「発散志向広告」:商品についての拡声と伝達、リクルートが行ってきた広告を「収束志向広告」:消費行動(収束)へのガイドと位置づけ、同じ広告を扱うという巨人ながらもスキルや広告対象が異なる分野で各々が成長してきたことを論じています。

「モーレツからビューティフルへ」「ディスカバージャパン」などの70年代に広告代理店が世の中の空気をある意味形成してきた時代から比べると、広告代理店の仕事は今まで得意としてきた「定義の書き換え」から、「リアルの追求」を求められているし、提供し続けてきたように思います。それは今まで生活者に新しい価値観を先導して提供してきた立場から、既に存在し、かつ多様化している価値観をリアルに発見しそこに当てていく立ち位置に変わってきてしまったかと思います。リアルな分析と、リアルな結論と、リアルな結果から導きだされた更なるリアルな分析を高速回転させていく。このPDCAサイクルを高速回転する業務は、ややもすると広告代理店不在でもできてしまうことかもしれません。

しかし震災を経験し、生活者も広告主もメディアも確実に大きな変化を遂げることがわかっている今、新しい空気、新しい思想を日本に吹き込むことができるかどうかが、広告代理店また個人個人に求められているのではと感じます。衣食住足りた後の「心の復興」は、かつて時代の空気を先導して作ってきた広告代理店が担うべき領域かと。このPDCA+αを追い求めていくことこそが今こそ必要なのではないかと本書を読んで感じ至りました。

震災前に書かれた本ですが、震災後に読んで個人としてのこれからを考えさせられました。

山本先生、ありがとうございます!

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Posted by ブクログ 2011年04月07日

拡散情報の電通。欲望をCMで世の中全体に拡散して喚起していく。
収束情報のリクルート。欲望を購買に情報誌で収束させていく。

という対比軸の設定がおもしろい。

広告はすべてソーシャルや検索連動になるというのではなく、やっぱり拡散型広告と収束型広告は常に必要だ。ネットは収束型を担うが拡散型は引き続き...続きを読む重要だとおもう。

東北のモノをみんなで買おう、という時代的気分をつくりだすのはまさに拡散型広告の真骨頂。

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Posted by ブクログ 2011年03月30日

広告の役割は「人々の辞書の書き換え」

電通=マス志向=発散型
リクルート=個志向=収束型

モノを買う理由
1 新規性
2 合理性
3 ストーリー性(ふさわしさ)

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Posted by ブクログ 2015年12月19日

消費社会とマスメディア・広告との関係について書かれた本。
発散志向広告の電通と収束志向広告のリクルートを取り上げ、その変遷と役割の変化が展開される。
なかなか面白く読めたが、論旨が良くわからない部分があった。

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Posted by ブクログ 2015年04月25日

モノを買うときに、自分への納得感が必要。広告が動機付けをするなどで、買う理由を与える。ネットで比較して賢い買い物してるなあと納得してみたり、ご褒美という名で買ってみたり、ネットで比較できることで、自分に合うものだけを選択できるようになった。
これが広告の目的。

広告で方向付けをして、価値観を変えて...続きを読むいくことは面白いかも。ただ、広告で特定の商品を押し付けると言うのは個人的には嫌。ま、最後に書いてあるけど、地図と聖書があって、広告は地図。利用するためのもの。悩んだ時の決め手は、聖書など、読むもの。

とはいえ、お客様と一緒に作っていくというシステムエンジニアという仕事は、性にあっていると言えるなあとしみじみ。

幸福論について。モノの豊かさ、ココロの豊かさ。他人から離れれば傷つかないが、幸せになれない。
幸福の要素として、健康、家族関係、家計が挙げられる。

また、上位業種とは、食品、化粧品、交通・レジャー、飲料、通信、流通、医療品。広告マンは営業かと言われれば、一から新規開拓しないから、営業とはいわないとな。

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Posted by ブクログ 2015年01月15日

戦後の日本の広告を牽引してきた電通とリクルートをあげ、それぞれの特質(共通点と違う点)に注目しつつ、戦後の人々の「消費のあり方」がどう変わっていったかを分析した本。

主張したい点はわかりやすかったのですが、若干議論が発散する点もちらほら。
しかし、全体としてはうまく整理されていて、広告や消費につい...続きを読むて勉強になりました。また、広告の未来を考える際のヒントにもなりました。

著者は博報堂の方で、広告に対する熱い想いが随所に感じられて、それがよかったです。

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Posted by ブクログ 2014年08月02日

昔、博報堂にいた人が書いた本。前書きに書かれているとおり、広告のことやタイトル2社のこと、というよりは人々の欲望の作られ方、のような内容。全体的に過去の振り返りが主。これからのことについてはほとんど書かれていないが、今起こっていることも、しょせん、過去の繰り返しであることが、逆に良くわかる。
電通に...続きを読むついては良くわからないが、リクルートは知人が入社してたことがある。そこから聞く話と比べたら、本書に書かれている内容は掘り下げ方が少ないように思った。
広告会社でメディアについて研究していた人が書いただけあって、読み易いし、内容は新書というフォーマットにマッチしている。ターゲットは40代?同世代、同時代体験を期待するような昔話が多い。

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Posted by ブクログ 2014年01月05日

・発散志向広告と収束志向広告

・広告の役割の一つ → 辞書(意味)の書き換え

・情報誌を高収益ビジネスとして実現するためには寡占化が必要

・消費者自らが「買う理由」を欲している
・優秀な売り手は、多くの迷える客に対して「理由」を上手に提供している


'広告は、夢を見せても夢への道の...続きを読むりを教えてこなかった。その道のりを知りたい、というニーズに応えたのが情報誌であった。'

'人々が欲しかったのは「モノ」ではなく、「モノを買う理由」だったのだ。'

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Posted by ブクログ 2013年12月28日

2011年6月初版
山本直人 著
==

日本の戦後情報産業史を、広告という領域でそれぞれ異なるアプローチで拡大させてきた電通とリクルートに焦点を当てることで、整理した一冊。

そうかそういう整理も出来るかーという意味では、
ありそうでなかったアプローチなのかもなあと思い、
いろいろと面白く読めまし...続きを読むた。

ただ、ちょっと乱文というか、
結構、一見すると論旨が蛇行して進むように読んでて感じるので、
「あれ、何の話だっけ?」みたいになる本で、
ちょっと、集中力を要しましたがw

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Posted by ブクログ 2013年10月25日

情報に期待し過ぎていた自分に気が付いた。情報が多いからといって最適な選択肢や幸せは約束されない。あくまでも決断は"これまで積み上げてきた自分の価値観"に則る。

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Posted by ブクログ 2011年12月19日

(summary)
電通=発散志向型広告、リクルート=収束志向型広告と比較の視点を持ちつつ両社は相互補完的な役割を果たしながら消費者/労働者である同一の人に様様な影響をもたらしてきたとしている。ネットの浸透により広告は一つの情報ソースの一つとして組み替えられ再整理されたため、憧憬を生み出すことが困難...続きを読むとなった。こうした中で、広告ビジネスのあり方は変化が求められており、それは自分で自分のことを決める際に本当に役に立てる情報を伝えること、つまり自由と自立への支援という原点への回帰である。

(memo)
電通とリクルートの相違点
•電通=関係維持のための営業/農耕的風土/発散志向広告/変換スキル
•リクルート=新規開拓のための営業/狩猟的風土/収束志向広告/編集スキル

両社の共通点
•情報を加工して届ける
•買う人/稼ぐ人という同一の人
•情報の流れの元栓を押さえる
•インターネットによって企業ポジションに揺らぎが見える

広告のあり方
•消費活動と広告へのニーズは比例(GDPと広告費は比例)⇒消費の量的拡大が広告の使命
•拡声と伝達⇒1970s〜辞書の書き換え(=幻想への憧れ)⇒拡声と伝達(?)
•欲求の多様化
•人々が欲しかったのはモノではなくモノを買う理由
•消費財のマス依存度UP=マス広告の効果が限定的に
•広告も数多くの情報の中に再整理された
•新たな意味を付け加えるのは広告からメーカーへと変遷した ex)DS,Wii,食べるラー油
•情報自体に感謝する時代
•情報の期待値と体験の答え合わせをする時代

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Posted by ブクログ 2011年10月28日

電通を発散志向広告(マスメディア)、リクルートを収束志向広告(情報誌)と定義。異なる2社をモチーフにし、人々の消費行動の変遷を分かりやすく解説。情報との付き合い方を考えさせる一冊である。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年07月30日

広告業界の変遷も含めて、2社を比較して整理されて書かれている印象。

発散志向広告 電通
収束志向広告 リクルート

「元栓のうまみ、毛細管の凄み」なんていい方はぴったりあてはまるイメージですね。
過去から現在までの変遷について、思い込みもあるとは思いましたが
一読の価値はあったかなと。

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Posted by ブクログ 2011年06月13日

電通とRのビジネスモデルとここまでの歴史的背景、長所短所を分かり易く描いている。

この本から見るとあえて具体的には書かないけど、Rが外から見て評価されている点と、身につけると有効なスキルが顕在化する気がした。あくまで一意見だけど現場の人には一見の価値はあるかも。

電通を『元栓』、Rを『毛細血管』...続きを読む(笑)とはうまく言うものだ。

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Posted by ブクログ 2011年05月13日

 駆け足で読んだから、そこまで深く理解出来たわけじゃない。でも、電通とリクルートという二大情報発信企業の違いは分かった。岩波とかに比べると、新潮新書は分かりやすいね。

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Posted by ブクログ 2019年01月06日

【感想】
広告をとおしてみる社会学で、奥が深い。


【ポイント】

25/消費の「量的拡大」が広告の使命であり、それを達成することで企業は
  広告活動を評価してきた。

26/最も大切なことは、人々のこころの中にある「辞書」を書き換えること 
  「土用の丑の日の鰻」、1972の「金...続きを読む曜日はワインの日」

32/広告によって人々の価値観の書換えをはかった。 
  「モーレツからビューティフルへ」

35/戦後の日本では高度成長期においては広告の「拡声と伝達」機能が消費
  の拡大に寄与。
  70年代から「意味の書換え」の模索が始まり、80年代にピークとなった。
  「ディスカバー・ジャパン」から「クリスマス・エキスプレス」

51/電通の高いシェアの要因:
  広告ビジネスは長きに渡る「付き合いの深さ」がポイント

59/人々側に、特定カテゴリーの情報を一覧で比較検討したいというニーズ
  これに、リクルートが編集力で応え続けた。 
  出稿者を集める「営業力」がポイント。

60/「名刺は頂くもの」 いただいた名刺がビジネスの種
リクルートの強みは、このような毛細血管を張り巡らせ、その管がビジ
  ネスの脈として機能した。

61/リクルートはが毛細血管の拡張と維持を最大限の経営資産としたのに対
  して、電通は戦後いち早い段階でリスクを取って「新分野」に挑んだ結
  果の★「既得権益」

107/「物の豊かさ」と「心の豊かさ」 
  物の豊かさがみたされて初めて「心の豊かさ」のゆとりとなる幻想
  物には満たされていて、これからは心だと思っていても、お金について
  は満足していない現実

110/得体の知れない「心の豊かさ」を求めるよりも、働いて得た富で、自分
  や家族の欲求を少しずつ満たしていく。
  そのプロセスの積み重ねのなかで、自然とこころが豊かになるし幸福の
  瞬間が発見されていく。

123/「分衆」の誕生で捉えられた社会変化
  →?「個人主義」という生き方との関連性と
   ?「階層」という経済側面との関連性

125/「貧乏ではないがゆとりを感じられない」という「擬似貧乏」の集団
  →「ニュープア」

133/80年代の日本、行動の基準を自分で持っていなかった。
だから消費の理由を「外」に求めることになった。
  「買う理由」が欲しい。 優秀な売り子は迷える客に『理由」を提供した。

161/80年代半ばまでの広告は「いつか私も・・」という憧憬を生み出す
  偽リアリティ全開だった。
  90年代で、多くの広告はガイダンス的になり、広告が情報にとりこま
  れ、パーツになった。

164/テレビのクイズ番組、90年代半ばまでは、世界の秘境、視聴者のしらな
  いことを紹介していた。
  最近は、「常識」を競う。
  テレビはもう見知らぬ世界を届けなくなり、知っている世界の知るべき
  情報があふれる。

168/80年代になって、「自分で買うものを自ら決める」ようになった人々が、
  21世紀になって、「自分で得たい情報を自ら決める」ことができるよう
  になった。
  おカネの使い道とそのための情報の獲得を自らコントロールできるよう
  になった。

176/これからのマス広告はどのような役割を担うのか?
  →「拡声と伝達」の原点に帰ること。
   食べるラー油は調味料を「食べるもの」と定義しなおして大ヒット。
   
→マス広告のつくり手には「シンプルさ」

180/「答えあわせ」する人々:
   消費自体に喜びはなく、情報との合一性によって安堵を見いだす。

186/30年の船酔い:
  1950年から80年まで、広告などの情報は「発散と全体化」を担っていた。
  まさに電通が切り拓いたモデル。
  80年からの30年は「収束と個別化」へと舵をきる。
  リクルートが着目、事業化に成功し、インターネットによって定着したモデル。

【目次】
第1章 買いたい人と稼ぎたい人
第2章 元栓のうまみ、毛細血管の凄み
第3章 「次の幸福」というしかけ
第4章 情報誌を欲したのは誰か
第5章 CMから「憧れの景色」が消えた
第6章 「感動をありがとう」の正体

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Posted by ブクログ 2011年04月29日

風呂場で半分くらい一気読みした。
いろいろ考える、というか、考え直すテクスト。

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後半は飛ばし読み。
本論とは関係ないが、NHKホールの音響の悪さには同意。

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Posted by ブクログ 2011年04月04日

広告の、そして営業の雄と言われたかつての2大巨頭に関する本。広告は、そのデザインのみならず、消費者に対しその購買意欲を感化する目的を内在している。しかしながら、昨今では若者の消費傾向が変わったからか、そのアプローチの仕方も従来ほどは機能しなくなってきている。若者にとってはやはり、それがおりなす物語で...続きを読むあったり、それに付随する付加価値に対して、消費する傾向があると言える。ただ、そうはいっても2つの会社においては、名だけでなく、その与える影響もまだまだ強い。多くの大衆をCMにおいて引きつけた電通。ニッチな市場を開拓し、その営業力で新たな広告戦略を確立したリクルート。これからも、両社においては更なる進化が求められていると言えそうである。

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