諫山創のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『壁』という設定は、時代の必然と正義の何たるかを明確に表現するのに最も効果的で素晴らしかった。 封じた民の記憶を消した始祖、個人にのみ引き継がれる世界の記憶。物語の鍵が"記録”であったことや記憶の改竄が効かないゆえに迫害を受けた一族。 これまさに 人類が繰り返した現実の話。だから記録が如何に重要かということで、それは単に出来事でなく薄れゆく人の記憶を書き残すという危機感。この作品は『記録』が重要な役割を担っていた。
後世の人間が「その人々には時代の必然、別の正義があったかもしれない」と考えること。そして正しさについて、正しいかについて検証を繰り返す重要性。正義とは個個であるし、立場や -
無料版購入済み
漫画でも名作
アニメにドハマリして散々見ましたが、漫画版は初めてでした。(無料はラッキー!)
初見で絵に面食らいましたが、その荒削りな感じがかえって、エレン達が突き落とされる地獄の悲惨さや絶望感を引き立てていて、とてもいいですね。ONEさんが描いてるワンパンマンと同じ感じでしょうか。
連載も終わってますし、一気見できるのも嬉しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「進撃の巨人」
100年に1本の傑作。
時代を映すというよりも、人間の普遍的な人格バリエーション
を的確に抉り出す天才の所業。
友人曰く「地獄のミルフィーユ」の世界を背景に、
人と人はなぜ殺しあうのかを端的に突き詰めた神話を堪能できる。
必謬性が貫く不完全な人間の「社会」の残酷や地獄をこそ祝福するラースフォントリアーの「ニンフォマニアック」。その中に出てくる世界樹の存在。世界樹は北欧神話の伝説で、「社会」から「世界」へと誘導するディープエコロジーの原典だ。
ディープエコロジーは大虐殺を肯定する。「世界」の痕跡たる森を守る為には、人間を根絶やしにせよ。ドイツのホロコーストの根源にも通づるロジッ