中村うさぎのレビュー一覧
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ネタバレ地獄の中に天国がある。
「~その地獄の最中にも天にも登る恍惚感があったのも確かなの。~でも、私はバカだから、地獄の真ん中にある天国を、まさかこれが天国だなんて思いもよらず、ずっと「この地獄を抜ければきっとそこに眩いばかりの天国が待ってるに違いない」と思い続けていたのよ。で、50歳にしてようやく地獄から這い出たと思ったら、そこには天国なんかなくて、砂漠が広がってるだけだった。愕然としながら振り返ってみると、さっき命からがら抜けだしてきた煮えたぎる地獄のマグマの真ん中に、キラキラと輝く天国があるのを見つけた。なんだ!天国は、あそこにあったんじゃん!私はまんまと地獄から逃げ出したと同時に、天国まで -
Posted by ブクログ
手にしたのは千歳空港だったかな。中村うさぎの本ということで買ってみた。『新潮45』の月刊誌に連載したものを文庫化したものらしい。
冒頭にこの本の趣旨が書かれているが、連載の企画を詰めていたときに編集長である中瀬ゆかりさんが、「女の自意識は、それ自体、病である」と言ったそうだ。この言葉に中村うさぎはひざを打つ。自分探しという病。それは「本当の私」探しであり、「私という物語り」の始まりだ。複数の私として表れるコスプレはその典型だろう。双子の物語は「喪われた自分」「もう一人の私」であり、「選ばれしもの」と「選ばれなかったもの」の物語だ。本当の「私」はどこにいるのか? 分かりやすい「記号」を求める人 -
Posted by ブクログ
中村うさぎさんが好きだったことに加え、マツコ・デラックスという中村うさぎっぽい人物とのコラボ(?)ということで読んでみました。
ルールにのっとりつつ、互いに意見や本音を爽快な形で議論していたので読んでいて楽しかったです。でも、読んでて「おぉ」と思ったのは、やはり中村うさぎさんの文章。マツコ・デラックスさんがうさぎさんの本音をぐいぐい引き出している感じでした。
二人とも魔物というか、どこか自分と違う種類の人間だな…と無意識に差別していたことを思い知り、反省しきり。自分に正直に生きることで後悔しない人生を送ることはできても、果たしてそれで自分が本当に望む人生が形成されるかというのは話が違うのだな -
Posted by ブクログ
買い物依存症,ホストに貢ぎ,風俗嬢も体験した何かとデンジャラスな女王様 中村うさぎさんの
女の闇フェロモン,について書かれたエッセイ?。
オンナについて書かれている本はたくさんあるけど,ここまでオンナについて深く掘り下げて独自の考察がされているものはなかなかないと思う。はじめてうさぎさんの本を読んだときは女という存在の底知れなさに少し怖くなったほどでした。(ちなみにその時に読んだのは「私という病」という本です)
本著では背が小さかったり不細工なコンプレックスのある男が発する危険な闇フェロモン(著者が命名)。欠落した部分や影のある異性にひかれるのはなぜかなど男と女について興味深い謎