池田信夫のレビュー一覧
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福一事故では,原発の「安全神話」が否定されたと言うよりむしろ「危険神話」が否定されたのだという話。著者はツイッター上では不用意な発言が多く,震災から間がないころはほとんどデマ拡散者だったが,さすがに書籍になるとそういうのは刈り込まれてまともになってる。原発の危険を否定するわけではなく,リスクを他と比較して費用対効果で判断すべきという姿勢は他の論者と同様。ただ前科(?)があるから一応眉に唾をつけながら読んでみた。まあまあいいんじゃない?
武田教授や自由報道協会など,放射能の危険性を過大視する人々のダメさを批判してる。「宮台真司氏は福島事故のあと、ツイッターで放射能デマを拡散して批判を浴びたが」とか書いてるけど(p.131),自分はどうなの?と思ってしまうな,やはり。
「自由報道協会は記者クラブを批判しているが、新聞記者がこんな(岩上氏の奇形児スクープ発言)報道をしたら懲戒処分だ。組織は情報の品質管理を行なう意味もあるのだ。」(p.111)というのは確かにそうなんだろうと思う。自由報道協会のジャーナリストは自由すぎる。
まともなことを結構言っているが,気になるとこも。菅さんが事故直後の海水注入を「再臨界の恐れがある」として止めようとしたこと(p.23)は,『メルトダウン』で否定されていたし,WHOの報告に言及して携帯電話の健康被害を強調するとこ(p.67)は,ちょっとダブルスタンダードでは。
朝日新聞の連載「プロメテウスの罠」,TL上で話題になってたことがあって,実家に行ったときに読んだりもしたんだけど,それで随分と不誠実な記事もあったのは驚いた。町田市で子供が鼻血を出した原因が放射能であるみたいに印象付けたりとか,それはちとひどいなあ。
これってホントかな?
「原子力発電所はかつては『原電』と呼ばれていたが、70年代に全国各地で運転差し止め訴訟が起こされたころから、反対派が『原発』と略すようになった。これはゲンパツという語感がゲンバクと似ていることから、その危険性を強調するため」p.41
この本,情報の典拠がほとんど書いてない。新書ではそういうものかもしれないけど,この著者だけにちょっと頭から信用するのは考えものかも。藤原数希『「脱原発」の不都合な真実』ではその点充実してたな。本名かそうでないかの差かもだけど,池田氏の場合逆効果w
まあそれでもこれまで読んできた信頼できる情報との矛盾はあまり感じられず,すんなりくる内容。「放射能ママが恐怖を抱いて、ガイガーカウンターで計測して回るのも自由だが、行政がそれに迎合して過剰な安全基準を決めると、巨額の賠償や除染が税負担になる。コストを考えないでリスクゼロを求める人々は、多くの納税者にコストを転嫁するフリーライダーなのだ。」(p.114)っていうのはまさにその通り。去年の運動会問題ではほんとに痛感したんだった。今年は屋外でできるかなぁ?
togetter.com/li/161267 -
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ネタバレ「もしドラ」に似たようなコンセプトで書かれた書籍。2015年に経済破綻した日本の設定。今の政治家で設定された登場人物がでて現実味がありおもしろい。経済は詳しくないが、数年後同じ状況に日本がなりうる可能性は充分ありうる。「日本経済が破綻」したらどうなるか大変勉強になりました。この本の内容が正解とは思わないが、一部は正解になるのかな。
「最終的には日本国民が覚悟を持って経済を再建すれば、ふたたび繁栄を取り戻すでしょう」p217
日本人は変化を嫌うが、現状を打開するには思い切った改革が必要。そのためには痛みが伴う覚悟を伴うことを国民は理解する必要がある。
改革には、小泉新次郎(や大阪の橋本さん)みたいな人が必要なんでしょうか。今度、フリードマンに関する書籍にも挑戦しようと思います。 -
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「池田信夫blog」でおなじみの著者が、主に日本のIT・電機産業を負の実例として示しながら、イノベーションの何たるかについて語る本。本書でも著者の評論家ぶりが如何なく発揮されており、書いてあることは至極もっともで正しそうに見える。たとえば、「イノベーションは不確定性が強い」「10件の起業のうち1つヒットすればいい方」「イノベーションが必ず失敗する方法はあるが、必ず成功する方法はない」ことについて、最新の経済理論を引用しながら明快な論理で説明している。ただ、これでは「残りの人生を棒に振るリスクを背負ってくれる起業家」が大量に出現しなくてはならないことになってしまうし、日本みたいに生活レベルが極端に高い国でそれを望むことには無理がある。「人材の流動性を高めて再チャレンジしやすい世の中に」なんて言うのは簡単だけど、そのような「改革」を人為的に達成するのは無理でしょう(将来、失業率が急激に上がることで、自然とそのような状態が出来上がる可能性は否定しない)。あと、「変人がイノベーションを生む」という主張により自称「変人」が調子に乗るようなことがあるとしたら、それも何か違う気がする。私のような平凡な一般人は、そのようなことにならないから大丈夫だけど。
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大学の時以来、経済学ほとんどふれていないが、これはマンガということもあり、チャレンジしてみた。
ミルトン・フリードマンというノーベル経済学賞をとった人の『資本主義と自由』にかかれている政策を、小泉進次郎がやってみたら?という、ドラッカー読んだ野球部の女子マネージャーみたいなストーリー。
理論的に、将来起こりうることを実在の人物に近い登場人物たちがやっていこうとするストーリーが想像力をかきたてられる。
経済理論など小難しい用語盛り沢山なので、ある程度用語や理論を知ってないと楽しさ半減。
けれど、政治次第では未来はかえられ、それを経済学の理論や政策が役立っていくのを感じられる本。
これを気に勉強を深めると世の中の物事がよりわかるような気がする⁈ -
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ネット上では非常な毀誉褒貶がある方ですが、私は参考にしています。
この本は200p足らずの新書ですが、ハイエクの紹介から、近接する各種経済学の根本的な思想、法学の由来、フーコー流儀の社会学もあれば、自主的秩序と自由の理由に至るまで、ともかく著者の該博な知識は抜群で、内容はあくまで深く豊かです。
ちょっと読みにくいですけどね。
社会学方面では私、小室直樹先生が師匠、だったのですが愛すべき小室先生ご逝去後は、意地悪爺さんみたいなこの人でしょうか?と思います。
以下、非常に勉強になった場所二つほどを、書換え、付けたし、省略ありで。
1)神がこの世を設計したから、世界は「時計仕掛け」で永遠の未来まで動く。
この理神論を物理学で証明したのがニュートンで古典力学では初期条件と運動方程式で先々を予想できる。
これを人間社会に応用したのがワルラス以来の新古典派経済学で、市場での取引を力学的な均衡に置き、価格の変動を超過需要の関数とし、微分方程式を書き、一般均衡を連立方程式の解を求める問題とした。
一般均衡解が存在する条件にはトポロジーや不動点定理(xが不動点であるには関数f(x)=xが成り立つ。F(x)=x^2-3x+4なら2が不動点。F(2)=2.関数を作用させると自分に戻る)が必要。
ニュートン物理学はすべての物理現象を説明できるが、人間社会にそれを応用した新古典経済は現実をほとんど説明出来ない。
2)社会は目的関数を作れない。それを証明したのがアロウの不可能性定理
仮に三つの政策、グー、チョキ、パーがあったとする。
投票の結果が
a.グー>チョキ>パー 400票
b.チョキ>パー>グー 300票
c.パー>チョキ>グー 200票 となった
以上を集計してグー、チョキ、パーを一つずつ比較すると
グー>チョキ600票(a+c)チョキ>グーはb.で300票、
ならばグー>チョキ決定となり、同様にチョキ>パーはa+bで700票、パー>チョキはcで200票だからチョキ>パーとなり、三段論法で結果グー>パーとなるが
グー>パーはaのみで400票、パー>グーはb+cで500票となる。
オモシロイでしょ。
他にも勉強になった箇所多々あり。
この本は何度も読み返すと思います。
私レベルの教養ですと、この本を一度で全部自家薬籠中には出来ません。
本家のハイエクなんてとてもとても。
ps
何時でも何でもこの人が正しいとは思いませんが、様様な社会情勢にリアルタイムで反応するブログは非常に示唆に富んだ記事が多いと思っています。
こういう方がTVに出れば私も地上派TV、また見るようになるでしょう。
この方は電波利権追求の急先鋒だらから、出演することはまず有り得ないんですけどね。 -
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元ネタとなる池田信夫のメルマガは読んでいない。
あえてマンガにすることはないんだろうな。
『資本主義と自由』についても短い文章の解説があるが、現在の日本や混乱する欧米の文脈に置くとどういうことになるのかをもう少し解説してもいいのではと思う。そういうときはマンガ(物語)よりも文章(論理)の方が向いている。
物語は2015年の架空の話だが、自民党が政権党に返り咲く可能性はあるんだろうし、ギリシアのように破綻が取りざたされる可能性はゼロではないんだろうなと思う。財政破綻、年金破綻の問題はやがてくる話なのかもしれず、すでに起こった未来とさえ人によっては言うことができるのかもしれない。分かる人は、いつどうくるのか身構えているようにも思う。
そう言えば野田内閣が消費税増税を決めた。どうせこのままでは先がないと腹を決めたか。反対ではない。 所得税まで上げたのは中途半端な気がする。
『資本主義と自由』は面白いから読んだ方がいい。 -
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ネタバレマルクスやケインズを批判した、オーストリア学派の経済思想家ハイエク。
しかしながら日本では知名度は低く、ソ連崩壊後はマルクスも力を失い、今やケインズ一人勝ちである。
日本も政界・財界・マスコミはケイジアンだらけだ。
アンチテーゼとしてのハイエクが注目を浴びてくるのは当然かもしれない。
先日youtubeで「ケインズ対ハイエク」という面白いラップの動画を見かけたが、非常によくできていた。
ラウンド2の最後にヨレヨレのケインズが勝利判定されるあたり、出色の出来だ。
パンチ(批判・反証)を浴びまくってヨレヨレのケインズ(経済学)が、判定(アメリカ政府・ウォール街)によればそれでも勝者なのだ。
現在日本は深刻なデフレ不況であり、不況と言えばケインズ政策だが、さて本当にとにかく公共投資で内需刺激策をとるべきなのか?
私も経済に関する見識を深めなければ。 -
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もし小泉進次郎がフリードマンの『資本主義と自由』を読んだら
池田信夫 原作 ,
田代真人 構成
藤咲ユイ 画
【感想】
三年前の木村拓哉の月曜ドラマ「CHANGE」を思い出させる。
なかなか、面白い。
実在する人がでてきて現実味をおびる。
マクロ経済のことは理解していませんが、
「フリードマンの資本主義と自由」はトライするか??
(経済学者ミルトン・フリードマンが1962年に書いた)
【要約】
小泉進次郎総理がミルトン・フリードマンの自由主義政策を進めるが
国会は法律を通せない。
最後にIMFが入ってきて、総選挙というエンディング。
【ポイント】
小泉進次郎のとった10項目の政策
?農業補助金の撤廃
価格支持制度が問題。輸入制限をやめて、所得補償が効率的。
?関税の撤廃
?最低賃金の廃止
最低賃金を儲けると今、働いている労働者の賃金は保証されるが、
もつと安い賃金でもよいという人の職を奪う。
?企業に対する規制の撤廃
?政府による電波の割当の廃止
?公的年金の廃止
?職業免許の廃止
?教育バウチャー
?郵政民営化
?負の所得税
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アダム・スミスの国富論から始まる本書は、マルクスの資本論、ケインズの一般理論から間にハイエクとナイトを挟んで、フリードマンの「資本主義と自由」に至るまでを、現代に通じる経済問題とからめて解説してくれています。
いつものように解釈に対し賛否あるようですが、私には非常に興味深く、面白く読めました。
今から国富論や資本論の原著を読み、自分のなりの解釈をはぐくむ、というのは相当時間に余裕のある人じゃないと難しいでしょ。
そういう生活をしてみたい、と思いつつ、まずは働かなくっちゃね、というのが現実なんで、とりあえずは先生のお話を聴くことに価値を感じます。
多少?と思う箇所は、池田先生がいつも取り上げる、
「きのうまで太陽が昇ったことは、あす昇る根拠にはならない」という言葉で、
これはブラックスワン(不確実性)の問題とは性質が違うのでは、と思うんだよね。
白い白鳥しかいないと思っても明日には黒い白鳥が見つかるかもしれない。
これは不確実性の問題だとしても、太陽云々は、地球の自転の話でしょう。
重さ5.972×10^24㎏の球体が、赤道上で時速1700㎞/hで回っている物理的な運動。慣性の法則の話じゃないですか。
もし地球が止まれば、椅子に座って安閑としている我々は、追突事故どころじゃない衝撃で壁に叩きつけらるわけで、って壁もすでにないか?
まあ、そういうことだと思います。
地球の自転を止める力はいかほどか?
あるいは太陽を一夜にして消す存在は何物か?というと・・・まあイイケドネ。
後、重商主義に囚われるのはバカってことだけど、これも半分しか納得できない。「」が本書ですが、
「重商主義が大好きです。今で言うと国家資本主義ですね」
重商主義と国家資本主義は、=で良いのでしょうか?
「金をたくさん貯め込んだ国が豊かなんだ・・・スミスはそれをまったくばかげている・・金それ自体は食えるわけでもないし・・・お金が富を生み出すことはない。これはスミスの昔から分かっていることです」
哲学的、文学的には議論のある処でしょうが、経済学的には金をたくさん貯め込めば豊かでしょ。
「真の富は金をつかって買う商品」、と言っても商品だけ積んでおけないでしょう。
意味不明です。
後はオモシロかったです。
特にマルクスが直観した、貨幣の持つ不安感とか、第六講の「資本主義と自由」の章で語られるベーシックインカム制度のもたらす劇的な官僚制度リストラクチャリング。教育バウチャーが引き起こす教育機関の圧倒的効果は、今後の日本が再生する為には、これしかない、ってほど感銘を受けました。
この本も再読、再再読したいですね。
教養が詰まっているのは確かです。 -
Posted by ブクログ
竹中平蔵, 池田信夫, 土居丈朗(財政), 鈴木亘(社会保障)という経済問題で気が合う面々の座談会を書籍化したもの。こういう固めのテーマは書き下ろしの方がよい。意見の相違がないのだから、ますますそう思う。
議論のテーマは、日本の財政問題、社会保障、労働市場、など。語られていることは大枠で正しいように思う。震災前に出版された本だが、この上さらに震災によるマイナスを乗り越えて世界の中心に日本が躍り出ることは不可能ではないかと思えてくる。
とにかく小泉・竹中の改革を何の検証もなく悪政のように語らせてはいけない。政治的にその方が受けると認識している政治家も多くいるようではあるが。
それにしても最近のドタバタを見ても議会制民主主義はもう機能しないのかもしれないと思う。特に日本では。著者らは真の政治主導をと言うが、果たして可能性が少しでもあるものなのだろうか。「民主政治は最悪の政治形態だ。これまでの他のあらゆる政治形態を除けば」というチャーチルの言葉が分かるような気がする。事態に対して投げやりなわけではないのだが。