池田信夫のレビュー一覧
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原発に反対するわけでもなく、推進するわけでもなく、色々あるエネルギーの選択肢を、あくまで冷静に分析してみようとする本。
内容の軸にあるのは、冷静に分析した時のコスト比較では原発が有利、なので再稼働すべき、という論調です。
出されているデータが正しいものだと仮定して、書いてあることは非常によく理解できます。
火力と比べて原子力のほうがトータルリスクは低い、と。
「明確に有害である部分がわかる火力」と「有害か無害かよくわからない(けど害は低いんじゃない?ってデータがかなりある)」を見比べた時に、やはり問題なのは「よくわからない」部分でしょうね。
ここはどうしても感情が入ってしまう部分になります。 -
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2015年、日本に財政破綻と金融破綻が同時に訪れた危機的な状況で奮闘する文字通りの小泉ジュニア、というのが背景の漫画。ノーベル経済学賞受賞のミルトン・フリードマンが提起した政策を軸に話が展開する。
元々は功利主義とかリバタリアニズムにどちらかというと受け入れがたさを感じていて今もそうなのだけど、経済政策としてはフリードマンの主張に耳を傾けざるをえない現実があるという気がした。
サンデル教授は好きでテレビもよく見ているが、彼は哲学の人なので、彼の土俵で語られるリバタリアニズムとリバタリアンが主張する経済政策とは分けて考える必要があるかもしれない、と感じた。
彼らが問題にしているのは、既得権益 -
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「まぁマンガだから」というスタンスで読ませていただいた。
経済学の難しい理論は分からないであろうという前提。
「あわよくばこの本をきっかけに詳しく勉強しよう」というスタンスだ。
小難しいことは分からなくても、大まかな雰囲気で「日本の国債が信用を失ったとき」を感じることが出来た。
日本円の価値が下がるとどうなるのか、財政の緊縮を行うにはどれだけ多大な痛みと改革を伴うのか、よく分かる。
とても莫大な金額で切り詰める必要があり、現状の国政でそれだけの財政切り詰めはまず不可能なこと、それでいてこのペースだと必ず財政破綻は起こるということを身にしみて感じた。
たとえ財政が破綻しても、恐らく日本の国 -
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IT業界(ITゼネコンと言われても仕方がない)にいる自分にとっては、とても耳が痛い一冊。
スティーブ・ジョブスやビリー・ゲイツなどの成功者がいかにして成功してきたかを知って損はないと思うが、結局のところ筆者も述べているように『科学の理論が昨日から生まれるのではなく科学者の直感から生まれるように、イノベーションを生むのも統計や分析ではなく才能だから、それを作り出すハウツー的な方法はない。』
ただ、イノベーションを起こそうと考えた場合の戦略や普段からの心がけのヒントは本書につまっている。頭の片隅で常に意識しながら、小さなところからでも行動に活かしていきたい。 -
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ネタバレ読み始めは分かりやすく面白い内容が続いた.
後半になると少しめんどくさくなったが,言っている内容はなるほどと思うないようであることは間違いない.
~主に前半で気になったところ抜粋~
特許は技術開発の手段であり、技術は経営の手段である。
技術の新規性と収益は無関係である。
既存技術を組み合わせて高い付加価値を生む。
ITの最大のメリットは新しいサービスを実現すること
ITやサービスで競争優位の源泉になるのは、プラットフォーム競争で顧客とフレームを共有する言語ゲームであり、そこで勝敗を決めるのは客観的心理に近いかどうかではなく、いかに多くの人々と言葉を共有するかである
むずかしいのは新しい -
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近未来として確かにこのような未来を想定しておく必要があるのではないかと感じた。
若い人ほどこういった本を見ておくべきだと思う。
そして、そうならないようにするためにはどうするかを考えておかなければいけないし、もし本当にここに書かれていることと同じことが起こった場合にどうするべきかも考えておくべき。
この本を読んだときに「なかよしテレビ」の番宣番組でマツコデラックスが石破茂に対して日本の政治が不安だという話をしていた。マツコデラックスの主張としては「今まで日本は(戦後)ちゃんとした政治をしたことが無かったのではないか、今後は大丈夫なのか?」という疑問を投げかけていた。これはまったくその通りだと思 -
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長期国債が売れ残り長期金利が上昇。売れ残りの国債を日銀に引き受けさせたら邦銀が国債を売り始めインフレになった日本が舞台。それを小泉進次郎が資本主義と自由を参考に再建して行こうという話。舞台設定は2015年。近い将来こういうことが起こるかはわからないが、それが起こる前にも実行していくべきことはたくさんあるなと。負の所得税の実現はまだしも農業の補助金とか電波オークションとかなんとかならんのかな。結局財政再建には社会保障費がボトルネックで早い段階でそれを改善しなければ悪化の一途。そんなことはみんな考えているんだろうけど現実問題として改善されてないし。今後日本はどうなるんでしょうね。
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イノベーションとは何かという問いに対して十の仮説を行動経済学とゲーム理論を基にIT業界の中心とした数多くの事例(これだけでもソフトバンクの例などとても面白い)を挙げ検証する。
前述の十の仮説を引用する。
1.技術革新はイノベーションの必須条件ではない。
2.イノベーションは新しいフレーミング(市場の見方)。
3.イノベーション成功の法則は無いが失敗には法則がある。
4.プラットフォーム競争で勝つのは安くてよい商品とは限らない。
5.「ものづくり」にこだわる限り、イノベーションは生まれない。
6.イノベーションにはオーナー企業が有利。
7.知的財産権の強化はイノベーションを阻害。
8.銀行融 -
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危機が表面化してから四苦八苦する話だが、なにをきっかけに危機が表面化したかが1ページのみの説明。即ち、国債入札で長期国債が大量に売れ残る札割れが起こり、長期金利が急上昇。その国債を日銀に引き受けさせたら、日本の財政は破綻したというシグナルを市場に送る結果となり、邦銀は一斉に国債を売り始めた。その結果ファンドも空売りをかけ国債は暴落、長期金利は10%を超えた。邦銀は数十兆の含み損をかかえる。また、日銀が国債を買ったためいっきにインフレが進行。円建て資産を打って外貨にかえようとする動きも広がり為替も円安へ。これがさらに輸入物価のインフレを引き起こし、それによって金利があがるというインフレスパイラル