池田信夫のレビュー一覧

  • ハイエク 知識社会の自由主義
    経済学の基本も学ぶことができる内容だった。

    ハイエクの思想は、ウィーンに生まれたことで大陸の遺産を受け継ぎ、英米に移住することで新しい世界と交わってできた。市場経済を擁護し、歴史の進歩を信じる理論のようでありながら、近代の合理主義を否定し、人間の無知を前提に置く。

    ハイエクはオーストリア学派に分...続きを読む
  • 失敗の法則 日本人はなぜ同じ間違いを繰り返すのか
    「失敗の本質」が流行っているので、失敗の本質と過去からの池田氏の持論を組み合わせて売れる本にしようという編集者の意図がミエミエの著書。従って内容的には過去の池田氏の本や主張同様、非常に含蓄があって本質をついており、興味深い内容ではあるものの、上記のような観点からみると、あまりいただけない本ではありま...続きを読む
  • 戦後リベラルの終焉 なぜ左翼は社会を変えられなかったのか
    信夫氏の左翼に対する熱い思いを垣間見ました。
    日本の左翼は定義が狭すぎて、共感できる人が少ないのが問題なんだと思うなー。あと、自民党の幅が広すぎて明確な対立軸を出せないのではないのかな。
    人の感情に直接反応させる右翼に比べて、左翼は賢そうだけど
    感情に届かないので結局それでは何も変えられない。大多数...続きを読む
  • 失敗の法則 日本人はなぜ同じ間違いを繰り返すのか
    日本人の失敗のパターンは同じ。。
    その特徴は現場主義による部分最適化と誰も決めない「空気」の支配。

    意思決定がボトムアップで部分最適になり、全体を統括する強いリーダーを拒否する。最終決定者がいないので、みんなで打ち合わせをして時間をかけて「空気」をつくっていく。
  • 日本人のためのピケティ入門―60分でわかる『21世紀の資本』のポイント
    ピケティの主張について知りたくて読書。

    この数年、帰国するたびに耳にしていたピケティの名。原書の厚さ969ページに驚いた。これについては今後も原書の翻訳本を読む機会はないと思う。

    そもそも資本主義は格差を拡大させるも。是正させるためのポイントは、累進課税で今後は、タックスヘイブンへのグローバル課...続きを読む
  • 「強すぎる自民党」の病理 老人支配と日本型ポピュリズム
    池田信夫さんの本は久しぶりに読んだ。著作自体も久しぶりなのではないだろうか。SNSやブログでの発言はずっと目にしているので、その主張には違和感はない。本書は、「戦後の政治史を追って、自民党が一貫して多数派に迎合するポピュリズムの党だったことを明らかにする」というものである。「財政や社会保障を考えるう...続きを読む
  • 資本主義の正体 マルクスで読み解くグローバル経済の歴史
    マルクスの『資本論』や『経済学批判要綱』を、現代のグローバル資本主義に対する優れた分析として読みなおし、修正を加えるとともに、マルクスの提出したアソシエーションはグローバル資本主義に対峙するための有効な処方箋とはならないとしてこれを退け、将来の世界経済および日本社会について考察を展開している本です。...続きを読む
  • 戦後リベラルの終焉 なぜ左翼は社会を変えられなかったのか
    リベラル思想を滅ぼしてはいけない。あの戦争敗戦は何だったか。保守主義が勝っているわけではない。安倍さんの政治はたんに経済優先ではないのか。
  • 日本人のためのピケティ入門―60分でわかる『21世紀の資本』のポイント
    80ページほど。分厚いピケティの『21世紀の資本』を開設してくれる。忙しい人には、この解説本だけで良いのでは?それくらい、分かりやすい。

    資本主義の根本的矛盾 r>g つまり、資本収益率が必ず成長率=国民所得の増加率を上回るため、格差拡大傾向を持つという矛盾。技術移転に格差縮小の効果があるが、資本...続きを読む
  • 今さら聞けない経済教室―こどもに聞かれても困らない60の疑問と答え
    良く耳にする豊かさ、物価、円安、雇用、格差、アベノミクス、税金、エネルギー、財政、社会保障について丁寧に解説されている本です。税金の章で述べられている軽減税率については政権与党である公明党が頻りに口にしていますが、OECD(経済開発協力機構)はこの税率を止めるように勧告しているらしいです。知らなかっ...続きを読む
  • 戦後リベラルの終焉 なぜ左翼は社会を変えられなかったのか
    著者がアゴラ他に書いている記事と軌を一にするもの。

    非常に論理的かつ明快な論旨だが、初めて接する読者からすると省略が多くてわかりづらく感じる可能性はある。

    現代保守を代表する論客と思えるが、著者からすると当たり前のことを当たり前に主張しているだけかもしれない。

    著者に賛成するか反対するかはとも...続きを読む
  • 戦後リベラルの終焉 なぜ左翼は社会を変えられなかったのか
    戦後レジームからの脱却というスローガンに対し、今の状況には最早合わず、日米同盟の続く限りは、戦略上もその方が良いという考えには賛成だ。しかし、それがいつまで続くのか。幕引きの時に、彼の言う空気を醸成しておく事が重要だ。さもなければ、タイミングを担う政治が、その時に適切な判断をするとは限らないからだ。
  • 日本人のためのピケティ入門―60分でわかる『21世紀の資本』のポイント
    トマ・ピケティさんの”21世紀の資本”には興味が有ったのですがぶ厚くて難しそうだし高そうだったので購入を躊躇っていたの中、池田信夫さん著のこの本に出合いました。第一章ピケティQ&Aは凄く良くまとめられておりサブタイトル”60分でわかる”も決して大げさではないです。
  • 「空気」の構造
    官民問わず意思決定不全による失敗を繰り返してきた日本の歴史を神話や古事記の時代から振り返り、丸山真男や山本七平といった過去の学者や思想家による論考も引用・解釈しつつ、「空気」という概念を軸に問題の本質を明らかにした集大成的な日本人論。

    著者は、日本が地政学的な特性によって、歴史的に外部からの侵...続きを読む
  • 戦後リベラルの終焉 なぜ左翼は社会を変えられなかったのか
    池田信夫さんの新著。
    いわゆる「戦後リベラル」なるものの影響力の低下について論評している。池田さん自身、学生時代は左翼系の団体に所属していた。仲間4人が殺されたとかなり衝撃の事実も書かれている。就職でも朝日新聞から内定をもらっていることからも池田さん自身もある程度は左寄りであったということも言えるだ...続きを読む
  • 資本主義の正体 マルクスで読み解くグローバル経済の歴史
    資本主義が何なのか、マルクスの思想を中心に様々な研究者や思想家の成果を紹介しつつ解説。
    内容はいつもブログで主張していることがまとまって本になった感じ。資本主義とは、近代国家とは、マルクスが実際に主張していたことは、帝国主義とは、日本経済の停滞の原因は、そんなことに触れてます。巻末の注がいいリーディ...続きを読む
  • 日本人のためのピケティ入門―60分でわかる『21世紀の資本』のポイント
    かの『21世紀の資本』の要点がこれでつかめたなどとはおよそ思わぬも、あれに挑もうという気力というか能力を持ち合わせていないので、これを選書した。先日読んだ水野和夫著『資本主義の終焉と歴史の危機』なり、現在読んでいる駒村康平著『日本の年金』なり、共通して資本主義社会における格差拡大のメカニズムが説かれ...続きを読む
  • 日本人のためのピケティ入門―60分でわかる『21世紀の資本』のポイント
    ピケティの「21世紀の資本」を、
    とても分かりやすく解説した本。
    私は、経済学の知識はほとんど無い素人だが、
    60分ですんなり読むことが出来た。

    ピケティは、
    1870年以降の各国の税務資料等を調査した結果、
    「資本主義の発展と共に富が公平に分配される」
    という経済学の定説は誤りであり、貧富の格差...続きを読む
  • 日本人のためのピケティ入門―60分でわかる『21世紀の資本』のポイント
    マルクスがあってピケティがあるのではない。彼は、マルクスを読んだことが無いと言っている。しかし、マルクスの教えが死んだ世界だからこそピケティが現れたことは間違いない。資本主義の成長の成果が比較的平等に分配されていた時代は、戦争を挟む数十年に限られる。レーガノミクスとサッチャリズムは資本主義の勝利を決...続きを読む
  • 資本主義の正体 マルクスで読み解くグローバル経済の歴史
    資本主義ってある意味暴力ですよね。これからの日本の課題は、G型産業からL型産業へのスムーズな移行。地方には仕事がないので、若者は都会へ流入するが、都会の中でもコンビニや居酒屋のようなL型労働に従事せざるを得ない。人口は減るけれども、減るからこそ地方自治体がやるべきことは多くなっていきますね。