岡田暁生のレビュー一覧

  • 西洋音楽史 「クラシック」の黄昏

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    ネタバレ

    ヨーロッパ音楽史の概要書を求めていたので読んだ。大まかな歴史は理解できた。
    気になった点:ストラヴィンスキーやシェーンベルクが音楽には新しい方法や技術がもう無いという認識、つまり「音楽の終焉」を予感した上で活動していたという指摘。また、哲学者のテオドール・アドルノはポピュラー音楽を「常に新しく見えるが常に同じもの」という意味で常緑樹、エヴァーグリーンと呼んだという。我々現代人が日常的に聞いている音楽は19世紀ロマン主義音楽を継承している。そこには新しいものなど無い。音楽学、音楽理論上はそうなのだろう。ただそういった指摘があるからso what?としか聴衆は思わないだろうし、自分もなにか問題でも?と思ってしまう。

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    2020年12月20日
  • 音楽の危機 《第九》が歌えなくなった日

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    コロナ禍の今コンサート活動はもとより、そも人が集って何かを為すことが憚られる。何とも音楽にとって不幸な状況を通して、社会にとって音楽とは何かを考察する。
    音楽だけでなく美術や演劇も「閉じた空間で見知らぬ人と肩を寄せ合う営み」で、まさに三密そのもの。衛生観念の前には屈服するしかない。そんな中でもネットの力を利用して、新しい音楽の演奏スタイルや、配信といった発表の場が講じられている。けどこれによって、音楽自体も変わっていくのかもしれない(変わって欲しくないけど)。

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    2020年11月22日
  • よみがえる天才3 モーツァルト

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    面白かった。

    クラシックは一切詳しくなかったので、モーツァルトを始めベートーベン等の近代音楽家が、それぞれ生きた時代や作品個性の違いが何もわかってなかったんだけど、この本を通して知識が広がったのでとても良かった。
    クラシックの聴き方も多少心得た気がします。
    前よりも聴いてて面白く感じるようになったので。

    近代的思想の流行の過渡期に生きたモーツァルト、その世界の流れにおいて彼独自の音楽を展開したことが偉大であったようで。
    時代背景からどういう影響を受けながら芸術家が創作をしたか、ということを知るのはやっぱり面白いなあ。

    中公新書の『音楽の危機』をきっかけに知った著者で、当該著書を読む前に一冊挟んでおこうと思って手を付けた本書だけど(とか言って『音楽の危機』を読むのがいつになるのかはしらない)、音楽家に対する分析がとても鋭くてかなり興味深く読み進めることができました。観察眼と文章力がほんとうにすごいです。

    特によかったのは、「『天才』とは何?」「『ところで』の奇跡」「幸福な阿保に神は宿る」の3章。

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    2020年11月20日
  • 西洋音楽史 「クラシック」の黄昏

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    西洋音楽史を学ぶと同時に、西洋の歴史も学べる。学生時代、単に中世期、ルネサンス期、バロック期、古典期、ロマン主義期などを時系列だけで学んできたが、背景にある歴史、文化、宗教、神への信仰心、革命や戦争と音楽は深く交わっていることが、楽しく理解できた。

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    2020年07月25日
  • 西洋音楽史 「クラシック」の黄昏

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    率直な感想として、音楽史を俯瞰できる立場にある現代人は本当に幸せだと思う。

    中世の時代にバッハを聴くことは出来ないし、バロック時代にモーツァルトを聴くことも出来ない。そんな中、我々は好きな時代の好きな曲が聴き放題という贅沢な時代に生きている。これを享受しない人生とは勿体ないと思う。

    以前にパウル・ベッカーの『西洋音楽史』を読んだが、全然理解できなかった反面、こちらは非常に分かりやすい解説。

    パウル・ベッカー並びに文学含め、ドイツ人は気難しいなぁと個人的に思っていたが、まさしく本書でもその気質について言及されている。

    今″クラシック″が指す音楽はドイツで生まれたもので、コンサートホールで目を閉じて聴き入るという姿勢が定着したのもドイツ人の気質に由来するのだそう。

    交響曲もピアノ・ソナタもその気質ありきのものだったというのは驚いた。

    ドイツのロマン派が音楽に具象を超えるものを求めたが、その後に音楽は音楽でしかないと反論されたという話は笑ってしまった。

    初学者の僕にとっても理解し易い内容と構成になっているので、少しでも音楽に興味があれば是非読んでみるといいかも!

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    2020年06月06日
  • オペラの運命 十九世紀を魅了した「一夜の夢」

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    ・ロココ時代の喜劇オペラ
    →ブッファとセリアの合体、「人間劇としての喜劇」(サリエリ『まず音楽、そして言葉』…『カプリッチョ 』のモデル)
    ・パリは「19世紀オペラ史の首都」
    …政権の交代とともに音楽様式が交代
    「救出オペラ」(『フィデリオ』もその影響を受ける)→ロッシーニの「他愛ない笑い」の純化による喜劇オペラ→グランドオペラ(イタリア座のオペラ通)
    ・「国民オペラ」…『魔弾の射手』(香辛料としての国民色?)→異国オペラと紙一重
    ・社交→作品鑑賞→解釈鑑賞

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    2020年03月15日
  • 西洋音楽史 「クラシック」の黄昏

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    クラシック名盤ガイドを探している時に名著として出てきて読んでみました。確かに名著だ。一気に読ませる熱量がある。文章は華麗でいて平明、歴史の中で鳴っていた音、現代人には聴き取れない音があったのだと遥かな想いになる。グレゴリオ聖歌から態度を正して改めて聴きたくなる。これが新書ですよ、一冊でわかった気にさせてくれる、もちろん幻想と知りつつ、巻末にはブックガイド。扉を開いてくれたら大成功、が新書の使命(2020-01-09)

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    2020年01月10日
  • 音楽と出会う――21世紀的つきあい方

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    全編に筆者の音楽への深い愛が溢れる。「癒しの音楽」だのと言われ、まるでサプリメントのように扱われる音楽、またAIによる作曲・演奏など、自らの身体を通さない音楽など「音楽」ではないとする作者の主張は一貫している。
    ともすれば、安易に「消費」されようとする「音楽」への警鐘を鳴らし、音楽本来の姿を追い求める。

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    2019年10月20日
  • 西洋音楽史 「クラシック」の黄昏

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    ”「事実」に「意味」を与えるのは、結局のところ「私」の主観以外ではありえない。”というコンセプトで書かれた西洋クラシック音楽の歴史は、ある程度クラシック音楽の歴史を知っている人にも、新たな発見をもたらしてくれる。
    音楽のことだけでなく、その音楽の生まれた社会的な背景や、建築・美術・文学との関わりにも言及されていて、筆者の幅広い教養の深さが伺われる。名著である。

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    2019年10月17日
  • 西洋音楽史 「クラシック」の黄昏

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    youtubeやapple musicで、文章に登場する曲を聞きながら読んでいくのが楽しかった。
    バロック~古典派は耳馴染みがあったのだけど、それ以前やそれ以後の時代の音楽に触れることができて刺激的だった。

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    2019年08月15日
  • クラシック音楽とは何か

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    モーツァルトとベートーヴェンの違い、交響曲とオペラの音楽としての違いが納得できました。
    そして自分自身がなぜベートヴェンの曲を好きなのかも腑に落ちました。
    そしてドイツ音楽の本質の部分も。

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    2017年12月15日
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉

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    聴くことと語り合うこととが一体となってこそ音楽の喜びは生まれるのだ。

    芸術音楽は、「趣味や知恵を深めること」を当初より前提として創られている

    音楽の建築性

    今日では実は逆に、音楽をいつでもどこでも聞けると思わないこと、聴くための手間を厭わないことが大切。

    「料理も作れないお前に、料理の良し悪しの何がわかる!」→「では君はニワトリでもないのに卵の良し悪しの何がわかるのかね 」

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    2017年09月28日
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉

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    印象派の写実的な鑑賞からロマン主義の実存的捉え方を経て、、コミュニタリアニズム、ポストモダンまでの、これはまるで思想史をなぞるような、「文学部唯野教授」の音楽史版講義を受けるかのような示唆に富む。が、やはり作者としては、というか、作者の嗜好としては古典的な写実主義に肩入れしてる感はある。観客がリズムをとれないコンサートを嫌悪しながらも、「音楽を言葉で語ること」を至上のものとしているからだ。言葉や言語の奥に音楽があることを相対化しながら、この一点は頑固に譲らない。メタとしては言語での音楽解説はこの本の否定につながるからという理由ではさすがに無いとは思うが。とにかく音楽鑑賞についての言説は時代的にもエリア的にも網羅されているはず。素晴らしい。

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    2015年09月09日
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉

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     音楽感、観を持ちたいと思い、手に取る。ほぼどのジャンルの音楽が好きなので、手当たり次第に色々聴いてきたつもりでいたが、本書を読んで少し整理がついた気分。歴史をしらべる、楽典を学ぶ、楽器を演奏してみる(習う)等は興味があれば当然やるだろうことだが、これら今までやってきたことに対しても、それなりの意味を見いだせた。若干小難しい点もあるが、趣味をより良きものにするための指針にもなり、ためになった。

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    2014年05月14日
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉

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    決して「体系的」な本では無いけれど、部分部分をさらうだけでも充分音楽の聴き方が変わり得る。

    何とはなしに漠然と耳を傾けていた演奏を「何らかの位置付けを行いながら聴いてみる」という方法を教えてくれた。

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    2013年04月30日
  • オペラの運命 十九世紀を魅了した「一夜の夢」

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    2013年はジュゼッペ・ヴェルディとリヒャルト・ヴァーグナーの生誕200周年にあたることから、再読しました。ヴェルディのオペラはイタリア統一運動(リソルジメント)の精神的支柱のひとつとされ、「Viva! VERDI!(ヴェルディ万歳!)」に「イタリア国王ヴィットリオ・エマヌエレ(II世)万歳!」の頭文字を重ねていた、という記述は、例えば中公文庫旧版の『世界の歴史』にも描かれていた有名なエピソードでしたが、同じ中公文庫に収められた新版『世界の歴史22近代ヨーロッパの情熱と苦悩』では、そうした記述は見当たりません。また、比較的新しいヴェルディの評伝小畑恒夫『作曲家◎人と作品 ヴェルディ』(音楽の友社、2004年)でも、そうしたヴェルディとリソルジメントとの直接的な関係は注意深く疑問が出されています。本書第四章「「国民オペラ」という神話」ではこうした疑問に納得ある回答を示しています(実際、小畑氏の本はこの部分を参照しているとのこと)。現在でもこうした指摘がある一方で、「ヴェルディ神話」は健在のようではありますが。。。
    本書全体については、著者は前書きでオペラの定義を、1)絶対王政(バロック)時代が始まる十七世紀に、2)中欧ヨーロッパのカトリック文化圏において、3)宮廷文化として誕生し、4)フランス革命以後は、新しく台頭してきたブルジョア階級と結合し、5)十九世紀にその黄金時代を迎え、6)第一次世界大戦後の二十世紀大衆社会の到来とともに歴史的使命をおえたところの、7)音楽劇の一ジャンル、と明示しています。
    そのうえで、オペラとその受容の歴史をたどる本書は、単なる音楽史の領域を超えて、ヨーロッパ社会文化史のコアの部分を照射する刺激的な論考となっています。巻末の参考文献やディスク紹介も参考になります。

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    2013年01月14日
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉

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    絶対的良書やー。人生が豊かになるためのリスナー姿勢を身につけさせる、しかし先入観を与え過ぎないように、ってのを絶妙なバランスでやりきって成功している。最後に「現時点での」ハウツーが載っているのも真摯でユーザフレンドリ。何回でも読みたい。

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    2012年07月09日
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉

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    音楽は言葉では言い表せないという言説を否定し、もっと冷静に音楽を聴く方法が書かれている…のだと思う。
    もう少し読み込まないとな 汗

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    2011年09月05日
  • オペラの運命 十九世紀を魅了した「一夜の夢」

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    現・京都大学人文科学研究所准教授の岡田暁生による、西洋オペラ通史。2001年度サントリー学芸賞(芸術・文化部門)授賞。

    【構成】
    はじめに 「オペラ」の定義を兼ねて
    第一章 バロック・オペラへの一瞥、または、オペラを見る前に
     1 オペラ芸術の土台としてのバロック・オペラ
     2 「モーツァルト以前のオペラ史」のあら筋
     3 オペラの三つの根本性格
    第二章 モーツァルトと音楽喜劇、または、オペラの近代ここに始まる
     1 オペラ・ブッファの勃興
     2 モーツァルトとオペラの「人間化」
     3 女、女、女-モーツァルトとエロス
    第三章 グランド・オペラ、または、ブルジョアたちのヴェルサイユ
     1 革命・ナポレオン・王政復古の時代
     2 七月王政とグランド・オペラ
     3 グランド・オペラの経営戦略
    第四章 「国民オペラ」という神話
     1 国民オペラの成立
     2 「国民オペラ」のいかがわしき正体
     3 そしてオペラは海を行く
    第五章 あらゆる価値の反転、または、ワーグナー以降
     1 リヒャルト・ワーグナーの欺瞞と偉大さ
     2 オペラの芸術作品化

     本書は、著者が冒頭に述べているように、オペラ作品を年代毎に解説するようなものではない。評者である私自身、オペラ作品に接することがほとんど無いため、作品の内容を説明されても、それが具体的な楽曲と結びつくことはほとんど無い。しかし、それでもオペラ作品ではなく、オペラ作品を受容する文化的・歴史的背景に目を向ける本書では全く苦にならないのである。

     バロックに源を発するオペラは、王侯貴族からの莫大な出資を背景にした絢爛豪華な消費スペクタクルであった。型どおりの筋に型どおりの音楽がつけられた作品が数多く制作され、オペラを楽しむ貴族階級にとっては、作品の内容そのものよりも、劇場内で「社交」を展開することにこそ意味のあったのである。
     18世紀末にフランスで起こった劇的な革命の前後から、オペラとオペラ劇場の歴史は転回する。革命以前から著しい衰退を見せていた封建的権威者達は、もはやかつて絶対主義王政の時代のごとき享楽に大金を投じる力を持たなくなった。そして、モーツァルトという人間劇としてオペラを描く天才が現れた頃から、オペラ劇場の主役が貴族階級から市民階級とりわけブルジョワ階級に移り変わっていく。
     革命以後のフランスで人気を博した「グランド・オペラ」では興業的側面が強調されるようになったが、それでも新たな成金ブルジョワがかつての貴族階級のまねごとをするための社交場であることには変わりがなかった。

     このブルジョワ的オペラが、19世紀半ばの「国民国家」形成期の「国民オペラ」の成立を経て、さらに観客の裾野を広げていく。ここにおよんでオペラ劇場にはかつてのような「社交場」としての雰囲気は大きく薄れ、一般市民が作品を楽しむ場としての性格が強くなった。そして、ワーグナーが出るに及んで、バイロイトに象徴されるような襟を正して作品鑑賞をする場としての劇場、私語など挟まずに作曲者の作り上げた音響を静かに聞き入れる観客が成立したのであった。

     ある種のスノビズムが漂うオペラ劇場という場に焦点を充てた本書の視点は、オペラ作品を知らなくても18~19世紀のヨーロッパ文化の一端を垣間見ることができる

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    2011年04月24日
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉

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    現代の音楽に関するイデオロギーを読み解き、音楽の聴き方を示した著作。
    現代には音楽に限らず芸術において、感性史上主義的な考え方が流布されているが、それは19世紀に作られたイデオロギーの残骸であると著者は言う。
    著者の批評の射程は、音楽に限らず、芸術と言語に関する極めて現代的な問題を綺麗にえぐり出すもので、その点で非常に素晴らしい。文章も平易で読みやすいし展開も自然。芸術が「わからない」という悩みを持つ人の駆け込み寺として。オススメ。

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    2011年02月17日