岡田暁生のレビュー一覧

  • ごまかさないクラシック音楽(新潮選書)
    面白かった!!!きちんと音楽史として眺めることで、自分の中にある諸々の言語化を突き付けられ、そうですよね、ハイ…となっていました笑

    序章 バッハ以前の一千年はどこに行ったのか
    ポスト・ヒューマン時代には…
    (片山)そうなると、ベートーヴェン的な音楽は「虚偽」に聴こえてくると思うんです。だって、かつ...続きを読む
  • 西洋音楽史 「クラシック」の黄昏
    クラシック音楽が辿ってきた道を、時代背景も含めて俯瞰して見られる名著。文中に登場する数々の曲をYouTube再生しながら読み進めると、格段に理解も深まり最高に面白いのでオススメ。
    大好きなバッハについての言及が少なかったことだけが寂しかったですが、、素晴らしい本に出会えました。
  • ごまかさないクラシック音楽(新潮選書)
    音楽評論家と音楽学者が繰り広げるクラシック音楽の深い話。
    まるで酒を飲み爆笑しながら「あいつはあーだこーだ」と言っているようでとても痛快。

    小説に繋がったり、政治に繋がったり、楽器を演奏したりクラシック音楽が好きで聴いているだけでは知り得ないことが満載。
    ちょっとダークな部分もあるが、時代背景から...続きを読む
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉
    さまざまな音楽批評の事例から,音楽の聴き方および語り方について解剖する本。主張自体は無難なものが多いものの,巻末の読者案内を始め単純に勉強になる内容が多い。
  • クラシック音楽とは何か
    クラシック、特にオケ曲関係の記事が、詳しく、読みやすく、そして、とても面白く書かれている。冒頭から、いかに、一般の方との距離感を自覚できていないかに気付かされる。なんで一つの曲なのに四つも曲(楽章のこと)があるのかとか、作曲者、曲目、演奏者(演奏団体、指揮者、録音年)など、さまざまなパラメータがあっ...続きを読む
  • ごまかさないクラシック音楽(新潮選書)
    以前、のだめを許容しない時代遅れの権威主義者に呆れた覚えがあるが、そんな奴がこの本を読んだら、発狂するかな?
    まぁ、片山先生の名前でもって、猫またぎになるんだろうけどね。
    諸井誠は第九の対抗馬を同じ9番の新世界にしてたけど、第九のアンチはタコ5だ、というのは、判りやすい話ではある。
    シルヴェストリの...続きを読む
  • commmons: schola vol.14 Ryuichi Sakamoto Selections:Traditional Music in Japan

    勉強になる

    坂本龍一によるこのシリーズは 機会があれば何冊か買っているが 本当に勉強になる。今まで縁がなかった音楽への入り口として役立っている。電子版ではCDが付かないが Spotifyのプレイリストやyoutubeで曲を確認しながら内容を理解している。
  • オペラの運命 十九世紀を魅了した「一夜の夢」
    絢爛豪華な劇場に人々が集うオペラ文化。その誕生から終焉までを描いた新書。200ページほどで、とっても読みやすい。作品自体の分析よりは、絶対王政、市民革命、鉄道の発達といった社会経済の変化が作品や興業のあり方に与えた影響に、力点が置かれている。音楽の社会史ということだろう。

    オペラ文化にとってかわっ...続きを読む
  • 西洋音楽史 「クラシック」の黄昏
    分かりやすいだけでなく、文章が巧い。内容もよくまとまっており、地に足の着いた議論が展開されている。ありきたりの解説にもシニカルに歪んだ奇説にもなることなく、中道的ながらフレッシュな論理展開がなされていて好感。軽く要約もして、大いに勉強させて頂いた。再読の価値あり。
  • 音楽の危機 《第九》が歌えなくなった日
    コロナ禍の最中における、またコロナ禍の終息後におけるクラシック音楽のあり方について、今までのクラシック音楽の歴史を踏まえつつ、今後の展望が語られている。それは、ある意味でひどく勇気のあることであると言えよう。後出しジャンケンでは何とでも言えるからだ。その点だけを取ってみても、この小冊が持つ意味はたい...続きを読む
  • よみがえる天才4 アレクサンドロス大王
    数ある英雄伝説の中でも影響力の大きいアレクサンドロス大王。身にまとった伝説がぶ厚すぎるだけに、「研究者の数だけアレクサンドロス像がある」状態。等身大のアレクサンドロスに迫るのは生易しいことではないのだと感じた。その中でも本書は丁寧に研究史を整理し、最新の研究を取り入れてアレクサンドロスの実像に迫る。...続きを読む
  • 西洋音楽史 「クラシック」の黄昏
    作曲された当時と今とでは、聴き手の対象や聴く環境が異なることを、時代背景とともに知ることができました。

    また、現在の音楽史を把握できない理由として、音楽史の主役が作曲家でなく、いわゆる名演と言われる巨匠たちに移っている点に納得させられました。

    取り上げられた音楽を実際に聴きながら、再度読み返した...続きを読む
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉
    音楽は言葉では表現できないと言われることがありますが、そうではないことを本書は示してくれます。

    ”音楽の少なからぬ部分は語ることができる。語らずして音楽はできない” ということを、指揮者の指示、表現の伝え方を通して説明している様は、とても説得力がありました。
    2021,3/11-3/13
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉
    西洋音楽史をベースとしたクラシック音楽の楽しみ方が主題にはなっていますが、特にクラシック音楽にこだわる必要は無く、芸術全般の楽しみ方を学べる良書。

    西洋音楽史に余り興味が無いのでやや退屈な章もありましたが、特に「はじめに」と「第5章」は秀逸!!素晴らしいコンサートや美術館に行った後(もしくは最高に...続きを読む
  • よみがえる天才3 モーツァルト
    モーツァルトという人と音楽を広く知ることのできる一冊です。楽曲について、モーツァルトの生きた時代や、彼の手紙をもとに分析されています。また、著者の考えにも納得させられるものがありました。
    2021,2/27-3/1
  • よみがえる天才4 アレクサンドロス大王
    紀元前300年という事を忘れて、何か物足りなさを感じて読んだが、ふと考えると紀元前300年でよくここまでわかって書けたなというのが正直な感想。歴史のもっと生々しい部分を知りたかったが、よく考えると紀元前300年の時代にそれを求めるのは酷でしょう。父への対抗意識で大帝国を作ったという説は今でも通じる理...続きを読む
  • 音楽の危機 《第九》が歌えなくなった日
    緊急事態宣言下の2020年4~5月という極めて短期間に執筆された新書。コロナ禍での音楽というテーマを通じて、現代文化自体の問い直しが試みられている。コロナ禍での思想を後世に伝えるドキュメントとしても、貴重な作品になるだろう。
  • よみがえる天才1 伊藤若冲
    若冲の創作活動ばかりでなく、青物問屋としての仕事面も記載してあり、若冲の本髄が明確に理解できる好著だ.動物綵絵での鶏の絵は有名だが、モザイク画も素晴らしい.非常に根気のいる作業が必要だが、70歳代でこのような画法を創作するバイタリティーは凄い.著者が若冲の発掘者だが、江戸時代の文化の奥深さは日本の誇...続きを読む
  • 西洋音楽史 「クラシック」の黄昏
    ヨーロッパ音楽史の概要書を求めていたので読んだ。大まかな歴史は理解できた。
    気になった点:ストラヴィンスキーやシェーンベルクが音楽には新しい方法や技術がもう無いという認識、つまり「音楽の終焉」を予感した上で活動していたという指摘。また、哲学者のテオドール・アドルノはポピュラー音楽を「常に新しく見える...続きを読む
  • よみがえる天才2 レオナルド・ダ・ヴィンチ
    レオナルドの一生涯について、彼が生きた時代の流れに触れながら詳細に語られていて読み応えがあった。

    寡作であったから、という点でもそうであるけれど、彼が探究や創作のために捧げ込んだ努力については、わたしたちにとって非常に多く見習うべき部分があるという点で、レオナルドは、美術家の中でも一際その人となり...続きを読む