岡田暁生のレビュー一覧
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冒頭で記載しているように、音楽は一人で楽しむ部分もあるが、語り合うことの喜びということがある。たんに「よかった」などというだけではなく、自分なりの感性でこんな感想を持ったということを、言葉にすることが大切であるとしている。
たしかに、「よかった」という言葉くらいしか出てこないのが通常で、一方でうがったディテールを言っても言葉が上滑りしてしまい、とても共感にはいたらないのが音楽体験の共有化の難しいところだと思う。
この本では、一番大切なのは自分の感性ということを言っている。例えばコンサートを聴きに行っても、「感想は?」と聞かれて言葉が出ないときのほうが多いような気がするけれど。巻末のマニュア -
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オペラって、メロドラマなのよ。
タイトルから想像した、ヒロインについて詳しく掘り下げた本ではなく、オペラって、楽しいものなのよ、大いなるメロドラマ、敷居を高く考えず、楽しんで、って、気持ち満載で、愛があふれているんだけど、ちょっと突き放して、女子的には、自分的には、といった身近なところからおしゃべりするような感覚で、楽しめる書。
オペラからハリウッド映画に至るところが、目からうろこ。
ハリウッド映画って、オーケストラ好きだなぁ、って思ってたけど、そのココロに言及されていて、ナットク。
最後に著者肩書をみて、あれ、京大の先生だったんだ。
京大にもこんなタッチの先生いるのね、って、感心。 -
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平坂書房で購入する。著者は、「西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 」等の著書で著名な京都大学の先生です。再読です。僕にとって、オペラと言えば、「オペラ座の怪人」ではなく、「オペラの怪人」です。オールナイトニッポンの2部での伊集院光さんのキャッチフレーズでした。普通に話せばいいのに、歌にして、意味なく美声を張り上げるキャラクターでした。僕は、このキャラクターが大好きでした。伊集院さんの人気があがってくると、このキャラクターを封印します。当然の選択ですが、残念です。このキャラクターは、オペラに関するイメージです。これは、僕だけのイメージではなく、世間一般のイメージだと思います。この新書によると、20
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●:引用
『3時間でわかる「クラシック音楽」入門』で示された、今自分が実践している聴き方の対極の聴き方?久しぶりに読み応えのある(一読では理解できず、再読が必要な)新書だった。最近は興味のある分野を読んでいても、その内容が心に残る、血となり肉となるような、読書が出来ていない。読んでいるけれども、読んでいない。字面だけを追いかけ、ページを繰っているだけ。何のために読んでいるのか分からなくなる。最近はそんな体調、精神状態なのだろうか。
●ドイツのバイエルン地方を(略)地ビールを飲み歩いたことがある。(略)必ず亭主が「どうだ、うまいか?」と聞いてくる。(略)「おいしい!」と答えるのだが、いつも -
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私自身、「音楽について言葉で説明することは不毛である」と言ってきた。けれど、語ること/語れるよう用意しておくことで、聴く体験自体が深まるという著者の主張に納得してしまった。
この本を読んでしまった後では、「語れない」ということはすなわち勉強不足/思考不足/語彙不足ということ。「音楽は言葉で説明できないよね」などと言おうものなら、足は足りぬが馬脚を表すといったところだ。
語れるようになるには、それ相応に意識した多面的な聴き方、周辺の音楽との文脈を読み解くだけの知識などが必要になる。そして、それを身につけることは、きっと今よりもっと音楽を楽しむということなのだと思う。 -
Posted by ブクログ
『(前略) そして私自身が音楽を聴くときの目安にしているのは何かといえば、それは最終的にただ一つ、「音楽を細切れにすることへのためらいの気持ちが働くか否か」ということである。細切れとはつまり、演奏会の途中で席を外したり、CDなら勝手に中断したりすることだ。何かしら立ち去りがたいような感覚と言えばいいだろうか。音楽という不可逆にして不可分の一つの時間を、音楽とともに最後まで共体験しようという気持ちになれるかどうか。自分にとってそれが意味/意義のある音楽体験であったかどうかを測るサインは、最終的にこれ以外ないと思うのである。』
――p.29より引用